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9話 ギルド登録

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 メアリー様と別れて、私とエヴァンは冒険者ギルドの中に入ったら、結構賑わっていた。昔に実在した海賊たちがいそうな酒場とかを想像してたけど、そこまで荒れてはいない。けど、物珍しそうに見られてるからものすごく緊張してる。
 なんか怖くなってきた。エヴァンの後ろに隠れとこ。

 登録するには、どこでするんだろうと思いながら周りを見渡しつつ、エヴァンの後ろをヒナのようについていくことにした。

「こんにちは。冒険者登録をされる方たちですか?」
「はい」
「では、こちらにお名前を。鑑定はこちらの能力鑑定機でいたしますので、書き終わったら手を置いてください」

 コーヒーを紙全体にこぼして出来てしまった染みのような紙が2枚。私たちの目の前の机に置かれ、水晶型の鑑定機を2人の紙の間に置いた。
 鑑定をするって言ったけど、どうやってするんだろう。占いみたいに映像とかが浮かんでくるのかな? それとも小説やゲームみたいにステータスみたいなのが目の前に出てきたり? 
 そんなまさかね。

 おっと、早く書かないとって思ったら視線を降ろしたら書いてある文字が全て英語。ここはエヴァンに助けてもらおう。

「どうでしたか?」
「数字で書かれていてよく分からんが、低い方なのか?」
「教えて貰ってもよろしいですか?」

 名前を書き終わったエヴァンが先に水晶に手を当てて、受付さんに質問していた。
 水晶からどうやって文字が書かれているのかわからないけど、これはやっている人しか見えないのかな?

 エヴァンが言うには

 【 MP  】 17

 【 STR 】 16
 
 【 CON 】 15
 
 【 POW 】 17

 【 DEX 】 14
 
 【 EDU 】 11

 【 INT 】 13

 【 SAN 】 85

 だって。
 これってクトゥルフ神話TRPGと同じステータスだよね。MPとかを除いてSTRしか私まだ理解してないけど。何度も見たことあるステータス表記だから分かる。
 SANは正気度だったかな。

 でも、なんでこんな表し方なんだろう。
 もし召喚した時にあの人たちにも見えていたとしたら、高校生たちは危ないんじゃ。

「あ、あなたいったい何者なんですか!」

 び、びっくりした。いきなり受付の人が大声上げたら心臓が飛び出ちゃうよ。条件反射で体が飛び跳ねちゃった。
 
「最初からこれほど高い人は久しぶりに見ました! これならば、高ランクの冒険者としてやっていけますよ!」
「いや、いい。最初から始める」
「で、ですが」

 どうしよう。エヴァンに声かけたいけど、受付さんが必死に熱弁してるから声かけづらい。

「書き終わったか?」
「ま、まだ」
「なにで手が止まってる?」
「……全部。これ読めない」

 騒がれるのが好きじゃないエヴァンは、話を途中で終わらせて私の方に向いてくれた。
 良かった、気付いてくれて。でも途中で終わらせてよかったのかな?

「名前だけでいいんだぞ」
 
 あ、そうなの? あれ、さっきそう言ってたっけ? 描き終わったら次は鑑定機に手を置くんだったよね。
 えっと、何が書いてあるんだろう。STR? あ、ストレングスの略か。これだけは分かったよ。
 TRPGの知識だけどね。

 なんかますますゲームっぽくなってきてない? 本当に現実? 召喚されたけど、実はゲームの世界だなんてことはないよね。もう、訳わかんなくなってきちゃった。

 【 MP  】 8(+不明)

 【 STR 】 10
 
 【 CON  】 8
 
 【 POW  】 8

 【 DEX 】 10
 
 【 EDU 】 13

 【 INT  】 13
 
 【 SAN   】 37

 こうやって表記されたけど、SANは低い方なのかな? MPがプラス不明って何だろう。
 他の人のが分からないから何とも言えないし。エヴァンのは規格外だって驚かれていたから参考にはならないよね。

「えっと、ストレングスが10。CONが」
「Constitutionの略称だ。日本語だと体質とか憲法という意味になる。受付嬢、俺はよく分からんのだが、STRとかCONは何の意味があるんだ?」
「それはですね。STRは数字によって持てる武器とかが異なります。CONは生命力が高ければ高いほど、毒や溺れそうになった時も抵抗出来るんです。貴方は全てにおいて高かったので、困ることは少なくなると思います」

 そりゃそうだよ。私がそう設定したんだもん。あれ、ということは、エヴァンのステータスを私が勝手にいじれるってことだよね?
 ま、そんなひどいことはしないけどね。必要になった時は変えたりするかもしれないけど、勝手にして嫌な思いとかさせたくないし。
 例えるならば、勝手に人の脳をいじるようなものだからね。私が生み出したとはいっても、彼は実際に目の前にいて生きているわけだから。
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