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第二部 二章:独りはあっても孤独はない
六話 “宝石銃弾”と“森顎”
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まず、一つ目の基本魔法は〝物体を射出する魔法〟だ。
この魔法は物体に噴射点を創り出し、指向性を指定して物体を射出させる魔法である。指向性の精密性は魔力操作技術による。
この魔法を“宝石銃弾”に組み込み、トリガー代わりのギミックを発動させた瞬間に解放され、“宝石銃弾”の底に噴射点ができ、射出されるという寸法である。 射出時間は一瞬ではなく、六十メートルくらい持続するようにしてある。
通常の弾丸の様に爆発による指向性を作ることはぶっちゃけ分からなかったので、手軽な方法で代替した。
ただ、この魔法は込める魔力量と魔力圧縮によって決まる。
つまり、噴出される風の量と密度の問題である。
そして、“宝石銃弾”をライゼが作っても、問題なく充足して性能を発揮する必要があると考えている。
しかし、ライゼが作る“宝石銃弾”の初期の射出スピードは、ある一定速度を越えない。どれだけ密度を増やしても、量を増やせないから限界があるのだ。
そしてそのため、ライゼの作る“宝石銃弾”の初期の弾速では、上位の魔物の物理耐性を突破できるとは考えにくい。
だから、〝加速させる魔法〟という基本魔法が“宝石銃弾”に封印されている。
〝加速させる魔法〟とは、加速している物体の加速度を増加させる魔法だ。増加量は魔力量と、そして元の加速度の積――単純な積ではないが――で決まる。
つまり、加速していない物体を〝加速させる魔法〟で加速させる事はできないのだ。ゼロにいくら数字をかけてもゼロである。
そして、その魔法は弾丸だけでなく、銃身にも組み込んである。これは“森顎”も“森彩”も同様である。
一応、共に銃身に組み込んである〝加速させる魔法〟と、“宝石銃弾”に封印してある〝加速させる魔法〟によって、弾丸が銃口から飛び出す時には、上位の魔物を傷つけられるくらいのスピードと威力を兼ね備えるようにしてある。
また、弾丸に封印してある〝加速させる魔法〟は、解放したとしても持続時間が長く、“森顎”専用の“宝石銃弾”は六十メートルくらい〝加速させる魔法〟が発動する様にしてある。
〝物体を射出する魔法〟と同様だ。
三つめは〝回転させる魔法〟だ。
この魔法は〝加速させる魔法〟とは違い、無の状態から回転させる事ができる。また〝加速させる魔法〟と同様に回転度を上げる事もできる。
“森顎”で使う“宝石銃弾”は前者の効果を組み込んである。“森彩”のは後者の効果を組み込んである。
これは“森顎”の構造上、銃身内で加える回転量が少ないからだ。
また、〝回転させる魔法〟の発動時間は〝物体を射出する魔法〟と同等だ。つまり、〝加速させる魔法〟と同じだ。
四つ目は〝貫通する魔法〟だ。
弾丸の先に組み込まれているが、これはおまけみたいな物だ。貫通力を上げた方がいいよなという安易な考えによって組み込まれているため、効果はそこまで高くない。ライゼの魔力量では〝貫通する魔法〟を使っても大した貫通力はだせない。 本当におまけなのだ。
なのでもしかしたら、今後は違う魔法に変えるかもしれない。
と、まぁ、“宝石銃弾”にはこの四つの基本魔法が同時封印されている。
そして銃身内に装填されてい“宝石銃弾”は、トリガー代わりのギミックを発動させたと同時に、封印されている魔法が解放され、全ての魔法効果が切れたら、消える。
つまり、“宝石銃弾”の飛距離はおよそ六十メートル前後だ。
ただ、“宝石銃弾”の飛距離は“森顎”と“森彩”で違う。“森顎”の銃口の口径は四十四口径だがと“森彩”の口径は三十は二十八口径であり、そもそも両者で使う“宝石銃弾”の大きさや性能が若干変わるのだ。
“森彩”に使う“宝石銃弾”の飛距離は凡そ百五十メートルほどで、威力は低いが精密性がある。
そして“森顎”は威力重視であり、四十四口径という銃口の大きさが意味する様に大砲みたいなものなのだ。
だから“森顎”の上部の銃口からは“森顎”専用の“宝石銃弾”だけでなく、そこに詰め込められる大きさならばどんな物でも射出できるようにしてある。
大砲もそんな感じだ。
仕組みは簡単だ。
“森顎”の上部の銃口には、“宝石銃弾”の他に、〝物体を射出する魔法〟を封印した小さな丸い宝石を装填することができる。
どちらを装填するかはグリップ部のギミック操作で決める。
そして、〝物体を射出する魔法〟が組み込んだ宝石を装填した場合、追加で打ち出す物体を銃口の中に突っ込むのだ。そして、トリガー代わりのギミックを発動させると、“物体を射出する魔法”が解放され、物体に噴射点を作り、射出する。
ただ、威力もスピードもそこまであるわけではないが、応用は効きやすい。
と、“宝石銃弾”の弾倉や小さな宝石の収納場所についてだが、本当に都合が良い事に〝宝石を仕舞う魔法〟という一種類の宝石を異空間に仕舞う魔法があり、それで一種類の宝石を収納する“宝石倉”という魔道具を創り出した。
“森顎”の銃身内部に二つ組み込んである。因みに収納できる数は百前後だ。
そのため、もし、収納してある宝石がなくなったら、ギミックを発動させて収納しなおす必要がある。とても時間がかかる。
なので、今はその改良に取り組んでいる。
そして下の四十八口径の銃口だが、こっちはたった一つの機能しかない。
それはアンカーだ。
下の銃口からはアンカー付きのワイヤーが射出されるようにしてあり、アンカーには食い込みやすくしたり、吸着しやすくする魔道具や特殊鉱石を配合してある。
そして、壁や岩、果てには魔物などに喰い込ませて、ワイヤーを引き絞るのである。
某巨人と戦うための空中移動装置みたいなものだ。
引き絞るときにライゼと“森顎”が離れないように、安定性などを高めるのが大変だった。この四ヶ月の間に六回改良するほどだった。
この魔法は物体に噴射点を創り出し、指向性を指定して物体を射出させる魔法である。指向性の精密性は魔力操作技術による。
この魔法を“宝石銃弾”に組み込み、トリガー代わりのギミックを発動させた瞬間に解放され、“宝石銃弾”の底に噴射点ができ、射出されるという寸法である。 射出時間は一瞬ではなく、六十メートルくらい持続するようにしてある。
通常の弾丸の様に爆発による指向性を作ることはぶっちゃけ分からなかったので、手軽な方法で代替した。
ただ、この魔法は込める魔力量と魔力圧縮によって決まる。
つまり、噴出される風の量と密度の問題である。
そして、“宝石銃弾”をライゼが作っても、問題なく充足して性能を発揮する必要があると考えている。
しかし、ライゼが作る“宝石銃弾”の初期の射出スピードは、ある一定速度を越えない。どれだけ密度を増やしても、量を増やせないから限界があるのだ。
そしてそのため、ライゼの作る“宝石銃弾”の初期の弾速では、上位の魔物の物理耐性を突破できるとは考えにくい。
だから、〝加速させる魔法〟という基本魔法が“宝石銃弾”に封印されている。
〝加速させる魔法〟とは、加速している物体の加速度を増加させる魔法だ。増加量は魔力量と、そして元の加速度の積――単純な積ではないが――で決まる。
つまり、加速していない物体を〝加速させる魔法〟で加速させる事はできないのだ。ゼロにいくら数字をかけてもゼロである。
そして、その魔法は弾丸だけでなく、銃身にも組み込んである。これは“森顎”も“森彩”も同様である。
一応、共に銃身に組み込んである〝加速させる魔法〟と、“宝石銃弾”に封印してある〝加速させる魔法〟によって、弾丸が銃口から飛び出す時には、上位の魔物を傷つけられるくらいのスピードと威力を兼ね備えるようにしてある。
また、弾丸に封印してある〝加速させる魔法〟は、解放したとしても持続時間が長く、“森顎”専用の“宝石銃弾”は六十メートルくらい〝加速させる魔法〟が発動する様にしてある。
〝物体を射出する魔法〟と同様だ。
三つめは〝回転させる魔法〟だ。
この魔法は〝加速させる魔法〟とは違い、無の状態から回転させる事ができる。また〝加速させる魔法〟と同様に回転度を上げる事もできる。
“森顎”で使う“宝石銃弾”は前者の効果を組み込んである。“森彩”のは後者の効果を組み込んである。
これは“森顎”の構造上、銃身内で加える回転量が少ないからだ。
また、〝回転させる魔法〟の発動時間は〝物体を射出する魔法〟と同等だ。つまり、〝加速させる魔法〟と同じだ。
四つ目は〝貫通する魔法〟だ。
弾丸の先に組み込まれているが、これはおまけみたいな物だ。貫通力を上げた方がいいよなという安易な考えによって組み込まれているため、効果はそこまで高くない。ライゼの魔力量では〝貫通する魔法〟を使っても大した貫通力はだせない。 本当におまけなのだ。
なのでもしかしたら、今後は違う魔法に変えるかもしれない。
と、まぁ、“宝石銃弾”にはこの四つの基本魔法が同時封印されている。
そして銃身内に装填されてい“宝石銃弾”は、トリガー代わりのギミックを発動させたと同時に、封印されている魔法が解放され、全ての魔法効果が切れたら、消える。
つまり、“宝石銃弾”の飛距離はおよそ六十メートル前後だ。
ただ、“宝石銃弾”の飛距離は“森顎”と“森彩”で違う。“森顎”の銃口の口径は四十四口径だがと“森彩”の口径は三十は二十八口径であり、そもそも両者で使う“宝石銃弾”の大きさや性能が若干変わるのだ。
“森彩”に使う“宝石銃弾”の飛距離は凡そ百五十メートルほどで、威力は低いが精密性がある。
そして“森顎”は威力重視であり、四十四口径という銃口の大きさが意味する様に大砲みたいなものなのだ。
だから“森顎”の上部の銃口からは“森顎”専用の“宝石銃弾”だけでなく、そこに詰め込められる大きさならばどんな物でも射出できるようにしてある。
大砲もそんな感じだ。
仕組みは簡単だ。
“森顎”の上部の銃口には、“宝石銃弾”の他に、〝物体を射出する魔法〟を封印した小さな丸い宝石を装填することができる。
どちらを装填するかはグリップ部のギミック操作で決める。
そして、〝物体を射出する魔法〟が組み込んだ宝石を装填した場合、追加で打ち出す物体を銃口の中に突っ込むのだ。そして、トリガー代わりのギミックを発動させると、“物体を射出する魔法”が解放され、物体に噴射点を作り、射出する。
ただ、威力もスピードもそこまであるわけではないが、応用は効きやすい。
と、“宝石銃弾”の弾倉や小さな宝石の収納場所についてだが、本当に都合が良い事に〝宝石を仕舞う魔法〟という一種類の宝石を異空間に仕舞う魔法があり、それで一種類の宝石を収納する“宝石倉”という魔道具を創り出した。
“森顎”の銃身内部に二つ組み込んである。因みに収納できる数は百前後だ。
そのため、もし、収納してある宝石がなくなったら、ギミックを発動させて収納しなおす必要がある。とても時間がかかる。
なので、今はその改良に取り組んでいる。
そして下の四十八口径の銃口だが、こっちはたった一つの機能しかない。
それはアンカーだ。
下の銃口からはアンカー付きのワイヤーが射出されるようにしてあり、アンカーには食い込みやすくしたり、吸着しやすくする魔道具や特殊鉱石を配合してある。
そして、壁や岩、果てには魔物などに喰い込ませて、ワイヤーを引き絞るのである。
某巨人と戦うための空中移動装置みたいなものだ。
引き絞るときにライゼと“森顎”が離れないように、安定性などを高めるのが大変だった。この四ヶ月の間に六回改良するほどだった。
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