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五男の話 3
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「それに、口外禁止なの知ってるでしょ」
「そりゃあ……」
前までは龍牙君が引き下がっていた口喧嘩が、今は関係性が変わって慶君が抑え込まれています。
「莉奈姉、話を戻すね」
慶君が舌打ちして、ふて寝してしまいました。ついでに龍牙君の足を蹴ったのでしょうね。声には出さなかったですが、ものすごい形相で慶君を睨んでいます。
「精神が大人と同じの意味が分からないんだよね」
「うん」
「その理由を今から話すんだけど、他人には絶対言わないこと約束出来る?」
知られたらまずいことなのかな。それを私は聞いてもいいのか分からないですし、すごいと思って他の人に話してしまいそうです。
「確実に言わないとは約束出来ないかも……」
「それだったらこの話は言わない。どんだけ気になったとしても、約束を守ってもらえないと僕ら兄弟がおかしな人だって周りの人に思われちゃうから」
それだけは勘弁、と龍牙君が下を向いてしまいました。心なしか龍君も不安そうに瞳を揺らしています。
「僕らに関しての話はこれで終わり。分からなかったってところはある?」
「ないよ」
「そう。じゃあ、ここからは莉奈姉の護衛についての話に変えるよ」
いろいろと聞かないとですね。お金とかどういうことをしてくれるのかとか。
「本人も呼ぼうか」
そう言うとスマホを龍君から借りて、あの子にかけています。式神だけど持っているんですね。
「すぐ来るよ」
そう言った直後、チャイムが鳴りました。いくら何でも早すぎませんか。ずっと家の外で待っていたぐらいの早さです。こんな寒い時期に外で待つのは辛いですよ。
「お呼びでしょうか、龍牙様」
「前から話していたこと、今日からよろしくね」
「畏まりました。莉奈様、本日より貴女様の護衛をさせていただきます」
流れるように龍牙君の前で膝をついて、私にも頭を下げて来たけど何もついていけてないですよ。
いろいろと話してから護衛をするということではなかったのですか。
「彼が側にいるのはもう決定事項?」
「うん。僕らは学校とかもあるし、莉奈姉が住んでいる場所まで行けないし」
「もっと、こう話し合いを」
「止めとく?」
可愛らしく首を傾けて言われたら揺らいでしまうじゃないですか。
せっかくの好意を無駄にしたくないけど、もう少し要望とか言えないのでしょうか。
護衛というと、ずっと一緒にいないといけないってイメージがあります。
「ずっと付きっ切りってわけじゃないから安心して」
「そうなの?」
「うん。こういうことはしてほしくないって言えば守るから」
ずっとだったら私も疲れますし、この子も疲れてしまいますから。例え式神だったとしても、私はこの子を人として見ますからね。
でも、今は何をしたらよくて、どれがダメなのかが何も思いつきません。
「あの、翔栄君。後からでも大丈夫?」
「はい。その時その時に申してください。合わせます」
龍牙君に翔栄君は式神だっていわれていたけど、あまりにも人っぽくて何度も間違えてしまいそうです。
ちゃんと受け答えが出来ているんですもん。
式神だと言われずに紹介されていたら、勘違いしてしまいますよ。
「あの、お金とかは?」
「私には必要ありません。竜之介様からお聞きしましたが、もししたいのであればご自由に」
本当にいいの? あ、じゃあ龍牙君に渡した方がよさそうですね。
「言っておくけど、僕もいらないからね。しいて言うなら、ずっとむびょうそくさいでいて欲しいくらいだね。莉奈姉に何かあったら龍兄さんが悲しむから」
「龍君が?」
「うん。姉さんに何かあるたびに『大丈夫だろうか』って言いながらその場をぐるぐる回ったり、寝込んだりしてるから」
「龍牙!」
まさか本人の前で言われるとは思っていなかったのか、龍君の顔が真っ赤になっています。耳まで赤いですね。
龍牙君はしてやったりな顔をしています。
「ほかに言いたいこととか聞きたいことある?」
「竜之介お兄さんが言っていたけど、肝とかを食べるの?」
「基本食事はしないのですが、莉奈様が共にしたいときは呼んでくだされば」
