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3章 オマジナイ
46.誰にとっての想定外?
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注目を集めるというのは、一種の武器である。
注目を利用しようという明確な欲を持たねば、その才能は無駄なだけ。
その最たる例が、ナイジェルだろう。
彼を王位継承者にまで持ち上げたのは、彼の持つ美貌と悲劇性、注目を人心を集めるという才能である。 注目を集め己を彩る才能を有効に活用したからこそ、今のナイジェルがある。 彼に政治を預かる才能が無い事は多くの者が理解している。 本人も理解している。
注目は力だ。
自分が無力なら、出来る者を、有能な手ごまを集めればいい。
今日も新たな信者を獲得するために躍起になる。
だが、ナイジェルの思惑を邪魔する者がいた。
目の前に現れた正体不明の美少年2人。
貴族達は、招待不明の美少年を見て思った。
アレを利用すれば、第二のナイジェルになれるのでは?
幼さの残る笑みを見れば、扱いやすいと思った。
美しさを見れば、良い道具になるだろうと思った。
あの2人が、政治的に大した地位を持ち合わせていないのなら、養子として迎えるのも悪くはない。 美貌に下卑た欲望を抱く者もいたが……、近寄れば全てがアイザックにへし折られ(いろいろと)退散していった。
貴族の尊厳。
誰もがそんな立派なものを持っている訳ではない。
全ての者が潔い訳ではない。
結果として、アイザックとシヴィルを不審者として警備騎士に訴えるものが出てきた。 流石に身内から面倒が出るとは想定外だったルーカスは、いったん2人を引っ込めようかと考えたが、その必要は失われた。
2人以上に視線を集める人物が現れたからである。
国王陛下とナイジェルが入場してきた。
本来であれば、陛下の来訪は最後がお決まり。だが、今回はライオネルとミランダの婚約発表もあるからと場を譲った。 その事実を知らされていないナイジェルは、自身の王位継承、陛下の養子へと迎えられた事実を語るこの場での扱いが低いことに機嫌斜めであった。
自分に向けられる注目度が低い事に苛立った。
陛下の挨拶が終わり、ナイジェルも挨拶を終え、視線を浚う者に不満をぶつけ夜会から追い出してやろうと、視線向ければソレはシヴィルであった。
シヴィルとナイジェルは、男装中、女装中と性別逆転状態で初対面の挨拶を交わしており、シヴィルを見間違う等ということはあり得ない。
「なんて……」
なんて、良いところで出会えたのか。
なんて、条件をそろえてくれたのか。
周囲の視線も忘れ、ヘラヘラと笑ってしまい、周囲が引いた。 慌てて錯覚だと誤魔化したが……どこまで通用するかと思えば、またシヴィルに恨めしさが募る。
ナイジェルは、うつむく。
今度は、下卑た表情を悟られぬように隠し笑う。
本当は声を上げて笑いたかった。
高らかに笑いたかった。
ああ、これは良い機会だ。
最高の機会だ。
シヴィルはこの場では招待不明の不審者だ。
何しろ平民だ。
不審者に仕立て上げるのは容易だ。
厳重過ぎる警戒態勢に不安を感じている者も多いはずだ。 美少年を指差しコイツはアヤシイと言えば、注目を集められなかった私の嫉妬となるだろう。 だが、シヴィルは女だ。 その服を破りすて肌を露わにしてやればいい、恥をかかせればいい。
一石二鳥である。
正体不明の不審者。
性別を身分を偽り参加している不審者。
その肌をむき出しにすれば、驚くだろう。
好奇の視線を向けるだろう。
下卑た視線を向けるだろう。
辛辣な視線を向けるだろう。
陛下の訪れる社交の場に、自らを偽り潜入している。
謀叛の可能性あり!!
