65 / 65
終章
62.完結
しおりを挟む
魔女組織との調印式。
国王陛下となったライオネルは、側にパーシヴァルを伴い狭いながらも品の良い会議室で客人を待っていた。
「ヴァル、襟を緩めるのはお辞めなさい。 今日の客人はヴァル、アナタに利用価値を感じるような方ではないのですから」
緩めようとしていた手を止め、襟元を正しながら溜息をつく。 憂いの帯びた横顔を見れば、王妃が喜びそうだとふと考えてしまうライオネルは、受け入れる事は出来ないが色々毒されつつある自分の思考に苦笑する。
「色々と言いたい事はあるでしょうが、調印式が終わるまでは我慢してください」
「わかっている」
「あと、暴れるのも禁止です」
「……人の事を暴走馬のように言うな……一応、常識はわきまえているつもりだ」
「ならば宜しいのですが……」
ライオネルは静かに笑いながら来客を待つ。 その笑みをみながらパーシヴァルは、再び溜息をついた。
ここ数か月の間、他国の使者が大勢訪れた。 国王の代理人として王族が訪れた。 そんな相手にも臆することなく国王陛下をやり遂げている幼馴染に、パーシヴァルは感服するばかりである。
反面、シヴィルが消えてからの自分はと言えば、大量の衣装を作り、別荘地を作り上げてしまっていた。
俺、何してんだろう……。
「王とは、どういうものだ?」
2人きりになるというのは久々で、何を話していいのか分からなくなる。 王には話さなければならない事と同様に、話をしてはいけないことも多いものだろうから。 元々が公私混同が多いだけに気を使う。
「なんですか、突然に」
「いや……辛くはないのかと」
「戦場に立ち誰よりも前を駆け抜けるのは辛くはないのですか?」
「いや……」
「多分、同じですよ。 そうあるべくして、私達はその場に立っているのでしょう。 それよりも……ヴァルは当初の予定通り、ヘルムート領で領主をするのですか?」
領主修行を終えてシヴィルを妻に迎えた後には、領地で静かに隠遁生活を送ろうと考えていた。 現在は、シヴィルが魔女の森に連れ戻されたのをきっかけに、父親が返還されたヘルムート一族の領地へと出向き、縁者が行う領地管理の手伝いをしている。 パーシヴァルが領主として領土を治める必要などないだろう。
「いや……今まで通り、オマエの側でオマエを守ろう」
「助かります」
ライオネルは心から感謝を示した。 最近は個人的に話すことの無かった2人は、さして長くない待ち時間の間、思い出話をしながら穏やかに時間は過ぎていく。
ノックの音が数回。
「お客様をお連れしました」
告げるのはルーカス。
「どうぞ」
扉を開き、客人が少人数会議のために作られた会議室へと通された。
ルーカスのエスコートで入ってきたのは、黒髪の妖艶美女。 深い緑色のドレスに身を包みシヴィルがそうであったようにアチコチに魔力封じの装飾を身に着けていた。
ライオネルがたちあがる。
「お初にお目にかかります。 この度は無理をお聞き入れくださり感謝しております」
「初代から預かった組織、時代と共に問題が浮き彫りになる中、ソレを放置していた我の責任。 年をとると変化を好まぬものじゃ。 そんな我を突き動かしてくれたこと感謝しておる」
「そう言っていただければ助かります」
「お話中不躾ながら宜しいでしょうか?」
するとは思っていたが、やってしまったかとライオネルとルーカスは天井を仰ぎたくなる気分を押しとどめた。
「ほんに、場の空気を読まぬのは母譲りじゃのぉ~」
「申し訳ございません。 俺は自分の思い人の肌を人前に晒したいとは思いませんので」
真顔で宣言すれば魔女の長は笑った。
「ほっほほほほほほほほ」
盛大な笑いにライオネルとルーカスは戸惑い、ティーハは長を諫める。
「いや、すまない。 白の魔女が、男は奪う事は出来なんだが、私の娘があの女の大切な息子の心を奪ったのだからイーブンだと騒いでいたのを思い出してな。 アレらは仲がいいのか悪いのか……。 楽しい思い出を思い出させてくれた感謝する」
声こそ控えているが、存在そのものが笑いのツボとされてはどうにもできないパーシヴァルは諦めながら、自身の上着をシヴィルの肩にかける。 が……チラチラと見える太腿が気にかかった。
「下も脱いで渡すか?」
からかわれている……と思えば憮然とした。
「パーシィ」
