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2章 薔薇乙女の乱
32.ソレは後に『薔薇乙女の乱』と呼ばれた
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王国での影響力が高いウェイド侯爵家。 その侯爵家の新当主が、顔出しを果たした日から10日が経った。 その間、平和だったかと言えば、決してそういう訳ではないが、シヴィの身の回りぐらいは平和であった。
過去形である。
今、王宮内は混乱し、人々の悲鳴や嬌声が上がり、歓声すらあがっている。
「誰よりも先に動くと思っていたのですが、行かないのですか?」
ライオネルとパーシヴァルは、王宮内に上がる炎を人の全くいない庭園から眺めながら語る。
「流石に、この人ゴミで悪さをすることもないだろう。 それに、今シヴィには優秀な弟子をつけてあるんでね」
護衛ではなく弟子と口にしたパーシヴァルは、口元を嫌味たらしく笑実の形に作る。 1人は信頼を置けるパーシヴァルの配下、そしてもう1人は医局から邪魔もの扱いされている医局長。
「まさか君がクラインに任せるとは思いませんでしたよ。 自分で守らなくてよいのですか?」
「なら仕事をこっちに振るな」
「そうではなく……」
今、騒動の元となっているのは火事についてライオネルは言ったのだ。 火が上がっているのは、シヴィが長く手をかけてきた温室なのだから。
「なんのために優秀な医師が側についているか、もし傷一つでも付けたら力いっぱい殴る。 それに俺が出向けば火を消さなければいけなくなる」
クラインが聞けば、医者は傷を治すもので傷を防ぐものではないし、力いっぱい殴られたら死ぬ! と、不満に声をあらげたらだろうが、彼はそばにいないのだからパーシヴァルは言いたい放題である。
「シヴィを溺愛する演技をするチャンスでしょうに」
馬鹿にするようにライオネルが笑いながら言えば、
「演じなくとも溺愛しているさ。 コレは想定内だ。 崩壊した魔力回路で精神が病む。 そんな中で、薬の所有者、配布者が死んだとされている。 なら中毒者はどうする? 楽になれるために取れる手段など限られている」
「だからと言って、関係のない彼女の温室を襲うものでしょうか?」
「最近、シヴィは温室の管理を庭師たちに任せきりだ。 薬剤の調合は俺の執務室でやらせているし、王妃の往診は医局長が出向いている。 彼等は新しい薬を求めるにしても、助けを求めるにしても、シヴィに会う必要を感じていた。 犯人は温室を襲ったのではなく、シヴィをおびき出したかったんだよ」
ライオネルは肩を竦める。
「わかっていて放置したのか?」
「シヴィの安全は十二分に配慮してある。 植物の確保も庭師とうちの部隊に徹底させてある。 新しい温室はうちの騎士団の管轄でつくり、執務室と幹部宿舎も兼ねたものを設計させている」
「……そんな事で、火を放たせたのですか……」
ライオネルが頭をかかえた。
「それでは、まるで俺が火を放たせたようじゃないか。 人聞きの悪い事を言わないでくれないか? 偶然だ偶然。 いや、あえて言うならシヴィを手に入れろと、神が俺に味方をしたんだろう」
そういって笑う。
「アナタは……」
「まぁ、冗談は横におき。 これで薬の被害者は全員確保できるはずだ」
「まだ、薬が残っているのではありませんか?」
「スラムの掃除さえしてしまえば、問題はない。 戦争は終わったのだから、今後は戦争による孤児が激減し、スラムへの流入も途絶え、消えても気にされない子供の数は減る」
「確かに……」
火が消え更地となった白薔薇が咲き乱れていただろう土の中には、数百にも及ぶ子供の死体が発見された。 魔力回路を壊すほどの魔力を保有した薬を作りだすには、それほどの贄が必要だったということだ。
「魔女は今回の件に関与せずと言う連絡がきました」