金銀少年を見る視線は、好意的なものばかりではなく、2人は既に何らかをやらかしていると考えられる。 服を剥ぐ際にナイフの1本でも落としてやればいい。 それでシヴィルの運命は簡単に終わる。
「陛下」
ナイジェルは速攻動いた。
「折角、貴族の方々にご紹介していただいているところ、申し訳ありませんが少し様子のオカシイ者が見受けられたので、お傍を離れさせていただきます」
「そのような者は、警備に任せておけばよかろう」
「なんら社交界に実績の無い身としては、少しでも早く陛下の子として世間に認めていただきたいのです。 欲深い発言とお笑いになられるでしょうが、どうかお許しください」
「地位も金も放棄すると言ったソナタを欲深い等と思う訳がなかろう」
陛下は、ナイジェルが側を離れる事を許した。
積年の恨みと言っても、殆ど八つ当たりである。 むしろ、幼い頃彼の暴走の被害にあったシヴィルは命の危険に追い込まれ寝込んだのだから、言いがかりも良いところである。
どす黒い胸の内を抱えたナイジェルは、陛下の側を離れたものの、王位継承権を持つナイジェルを人々が無視するわけなどなく、挨拶地獄に突入してしまい、不審者がいるからソレを取り押さえたいのだと声を上げれば初めてナイジェルが解放された。
だが、ナイジェルが囲まれている間に、ルーカスが動いたことですべてが阻止された形となった。
「それで、アヤシイ者とは?」
協力すれば、今からたてるだろう功績を賛辞すれば、名を覚えられて美味しい思いをするだろう者達が、誰だ誰だと囃し立てる。
「アナタ方が、私をここでとどめている間に逃げ去ったようです!!」
苛立ちと共にナイジェルは陛下の元に戻り、溜息をついた。
「どうしたのかね?」
「いえ……逃げられてしまいました」
そう言わざるを得まい。
ヒュブリス騎士団の顔とも言えるルーカスが警備騎士を伴い、金銀少年2人の元に訪れ談笑を始めたのだ。 金の少年は平民出身の薬師シヴィルの弟子としてついて回っている者だと気づいてはいたが、未だ知名度が低い。 金の少年程度ならシヴィルと一緒に陥れる事が出来るだろうと考えていたが、流石にルーカスが出てきては無理だと、あきらめるしかないと、溜息をついた。
王宮内は、力で勝負する場ではないのだ。
それでも、シヴィルが1人になったところを告発し、騎士団の名誉を傷つけずシヴィルだけを追い詰める事ができないだろうか? と考えていた。 流石にシヴィルを抱えた騎士団が、国家にたてつく悪であるというのは無理がある。 無茶を言い過ぎれば狂人として排除されかねない。
やがてシヴィルは、1人の令嬢を誘いダンスを踊りだす。 これなら、騎士団の保護から離れるのでは? と、様子を見守っていたが、間をあけることなくシヴィルは令嬢を誘い踊り続けていた。
「余り目立つ事は控えてください。 こちらにクレームが入ってきてますよ」
ガーネット色のタキシードに身を包み、同色のリボンで髪を後ろで結んだルーカスが騎士を伴い現れた。
「苦情なら、先生にどうぞ!」
「苦情と言うか、なぜ、そんな恰好を? 上司はドレスの1つも贈ってくれなかったのですか?!」
ルーカスの問いに、シヴィは検討違いの質問を返す。
「可愛い?」
戸惑いつつも、ここで褒めないルーカスではない。
「……えぇ、お可愛らしいですよ」
だが、シヴィルの様子はおかしかった。
男装がキーになっているのか?
シヴィルは、甘い表情を見せてくる。
変に逆らわない方がいいだろうと判断したルーカスは、愛想笑いをしもう一度
「よくお似合いで、とても可愛らしいです」
そう告げれば、シヴィルはご機嫌な様子で他の騎士に絡みにいった。
「可愛い?」
Yesと述べればパーシヴァルからお叱りを受けるのでは? だが、Noと言える訳もなく、いや、そもそも男姿の割に普段より全然可愛らしい様子に、明らかに騎士達は狼狽えていた。
「ねぇ、どうなの?」
「何があったんですか?」
そういいながら、部下を助けに行くルーカス。
「はい、先生。 仕事中の部下に絡まないでください」
ルーカスが部下から引き離すように、腕を引きアイザックの元に戻った。
「だって、退屈!! つまらない!!」
「まぁ、社交界なんてのは貴族達が人脈つくりをする場で、楽しむためのものではありませんからね」
「つまらなぁ~~~い!!」
「はいはい、ご飯食べましょうね」
「もう、お腹いっぱいだもん」
ルーカスは、助けを求めるようにアイザックを見れば、
「……魔物を食べ過ぎた結果、魔力酔いを起こしているようです」
粛々と事実を述べた。
「……魔物食の撤廃を指示しろ!! いや、私が直接交渉に行く!」
「僕は遊びに行ってくるよ~~~」
シヴィルがご機嫌なまま、安全な仲間の元を飛び出していく。
「なぜ、僕なんですかぁ!!」
「いや、今言うべきこと、それじゃないですよね。 突っ込み癖ってのも大変ですねぇ」
「オマエが担当だろ! 働いてくれよ~~~」
投げるルーカス。
幼い頃から男として育てられてきたシヴィルは、自由を満喫していた。 シヴィルは側にいた令嬢に声をかける。
「お嬢さん、よろしければ僕と踊ってくれませんか?」
「あぁ、もう! ここは頼みましたから!! まずは魔物食を撤去しなければ第二第三の犠牲者が!!」
大きな騒動は起こっていない。
むしろ、身内のドタバタに神経をすり減らすルーカスであった。
注目を利用しようという明確な欲を持たねば、その才能は無駄なだけ。
その最たる例が、ナイジェルだろう。
彼を王位継承者にまで持ち上げたのは、彼の持つ美貌と悲劇性、注目を人心を集めるという才能である。 注目を集め己を彩る才能を有効に活用したからこそ、今のナイジェルがある。 彼に政治を預かる才能が無い事は多くの者が理解している。 本人も理解している。
注目は力だ。
自分が無力なら、出来る者を、有能な手ごまを集めればいい。
今日も新たな信者を獲得するために躍起になる。
だが、ナイジェルの思惑を邪魔する者がいた。
目の前に現れた正体不明の美少年2人。
貴族達は、招待不明の美少年を見て思った。
アレを利用すれば、第二のナイジェルになれるのでは?