諫めるように聞くシヴィルの声が、久々の声と言うのは……少し切なくて、小さく耳元にパーシヴァルは囁いた。
「お帰り」
「ただいま……」
シヴィルは困ったように少し考え、それでも小さく素早く逃げるようにつぶやき、チラリと視線だけをパーシヴァルを見上げる。 見慣れた緑の瞳が真面目な表情で『仕事』と告げれば、それも可愛らしくて、目元がどうしても緩む。
嬉しくて嬉しくて仕方がないのだから、まぁ……仕方がない。
「ほっほほほ、今しばらく逢瀬を楽しむのはお待ち。 書類は全て確認調整を終えておる。 なぁ、新しき王よ。 改革をもたらす者よ。 そなたには感謝しておる。 創生の魔女たる母の意思を怠惰ゆえに無碍にするところじゃった。 さぁさぁ、愛しい我が子らのために、早く済ませてやろうぞ」
ライオネルは、つられたように笑う。
「お気遣いありがとうございます」
そして調印はつつがなく終わり、王と魔女の長は2人を見送った。
「お気遣い感謝します」
「なに、2人とも大切な子供達の子供じゃ。 私の孫と言っても過言ではない。 幸せを願うのは当然じゃて」
色香漂う魔女の長が、どれだけの時を生きているか知らないが。 創生の魔女から長の代替わりは、僅かに3度しか行われていない。 見下すことなく、自分の要望に応じてくれたことを、ライオネルは心から感謝した。
「よろしければ、お食事でもいかがでしょうか?」
「食事も良いが、できれば王の妻にあってみたいのじゃが」
ソワソワした様子に、嫌な予感しかなかったが……断る事が出来る相手ではなく、そして……ソレをきっかけに、何処までも力を封じ姿すら偽った魔女の長が頻繁に国に訪れる事になるのだが……多分きっと悪くはないことなのだろう。
「お帰り」
「さっきも聞いた……ただいま……」
パーシヴァルはただ笑うだけ。 腕の中に戻ってきてくれた存在に嬉しくて、嬉しくて仕方がなかった。
パーシヴァルはアイザックにそそのかされ作り上げた保養施設へと向かう。 一応別宅として通用する自分専用の屋敷も、部下たちが使う建物から少し離れた場所に作り上げた。
シヴィルを横抱きにし大きな身体からは想像できない身軽さで、家々の屋根を足場に移動する。
「新しい家」
「誰の?」
「ぇ、ぁ……その……結婚してくれ」
突然に停止した屋根の上、パーシヴァルは告げる。 ロマンの欠片もないが、ソレはシヴィルも同様だった。
「……浮気……」
「なに?」
「してない?」
匂いを嗅ぐように身を寄せるシヴィル。
「するわけないよ。 証拠だってある」
「証拠?」
「そう、ずっとシヴィルだけを思っていた。 ずっと好きだ。 いままでもこれからも」
それは重すぎる……と思うよりも好意が勝る。
「……ありがとう……。 わたしも……」
最後の言葉は、小さな子供の叫びに消えた。
「将軍がイチャイチャしている~~~」
「いちゃいちゃしてる~~~」
「こら!! お邪魔するんじゃないよ!!」
そんな叫びが聞こえた。
そこは、何時もは騒々しい市場だが、パーシヴァルが時間を告げる時計塔の上に、足をとどめた瞬間周囲は沈黙したのだ。
「うえああ……」
顔を真っ赤にしながら混乱するシヴィル。
パーシヴァルはしまったと思いながら、周囲に愛想笑いをしながら手を振った。
「将軍、頑張れ!」
「お式、楽しみにしてるよ!」
「まままっまま、まだ返事していないんだからぁああああああ!!」
シヴィルの叫びは周囲に轟き、笑いが漏れる。
既にパーシヴァルのシヴィル愛は世間に周知されており、あの将軍が思い人を逃す訳などないだろうと奇妙な信頼を集め、誰もが2人の未来を疑ってはいなかった。
ただ……ロマンの欠片も無い告白はこれからも幾度となく続けられ、実際に婚姻に至るまで3年の歳月を必要とすることとなったが、それも自業自得であろう。
世界は、
力を持ち自らを革命者と呼ぶ賢者に惑う。
増殖しはじめた魔物に蹂躙され。
安穏に慣れ親しんだ先導者が腐敗をもたらす。
これらによって混乱の時を迎える。
だが、ルーベンス国だけは数百年に渡り平和を歩むこととなる。
赤き魔人とその妻である白き魔女の加護を受けながら。
おわり
国王陛下となったライオネルは、側にパーシヴァルを伴い狭いながらも品の良い会議室で客人を待っていた。
「ヴァル、襟を緩めるのはお辞めなさい。 今日の客人はヴァル、アナタに利用価値を感じるような方ではないのですから」
