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3章 オマジナイ
47.理解できないと、受け入れられないは同義ではない
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レイランド侯爵家の夜会。
己の野心の場と考える者が大半と言える。 自らが夜会の中心となれずとも、参加したからには手土産を持って帰りたい。 誰もがそう考えていた。
だが、その場は最初から、ライオネル殿下とミランダ侯爵令嬢のためのもの。 その主役であるはずの2人は、引き返せない重大な一歩を踏み出すことへ緊張を覚えていた。 幼い頃から人に見られる事を当たり前にしてきた2人。 そんな2人が、緊張を覚えるとなれば相当なものである。
「ヴァル、なんか面白い事を言ってくれないだろうか?」
深刻な表情でそんなことを言われれば、パーシヴァルも困るというものだ。 ほとんどが男性で構成される騎士団の面白い事など、側にいるミランダ侯爵令嬢に聞かせられないものが多い(いろんな意味で)。
「鏡でも見てろ」
ジトっとした視線が向けられる。
「ほぉ~、ソレが面白いと?」
「らしくない」
睨みつけてくるが勢いはないライオネルに、苦笑交じりにパーシヴァルが言った。
「自分だけの責任で済むことなら構いません。 ですが、これは人を巻き込んで、国を巻き込むための儀式のようなものです……気楽に等とは流石にできませんよ」
「まぁ、殴ってすませられることなら、引き受けてやるよ」
パーシヴァルが言えば、ソレを暖かな視線で見守る未来の嫁ミランダ侯爵令嬢も、会話に加わる。 背筋を伸ばし、凛々しい笑みを向けるミランダは言う。
「私の事はお気になさらず、巻き込まれたと嘆くような弱い女ではございませんわ」
「確かにアナタはたくましい方だ」
ライオネルは苦笑交じりに呟いた。
今日、この場で婚約発表がなされることは、来客には伝えていない。 それでも一族の令嬢であるミランダがホスト役を放棄している時点で、違和感を覚えている者もいただろう。
国王陛下とその養子となったナイジェルが、既に挨拶を済ませているのにライオネルが来ないのは何故だ? ライオネル派の者達は不安を覚えていた。
未だ入場を果たしていない2人を人々は気に掛けただろう。 来客の大半は、目的あってきているのだから、地位あるものの、権力あるものの動きには敏感でなければならないのだから。
扉を開いた瞬間、広間にいる人々の視線は一気に集まる予定であった。
だが実際には、人々は広間の中央にくぎ付けとなっていた。
軽快に響く音楽は、通常のペースよりも早め。
軽やかなステップで、少年と令嬢は踊る。
それは、家のためではなく、自分を美しく見せるためでもなく、お決まりの世事にまみれた言葉もなく、ダンスを楽しむことだけを目的としているように思えるほどに、白銀の少年は楽しそうに踊るのだ。
白銀の少年に手を取られ、微笑まれ、軽やかにリードされれば、令嬢は自然と微笑んでいた。 理由のない幸福感が令嬢の心をしめていた。 そんな令嬢の微笑みを見れば、自分もその幸福を得てみたいと思うのは当然だろう。
白銀の少年が誰の手を取るか想像できない。 脈絡が無い。 令嬢達の地位は関係ない、美貌も関係ない、露出も関係ない。 そんな風に誰もが思った。 ただ、運を天に任せ令嬢達は、少年に手を取られるのを待つしかないのだと。
それでも少年はかなり早いペースで8人の令嬢と踊り切った。 ニッコリと微笑み共にステップを踏んでいた令嬢に挨拶をする頃には可成り息があがっていた。
それでも少年は駆けだす。
広間の入り口、本日の主役に向かって。
そうして人々はようやくライオネルとミランダの入場に気づいた。 そして、迷うことなく進む少年を危惧した。 叫び声に近いものが会場内に上がる。
「アレは何者なんだ?」
「騎士団が、確認した上で放置したんじゃないのか」
「誰か止めろ!!」
白銀の少年は、殿下と侯爵令嬢2人の2m手前で止まり床にヒザをつく。 夜会の場と考えれば大げさな挨拶であるが、それは奇妙に劇的で美しく感じられた。