「だろうな……。 隠れ家を捜索して分かったことがある。 ウェイド侯爵家の新当主は、確かに魔力回路の形式には異常はあった。 ……あったといっても俺とは逆で、恐ろしく簡易化されていると予測できる。 保有する魔力の巡回速度は鈍く、魔力量は限りなく少ない。 肉体の強化どころか一定レベルの肉体維持、精神維持が難しいレベルだったのだろう」
それらは何の根拠も無しに語られている訳ではないだろう。
「ようするに、魔力を高めるための細工が隠れ家にあったということですか?」
「そういう事だ。 建物全体に魔力を集める細工が施されていた。 建物内に魔力が充満するよう細工が施されていた。 庭に大量の白薔薇を植えられていたのは、最初からアヤシイ薬物を作ろうとしたわけではないだろうがな」
この世界では、薔薇は魔力保有量が多く、誰もが手に入れられる魔力補助食品として使用している。 特に白薔薇は子供との親和性が高い魔力を保有するとされ、庭を持つ家であれば子が生まれると同時に白薔薇を植えるのが習わしとされている。
パーシヴァルは続ける。
「待望の男子を得て、せめて他の子と同じように生活できるようにと言うのが始まりだろう」
「で、行き過ぎたケアが狂気に変わったと?」
「あぁ、許容を超えた魔力を得た事で、精神に異常が発生し、日常的に強い魔力の飢えを感じるようになった。 それに伴い本人は狂暴化し、彼を恐れた使用人達が、スラムの子を孤児を集めて彼に与えた。 滅多に訪れる事の無かった家だ……当主が気づいた頃には手遅れで、マノヴァ会頭に救いを求めたのだろう」
「なぜ、魔力量がもともと少ないのに飢えるというのですか?」
「10の魔力生産しかできない身体を持ちながら、100の入れ物を得てしまったからだ。 今後も飢え続ける事になるアイツは、膨大な魔力を保有した薬を他者に回す余裕はない。 だから今後同じような被害者は出ることはない……と、予想できる」
「まぁ、犯人に仕立て上げられた妹の恨みと、復讐が、新侯爵の悲劇性と注目を高めてしまいましたからね。 いつも敵も味方も彼を見ている。 下手なことはめったにできないでしょうね」
世間では魔力回路の異常を持って生まれた女性は、一人孤独に療養と言う幽閉にあい、その才能を認められず、狂気を募らせた。 父が亡くなり彼女を管理する者が失われ、彼女は自由に外に出れるようになっても、彼女の部屋にとどまった。 待っても待っても誰も迎えに来ない状況。 自分を気に掛けるものがいない孤独。
外に出れば、自分以外の幸福が目についた。
羨ましかった。
妬ましかった。
だけど、自分だって幸福になれる可能性がある! そう……希望を持った矢先……騎士達により性的暴行を受けてしまった。 復讐を誓い彼等に魔力回路を狂わせる薬を飲ませた。
自分を受け入れられない世界など、消えてなくなれ。
自分の存在を知らず、幸福を享受していた姉妹など死んでしまえばいい。
彼女の狂気を帯びた手記は、悲劇のヒロインとして王都に住むものの興味を誘った。 同時にその女性に家も家族も奪われた美貌の新侯爵へ注目は高い。
手記を書いた女性は存在していない。 だが、そこにかかれた全てが嘘ではなく、ウェイド新侯爵の心の内が書かれていたのだろう。 だからこそ人々はその悲劇に心を打たれた。
迷惑でしかないが……。
「……あぁ……そういえば、ウェイド前侯爵夫人……伯母君は自害しました」
「それは……ご愁傷様」
「王の姉として利用価値があると思われ残されたのでしょうけど、流石に他の子を全て殺した息子と共に生きるなんて無理だったんでしょうね」
温室を襲った中毒者たちは、存在しない悲劇の令嬢を暴行した罪を問われ、王宮にいた貴族の令嬢・令息たちに石を投げられ殺された。