緩めようとしていた手を止め、襟元を正しながら溜息をつく。 憂いの帯びた横顔を見れば、王妃が喜びそうだとふと考えてしまうライオネルは、受け入れる事は出来ないが色々毒されつつある自分の思考に苦笑する。
「色々と言いたい事はあるでしょうが、調印式が終わるまでは我慢してください」
「わかっている」
「あと、暴れるのも禁止です」
「……人の事を暴走馬のように言うな……一応、常識はわきまえているつもりだ」
「ならば宜しいのですが……」
ライオネルは静かに笑いながら来客を待つ。 その笑みをみながらパーシヴァルは、再び溜息をついた。
ここ数か月の間、他国の使者が大勢訪れた。 国王の代理人として王族が訪れた。 そんな相手にも臆することなく国王陛下をやり遂げている幼馴染に、パーシヴァルは感服するばかりである。
反面、シヴィルが消えてからの自分はと言えば、大量の衣装を作り、別荘地を作り上げてしまっていた。
俺、何してんだろう……。
「王とは、どういうものだ?」
2人きりになるというのは久々で、何を話していいのか分からなくなる。 王には話さなければならない事と同様に、話をしてはいけないことも多いものだろうから。 元々が公私混同が多いだけに気を使う。
「なんですか、突然に」
「いや……辛くはないのかと」
「戦場に立ち誰よりも前を駆け抜けるのは辛くはないのですか?」
「いや……」
「多分、同じですよ。 そうあるべくして、私達はその場に立っているのでしょう。 それよりも……ヴァルは当初の予定通り、ヘルムート領で領主をするのですか?」
領主修行を終えてシヴィルを妻に迎えた後には、領地で静かに隠遁生活を送ろうと考えていた。 現在は、シヴィルが魔女の森に連れ戻されたのをきっかけに、父親が返還されたヘルムート一族の領地へと出向き、縁者が行う領地管理の手伝いをしている。 パーシヴァルが領主として領土を治める必要などないだろう。
「いや……今まで通り、オマエの側でオマエを守ろう」
「助かります」
ライオネルは心から感謝を示した。 最近は個人的に話すことの無かった2人は、さして長くない待ち時間の間、思い出話をしながら穏やかに時間は過ぎていく。
ノックの音が数回。
「お客様をお連れしました」
告げるのはルーカス。
「どうぞ」
扉を開き、客人が少人数会議のために作られた会議室へと通された。
ルーカスのエスコートで入ってきたのは、黒髪の妖艶美女。 深い緑色のドレスに身を包みシヴィルがそうであったようにアチコチに魔力封じの装飾を身に着けていた。
ライオネルがたちあがる。
「お初にお目にかかります。 この度は無理をお聞き入れくださり感謝しております」
「初代から預かった組織、時代と共に問題が浮き彫りになる中、ソレを放置していた我の責任。 年をとると変化を好まぬものじゃ。 そんな我を突き動かしてくれたこと感謝しておる」
「そう言っていただければ助かります」
「お話中不躾ながら宜しいでしょうか?」
するとは思っていたが、やってしまったかとライオネルとルーカスは天井を仰ぎたくなる気分を押しとどめた。
「ほんに、場の空気を読まぬのは母譲りじゃのぉ~」
「申し訳ございません。 俺は自分の思い人の肌を人前に晒したいとは思いませんので」
真顔で宣言すれば魔女の長は笑った。
「ほっほほほほほほほほ」
盛大な笑いにライオネルとルーカスは戸惑い、ティーハは長を諫める。
「いや、すまない。 白の魔女が、男は奪う事は出来なんだが、私の娘があの女の大切な息子の心を奪ったのだからイーブンだと騒いでいたのを思い出してな。 アレらは仲がいいのか悪いのか……。 楽しい思い出を思い出させてくれた感謝する」
声こそ控えているが、存在そのものが笑いのツボとされてはどうにもできないパーシヴァルは諦めながら、自身の上着をシヴィルの肩にかける。 が……チラチラと見える太腿が気にかかった。
「下も脱いで渡すか?」
からかわれている……と思えば憮然とした。
「パーシィ」
諫めるように聞くシヴィルの声が、久々の声と言うのは……少し切なくて、小さく耳元にパーシヴァルは囁いた。
「お帰り」
「ただいま……」
