20 / 316
一年
翌朝:this spring
しおりを挟む
「おはよう!」
俺はダイニングルームのテーブルに座っている家族に挨拶をした。澄み切った朝に相応しく、我ながら爽やかな挨拶ができたのではないだろうか。
が、しかし。
「「「「……」」」」
返事は無かった。
はぁ。まったく。久しぶりに早起きして、気持ちよく挨拶をしたというのに。
酷いではないか。と言うか、本当に無反応で怖い。
ん? 驚き? 何か、家族全員が驚きが混じった表情で呆然としていた。驚愕。
えー。何で驚かれているんだろう?
と、そんな疑問に対して思考しようとした時、やっと一人が口を開いた。
「ねぇ、セオ。熱はない? 風邪は? 大丈夫?」
アテナ母さんだ。
アテナ母さんは俺に話しかけながら、上品なデザインがさりげなく施されたシンプルな茶色の椅子から立ち、俺の方へ近寄ってくる。そして俺の額に手を当てる。
白く細い手が妙にこそばゆく、思わず顔を捩ってしまう。
「熱はなさそうね……」
アテナ母さんはそんな俺を気にする様子もなく、今度は頭にガラス細工のような繊細な手を置く。
「〝病気鑑定”」
そして魔法を紡いだ。
「あれ、おかしいわね?」
何かがおかしかったのか困惑した様子のアテナ母さん。
何がおかしいのだろう?
「病気にもかかってない」
それはそうだろう。あったら“研究室”が教えてくれる筈だし、そもそも“健康”のおかげで病気には全くかからないのだ。
にしても、何故我が母は病気にかかっていない事に対して困惑するのだろうか。病気にかかっている事が当たり前な対応をして、酷い。
「アテナ。それは本当かい? ……、それ以外だと呪いか? でも、呪いなんて分かりやすいものを僕たちが見逃すわけはないし……」
ロイス父さんまでおかしな事を言い出した。
これには流石に温厚な俺でも怒りと不満を持つ。
「ねぇ! 酷くない!? 珍しく早起きしたのに、何なのその対応!」
声を張り上げる。内心ではそんなに怒ってはないが、大げさに怒りを表す。
「ごめんなさい、セオ」
「すなまい、セオ」
そんな俺の様子に流石にバツが悪くなったのか素直に謝るアテナ母さんとロイス父さん。
「わかればよろしい」
俺は満足そうに頷く。と、その瞬間――
バシュッン。
頭を叩かれた。
「痛てて。何だよもう」
とても痛い。強く叩かれてないのに、ツボに入ったのかとても痛い。
「何だよもう、じゃないわよ。アンタの普段の行動が悪いから父さん達が驚いたんでしょ。セオ、アンタのせいじゃない。なのに偉そうに威張って」
頭上から呆れを多分に含まれた声が降ってきた。
「……ユリシア姉さん」
そしてその声の主は我が姉、ユリシアだった。
吸い込まれそうなほどの蒼き瞳でキッと俺を睨み付けている。ユリシア姉さんの感情に呼応するように天色のポニーテールがぶわりぶわりと揺らめいている。
「と、言うかどういう吹き回しなの? こんなに早起きして。いつもならどんな手を使ってでも寝ている時間じゃない。何で、急に?」
ユリシア姉さんは見下すように追及してくる。もしかして、昨夜の腹いせか?
まぁ、ずいぶんとからかったしな。
ぷっ。
やばい。思い出したらまた笑えてきた。
フフ。笑いが堪えられない。
バシン。
また、頭を叩かれた。痛い。つうか、誰だよ。ユリシア姉さんに頭のツボを教えたの。めっちゃ痛いんだけど。
「ねぇ、セオ? 今、アタシを馬鹿にしたでしょ?」
「何を根拠にそんな事を!?」
俺のその言葉を聞いてユリシア姉さんは、呆れたように俺の顔を指さした。
「アンタのそのニヤニヤした顔よ」
あっ。やべぇ。昨日、ライン兄さんが教えてくれた事をすっかり忘れてた。視界の端に移るライン兄さんが、呆れたように額に手を当てて首を振っている。
だが、まだ間に合う!
“研究室”、発動。
スン。
「ねぇ、ユリシア姉さん。どこがニヤニヤした顔なの? 至って真面目な顔だと思うんだけどな」
括目せよ。我が無表情を。このとても自然で普通な顔を!
「そんなんでアタシを誤魔化せるとでも? どうせ能力《スキル》か何かを使ったんでしょうけどね、アタシの能力でアンタの内心なんかバレバレなのよ!」
え? 能力? ユリシア姉さんがそんな都合の良い能力を持ってたっけ?
んーー。
あっ!
「もしかして“勇者”!?」
俺が驚きながら言うと、ユリシア姉さんは誇らしげにふふんと鼻を鳴らした。
「そうよ! セオが散々アタシをおちょくってくれたおかげでね、派生したのよ!」
おいおいマジかよ!
その言葉に俺は驚愕する。それはここ最近で一番の驚愕だろう。
ん? っていう事はだよ、昨夜のあの舐めプが原因か!? ああ! マジかよ!
俺の内心を気にすることなく、ユリシア姉さんはビシッと俺を指した。
「そんな事よりセオ。さっきの質問に答えさなよ! 何でアンタがこんなに早起きしているのよ!?」
はぁ、この様子だと答えないと駄目かな。
けれど、
「それは……」
流石にその内容は言えないのだ。今はまだ、言ってはいけないのだ。特にユリシア姉さんとエドガー兄さんには言ってはならない。
そんな理由で俺が言い淀んでいると、アテナ母さんから声がかかった。
「ユリシア、もう朝稽古に行くわよ。セオと喧嘩してないで、早く軽食を食べて、稽古場に来なさい。もうロイスとエドガーは行ったわよ」
「あっ、待って!」
その言葉を聞いた瞬間ユリシア姉さんは飛び跳ねるようにダイニングテーブルに座り、ユリシア姉さんの前にあった白いスープとパンを飛びつくように食べた。
ガツガツと音を立てて食べ始めたのだ。
ただ、その様子を不愉快に思った人物がいる。
「ユリシア! 音を立てて食べない! 急いでいても上品に食べなさい!」
淑女たるアテナ母さんである。
流石に、ユリシア姉さんの山賊の如き食べ方が目に余ったんだろう。
そんなユリシア姉さんはアテナ母さんに釘を刺された瞬間、大人しく食事をし始めた。
毎日のようにアテナ母さんとマリーに礼儀作法などをみっちりと仕込まれているから、やればできる子なのである。ユリシア姉さんは。
ユリシア姉さんが食事の態度を改めた事に納得したのか、アテナ母さんは頷き、そして俺の方を見た。
「セオ、あなたが早起きした理由は分からないけど、この時間に起きたってことは朝稽古、見学するんでしょ?」
頬に手を当てながら、アテナ母さんが聞いてきた。
「うん。今日はそのために早起きしたんだから」
まぁ、これくらいなら喋っても大丈夫だろう。
俺がそんな事を思いながら返事をすると、アテナ母さんは溜息を吐いた。
「まぁ、いいわ。……、ああ、軽食は食べる?」
「いや、いい。俺は運動しないし」
「そう。なら、私と一緒に稽古場に行きましょうか。ユリシアはまだ、時間がかかりそうだし」
アテナ母さんはチラリとユリシア姉さんの方を見ながら言った。
まぁ、今のユリシア姉さんと一緒に行ってもアレだしな。
「わかった。ちょっと待ってて。羽織るものを取ってくる」
「わかったわ。じゃあ、玄関で待っているわよ」
「はーい」
俺は自分の部屋に上着を取るために走りながら返事をした。
この時間帯はめっちゃ寒いのだ。それは凍えるほどに。だってまだ、お日様が登ってないからな。
俺はダイニングルームのテーブルに座っている家族に挨拶をした。澄み切った朝に相応しく、我ながら爽やかな挨拶ができたのではないだろうか。
が、しかし。
「「「「……」」」」
返事は無かった。
はぁ。まったく。久しぶりに早起きして、気持ちよく挨拶をしたというのに。
酷いではないか。と言うか、本当に無反応で怖い。
ん? 驚き? 何か、家族全員が驚きが混じった表情で呆然としていた。驚愕。
えー。何で驚かれているんだろう?
と、そんな疑問に対して思考しようとした時、やっと一人が口を開いた。
「ねぇ、セオ。熱はない? 風邪は? 大丈夫?」
アテナ母さんだ。
アテナ母さんは俺に話しかけながら、上品なデザインがさりげなく施されたシンプルな茶色の椅子から立ち、俺の方へ近寄ってくる。そして俺の額に手を当てる。
白く細い手が妙にこそばゆく、思わず顔を捩ってしまう。
「熱はなさそうね……」
アテナ母さんはそんな俺を気にする様子もなく、今度は頭にガラス細工のような繊細な手を置く。
「〝病気鑑定”」
そして魔法を紡いだ。
「あれ、おかしいわね?」
何かがおかしかったのか困惑した様子のアテナ母さん。
何がおかしいのだろう?
「病気にもかかってない」
それはそうだろう。あったら“研究室”が教えてくれる筈だし、そもそも“健康”のおかげで病気には全くかからないのだ。
にしても、何故我が母は病気にかかっていない事に対して困惑するのだろうか。病気にかかっている事が当たり前な対応をして、酷い。
「アテナ。それは本当かい? ……、それ以外だと呪いか? でも、呪いなんて分かりやすいものを僕たちが見逃すわけはないし……」
ロイス父さんまでおかしな事を言い出した。
これには流石に温厚な俺でも怒りと不満を持つ。
「ねぇ! 酷くない!? 珍しく早起きしたのに、何なのその対応!」
声を張り上げる。内心ではそんなに怒ってはないが、大げさに怒りを表す。
「ごめんなさい、セオ」
「すなまい、セオ」
そんな俺の様子に流石にバツが悪くなったのか素直に謝るアテナ母さんとロイス父さん。
「わかればよろしい」
俺は満足そうに頷く。と、その瞬間――
バシュッン。
頭を叩かれた。
「痛てて。何だよもう」
とても痛い。強く叩かれてないのに、ツボに入ったのかとても痛い。
「何だよもう、じゃないわよ。アンタの普段の行動が悪いから父さん達が驚いたんでしょ。セオ、アンタのせいじゃない。なのに偉そうに威張って」
頭上から呆れを多分に含まれた声が降ってきた。
「……ユリシア姉さん」
そしてその声の主は我が姉、ユリシアだった。
吸い込まれそうなほどの蒼き瞳でキッと俺を睨み付けている。ユリシア姉さんの感情に呼応するように天色のポニーテールがぶわりぶわりと揺らめいている。
「と、言うかどういう吹き回しなの? こんなに早起きして。いつもならどんな手を使ってでも寝ている時間じゃない。何で、急に?」
ユリシア姉さんは見下すように追及してくる。もしかして、昨夜の腹いせか?
まぁ、ずいぶんとからかったしな。
ぷっ。
やばい。思い出したらまた笑えてきた。
フフ。笑いが堪えられない。
バシン。
また、頭を叩かれた。痛い。つうか、誰だよ。ユリシア姉さんに頭のツボを教えたの。めっちゃ痛いんだけど。
「ねぇ、セオ? 今、アタシを馬鹿にしたでしょ?」
「何を根拠にそんな事を!?」
俺のその言葉を聞いてユリシア姉さんは、呆れたように俺の顔を指さした。
「アンタのそのニヤニヤした顔よ」
あっ。やべぇ。昨日、ライン兄さんが教えてくれた事をすっかり忘れてた。視界の端に移るライン兄さんが、呆れたように額に手を当てて首を振っている。
だが、まだ間に合う!
“研究室”、発動。
スン。
「ねぇ、ユリシア姉さん。どこがニヤニヤした顔なの? 至って真面目な顔だと思うんだけどな」
括目せよ。我が無表情を。このとても自然で普通な顔を!
「そんなんでアタシを誤魔化せるとでも? どうせ能力《スキル》か何かを使ったんでしょうけどね、アタシの能力でアンタの内心なんかバレバレなのよ!」
え? 能力? ユリシア姉さんがそんな都合の良い能力を持ってたっけ?
んーー。
あっ!
「もしかして“勇者”!?」
俺が驚きながら言うと、ユリシア姉さんは誇らしげにふふんと鼻を鳴らした。
「そうよ! セオが散々アタシをおちょくってくれたおかげでね、派生したのよ!」
おいおいマジかよ!
その言葉に俺は驚愕する。それはここ最近で一番の驚愕だろう。
ん? っていう事はだよ、昨夜のあの舐めプが原因か!? ああ! マジかよ!
俺の内心を気にすることなく、ユリシア姉さんはビシッと俺を指した。
「そんな事よりセオ。さっきの質問に答えさなよ! 何でアンタがこんなに早起きしているのよ!?」
はぁ、この様子だと答えないと駄目かな。
けれど、
「それは……」
流石にその内容は言えないのだ。今はまだ、言ってはいけないのだ。特にユリシア姉さんとエドガー兄さんには言ってはならない。
そんな理由で俺が言い淀んでいると、アテナ母さんから声がかかった。
「ユリシア、もう朝稽古に行くわよ。セオと喧嘩してないで、早く軽食を食べて、稽古場に来なさい。もうロイスとエドガーは行ったわよ」
「あっ、待って!」
その言葉を聞いた瞬間ユリシア姉さんは飛び跳ねるようにダイニングテーブルに座り、ユリシア姉さんの前にあった白いスープとパンを飛びつくように食べた。
ガツガツと音を立てて食べ始めたのだ。
ただ、その様子を不愉快に思った人物がいる。
「ユリシア! 音を立てて食べない! 急いでいても上品に食べなさい!」
淑女たるアテナ母さんである。
流石に、ユリシア姉さんの山賊の如き食べ方が目に余ったんだろう。
そんなユリシア姉さんはアテナ母さんに釘を刺された瞬間、大人しく食事をし始めた。
毎日のようにアテナ母さんとマリーに礼儀作法などをみっちりと仕込まれているから、やればできる子なのである。ユリシア姉さんは。
ユリシア姉さんが食事の態度を改めた事に納得したのか、アテナ母さんは頷き、そして俺の方を見た。
「セオ、あなたが早起きした理由は分からないけど、この時間に起きたってことは朝稽古、見学するんでしょ?」
頬に手を当てながら、アテナ母さんが聞いてきた。
「うん。今日はそのために早起きしたんだから」
まぁ、これくらいなら喋っても大丈夫だろう。
俺がそんな事を思いながら返事をすると、アテナ母さんは溜息を吐いた。
「まぁ、いいわ。……、ああ、軽食は食べる?」
「いや、いい。俺は運動しないし」
「そう。なら、私と一緒に稽古場に行きましょうか。ユリシアはまだ、時間がかかりそうだし」
アテナ母さんはチラリとユリシア姉さんの方を見ながら言った。
まぁ、今のユリシア姉さんと一緒に行ってもアレだしな。
「わかった。ちょっと待ってて。羽織るものを取ってくる」
「わかったわ。じゃあ、玄関で待っているわよ」
「はーい」
俺は自分の部屋に上着を取るために走りながら返事をした。
この時間帯はめっちゃ寒いのだ。それは凍えるほどに。だってまだ、お日様が登ってないからな。
104
読んでくださりありがとうございます!!少しでも面白いと思われたら、お気に入り登録や感想をよろしくお願いします!!また、エールで動画を見てくださると投稿継続につながりますのでよろしくお願いします。
お気に入りに追加
951
あなたにおすすめの小説

異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました
おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。
※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。
※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・)
更新はめっちゃ不定期です。
※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる