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10話 初めての依頼開始

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 体質というよりは体力って意味そうだね、CONは。生命力とか言ってたし。 

 体力とか表示されたけど、他のはなかったんだね。私だったら巻き込まれた一般人とか創作キャラクター召喚とかがあったわけだし。あれはお城でしか見れないのかな?鑑定するにも、どこまでなら見れますよとかがあるんだね。
 
 あ、あれか。MPで見れる量とかが変わってくるのかも。あれが多ければ多いほどいいみたいな。
 記憶があいまいだけど、その場合って目星とかを振って成功とか失敗とかで変わってくるんじゃなかったかな。

「無事鑑定は終わったようですね。印が手の甲に浮き出てきますので、少々お待ちください」

 手の甲に出来るのか。痛くないかな?
 まだこの世界の常識とかを知らないけど、印って場所によっては犯罪者の証明とかになることもあるけど、ここは大丈夫なのかな?
 受付さんが止めていないし大丈夫なんだろうけど、ちょっと不安だよね。

 不安に駆られながら水晶を見ていたら、名前だけ書いた紙が水晶に吸われたかと思うと、小さくて白い光になって出てきて、溶けるように私たちの体の中に入ってきた。
 例えるならば、神社で写真とか取った時に見える神々しい光を放つ白いオーブみたいな感じかな。全然怖さとかはなかった。

「依頼を受けた後や冒険者ランクが上がる時の等の更新をするときは、また鑑定機に手をかざせば出来ますので、その時に確認ですね。お疲れさまでした。これで冒険者登録は完了です。冒険者としてのランクは最初は黒い印から始まります。依頼などを受け続けて昇格が認めれたら白へとなりますよ」

 この世界は不思議だな。 進んでないようで進んでる世界だし。

「依頼は今から受けますか? 受けるのでしたら、まだ最初ですし薬草採取なんかはどうでしょう?」

 薬草採取……。私たちが初めて依頼を受けるだろうからって、受付さんの親切心で提案してくれたんだろうけど、現代で生きた私たちにとって関わりが全くなかったところだからどうしよう。

「俺たち2人は薬草関係に関わったことが今まで無くてな。見本に出来る本とかあるか?」
「病気の時はどうされてたんです?」
「彼女の場合、寝ていれば治っていたし、私はかかったことがない」
「なるほど。確かにあれほど数値が高ければそうですね」

 私の場合、錠剤じょうざいに頼ってたけどね。
 しかし薬草採取か。さっきのみたいなことが出来るなら出来そうだけどね。同じような不思議な力で治すとか。

「薬草採取で注意することとかってありますか?」
「似たような薬草があったりしますので、そこだけは間違えないようにするだけですね。物によっては毒になるものもありますので」
「なおさら注意が必要ですね……」

 それなら本を借りたほうが一番いい。と思って聞いたら

「すみません。本のことですが、お貸しすることは出来ないです」

 とのこと。なんですすめたんだろう。それなら別ので良かったじゃん。
 って、思ったけどそれを抑えて、なるべく穏便おんびんに他の質問を聞いてみることにした。

「見るのもダメですか?」
「見るのでしたら大丈夫ですよ!」

 見るのは大丈夫なんだね。あれかな?  前誰かに貸していた時に無くしたりとかボロボロになっちゃったりとかで、禁止にしてるのかな?

「ここだけの話なんですが、昔は貸していたんですよ。ですが、返される度にボロボロになってしまいまして。それでお貸しすることが出来なくなってしまったんです」

 あ、やっぱり。 図書館とかでもそういう理由で貸し出し禁止とかの場所あるもんね。
 しかし、どうしようかな。見れるけど持っていけないとなると、どうやって覚えておこうかなって問題が発生する。
 私、記憶力がいい訳じゃないから、採取する場所に着いた時、間違えそうで怖いんだよね。

「ねぇ、エヴァン」
「なんだ」
「薬草を見て採取するまで、形とか覚えてられる?」
「……正直自信が無い」
「同じく……」

 エヴァンでも難しいか。原本のは借りられなくても、コピーとかは出来ないかな。現代みたいにコピー機とかあったらいいのに。
 でも、ぼろぼろになっちゃったやつとか無くしたものをどうやって元に戻したんだろう。
 もしかしたら、復元とかできる技術を持っている人がいるのかも。

「あの、その本って必要なところだけを複製とかできますか? 今回だったら薬草採取のところだけとか」
「それを出来る人がいることにはいますが、今は出かけておりまして」
「そうですか……」

 いないのなら仕方ない。断るか。

「あの」
「お前のスマホで写真とればいいんじゃないか?」

 え? 
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