190 / 316
さて準備かな
散歩というよりもただの雑談:emulate
しおりを挟む
あの後、俺たちは早めの夕食を取り、寝入ってしまった。滅茶苦茶疲れてたため、気絶するように寝たのだ。
そのためか、
「……暗い」
「……ね」
テントから出た俺たちの天井は、まだまだ暗く星々が輝いていた。
「っというか、寒い寒い。もう一度、寝よ」
春先の夜風にブルブルと体を震わせ、俺はテントの中に飛び込み、寝袋に潜り込む。目を閉じて眠ろうとする。
が、
「……眠れない」
寝たのが早すぎたせいか、目が醒めてしまった。
どうにか体を震わせたり、寝返りを打ったりするが、やはり寝れず。
すると、もぞもぞと着替えていたライン兄さんが俺の体を揺らす。
「ねぇ、セオ。一緒に散歩しよ」
「………………えぇ」
「どうせ寝れないんでしょ。いいじゃん。流石に一人で歩き回ると怒られそうだしさ」
まぁ怒られるだろうな。まだ、これが街だったら大丈夫だが、ここはバラサリア山脈。ここ周辺はアラン達が魔物を追い払い、結界を張っているから安全だが、一歩出れば危険地帯だ。
つまるところ、
「一緒に怒られろと?」
「……まぁ、うん」
苦笑いするライン兄さん。
なんか、そういうことがあるよな、ライン兄さんって。末っ子気質というか、なんというか。
まぁ、いいけど。
寝れなかったし、うん。
俺は芋虫の如くモゾモゾとしながら寝袋から出る。スパパパと着替える。それは目にも止まらぬ速さだ。
けれど、すれでも外気に触れるので寒い。鳥肌が立った。
……一瞬で着替えできる魔術か魔道具でも作るか?
そういえば、一度、そういうのを見たことがある気がする……いや、前世の記憶か。魔法少女だってライダーだって戦隊だって一瞬で着替えてたしな。
あれを再現できたらいいか。研究するか。
ローブを羽織り、寒いのでフードを被りマフラーを首に巻く。
「できたよ」
「じゃあ、行こうか」
テントの外に出る。
全てが澄んでいた。
夜風に流れる空気は柔らかく、それでいて冷たい。聞こえるのは静寂に響く沢の音と、遠くから響く獣の声。
薄暗いそこは、けれど幾星霜も輝く無限の星々によって美しく飾られる。
まぁ、それでも足元は暗く危ないので、
「〝光球〟」
「ありがと、セオ」
「うん」
球体上の魔力を発光させる無属性魔法、〝光球〟で辺りを明るくする。それでも淡い光のため、天に輝く星々が霞むことはない。
「それでどこを周るの?」
「そうだね……流石に結界外に出るのは駄目だろうし……」
「まぁ、そうだね。ある程度の事には対応できるけど、それでも絶対に安全を確保できないし」
「そうだよね」
よかった、よかった。流石に外に出るなんて言わなくて――
「でも、出ちゃおっか」
「うぇっ?」
フラグか。フラグを立てたのがいけなかったのかっ?
「い、いや、ライン兄さん。本当に危ないし、駄目だって」
「大丈夫だよ。セオだって分身体で外歩いてるんでしょ?」
「いや、それはごり押しで、無理。俺たちじゃ、死んじゃうからっ」
語気を強くして言えば、ライン兄さんは少し思案顔になる。
「……じゃあ、ここの沢周辺だけ。ね?」
「……まぁ、それなら。結界外でもそこまで危ない魔物もいないはずだし……」
俺はそう頷き、歩き始める。
……あれ? なんか、口車に乗せられたような……最初からこれが目的だったのでは?
ま、まぁ、いいか。万が一のために分身体をキャンプ地に一体。それ以外の六体を先行させよう。
うん。大丈夫だろ。
自分を納得させる。
たぶん、というか絶対マズったと思うが、仕方ない。こういうのは気持ちだ。たまには馬鹿な判断をしてもいいだろう。
……たまには?