命ある者を救うこと、それを自らの使命としているクライン医局長は、貴族令嬢・令息の行動を必死に止めようとしたが、炎と正義と興奮に取り付かれた集団を抑える事など不可能であり、危険を感じたパーシヴァル配下によって保護された。
そして……黒幕は美しい表舞台に立ち。
騎士怪死事件改め『薔薇乙女の乱』と後に命名された事件は、何の解決もせずに一度目の幕を閉じることとなった。
過去形である。
今、王宮内は混乱し、人々の悲鳴や嬌声が上がり、歓声すらあがっている。
「誰よりも先に動くと思っていたのですが、行かないのですか?」
ライオネルとパーシヴァルは、王宮内に上がる炎を人の全くいない庭園から眺めながら語る。
「流石に、この人ゴミで悪さをすることもないだろう。 それに、今シヴィには優秀な弟子をつけてあるんでね」
護衛ではなく弟子と口にしたパーシヴァルは、口元を嫌味たらしく笑実の形に作る。 1人は信頼を置けるパーシヴァルの配下、そしてもう1人は医局から邪魔もの扱いされている医局長。
「まさか君がクラインに任せるとは思いませんでしたよ。 自分で守らなくてよいのですか?」
「なら仕事をこっちに振るな」
「そうではなく……」
今、騒動の元となっているのは火事についてライオネルは言ったのだ。 火が上がっているのは、シヴィが長く手をかけてきた温室なのだから。
「なんのために優秀な医師が側についているか、もし傷一つでも付けたら力いっぱい殴る。 それに俺が出向けば火を消さなければいけなくなる」
クラインが聞けば、医者は傷を治すもので傷を防ぐものではないし、力いっぱい殴られたら死ぬ! と、不満に声をあらげたらだろうが、彼はそばにいないのだからパーシヴァルは言いたい放題である。
「シヴィを溺愛する演技をするチャンスでしょうに」
馬鹿にするようにライオネルが笑いながら言えば、
「演じなくとも溺愛しているさ。 コレは想定内だ。 崩壊した魔力回路で精神が病む。 そんな中で、薬の所有者、配布者が死んだとされている。 なら中毒者はどうする? 楽になれるために取れる手段など限られている」
「だからと言って、関係のない彼女の温室を襲うものでしょうか?」
「最近、シヴィは温室の管理を庭師たちに任せきりだ。 薬剤の調合は俺の執務室でやらせているし、王妃の往診は医局長が出向いている。 彼等は新しい薬を求めるにしても、助けを求めるにしても、シヴィに会う必要を感じていた。 犯人は温室を襲ったのではなく、シヴィをおびき出したかったんだよ」
ライオネルは肩を竦める。
「わかっていて放置したのか?」
「シヴィの安全は十二分に配慮してある。 植物の確保も庭師とうちの部隊に徹底させてある。 新しい温室はうちの騎士団の管轄でつくり、執務室と幹部宿舎も兼ねたものを設計させている」
「……そんな事で、火を放たせたのですか……」
ライオネルが頭をかかえた。
「それでは、まるで俺が火を放たせたようじゃないか。 人聞きの悪い事を言わないでくれないか? 偶然だ偶然。 いや、あえて言うならシヴィを手に入れろと、神が俺に味方をしたんだろう」
そういって笑う。
「アナタは……」
「まぁ、冗談は横におき。 これで薬の被害者は全員確保できるはずだ」
「まだ、薬が残っているのではありませんか?」
「スラムの掃除さえしてしまえば、問題はない。 戦争は終わったのだから、今後は戦争による孤児が激減し、スラムへの流入も途絶え、消えても気にされない子供の数は減る」
「確かに……」
火が消え更地となった白薔薇が咲き乱れていただろう土の中には、数百にも及ぶ子供の死体が発見された。 魔力回路を壊すほどの魔力を保有した薬を作りだすには、それほどの贄が必要だったということだ。
「魔女は今回の件に関与せずと言う連絡がきました」
「だろうな……。 隠れ家を捜索して分かったことがある。 ウェイド侯爵家の新当主は、確かに魔力回路の形式には異常はあった。 ……あったといっても俺とは逆で、恐ろしく簡易化されていると予測できる。 保有する魔力の巡回速度は鈍く、魔力量は限りなく少ない。 肉体の強化どころか一定レベルの肉体維持、精神維持が難しいレベルだったのだろう」