幼さの残る笑みを見れば、扱いやすいと思った。
美しさを見れば、良い道具になるだろうと思った。
あの2人が、政治的に大した地位を持ち合わせていないのなら、養子として迎えるのも悪くはない。 美貌に下卑た欲望を抱く者もいたが……、近寄れば全てがアイザックにへし折られ(いろいろと)退散していった。
貴族の尊厳。
誰もがそんな立派なものを持っている訳ではない。
全ての者が潔い訳ではない。
結果として、アイザックとシヴィルを不審者として警備騎士に訴えるものが出てきた。 流石に身内から面倒が出るとは想定外だったルーカスは、いったん2人を引っ込めようかと考えたが、その必要は失われた。
2人以上に視線を集める人物が現れたからである。
国王陛下とナイジェルが入場してきた。
本来であれば、陛下の来訪は最後がお決まり。だが、今回はライオネルとミランダの婚約発表もあるからと場を譲った。 その事実を知らされていないナイジェルは、自身の王位継承、陛下の養子へと迎えられた事実を語るこの場での扱いが低いことに機嫌斜めであった。
自分に向けられる注目度が低い事に苛立った。
陛下の挨拶が終わり、ナイジェルも挨拶を終え、視線を浚う者に不満をぶつけ夜会から追い出してやろうと、視線向ければソレはシヴィルであった。
シヴィルとナイジェルは、男装中、女装中と性別逆転状態で初対面の挨拶を交わしており、シヴィルを見間違う等ということはあり得ない。
「なんて……」
なんて、良いところで出会えたのか。
なんて、条件をそろえてくれたのか。
周囲の視線も忘れ、ヘラヘラと笑ってしまい、周囲が引いた。 慌てて錯覚だと誤魔化したが……どこまで通用するかと思えば、またシヴィルに恨めしさが募る。
ナイジェルは、うつむく。
今度は、下卑た表情を悟られぬように隠し笑う。
本当は声を上げて笑いたかった。
高らかに笑いたかった。
ああ、これは良い機会だ。
最高の機会だ。
シヴィルはこの場では招待不明の不審者だ。
何しろ平民だ。
不審者に仕立て上げるのは容易だ。
厳重過ぎる警戒態勢に不安を感じている者も多いはずだ。 美少年を指差しコイツはアヤシイと言えば、注目を集められなかった私の嫉妬となるだろう。 だが、シヴィルは女だ。 その服を破りすて肌を露わにしてやればいい、恥をかかせればいい。
一石二鳥である。
正体不明の不審者。
性別を身分を偽り参加している不審者。
その肌をむき出しにすれば、驚くだろう。
好奇の視線を向けるだろう。
下卑た視線を向けるだろう。
辛辣な視線を向けるだろう。
陛下の訪れる社交の場に、自らを偽り潜入している。
謀叛の可能性あり!!
金銀少年を見る視線は、好意的なものばかりではなく、2人は既に何らかをやらかしていると考えられる。 服を剥ぐ際にナイフの1本でも落としてやればいい。 それでシヴィルの運命は簡単に終わる。
「陛下」
ナイジェルは速攻動いた。
「折角、貴族の方々にご紹介していただいているところ、申し訳ありませんが少し様子のオカシイ者が見受けられたので、お傍を離れさせていただきます」
「そのような者は、警備に任せておけばよかろう」
「なんら社交界に実績の無い身としては、少しでも早く陛下の子として世間に認めていただきたいのです。 欲深い発言とお笑いになられるでしょうが、どうかお許しください」
「地位も金も放棄すると言ったソナタを欲深い等と思う訳がなかろう」
陛下は、ナイジェルが側を離れる事を許した。
積年の恨みと言っても、殆ど八つ当たりである。 むしろ、幼い頃彼の暴走の被害にあったシヴィルは命の危険に追い込まれ寝込んだのだから、言いがかりも良いところである。
どす黒い胸の内を抱えたナイジェルは、陛下の側を離れたものの、王位継承権を持つナイジェルを人々が無視するわけなどなく、挨拶地獄に突入してしまい、不審者がいるからソレを取り押さえたいのだと声を上げれば初めてナイジェルが解放された。
だが、ナイジェルが囲まれている間に、ルーカスが動いたことですべてが阻止された形となった。
「それで、アヤシイ者とは?」
協力すれば、今からたてるだろう功績を賛辞すれば、名を覚えられて美味しい思いをするだろう者達が、誰だ誰だと囃し立てる。
「アナタ方が、私をここでとどめている間に逃げ去ったようです!!」
苛立ちと共にナイジェルは陛下の元に戻り、溜息をついた。
「どうしたのかね?」
「いえ……逃げられてしまいました」
そう言わざるを得まい。
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王宮内は、力で勝負する場ではないのだ。
それでも、シヴィルが1人になったところを告発し、騎士団の名誉を傷つけずシヴィルだけを追い詰める事ができないだろうか? と考えていた。 流石にシヴィルを抱えた騎士団が、国家にたてつく悪であるというのは無理がある。 無茶を言い過ぎれば狂人として排除されかねない。
やがてシヴィルは、1人の令嬢を誘いダンスを踊りだす。 これなら、騎士団の保護から離れるのでは? と、様子を見守っていたが、間をあけることなくシヴィルは令嬢を誘い踊り続けていた。
「余り目立つ事は控えてください。 こちらにクレームが入ってきてますよ」
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戸惑いつつも、ここで褒めないルーカスではない。
「……えぇ、お可愛らしいですよ」
だが、シヴィルの様子はおかしかった。
男装がキーになっているのか?
シヴィルは、甘い表情を見せてくる。
変に逆らわない方がいいだろうと判断したルーカスは、愛想笑いをしもう一度
「よくお似合いで、とても可愛らしいです」
そう告げれば、シヴィルはご機嫌な様子で他の騎士に絡みにいった。
「可愛い?」
Yesと述べればパーシヴァルからお叱りを受けるのでは? だが、Noと言える訳もなく、いや、そもそも男姿の割に普段より全然可愛らしい様子に、明らかに騎士達は狼狽えていた。
「ねぇ、どうなの?」
「何があったんですか?」
そういいながら、部下を助けに行くルーカス。
「はい、先生。 仕事中の部下に絡まないでください」
ルーカスが部下から引き離すように、腕を引きアイザックの元に戻った。
「だって、退屈!! つまらない!!」
「まぁ、社交界なんてのは貴族達が人脈つくりをする場で、楽しむためのものではありませんからね」
「つまらなぁ~~~い!!」
「はいはい、ご飯食べましょうね」
「もう、お腹いっぱいだもん」
ルーカスは、助けを求めるようにアイザックを見れば、
「……魔物を食べ過ぎた結果、魔力酔いを起こしているようです」
粛々と事実を述べた。
「……魔物食の撤廃を指示しろ!! いや、私が直接交渉に行く!」
「僕は遊びに行ってくるよ~~~」
シヴィルがご機嫌なまま、安全な仲間の元を飛び出していく。
「なぜ、僕なんですかぁ!!」
「いや、今言うべきこと、それじゃないですよね。 突っ込み癖ってのも大変ですねぇ」
「オマエが担当だろ! 働いてくれよ~~~」
投げるルーカス。
幼い頃から男として育てられてきたシヴィルは、自由を満喫していた。 シヴィルは側にいた令嬢に声をかける。
「お嬢さん、よろしければ僕と踊ってくれませんか?」
「あぁ、もう! ここは頼みましたから!! まずは魔物食を撤去しなければ第二第三の犠牲者が!!」
大きな騒動は起こっていない。
むしろ、身内のドタバタに神経をすり減らすルーカスであった。
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