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序章
当たり前の日常
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いだいてはいけない
おかしてはいけない
ころしてはいけない
彼女は、呪われているから……。
高校卒業を2か月後に控えた6人にメッセージが届いた。
『カラオケをしよう!! 旧校舎の視聴覚室04号室集合ね』
送り主の名は無かったが、誰も疑問を覚える者は居ない。
中学、高校、大学、大学院に加え、専用の研究機関、就職すらエスカレート方式をとっているかのような全寮制の時藤学園では、関係者全てにスマホと専用の特殊アプリが配布される。 例えアドレスや名前が無かったとしても、恋人が出来た、別れたそんな理由で、アドレスを変える者は少なくはないのだから気にする者はいない。
指示の有った視聴覚室は、今は使われていない校舎なのだが、集合場所としても彼等にとっては当たり前の場所だった。
校舎やその設備は利用に困るほど古い訳ではなく、むしろ校舎が放棄された頃は設備を入れ替えたばかりと言うタイミングで、今も利用するのに不便はない。 だが、新しい校舎を建造し、古い校舎は放棄された。
理由はある。
未だ生徒が旧校舎に出入りする事が出来るのは、生徒達が人目を避けている気分になれ、問題行動の多くはソコで行われるよう学園側が誘導するため。
特に光も音も外部から遮断される視聴覚室等は、カラオケボックス代わりに使われており、生徒達は呼び出しに対して何の抵抗も無かった。
「ぇ、貴方達も呼ばれたの? ってか、誰が呼んだ?」
中学時代から同じ教室で学んでおり彼等は全員が顔なじみだ。 転入してきた時期が違うと言う理由で日頃から一緒にいる事はないが、思考が似ているためお互いの好感度は高い。 そんな相手。
「どうして、このメンバーなのかしら?」
誰かが面白がって声にした。
この時点で男2名、女3名。
「誰か意中の相手を混ぜて合コンをセッティングした?」
5人は特定の恋人がおらず、少しだけ頬がニヤつく。
「それより、明かりはつけないの?」
「雰囲気があっていいんじゃない?」
視聴覚室の遮光性の高さを考えれば、外に明かりが漏れる事は無いのに、誰も明かりをつけようとはしない事は疑問だが……そこに男女の関係が関わるとあれば、何となく許容できたのだ。
ただ、全ての人がソレに賛同している訳ではなかった。
「ねぇ、明かりつかないし、ブラインドも開かない。 管理室の扉があかないからカラオケもムリだよ……」
「驚かせたいんだろう」
「相変わらず気が小さいんだから」
「あれ、お前達も?」
最後に現れた少年の登場を知り、不安を口にしていた少女は黙り込んだ。 最後に現れた少年に好意を抱いていたからだ。 いや、少なからず彼等は、そこにいる人間にそういう淡い思いを抱いていた。 言葉に出来ない関連性がソコには存在していた。
6人目が来ると同時に、鍵が絞められた。
カチャリと言う音がするが、慌てる者等いなかった。
「ちょっと、何の冗談よ」
「もう、悪戯は止めてよね」
そう言葉にするが本気で責める気はないし、むしろ次のイベントを待ち、チラチラと行為を向ける人物へと視線を向けていた。
突然にスクリーンに明かりが灯る。
そして、スクリーンに視線が集まった。
無音の動画。
写される画像は、他愛ない日常。
何の問題も無い風景。
普通の平穏な日々。
ただ……誰もが少しずつ思い人を見ていた。
おかしてはいけない
ころしてはいけない
彼女は、呪われているから……。
高校卒業を2か月後に控えた6人にメッセージが届いた。
『カラオケをしよう!! 旧校舎の視聴覚室04号室集合ね』
送り主の名は無かったが、誰も疑問を覚える者は居ない。
中学、高校、大学、大学院に加え、専用の研究機関、就職すらエスカレート方式をとっているかのような全寮制の時藤学園では、関係者全てにスマホと専用の特殊アプリが配布される。 例えアドレスや名前が無かったとしても、恋人が出来た、別れたそんな理由で、アドレスを変える者は少なくはないのだから気にする者はいない。
指示の有った視聴覚室は、今は使われていない校舎なのだが、集合場所としても彼等にとっては当たり前の場所だった。
校舎やその設備は利用に困るほど古い訳ではなく、むしろ校舎が放棄された頃は設備を入れ替えたばかりと言うタイミングで、今も利用するのに不便はない。 だが、新しい校舎を建造し、古い校舎は放棄された。
理由はある。
未だ生徒が旧校舎に出入りする事が出来るのは、生徒達が人目を避けている気分になれ、問題行動の多くはソコで行われるよう学園側が誘導するため。
特に光も音も外部から遮断される視聴覚室等は、カラオケボックス代わりに使われており、生徒達は呼び出しに対して何の抵抗も無かった。
「ぇ、貴方達も呼ばれたの? ってか、誰が呼んだ?」
中学時代から同じ教室で学んでおり彼等は全員が顔なじみだ。 転入してきた時期が違うと言う理由で日頃から一緒にいる事はないが、思考が似ているためお互いの好感度は高い。 そんな相手。
「どうして、このメンバーなのかしら?」
誰かが面白がって声にした。
この時点で男2名、女3名。
「誰か意中の相手を混ぜて合コンをセッティングした?」
5人は特定の恋人がおらず、少しだけ頬がニヤつく。
「それより、明かりはつけないの?」
「雰囲気があっていいんじゃない?」
視聴覚室の遮光性の高さを考えれば、外に明かりが漏れる事は無いのに、誰も明かりをつけようとはしない事は疑問だが……そこに男女の関係が関わるとあれば、何となく許容できたのだ。
ただ、全ての人がソレに賛同している訳ではなかった。
「ねぇ、明かりつかないし、ブラインドも開かない。 管理室の扉があかないからカラオケもムリだよ……」
「驚かせたいんだろう」
「相変わらず気が小さいんだから」
「あれ、お前達も?」
最後に現れた少年の登場を知り、不安を口にしていた少女は黙り込んだ。 最後に現れた少年に好意を抱いていたからだ。 いや、少なからず彼等は、そこにいる人間にそういう淡い思いを抱いていた。 言葉に出来ない関連性がソコには存在していた。
6人目が来ると同時に、鍵が絞められた。
カチャリと言う音がするが、慌てる者等いなかった。
「ちょっと、何の冗談よ」
「もう、悪戯は止めてよね」
そう言葉にするが本気で責める気はないし、むしろ次のイベントを待ち、チラチラと行為を向ける人物へと視線を向けていた。
突然にスクリーンに明かりが灯る。
そして、スクリーンに視線が集まった。
無音の動画。
写される画像は、他愛ない日常。
何の問題も無い風景。
普通の平穏な日々。
ただ……誰もが少しずつ思い人を見ていた。
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