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3章

36.お仕置き 09

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「何よソレ……」

 気の抜けた本庄の声。

「今日の僕は鑑識だったの。 で、知った訳。 彼等は、自分達が特別となれなかった事で、ココを追い出されると思っていた。 どうせ、アンタが、そうやって脅して支配下に置こうとしたんでしょう?」

「はぁあ? そんなの知らないわよ!!」

「でも、出て来たんだ。 そういう悩みを持っていたって言うやり取りがさ。 まぁ、ココで清掃員や、配達員、販売員、ゴミ処理係をするくらいなら、外で優秀だって褒められた方が良いだろうに。 なんで、彼等はココに残れないと言われて絶望したのかなぁ? 外に行けばさっ、彼等だって特別な存在なんだから」

「だから、何なのよ!!」

「本当、わざとらしいなぁ……。 教官が良く使う手でしょう? 希望を持たせて突き落とし、掌握するっての」

「知らないわよ!! 私はちゃんと家族として、警備部に迎えるって伝えたんだから!!」

「へぇ? 随分と偉いんだね。 教官は、」

「はっぐっ」

 既に、裂かれた頬は治り切り、血の跡だけが頬を赤く染めており、颯太はナイフで新しい傷をつけていく。

「轡要らないって言ったのは教官なんだから、余り騒がしくしないでね」

 お茶目に笑ってみせた颯太は、メスを手に白い肌を傷つけて行く。 うっすらと幾重にも身体に付けられるのは薄皮一枚分の傷、ジンワリ血が滲む程度の傷を颯太は器用につけていく。

 白い肌に赤い線が走る。

 傷がつけられた瞬間、身体に熱が走り、痛みと代わる。
 薄くつけられた傷は、雫の血を直接舐めた事でついた先から塞がって行く。

 首元、鎖骨、胸元、腹、太腿、ありとあらゆるところに傷がつけられ、そして傷は塞がる。 治癒の速度に感覚は追いつかず、傷が無いにもかかわらず、身体を切り裂かれたような苦痛に悲鳴を上げそうになる。

 我慢できるのは、痛みはあくまでも本庄の脳で感じている痛みであって、肉体は痛身を感じる前に傷が塞がっていたから。

 それでも気が狂いそうで、
 発狂しそうで……、

 なのに……ソレが徐々に快楽へと変わり始めていた……。




お仕置き中の人(↑) & お休み中の人(↓)
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