「セオ、どうかしたの?」
「いや、何でもない。……それより、気になってたんだけどライン兄さんって結局俺と一緒に王都に行くの?」
お茶会に出るのは知っているが、それって王都のお茶会なのだろうか。それともどっかの貴族領で行うお茶会なのだろうか?
意外とそこらへんがハッキリしていなかった気がするんだよな……
「……帰りは一緒らしい」
「結局、王都には行くことになったんだね」
「うん。父さんはズルいよ。僕も王都のじゃないと思ったから頷いたのにさ。けれど一言も開催場所は王都じゃないって言ってなかったんだよね。……はぁ」
「ああ、そういえば流れ的にそんな感じだったけど、明言はしてなかった。でも、お茶会、しかも研究職の子息子女と会うんでしょ? ライン兄さん的には楽しみじゃないの?」
そりゃあ、面倒な貴族を相手にするのは嫌だろうけど、少しでも興味のある分野に関わっている貴族の子息子女。
そこまで嫌がる事でもないと思うのだが……
「いい、セオ。王都は魔境なの。予定にもなかったお茶会やパーティーに勝手に参加させられるなんてザラなの。前回、僕がどれだけ頑張って王立図書館に引きこもってそれを防いでいたか……」
「そういうもんなの?」
「そうだよ。なんせ、一週間ちょっと。生誕祭はエレガント王国の多くの貴族が王都に集まるんだよ。しかも、僕たちと同じような引きこもりの地方貴族も。交友を広げたい人がたくさんいるんだよ」
……うん?
「生誕祭って、五歳になる貴族の子息子女を祝う祭でしょ? そう、全ての貴族が毎年毎年子供を作っているわけでもないんだし、そんなに集まる?」
「集まるよ。五歳になるって言っても、年の近いとかで、大体十歳になるまで毎年行く場合も多いんだから」
「主役は五歳児だけど、それ以外もたくさん?」
「そういうこと。あと、地方貴族は地方貴族で結束力を強めるとかで、結構パーティーを開くんだよ。僕の時はフェーダー伯爵だったね」
ああ、その名前なら最近聞いた。
「運河のでしょ?」
「そうそう。あ、そういえば、フェーダー伯爵からドルック商会経由でセオに手紙が来てたけど……」
「……ええっと、文通相手のお手伝いかな? まぁ、ちょっとした魔道具の設計を書くだけだし、基本的にクラリスさんがやってくれるから俺はそこまで関わらないんだけど」
そういうと、ライン兄さんは物凄い微妙な表情をする。
「僕まで巻き込まないでよ。あと、絶対にセオがツクルだってバレたりしないでよ。フェーダー伯爵って東の河川舟運を仕切ってるから、国まで話は行くだろうし」
「……大丈夫だって」
「セオは顔に出やすいからさ。その大丈夫が全然信用できない」
……確かに。けっこうポカやらかす自覚があるしな……
俺もライン兄さんみたいにどこかに引きこもるか。
「王立図書館っていい場所?」
「……まぁ、それは、本当に良い場所だよ。政に興味がない人が来ることのほうが多いし。メリンダさん、ああ、司書の人なんだけど、とても良い人だし、とても落ち着いてる。あと、古今東西あらゆる書物が集まっているんじゃないかって思うほどの本があるし、王立研究所の人たちが書いた論文も保管してるから、お金を払えば見せてもらえるし」
饒舌だな……
よほど良い場所なのだろう。
にしても論文か。魔道具関連の論文がどれほどのものなのか知らないからな。
クラリスさんに今の常識がどうなのかを尋ねているが、それもクラリスさんだしな……
あまり当てにはならない。
書きたい事はいっぱいあるのだが、論文の形式も分かっていないし、既にどんな論文があるのかも分かっていないから、書こうにも書けないんだよな。まぁ、ドルック商会で発行している月刊誌ペディスコーンマでは、いろいろと書いたりしてるが、あれはおまけみたいなもんだしな。