嘘を真実へと。
真実を力へと。
無を有に変えるのは、何もナイジェルだけの特権ではない。 白銀の少年は首をたれ、ミランダの手を取り口づける。
「このような素晴らしい場にご招待いただきありがとうございます。 お2人の輝かしい未来を祝い、僭越ならが私から細やかなお礼をさせていただきます」
シヴィルが懐から取り出したのは美しい2粒の真珠。
そっとシヴィルが真珠に口づければ、それは虹色の光を放ち鈴の音のような音をかきならし、白花のコサージュとなった。 シヴィルはソレを殿下と侯爵令嬢へと差し出せば、受け取った2人はソレを受け取り身に着ける。
「神の祝福があらんことを」
決して打ち合わせをしていた訳ではない。
もともとシヴィルは派手な行動を嫌うのだから。 それは酔っ払いの強行でしかないが、会場に戻ってきていたルーカスは慌てて楽団員に音楽を奏でるように促した。 シヴィルが、2人にダンスを踊るように促し、密集する貴族達に道を開けさせた。
殿下と侯爵令嬢は、ダンスを踊る。
人々の視線は2人にくぎ付けとなった。
ダンスを終えれば、2人は婚約の挨拶を行った。
シヴィルが令嬢と踊りまくっている裏側では、意表を突かれたライオネルとミランダが軽く唸り声をあげる。
拍子抜け。
流石にコッチを向けと怒る事は無いが、2人はパーシヴァルへと視線を送った。
「すまん」
「「どういうことですか(の)、ドレスも買い与えられない甲斐性なしですか!!」」
そっちかよ……パーシヴァルは、がっくりと肩を落とす。
「一応ドレスの所有は聞いたんですけどね。 問題ないというのが、あぁ言う意味とは考えてもいませんでしたよ。 一応この機会にプレゼントとも考えたが、生憎と夜会まで1月、洋裁師の手配も難しかったんだよ」
大抵は金持ち、高い地位にあるもの達が大量の洋裁師を抱え込んだ。 今参加している令嬢達は、前回のドレス、母、祖母のドレスをリメイクして再利用しているものが、殆どと言えるだろう。
期間を考えず夜会を行った2人にも原因は有る訳で、そこはお互い様と言うことで引くこととした。
「とはいえ……」
「えぇ、なんて可愛らしいのかしら」
「……婚約者どの顔面を補正してください」
「あら、申し訳ございません」
そんな2人に呆れつつ、いつの間にか横についていたアイザックにパーシヴァルは問いかけた。
「アレはどういうことだ?」
「魔力酔いですよ。 退屈だとグズグズしだしたかと思ったら突然に、側にいた令嬢に声をかけて踊りだしたんです。 日頃大人しい方なので、反応が遅れたというか、後は注目を浴びてしまって、連れ戻すに連れ戻せない状況です」
もしアイザックが連れ戻したとしても、ダンスを踊るという前例を作った以上、令嬢達から誘いが後を絶たない状況になるだろう。 それなりに年月の重ねた男性であれば、尊厳もありソレを刺激しへし折れば寄ってこないが、令嬢達はそういう訳にはいかない事は幼い頃に幾度となく経験した。
「で、放ってあると?」
「酔っているとは言え、何も考えていないという訳ではないでしょう」
というのはアイザックの希望論であった。
そして、シヴィルによる本日の主役たちへの挨拶が終えれば、視線は全てライオネル殿下とミランダ侯爵令嬢へと移り、シヴィルだけが残される。
ニッコリとシヴィルはパーシヴァルに向かって微笑む。
男性の衣装を身に着けているのはいつものこと。 だが、今日はそんな何時もとは違う。 うっすらと化粧はしているのだが、それだけではない。 どこか幼い様子が、無邪気に見える瞳が愛らしくてどうしようもなかった。
「シヴィ」
呼びかければ、手に付けている白い手袋を外したいらしくて、ソレを外せとばかりにパーシヴァルに向けてくる。 苦笑交じりにパーシヴァルは、自分と比べかなり小さな手を取り、手袋を外してソレをシヴィルに返した。
「今日はね、シヴィではなくヴィって呼んでください」
口調もやや少年のように喋りながら、外してもらった手袋を側にいた給仕に捨てて欲しいと頼み。 改めて、パーシヴァルへとシヴィルは視線を向けた。
「ようやく会えた」