それらは何の根拠も無しに語られている訳ではないだろう。
「ようするに、魔力を高めるための細工が隠れ家にあったということですか?」
「そういう事だ。 建物全体に魔力を集める細工が施されていた。 建物内に魔力が充満するよう細工が施されていた。 庭に大量の白薔薇を植えられていたのは、最初からアヤシイ薬物を作ろうとしたわけではないだろうがな」
この世界では、薔薇は魔力保有量が多く、誰もが手に入れられる魔力補助食品として使用している。 特に白薔薇は子供との親和性が高い魔力を保有するとされ、庭を持つ家であれば子が生まれると同時に白薔薇を植えるのが習わしとされている。
パーシヴァルは続ける。
「待望の男子を得て、せめて他の子と同じように生活できるようにと言うのが始まりだろう」
「で、行き過ぎたケアが狂気に変わったと?」
「あぁ、許容を超えた魔力を得た事で、精神に異常が発生し、日常的に強い魔力の飢えを感じるようになった。 それに伴い本人は狂暴化し、彼を恐れた使用人達が、スラムの子を孤児を集めて彼に与えた。 滅多に訪れる事の無かった家だ……当主が気づいた頃には手遅れで、マノヴァ会頭に救いを求めたのだろう」
「なぜ、魔力量がもともと少ないのに飢えるというのですか?」
「10の魔力生産しかできない身体を持ちながら、100の入れ物を得てしまったからだ。 今後も飢え続ける事になるアイツは、膨大な魔力を保有した薬を他者に回す余裕はない。 だから今後同じような被害者は出ることはない……と、予想できる」
「まぁ、犯人に仕立て上げられた妹の恨みと、復讐が、新侯爵の悲劇性と注目を高めてしまいましたからね。 いつも敵も味方も彼を見ている。 下手なことはめったにできないでしょうね」
世間では魔力回路の異常を持って生まれた女性は、一人孤独に療養と言う幽閉にあい、その才能を認められず、狂気を募らせた。 父が亡くなり彼女を管理する者が失われ、彼女は自由に外に出れるようになっても、彼女の部屋にとどまった。 待っても待っても誰も迎えに来ない状況。 自分を気に掛けるものがいない孤独。
外に出れば、自分以外の幸福が目についた。
羨ましかった。
妬ましかった。
だけど、自分だって幸福になれる可能性がある! そう……希望を持った矢先……騎士達により性的暴行を受けてしまった。 復讐を誓い彼等に魔力回路を狂わせる薬を飲ませた。
自分を受け入れられない世界など、消えてなくなれ。
自分の存在を知らず、幸福を享受していた姉妹など死んでしまえばいい。
彼女の狂気を帯びた手記は、悲劇のヒロインとして王都に住むものの興味を誘った。 同時にその女性に家も家族も奪われた美貌の新侯爵へ注目は高い。
手記を書いた女性は存在していない。 だが、そこにかかれた全てが嘘ではなく、ウェイド新侯爵の心の内が書かれていたのだろう。 だからこそ人々はその悲劇に心を打たれた。
迷惑でしかないが……。
「……あぁ……そういえば、ウェイド前侯爵夫人……伯母君は自害しました」
「それは……ご愁傷様」
「王の姉として利用価値があると思われ残されたのでしょうけど、流石に他の子を全て殺した息子と共に生きるなんて無理だったんでしょうね」
温室を襲った中毒者たちは、存在しない悲劇の令嬢を暴行した罪を問われ、王宮にいた貴族の令嬢・令息たちに石を投げられ殺された。
命ある者を救うこと、それを自らの使命としているクライン医局長は、貴族令嬢・令息の行動を必死に止めようとしたが、炎と正義と興奮に取り付かれた集団を抑える事など不可能であり、危険を感じたパーシヴァル配下によって保護された。
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