クラリスさんに監査してもらっているし……
というか、前世はそうだったけど、論文って形式をキチンと守るのが重要だったからな。その癖もあって、キチンと調べておいた方がいいのは確かだ。
確かめたいな。
「どれくらいお金が掛かるの?」
「原本は大金貨レベル。まぁ、無理だね。それで正本はピンからキリで、安いやつだと小銀貨十枚程度。高いやつだと、小金貨十枚を超えるかな」
つまり、一万円から一千万円前後か。
……知識が貴重なこの世界では適正レベルか。書き上げるのにそれなりの研究費がかかるだろうし、管理するのも一苦労だ。
それに王立図書館に置いてあるということは、それなり認められている論文なのだろう。権威がある。
妥当か。
「それで抄本だね。これは高くても小金貨くらい。ただ、読めばわかるけど、本当に最低限しか書いていないし、書き方も玉石混交だよ。聞いた話だと、学生のアルバイトの一つらしい。あと、写本するのは駄目らしい」
「……なるほどね。正本を読むのが妥当かな」
「うん。ああ、そうか。今は、お金あるし、前に諦めたのも読めるのか。どうしよ、セオと一緒に行こうかな? 僕がいることは伏せてもらって。ちょうど、変装の技術だってソフィアに――」
ラン兄さんが頭を抱える。ジレンマに陥っているのだろう。
と、
「ボクが何だって?」
「あ」
「ソフィア、いつの間に」
ソフィアがいつの間にか目の前にいた。
辺りを見渡すと、疾うに結界外に出ていて、沢もかなり上まで昇っていたらしい。全くもって気が付かなかった。
「二人とも、何かいうことはある?」
「散歩してました。故意です」
「謝るけど、反省はできません」
結局こういうしかない。だって、怒られるの覚悟で歩いていたんだし。
その割には周りの景色とかたのしむこともなく、ただただ話し込んでいただけだけど。
ソフィアは満面の笑みで頷く。
「街に帰ったら、嫌というほど地獄を味合わせるから」
「い、痛いっ!」
「ちょ、ソフィアっ!」
俺たちは耳を引っ張られ、ソフィアにキャンプ地に連れ戻されたのだった。
そのためか、
「……暗い」
「……ね」
テントから出た俺たちの天井は、まだまだ暗く星々が輝いていた。
「っというか、寒い寒い。もう一度、寝よ」
春先の夜風にブルブルと体を震わせ、俺はテントの中に飛び込み、寝袋に潜り込む。目を閉じて眠ろうとする。
が、
「……眠れない」
寝たのが早すぎたせいか、目が醒めてしまった。
どうにか体を震わせたり、寝返りを打ったりするが、やはり寝れず。
すると、もぞもぞと着替えていたライン兄さんが俺の体を揺らす。
「ねぇ、セオ。一緒に散歩しよ」
「………………えぇ」
「どうせ寝れないんでしょ。いいじゃん。流石に一人で歩き回ると怒られそうだしさ」
まぁ怒られるだろうな。まだ、これが街だったら大丈夫だが、ここはバラサリア山脈。ここ周辺はアラン達が魔物を追い払い、結界を張っているから安全だが、一歩出れば危険地帯だ。
つまるところ、
「一緒に怒られろと?」
「……まぁ、うん」
苦笑いするライン兄さん。
なんか、そういうことがあるよな、ライン兄さんって。末っ子気質というか、なんというか。
まぁ、いいけど。
寝れなかったし、うん。
俺は芋虫の如くモゾモゾとしながら寝袋から出る。スパパパと着替える。それは目にも止まらぬ速さだ。
けれど、すれでも外気に触れるので寒い。鳥肌が立った。
……一瞬で着替えできる魔術か魔道具でも作るか?