シヴィルは困ったように少し考え、それでも小さく素早く逃げるようにつぶやき、チラリと視線だけをパーシヴァルを見上げる。 見慣れた緑の瞳が真面目な表情で『仕事』と告げれば、それも可愛らしくて、目元がどうしても緩む。
嬉しくて嬉しくて仕方がないのだから、まぁ……仕方がない。
「ほっほほほ、今しばらく逢瀬を楽しむのはお待ち。 書類は全て確認調整を終えておる。 なぁ、新しき王よ。 改革をもたらす者よ。 そなたには感謝しておる。 創生の魔女たる母の意思を怠惰ゆえに無碍にするところじゃった。 さぁさぁ、愛しい我が子らのために、早く済ませてやろうぞ」
ライオネルは、つられたように笑う。
「お気遣いありがとうございます」
そして調印はつつがなく終わり、王と魔女の長は2人を見送った。
「お気遣い感謝します」
「なに、2人とも大切な子供達の子供じゃ。 私の孫と言っても過言ではない。 幸せを願うのは当然じゃて」
色香漂う魔女の長が、どれだけの時を生きているか知らないが。 創生の魔女から長の代替わりは、僅かに3度しか行われていない。 見下すことなく、自分の要望に応じてくれたことを、ライオネルは心から感謝した。
「よろしければ、お食事でもいかがでしょうか?」
「食事も良いが、できれば王の妻にあってみたいのじゃが」
ソワソワした様子に、嫌な予感しかなかったが……断る事が出来る相手ではなく、そして……ソレをきっかけに、何処までも力を封じ姿すら偽った魔女の長が頻繁に国に訪れる事になるのだが……多分きっと悪くはないことなのだろう。
「お帰り」
「さっきも聞いた……ただいま……」
パーシヴァルはただ笑うだけ。 腕の中に戻ってきてくれた存在に嬉しくて、嬉しくて仕方がなかった。
パーシヴァルはアイザックにそそのかされ作り上げた保養施設へと向かう。 一応別宅として通用する自分専用の屋敷も、部下たちが使う建物から少し離れた場所に作り上げた。
シヴィルを横抱きにし大きな身体からは想像できない身軽さで、家々の屋根を足場に移動する。
「新しい家」
「誰の?」
「ぇ、ぁ……その……結婚してくれ」
突然に停止した屋根の上、パーシヴァルは告げる。 ロマンの欠片もないが、ソレはシヴィルも同様だった。
「……浮気……」
「なに?」
「してない?」
匂いを嗅ぐように身を寄せるシヴィル。
「するわけないよ。 証拠だってある」
「証拠?」
「そう、ずっとシヴィルだけを思っていた。 ずっと好きだ。 いままでもこれからも」
それは重すぎる……と思うよりも好意が勝る。
「……ありがとう……。 わたしも……」
最後の言葉は、小さな子供の叫びに消えた。
「将軍がイチャイチャしている~~~」
「いちゃいちゃしてる~~~」
「こら!! お邪魔するんじゃないよ!!」
そんな叫びが聞こえた。
そこは、何時もは騒々しい市場だが、パーシヴァルが時間を告げる時計塔の上に、足をとどめた瞬間周囲は沈黙したのだ。
「うえああ……」
顔を真っ赤にしながら混乱するシヴィル。
パーシヴァルはしまったと思いながら、周囲に愛想笑いをしながら手を振った。
「将軍、頑張れ!」
「お式、楽しみにしてるよ!」
「まままっまま、まだ返事していないんだからぁああああああ!!」
シヴィルの叫びは周囲に轟き、笑いが漏れる。
既にパーシヴァルのシヴィル愛は世間に周知されており、あの将軍が思い人を逃す訳などないだろうと奇妙な信頼を集め、誰もが2人の未来を疑ってはいなかった。
ただ……ロマンの欠片も無い告白はこれからも幾度となく続けられ、実際に婚姻に至るまで3年の歳月を必要とすることとなったが、それも自業自得であろう。
世界は、
力を持ち自らを革命者と呼ぶ賢者に惑う。
増殖しはじめた魔物に蹂躙され。
安穏に慣れ親しんだ先導者が腐敗をもたらす。
これらによって混乱の時を迎える。
だが、ルーベンス国だけは数百年に渡り平和を歩むこととなる。
赤き魔人とその妻である白き魔女の加護を受けながら。
おわり
0
お気に入りに追加
3,559
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
王女殿下のモラトリアム
あとさん♪
恋愛
「君は彼の気持ちを弄んで、どういうつもりなんだ?!この悪女が!」
突然、怒鳴られたの。
見知らぬ男子生徒から。
それが余りにも突然で反応できなかったの。
この方、まさかと思うけど、わたくしに言ってるの?
わたくし、アンネローゼ・フォン・ローリンゲン。花も恥じらう16歳。この国の王女よ。
先日、学園内で突然無礼者に絡まれたの。
お義姉様が仰るに、学園には色んな人が来るから、何が起こるか分からないんですって!
婚約者も居ない、この先どうなるのか未定の王女などつまらないと思っていたけれど、それ以来、俄然楽しみが増したわ♪
お義姉様が仰るにはピンクブロンドのライバルが現れるそうなのだけど。
え? 違うの?
ライバルって縦ロールなの?
世間というものは、なかなか複雑で一筋縄ではいかない物なのですね。
わたくしの婚約者も学園で捕まえる事が出来るかしら?
この話は、自分は平凡な人間だと思っている王女が、自分のしたい事や好きな人を見つける迄のお話。
※設定はゆるんゆるん
※ざまぁは無いけど、水戸○門的なモノはある。
※明るいラブコメが書きたくて。
※シャティエル王国シリーズ3作目!
※過去拙作『相互理解は難しい(略)』の12年後、
『王宮勤めにも色々ありまして』の10年後の話になります。
上記未読でも話は分かるとは思いますが、お読みいただくともっと面白いかも。
※ちょいちょい修正が入ると思います。誤字撲滅!
※小説家になろうにも投稿しました。
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
完)嫁いだつもりでしたがメイドに間違われています
オリハルコン陸
恋愛
嫁いだはずなのに、格好のせいか本気でメイドと勘違いされた貧乏令嬢。そのままうっかりメイドとして馴染んで、その生活を楽しみ始めてしまいます。
◇◇◇◇◇◇◇
「オマケのようでオマケじゃない〜」では、本編の小話や後日談というかたちでまだ語られてない部分を補完しています。
14回恋愛大賞奨励賞受賞しました!
これも読んでくださったり投票してくださった皆様のおかげです。
ありがとうございました!
ざっくりと見直し終わりました。完璧じゃないけど、とりあえずこれで。
この後本格的に手直し予定。(多分時間がかかります)
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
悪役令嬢はお断りです
あみにあ
恋愛
あの日、初めて王子を見た瞬間、私は全てを思い出した。
この世界が前世で大好きだった小説と類似している事実を————。
その小説は王子と侍女との切ない恋物語。
そして私はというと……小説に登場する悪役令嬢だった。
侍女に執拗な虐めを繰り返し、最後は断罪されてしまう哀れな令嬢。
このまま進めば断罪コースは確定。
寒い牢屋で孤独に過ごすなんて、そんなの嫌だ。
何とかしないと。
でもせっかく大好きだった小説のストーリー……王子から離れ見られないのは悲しい。
そう思い飛び出した言葉が、王子の護衛騎士へ志願することだった。
剣も持ったことのない温室育ちの令嬢が
女の騎士がいないこの世界で、初の女騎士になるべく奮闘していきます。
そんな小説の世界に転生した令嬢の恋物語。
●表紙イラスト:San+様(Twitterアカウント@San_plus_)
●毎日21時更新(サクサク進みます)
●全四部構成:133話完結+おまけ(2021年4月2日 21時完結)
(第一章16話完結/第二章44話完結/第三章78話完結/第四章133話で完結)。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる