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02.侍女達はその主を愛しすぎている
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その日は、何時もと違っていたのです。
お食事の時間になっても、陛下は食事の場に現れません。 王宮内にいるにもかかわらず、連絡を頂けないと言うのは初めてのこと……どうなされたのでしょう。
お仕事で、王都を離れている時は仕方がありません。 王都を離れている間は、例え剣を構えなくとも戦なのだと聞いております。 だから、応援しています! 沢山沢山応援し、神様にもお祈りします。
避けようのない夜会の時も我慢しますわ。 だって、私は社交界デビューの年齢に達していないのですから仕方のないことですわ。 それでも、美しい女性とダンスを踊られているのかと思うと、それも仕事だと知っていても胸が苦しくなってしまうの。
でも、陛下はいつだって私との時間を大切だと、王宮にいる時は必ず食事を一緒にいてくださるから、だから子供のようなワガママは我慢しないといけない……のです。
「ヴィヴィ様、お食事が冷めてしまいますわ」
「でも……」
「急な用事がございましたのでしょう。 お忙しい方ですから」
「いつもは、お手紙をくださいますわ」
「お手紙と言うのは、なかなか労力のかかる事なのですよ。 どうです? お食事を終えたらヴィヴィ様の方からお手紙をお書きになるのは、きっとお喜びになりますよ」
「そうですか?」
「えぇ、陛下もヴィヴィ様と一緒に食事が出来ない事を悲しまれているはずですから」
「そうでしょうか?」
「そうですとも、会議中でも、わずかな食事休憩の間にヴィヴィ様をお呼びになるくらいですからねぇ……あれには、陛下がこれほどまでヴィヴィ様を愛していられるのかと、貴族の方々もビックリなさっておりましたよ」
母と言ってもオカシクないほど年の離れたヴィヴィ付きの侍女『ペス』は、目を細めながら幼い主を優しく子守歌を歌うようになだめる。 いつも甘やかし過ぎだと周囲から笑われているけれど、それでも頼りない主を見ればどうしても優しい声をかけずにはいられない。
特に今日はそうだ。
沢山甘やかしてさしあげましょう。
ペスは愛らしくも幼い主を我が子のように愛していた。 愛しているからこそ生まれた瞬間から陛下に愛され育ったヴィヴィが皇妃となることを案じずにはいられなかった。 礼儀作法だけでなく陛下の留守を担うために政治等も熱心に学び、講師たちからは筋が良いと褒められてはいるものの、ヴィヴィ様はどこまでも幼く弱弱しい。
ヴィヴィ様の弱さは、陛下を貶めるのでは?
ヴィヴィ様の弱さは、外交で不利になるのでは?
ヴィヴィ様の弱さは、王宮を狂わせるのでは?
彼女は野にあって、のびのびと暮らす方が似合っている。 誰か、私の大切な子を助けてやってください!!
それがペスを筆頭に、愛らしいヴィヴィを愛してやまない侍女達の願いだった。
だが、実際に皇帝陛下ランヴァルドが、ヴィヴィ以外の女性を愛するとなれば、それはそれで複雑な思いを抱くことを、侍女達は初めて知る事となる。
ヴィヴィは、食欲がない中それでも作った者に申し訳ないと、時間は少しかかったものの食事を食べる。 若い侍女達は、ヴィヴィが食事を終える時間を見計らい湯船に湯を満たし、そして湯を眺めながら頭を寄せ集めていた。
「皆さま、特別な日でもない今日。 ヴィヴィ様のためとはいえ、高価な香油を贅沢に使えば女官たちが怒りだすことは確実と言えるでしょう。 ですが!! コレは我らの思い。 一連托生、給与減少は皆等しくですわよ!!」
「いや、もう、ばれない範囲にしましょうよ」
「私達の思いが、香油数滴の価値と思われるのは不快ですわ!!」
「なら、私を巻き込まないでくださいよ!」
なんて会話の結果、ヴィヴィは果物の香りがする湯船に喜びハシャギ、若い侍女達は我が人生に悔いなしとガッツポーズをした。
お風呂から上がる頃にはヴィヴィもご機嫌で、どんな手紙を書こうかと侍女達に楽しそうに相談する。 ヴィヴィが楽しそうなのは嬉しいが、陛下が今もベントソン伯爵夫人と共にいるのかと思えば、心の底から微笑む事が出来ない侍女達だった。
「お手紙には何を書こうかしら? お食事をご一緒できなくて寂しかったと書くのは、甘え過ぎかしら? ねぇペス、やっぱり楽しい事の詰め合わせがいいわよね。 お庭に渡り鳥が来ていたのよ。 きっと子供を作るために良い場所を探しているのね。 あぁ、あの夫婦のために良い住まいを提供できないかしら?」
「そうですね。 庭師のオルテスに相談してみましょうか?」
「私も、あの渡り鳥のように陛下と仲睦ましい夫婦になりたいです。 って、書くと……重いかしら?」
「そんなことはありませんよ。 お二人は神の定めたツガイなのですから。 渡り鳥の方こそ、ヴィヴィ様と陛下を手本にもっと仲良くなりたいと思っているやもしれませんよ」
ペスは、嬉しそうなヴィヴィの柔らかな髪を撫でるように梳きながら、優しく微笑んで見せる。
だが、その内心は穏やかではなかった。
ヴィヴィ様が大切にされている陛下とのお食事の時間。 その時間を、初めて陛下はヴィヴィ様以外の女性のためにお使いになったのですから、気分の良いものではない。
もっと責めていいのですよヴィヴィ様。
陛下がいないと寂しいと訴えて下さい。
ヴィヴィ様が悲しい顔をするでしょうから……そう言って侍女の誰もが陛下がベントソン伯爵夫人と食事をし、今も酒を酌み交わしているだろう等と伝える事はできなかった。
そして、ペスをはじめ長く王宮に仕えている年配の侍女達は、ベントソン伯爵夫人のことを記憶しているからこそ、若い侍女達にない危機感を覚えているのだ。
ヴィヴィが生まれる以前。
かつてのランヴァルド(当時は)殿下は、身勝手で乱暴で横暴、そんな彼の周りには貴族の子とは名ばかりの悪童が集まっていた。 気に入らない使用人に対しては、大声で威嚇し、暴力を振るい、意のままにしようとする。
食事は決まった時間に食べることなく、望んだ時に、望んだ食事を出せなければ、調理場に強襲し暴れ食材を強奪し、その日の料理の下準備まで台無しにする。
王都内を子供達は群をなし練り歩き、地位を振りかざし庶民の店から強奪を行い、後で女官たちが謝罪と弁償に回るのが日課だった。
木々をおり、庭を荒らし、造形物を傷つける。
そんな悪童達の中に、今回愛妾となったベントソン伯爵夫人、当時仲間内ではアンと呼ばれていた少女アン・ブリット・ダントン子爵令嬢がいたのだ。 彼女が欲しいと言えばランヴァルド殿下は、皇妃の装飾品や姉である王女殿下のドレスまで勝手に与えてしまう。 彼女は悪童達の中で唯一の女性であり、特別な存在だった。
悪童達が群れなしたのは、子供達の茶会の場が開かれる10歳の頃で、幼いがゆえにその行動には制限がなく、そしてソレは……性の乱れにまで及んでいた。
見るに堪えないと泣く侍女達に、上官にあたる女官たちは
「アナタ達に被害が及ばないことを良しとしましょう」
溜息ながらにそう言っていたのだ。
そんなランヴァルド殿下が!!
ヴィヴィ様の誕生と共に生まれ変わったのだ。
勤勉になられ、勉学を好まれる。
ツガイの騎士であろうと剣技を磨く。
礼儀作法もダンスも積極的に学んだ。
ツガイの手本となり、共にあることが恥ずかしくないようにと日夜努力を怠らなくなった。 民に好かれる皇帝であれば、ツガイも得意だろうと、民にも心を配るようになった。
ヴィヴィ様に感謝しない者がこの国にいるでしょうか?
いるとしても……ダルトン子爵令嬢……今はアン・ブリット・ベントソン伯爵夫人をはじめとする数人程度でしょう。
苦々しい感情を必死に隠したペスは、愛らしく手紙に悩むヴィヴィにハーブティを入れる。 心が穏やかになるように、良い夢が見られますようにと願いながら。
『ヴィヴィを思いやってよからぬ事を考える者もいるだろう。 そうならないよう2人にはくれぐれも気にかけ、彼女が困っている時には相談に乗ってやって欲しい』
そう語ったランヴァルドは、よく先を見通していると言えるだろう。
その日の夜遅く、皇帝ランヴァルドはヴィヴィの眠る部屋に人目を忍んで訪れるのだった。
お食事の時間になっても、陛下は食事の場に現れません。 王宮内にいるにもかかわらず、連絡を頂けないと言うのは初めてのこと……どうなされたのでしょう。
お仕事で、王都を離れている時は仕方がありません。 王都を離れている間は、例え剣を構えなくとも戦なのだと聞いております。 だから、応援しています! 沢山沢山応援し、神様にもお祈りします。
避けようのない夜会の時も我慢しますわ。 だって、私は社交界デビューの年齢に達していないのですから仕方のないことですわ。 それでも、美しい女性とダンスを踊られているのかと思うと、それも仕事だと知っていても胸が苦しくなってしまうの。
でも、陛下はいつだって私との時間を大切だと、王宮にいる時は必ず食事を一緒にいてくださるから、だから子供のようなワガママは我慢しないといけない……のです。
「ヴィヴィ様、お食事が冷めてしまいますわ」
「でも……」
「急な用事がございましたのでしょう。 お忙しい方ですから」
「いつもは、お手紙をくださいますわ」
「お手紙と言うのは、なかなか労力のかかる事なのですよ。 どうです? お食事を終えたらヴィヴィ様の方からお手紙をお書きになるのは、きっとお喜びになりますよ」
「そうですか?」
「えぇ、陛下もヴィヴィ様と一緒に食事が出来ない事を悲しまれているはずですから」
「そうでしょうか?」
「そうですとも、会議中でも、わずかな食事休憩の間にヴィヴィ様をお呼びになるくらいですからねぇ……あれには、陛下がこれほどまでヴィヴィ様を愛していられるのかと、貴族の方々もビックリなさっておりましたよ」
母と言ってもオカシクないほど年の離れたヴィヴィ付きの侍女『ペス』は、目を細めながら幼い主を優しく子守歌を歌うようになだめる。 いつも甘やかし過ぎだと周囲から笑われているけれど、それでも頼りない主を見ればどうしても優しい声をかけずにはいられない。
特に今日はそうだ。
沢山甘やかしてさしあげましょう。
ペスは愛らしくも幼い主を我が子のように愛していた。 愛しているからこそ生まれた瞬間から陛下に愛され育ったヴィヴィが皇妃となることを案じずにはいられなかった。 礼儀作法だけでなく陛下の留守を担うために政治等も熱心に学び、講師たちからは筋が良いと褒められてはいるものの、ヴィヴィ様はどこまでも幼く弱弱しい。
ヴィヴィ様の弱さは、陛下を貶めるのでは?
ヴィヴィ様の弱さは、外交で不利になるのでは?
ヴィヴィ様の弱さは、王宮を狂わせるのでは?
彼女は野にあって、のびのびと暮らす方が似合っている。 誰か、私の大切な子を助けてやってください!!
それがペスを筆頭に、愛らしいヴィヴィを愛してやまない侍女達の願いだった。
だが、実際に皇帝陛下ランヴァルドが、ヴィヴィ以外の女性を愛するとなれば、それはそれで複雑な思いを抱くことを、侍女達は初めて知る事となる。
ヴィヴィは、食欲がない中それでも作った者に申し訳ないと、時間は少しかかったものの食事を食べる。 若い侍女達は、ヴィヴィが食事を終える時間を見計らい湯船に湯を満たし、そして湯を眺めながら頭を寄せ集めていた。
「皆さま、特別な日でもない今日。 ヴィヴィ様のためとはいえ、高価な香油を贅沢に使えば女官たちが怒りだすことは確実と言えるでしょう。 ですが!! コレは我らの思い。 一連托生、給与減少は皆等しくですわよ!!」
「いや、もう、ばれない範囲にしましょうよ」
「私達の思いが、香油数滴の価値と思われるのは不快ですわ!!」
「なら、私を巻き込まないでくださいよ!」
なんて会話の結果、ヴィヴィは果物の香りがする湯船に喜びハシャギ、若い侍女達は我が人生に悔いなしとガッツポーズをした。
お風呂から上がる頃にはヴィヴィもご機嫌で、どんな手紙を書こうかと侍女達に楽しそうに相談する。 ヴィヴィが楽しそうなのは嬉しいが、陛下が今もベントソン伯爵夫人と共にいるのかと思えば、心の底から微笑む事が出来ない侍女達だった。
「お手紙には何を書こうかしら? お食事をご一緒できなくて寂しかったと書くのは、甘え過ぎかしら? ねぇペス、やっぱり楽しい事の詰め合わせがいいわよね。 お庭に渡り鳥が来ていたのよ。 きっと子供を作るために良い場所を探しているのね。 あぁ、あの夫婦のために良い住まいを提供できないかしら?」
「そうですね。 庭師のオルテスに相談してみましょうか?」
「私も、あの渡り鳥のように陛下と仲睦ましい夫婦になりたいです。 って、書くと……重いかしら?」
「そんなことはありませんよ。 お二人は神の定めたツガイなのですから。 渡り鳥の方こそ、ヴィヴィ様と陛下を手本にもっと仲良くなりたいと思っているやもしれませんよ」
ペスは、嬉しそうなヴィヴィの柔らかな髪を撫でるように梳きながら、優しく微笑んで見せる。
だが、その内心は穏やかではなかった。
ヴィヴィ様が大切にされている陛下とのお食事の時間。 その時間を、初めて陛下はヴィヴィ様以外の女性のためにお使いになったのですから、気分の良いものではない。
もっと責めていいのですよヴィヴィ様。
陛下がいないと寂しいと訴えて下さい。
ヴィヴィ様が悲しい顔をするでしょうから……そう言って侍女の誰もが陛下がベントソン伯爵夫人と食事をし、今も酒を酌み交わしているだろう等と伝える事はできなかった。
そして、ペスをはじめ長く王宮に仕えている年配の侍女達は、ベントソン伯爵夫人のことを記憶しているからこそ、若い侍女達にない危機感を覚えているのだ。
ヴィヴィが生まれる以前。
かつてのランヴァルド(当時は)殿下は、身勝手で乱暴で横暴、そんな彼の周りには貴族の子とは名ばかりの悪童が集まっていた。 気に入らない使用人に対しては、大声で威嚇し、暴力を振るい、意のままにしようとする。
食事は決まった時間に食べることなく、望んだ時に、望んだ食事を出せなければ、調理場に強襲し暴れ食材を強奪し、その日の料理の下準備まで台無しにする。
王都内を子供達は群をなし練り歩き、地位を振りかざし庶民の店から強奪を行い、後で女官たちが謝罪と弁償に回るのが日課だった。
木々をおり、庭を荒らし、造形物を傷つける。
そんな悪童達の中に、今回愛妾となったベントソン伯爵夫人、当時仲間内ではアンと呼ばれていた少女アン・ブリット・ダントン子爵令嬢がいたのだ。 彼女が欲しいと言えばランヴァルド殿下は、皇妃の装飾品や姉である王女殿下のドレスまで勝手に与えてしまう。 彼女は悪童達の中で唯一の女性であり、特別な存在だった。
悪童達が群れなしたのは、子供達の茶会の場が開かれる10歳の頃で、幼いがゆえにその行動には制限がなく、そしてソレは……性の乱れにまで及んでいた。
見るに堪えないと泣く侍女達に、上官にあたる女官たちは
「アナタ達に被害が及ばないことを良しとしましょう」
溜息ながらにそう言っていたのだ。
そんなランヴァルド殿下が!!
ヴィヴィ様の誕生と共に生まれ変わったのだ。
勤勉になられ、勉学を好まれる。
ツガイの騎士であろうと剣技を磨く。
礼儀作法もダンスも積極的に学んだ。
ツガイの手本となり、共にあることが恥ずかしくないようにと日夜努力を怠らなくなった。 民に好かれる皇帝であれば、ツガイも得意だろうと、民にも心を配るようになった。
ヴィヴィ様に感謝しない者がこの国にいるでしょうか?
いるとしても……ダルトン子爵令嬢……今はアン・ブリット・ベントソン伯爵夫人をはじめとする数人程度でしょう。
苦々しい感情を必死に隠したペスは、愛らしく手紙に悩むヴィヴィにハーブティを入れる。 心が穏やかになるように、良い夢が見られますようにと願いながら。
『ヴィヴィを思いやってよからぬ事を考える者もいるだろう。 そうならないよう2人にはくれぐれも気にかけ、彼女が困っている時には相談に乗ってやって欲しい』
そう語ったランヴァルドは、よく先を見通していると言えるだろう。
その日の夜遅く、皇帝ランヴァルドはヴィヴィの眠る部屋に人目を忍んで訪れるのだった。
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