そういえば、一度、そういうのを見たことがある気がする……いや、前世の記憶か。魔法少女だってライダーだって戦隊だって一瞬で着替えてたしな。
あれを再現できたらいいか。研究するか。
ローブを羽織り、寒いのでフードを被りマフラーを首に巻く。
「できたよ」
「じゃあ、行こうか」
テントの外に出る。
全てが澄んでいた。
夜風に流れる空気は柔らかく、それでいて冷たい。聞こえるのは静寂に響く沢の音と、遠くから響く獣の声。
薄暗いそこは、けれど幾星霜も輝く無限の星々によって美しく飾られる。
まぁ、それでも足元は暗く危ないので、
「〝光球〟」
「ありがと、セオ」
「うん」
球体上の魔力を発光させる無属性魔法、〝光球〟で辺りを明るくする。それでも淡い光のため、天に輝く星々が霞むことはない。
「それでどこを周るの?」
「そうだね……流石に結界外に出るのは駄目だろうし……」
「まぁ、そうだね。ある程度の事には対応できるけど、それでも絶対に安全を確保できないし」
「そうだよね」
よかった、よかった。流石に外に出るなんて言わなくて――
「でも、出ちゃおっか」
「うぇっ?」
フラグか。フラグを立てたのがいけなかったのかっ?
「い、いや、ライン兄さん。本当に危ないし、駄目だって」
「大丈夫だよ。セオだって分身体で外歩いてるんでしょ?」
「いや、それはごり押しで、無理。俺たちじゃ、死んじゃうからっ」
語気を強くして言えば、ライン兄さんは少し思案顔になる。
「……じゃあ、ここの沢周辺だけ。ね?」
「……まぁ、それなら。結界外でもそこまで危ない魔物もいないはずだし……」
俺はそう頷き、歩き始める。
……あれ? なんか、口車に乗せられたような……最初からこれが目的だったのでは?
ま、まぁ、いいか。万が一のために分身体をキャンプ地に一体。それ以外の六体を先行させよう。
うん。大丈夫だろ。
自分を納得させる。
たぶん、というか絶対マズったと思うが、仕方ない。こういうのは気持ちだ。たまには馬鹿な判断をしてもいいだろう。
……たまには?
「セオ、どうかしたの?」
「いや、何でもない。……それより、気になってたんだけどライン兄さんって結局俺と一緒に王都に行くの?」
お茶会に出るのは知っているが、それって王都のお茶会なのだろうか。それともどっかの貴族領で行うお茶会なのだろうか?
意外とそこらへんがハッキリしていなかった気がするんだよな……
「……帰りは一緒らしい」
「結局、王都には行くことになったんだね」
「うん。父さんはズルいよ。僕も王都のじゃないと思ったから頷いたのにさ。けれど一言も開催場所は王都じゃないって言ってなかったんだよね。……はぁ」
「ああ、そういえば流れ的にそんな感じだったけど、明言はしてなかった。でも、お茶会、しかも研究職の子息子女と会うんでしょ? ライン兄さん的には楽しみじゃないの?」
そりゃあ、面倒な貴族を相手にするのは嫌だろうけど、少しでも興味のある分野に関わっている貴族の子息子女。
そこまで嫌がる事でもないと思うのだが……
「いい、セオ。王都は魔境なの。予定にもなかったお茶会やパーティーに勝手に参加させられるなんてザラなの。前回、僕がどれだけ頑張って王立図書館に引きこもってそれを防いでいたか……」
「そういうもんなの?」
「そうだよ。なんせ、一週間ちょっと。生誕祭はエレガント王国の多くの貴族が王都に集まるんだよ。しかも、僕たちと同じような引きこもりの地方貴族も。交友を広げたい人がたくさんいるんだよ」
……うん?