これから誰かと食べるご飯が楽しみになりますね。アパートに戻ればいつも一人でしたから。
「そりゃあ……」
前までは龍牙君が引き下がっていた口喧嘩が、今は関係性が変わって慶君が抑え込まれています。
「莉奈姉、話を戻すね」
慶君が舌打ちして、ふて寝してしまいました。ついでに龍牙君の足を蹴ったのでしょうね。声には出さなかったですが、ものすごい形相で慶君を睨んでいます。
「精神が大人と同じの意味が分からないんだよね」
「うん」
「その理由を今から話すんだけど、他人には絶対言わないこと約束出来る?」
知られたらまずいことなのかな。それを私は聞いてもいいのか分からないですし、すごいと思って他の人に話してしまいそうです。
「確実に言わないとは約束出来ないかも……」
「それだったらこの話は言わない。どんだけ気になったとしても、約束を守ってもらえないと僕ら兄弟がおかしな人だって周りの人に思われちゃうから」
それだけは勘弁、と龍牙君が下を向いてしまいました。心なしか龍君も不安そうに瞳を揺らしています。
「僕らに関しての話はこれで終わり。分からなかったってところはある?」
「ないよ」
「そう。じゃあ、ここからは莉奈姉の護衛についての話に変えるよ」
いろいろと聞かないとですね。お金とかどういうことをしてくれるのかとか。
「本人も呼ぼうか」
そう言うとスマホを龍君から借りて、あの子にかけています。式神だけど持っているんですね。
「すぐ来るよ」
そう言った直後、チャイムが鳴りました。いくら何でも早すぎませんか。ずっと家の外で待っていたぐらいの早さです。こんな寒い時期に外で待つのは辛いですよ。
「お呼びでしょうか、龍牙様」
「前から話していたこと、今日からよろしくね」
「畏まりました。莉奈様、本日より貴女様の護衛をさせていただきます」
流れるように龍牙君の前で膝をついて、私にも頭を下げて来たけど何もついていけてないですよ。
いろいろと話してから護衛をするということではなかったのですか。
「彼が側にいるのはもう決定事項?」
「うん。僕らは学校とかもあるし、莉奈姉が住んでいる場所まで行けないし」
「もっと、こう話し合いを」
「止めとく?」
可愛らしく首を傾けて言われたら揺らいでしまうじゃないですか。
せっかくの好意を無駄にしたくないけど、もう少し要望とか言えないのでしょうか。
護衛というと、ずっと一緒にいないといけないってイメージがあります。
「ずっと付きっ切りってわけじゃないから安心して」
「そうなの?」
「うん。こういうことはしてほしくないって言えば守るから」
ずっとだったら私も疲れますし、この子も疲れてしまいますから。例え式神だったとしても、私はこの子を人として見ますからね。
でも、今は何をしたらよくて、どれがダメなのかが何も思いつきません。
「あの、翔栄君。後からでも大丈夫?」
「はい。その時その時に申してください。合わせます」
龍牙君に翔栄君は式神だっていわれていたけど、あまりにも人っぽくて何度も間違えてしまいそうです。
ちゃんと受け答えが出来ているんですもん。
式神だと言われずに紹介されていたら、勘違いしてしまいますよ。
「あの、お金とかは?」
「私には必要ありません。竜之介様からお聞きしましたが、もししたいのであればご自由に」
本当にいいの? あ、じゃあ龍牙君に渡した方がよさそうですね。
「言っておくけど、僕もいらないからね。しいて言うなら、ずっとむびょうそくさいでいて欲しいくらいだね。莉奈姉に何かあったら龍兄さんが悲しむから」
「龍君が?」
「うん。姉さんに何かあるたびに『大丈夫だろうか』って言いながらその場をぐるぐる回ったり、寝込んだりしてるから」
「龍牙!」
まさか本人の前で言われるとは思っていなかったのか、龍君の顔が真っ赤になっています。耳まで赤いですね。
龍牙君はしてやったりな顔をしています。
「ほかに言いたいこととか聞きたいことある?」
「竜之介お兄さんが言っていたけど、肝とかを食べるの?」
「基本食事はしないのですが、莉奈様が共にしたいときは呼んでくだされば」
これから誰かと食べるご飯が楽しみになりますね。アパートに戻ればいつも一人でしたから。
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