向けられる微笑みと言葉に、警備中であるはずのパーシヴァルの相好が崩れそうになり、アイザックが肘でつつく。
「顔崩れていますよ」
己の野心の場と考える者が大半と言える。 自らが夜会の中心となれずとも、参加したからには手土産を持って帰りたい。 誰もがそう考えていた。
だが、その場は最初から、ライオネル殿下とミランダ侯爵令嬢のためのもの。 その主役であるはずの2人は、引き返せない重大な一歩を踏み出すことへ緊張を覚えていた。 幼い頃から人に見られる事を当たり前にしてきた2人。 そんな2人が、緊張を覚えるとなれば相当なものである。
「ヴァル、なんか面白い事を言ってくれないだろうか?」
深刻な表情でそんなことを言われれば、パーシヴァルも困るというものだ。 ほとんどが男性で構成される騎士団の面白い事など、側にいるミランダ侯爵令嬢に聞かせられないものが多い(いろんな意味で)。
「鏡でも見てろ」
ジトっとした視線が向けられる。
「ほぉ~、ソレが面白いと?」
「らしくない」
睨みつけてくるが勢いはないライオネルに、苦笑交じりにパーシヴァルが言った。
「自分だけの責任で済むことなら構いません。 ですが、これは人を巻き込んで、国を巻き込むための儀式のようなものです……気楽に等とは流石にできませんよ」
「まぁ、殴ってすませられることなら、引き受けてやるよ」
パーシヴァルが言えば、ソレを暖かな視線で見守る未来の嫁ミランダ侯爵令嬢も、会話に加わる。 背筋を伸ばし、凛々しい笑みを向けるミランダは言う。
「私の事はお気になさらず、巻き込まれたと嘆くような弱い女ではございませんわ」
「確かにアナタはたくましい方だ」
ライオネルは苦笑交じりに呟いた。
今日、この場で婚約発表がなされることは、来客には伝えていない。 それでも一族の令嬢であるミランダがホスト役を放棄している時点で、違和感を覚えている者もいただろう。
国王陛下とその養子となったナイジェルが、既に挨拶を済ませているのにライオネルが来ないのは何故だ? ライオネル派の者達は不安を覚えていた。
未だ入場を果たしていない2人を人々は気に掛けただろう。 来客の大半は、目的あってきているのだから、地位あるものの、権力あるものの動きには敏感でなければならないのだから。
扉を開いた瞬間、広間にいる人々の視線は一気に集まる予定であった。
だが実際には、人々は広間の中央にくぎ付けとなっていた。
軽快に響く音楽は、通常のペースよりも早め。
軽やかなステップで、少年と令嬢は踊る。
それは、家のためではなく、自分を美しく見せるためでもなく、お決まりの世事にまみれた言葉もなく、ダンスを楽しむことだけを目的としているように思えるほどに、白銀の少年は楽しそうに踊るのだ。
白銀の少年に手を取られ、微笑まれ、軽やかにリードされれば、令嬢は自然と微笑んでいた。 理由のない幸福感が令嬢の心をしめていた。 そんな令嬢の微笑みを見れば、自分もその幸福を得てみたいと思うのは当然だろう。
白銀の少年が誰の手を取るか想像できない。 脈絡が無い。 令嬢達の地位は関係ない、美貌も関係ない、露出も関係ない。 そんな風に誰もが思った。 ただ、運を天に任せ令嬢達は、少年に手を取られるのを待つしかないのだと。
それでも少年はかなり早いペースで8人の令嬢と踊り切った。 ニッコリと微笑み共にステップを踏んでいた令嬢に挨拶をする頃には可成り息があがっていた。
それでも少年は駆けだす。
広間の入り口、本日の主役に向かって。
そうして人々はようやくライオネルとミランダの入場に気づいた。 そして、迷うことなく進む少年を危惧した。 叫び声に近いものが会場内に上がる。
「アレは何者なんだ?」
「騎士団が、確認した上で放置したんじゃないのか」
「誰か止めろ!!」
白銀の少年は、殿下と侯爵令嬢2人の2m手前で止まり床にヒザをつく。 夜会の場と考えれば大げさな挨拶であるが、それは奇妙に劇的で美しく感じられた。
嘘を真実へと。
真実を力へと。
無を有に変えるのは、何もナイジェルだけの特権ではない。 白銀の少年は首をたれ、ミランダの手を取り口づける。
「このような素晴らしい場にご招待いただきありがとうございます。 お2人の輝かしい未来を祝い、僭越ならが私から細やかなお礼をさせていただきます」
シヴィルが懐から取り出したのは美しい2粒の真珠。
そっとシヴィルが真珠に口づければ、それは虹色の光を放ち鈴の音のような音をかきならし、白花のコサージュとなった。 シヴィルはソレを殿下と侯爵令嬢へと差し出せば、受け取った2人はソレを受け取り身に着ける。
「神の祝福があらんことを」
決して打ち合わせをしていた訳ではない。
もともとシヴィルは派手な行動を嫌うのだから。 それは酔っ払いの強行でしかないが、会場に戻ってきていたルーカスは慌てて楽団員に音楽を奏でるように促した。 シヴィルが、2人にダンスを踊るように促し、密集する貴族達に道を開けさせた。
殿下と侯爵令嬢は、ダンスを踊る。
人々の視線は2人にくぎ付けとなった。
ダンスを終えれば、2人は婚約の挨拶を行った。
シヴィルが令嬢と踊りまくっている裏側では、意表を突かれたライオネルとミランダが軽く唸り声をあげる。
拍子抜け。
流石にコッチを向けと怒る事は無いが、2人はパーシヴァルへと視線を送った。
「すまん」
「「どういうことですか(の)、ドレスも買い与えられない甲斐性なしですか!!」」
そっちかよ……パーシヴァルは、がっくりと肩を落とす。
「一応ドレスの所有は聞いたんですけどね。 問題ないというのが、あぁ言う意味とは考えてもいませんでしたよ。 一応この機会にプレゼントとも考えたが、生憎と夜会まで1月、洋裁師の手配も難しかったんだよ」
大抵は金持ち、高い地位にあるもの達が大量の洋裁師を抱え込んだ。 今参加している令嬢達は、前回のドレス、母、祖母のドレスをリメイクして再利用しているものが、殆どと言えるだろう。
期間を考えず夜会を行った2人にも原因は有る訳で、そこはお互い様と言うことで引くこととした。
「とはいえ……」
「えぇ、なんて可愛らしいのかしら」
「……婚約者どの顔面を補正してください」
「あら、申し訳ございません」
そんな2人に呆れつつ、いつの間にか横についていたアイザックにパーシヴァルは問いかけた。
「アレはどういうことだ?」
「魔力酔いですよ。 退屈だとグズグズしだしたかと思ったら突然に、側にいた令嬢に声をかけて踊りだしたんです。 日頃大人しい方なので、反応が遅れたというか、後は注目を浴びてしまって、連れ戻すに連れ戻せない状況です」
もしアイザックが連れ戻したとしても、ダンスを踊るという前例を作った以上、令嬢達から誘いが後を絶たない状況になるだろう。 それなりに年月の重ねた男性であれば、尊厳もありソレを刺激しへし折れば寄ってこないが、令嬢達はそういう訳にはいかない事は幼い頃に幾度となく経験した。
「で、放ってあると?」
「酔っているとは言え、何も考えていないという訳ではないでしょう」
というのはアイザックの希望論であった。
そして、シヴィルによる本日の主役たちへの挨拶が終えれば、視線は全てライオネル殿下とミランダ侯爵令嬢へと移り、シヴィルだけが残される。
ニッコリとシヴィルはパーシヴァルに向かって微笑む。
男性の衣装を身に着けているのはいつものこと。 だが、今日はそんな何時もとは違う。 うっすらと化粧はしているのだが、それだけではない。 どこか幼い様子が、無邪気に見える瞳が愛らしくてどうしようもなかった。
「シヴィ」
呼びかければ、手に付けている白い手袋を外したいらしくて、ソレを外せとばかりにパーシヴァルに向けてくる。 苦笑交じりにパーシヴァルは、自分と比べかなり小さな手を取り、手袋を外してソレをシヴィルに返した。
「今日はね、シヴィではなくヴィって呼んでください」
口調もやや少年のように喋りながら、外してもらった手袋を側にいた給仕に捨てて欲しいと頼み。 改めて、パーシヴァルへとシヴィルは視線を向けた。
「ようやく会えた」
向けられる微笑みと言葉に、警備中であるはずのパーシヴァルの相好が崩れそうになり、アイザックが肘でつつく。
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