「生誕祭って、五歳になる貴族の子息子女を祝う祭でしょ? そう、全ての貴族が毎年毎年子供を作っているわけでもないんだし、そんなに集まる?」
「集まるよ。五歳になるって言っても、年の近いとかで、大体十歳になるまで毎年行く場合も多いんだから」
「主役は五歳児だけど、それ以外もたくさん?」
「そういうこと。あと、地方貴族は地方貴族で結束力を強めるとかで、結構パーティーを開くんだよ。僕の時はフェーダー伯爵だったね」
ああ、その名前なら最近聞いた。
「運河のでしょ?」
「そうそう。あ、そういえば、フェーダー伯爵からドルック商会経由でセオに手紙が来てたけど……」
「……ええっと、文通相手のお手伝いかな? まぁ、ちょっとした魔道具の設計を書くだけだし、基本的にクラリスさんがやってくれるから俺はそこまで関わらないんだけど」
そういうと、ライン兄さんは物凄い微妙な表情をする。
「僕まで巻き込まないでよ。あと、絶対にセオがツクルだってバレたりしないでよ。フェーダー伯爵って東の河川舟運を仕切ってるから、国まで話は行くだろうし」
「……大丈夫だって」
「セオは顔に出やすいからさ。その大丈夫が全然信用できない」
……確かに。けっこうポカやらかす自覚があるしな……
俺もライン兄さんみたいにどこかに引きこもるか。
「王立図書館っていい場所?」
「……まぁ、それは、本当に良い場所だよ。政に興味がない人が来ることのほうが多いし。メリンダさん、ああ、司書の人なんだけど、とても良い人だし、とても落ち着いてる。あと、古今東西あらゆる書物が集まっているんじゃないかって思うほどの本があるし、王立研究所の人たちが書いた論文も保管してるから、お金を払えば見せてもらえるし」
饒舌だな……
よほど良い場所なのだろう。
にしても論文か。魔道具関連の論文がどれほどのものなのか知らないからな。
クラリスさんに今の常識がどうなのかを尋ねているが、それもクラリスさんだしな……
あまり当てにはならない。
書きたい事はいっぱいあるのだが、論文の形式も分かっていないし、既にどんな論文があるのかも分かっていないから、書こうにも書けないんだよな。まぁ、ドルック商会で発行している月刊誌ペディスコーンマでは、いろいろと書いたりしてるが、あれはおまけみたいなもんだしな。
クラリスさんに監査してもらっているし……
というか、前世はそうだったけど、論文って形式をキチンと守るのが重要だったからな。その癖もあって、キチンと調べておいた方がいいのは確かだ。
確かめたいな。
「どれくらいお金が掛かるの?」
「原本は大金貨レベル。まぁ、無理だね。それで正本はピンからキリで、安いやつだと小銀貨十枚程度。高いやつだと、小金貨十枚を超えるかな」
つまり、一万円から一千万円前後か。
……知識が貴重なこの世界では適正レベルか。書き上げるのにそれなりの研究費がかかるだろうし、管理するのも一苦労だ。
それに王立図書館に置いてあるということは、それなり認められている論文なのだろう。権威がある。
妥当か。
「それで抄本だね。これは高くても小金貨くらい。ただ、読めばわかるけど、本当に最低限しか書いていないし、書き方も玉石混交だよ。聞いた話だと、学生のアルバイトの一つらしい。あと、写本するのは駄目らしい」
「……なるほどね。正本を読むのが妥当かな」
「うん。ああ、そうか。今は、お金あるし、前に諦めたのも読めるのか。どうしよ、セオと一緒に行こうかな? 僕がいることは伏せてもらって。ちょうど、変装の技術だってソフィアに――」
ラン兄さんが頭を抱える。ジレンマに陥っているのだろう。
と、
「ボクが何だって?」
「あ」
「ソフィア、いつの間に」
ソフィアがいつの間にか目の前にいた。
辺りを見渡すと、疾うに結界外に出ていて、沢もかなり上まで昇っていたらしい。全くもって気が付かなかった。
「二人とも、何かいうことはある?」
「散歩してました。故意です」
「謝るけど、反省はできません」
結局こういうしかない。だって、怒られるの覚悟で歩いていたんだし。
その割には周りの景色とかたのしむこともなく、ただただ話し込んでいただけだけど。
ソフィアは満面の笑みで頷く。
「街に帰ったら、嫌というほど地獄を味合わせるから」
「い、痛いっ!」
「ちょ、ソフィアっ!」
俺たちは耳を引っ張られ、ソフィアにキャンプ地に連れ戻されたのだった。
23
読んでくださりありがとうございます!!少しでも面白いと思われたら、お気に入り登録や感想をよろしくお願いします!!また、エールで動画を見てくださると投稿継続につながりますのでよろしくお願いします。
お気に入りに追加
951
あなたにおすすめの小説

異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました
おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。
※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。
※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・)
更新はめっちゃ不定期です。
※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。
亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。
さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。
南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。
ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる