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2章 薔薇乙女の乱
29.薔薇の狂気 前編
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「ルーカス、医局長に茶でも出してくれ」
視線を向ければ、シヴィと副局長を両サイドに茶葉談義をしているルーカスの姿が目に付いた。
「仕事しろ」
「仕事ですか! お茶ですか! はっきりしてください!!」
怒っているポーズをとってみせるルーカス。
「遊んでないで、お茶を入れて仕事に戻れ」
肩を竦め静かに言えば「了解」とルーカスは笑って返し、コーヒーの入った瓶を選びだし、湯を沸かす。
「シヴィ、コッチで少し話をしようか?」
怯えさせる事が無いように、ゆるい感じで笑みと共にパーシヴァルは声をかければ、返事を返すのはルーカス。
「折角シヴィの差し入れでお茶をしようとしていたのに?!」
ルーカスの手元にあるのは、濃い茶色をしたずっしりとしたケーキ。
「チョコ?」
無言のままパーシヴァルの側に歩みよってきていたシヴィに聞けば、微笑みとともに頷かれた。
「なら、中でお茶にしようか?」
チラリと医局長を見れば憮然としていたが、そこに割り込む理由がないのも理解しており、乱暴な様子でソファに腰を下ろした。
「でも、取り調べ中にお茶とケーキなんていいのかしら?」
「少し2人で話をしようってだけのことだ」
パーシヴァルは、穏やかな笑みを向ければ、シヴィは少しだけ戸惑いを見せた。
「そんなので、いいのでしょうか?」
「怖い思いをした被害者を、追い詰めてどうする?」
「それも……そうですね」
パーシヴァルがシヴィに手を差し出せば、そっと手が重ねられた。 満足そうにエスコートを気取りながらパーシヴァルは応接室へと向かう。
「どうぞ、可愛いお嬢さん」
「お嬢さんって言われるような子供ではないわ」
「愛しい人」
「何時も誰にでも、そんな事を言っているんですか?」
「まさか、シヴィにだけだ」
やはり緊張していたのか、ようやくシヴィは笑みを向けた。 パーシヴァルがシヴィの横にすわれば目を丸くし驚く。
「横……?」
「これは取り調べではなく、最近何か悩んでいるシヴィを心配する家族の行動だから問題はない。 だから、シヴィが秘密にして欲しいと言うなら口外はしない」
前かがみになるような姿勢で、シヴィの顔を覗き込み微笑んで見せる。
魔力回路の暴走者が出た日から、シヴィの様子が少しばかりおかしかった。
シヴィが王宮に務めだしてから、彼女は殆ど王宮から出ていないと言う。 狙われる覚えがあるとするなら彼女の父絡みだろう。 そうなれば、大っぴらに話すことなどできない。
まぁ……予測に過ぎないが……。
「口外を案じている訳ではないんです」
「なら、何を心配しているんだ?」
「魔力暴走を起こされた方々からした匂いに覚えがあったんです」
「ドコで?」
「子供の頃、その記憶も曖昧で……」
「子供の頃? 俺がシヴィを知る以前?」
「はい、えっと信じてくれるんですか?」
「シヴィの言葉だから信用すると言いたのだが、残念ながら薬の正体を知っている。 なら、狙われる理由にも納得がいくからな」
「理由のない信用は重いので、辞めて欲しいかな?」
「俺は、シヴィに信用して欲しいけど?」
「曖昧な記憶を、私の発言だから信用するっていうのは、無責任だと思いますよ?」
「あぁ、なるほどそういうことか……うん、それは俺が悪かった。 すまん」
他愛ない会話が、少しずつ歩み寄っているかのように感じて心地よかった。 まずいな……仕事なのに……。 シヴィになんと言おうと、やっぱり仕事は仕事なのだ。
「それで、その子供の頃のこと、教えてくれるかな?」
シヴィは頷き、父と共に訪ねた薔薇の屋敷を語る。
「7歳の頃、見渡す限り白薔薇が咲き乱れる庭を持つ家に、招待されたことがあるんです」
薔薇が植えられた家等珍しいものではない。 特に子供が生まれた、小さな子がいる家では積極的に白い薔薇が植えられる。 だが、パーシヴァルは無言のまま頷く。
「そこのバラが……魔力暴走で亡くなった方々と同じ匂いをしていましたの」
捕獲の翌日、生存していた2人も立て続けに亡くなっていた。 正気に戻るのは難しいレベルでの異常はあったが、命を落とすほどまでではなかったはず……。
「錆びた桃の香と言っていたな」
シヴィは頷く。
「絶対、間違いないとは言い切れないけれど、あの香は独特ですわ……。 多分、普通に育ててもあの香りにはならないはずです。 ですが……。 幼い頃に見た薔薇の庭であれば、あの薬を作り出すことも可能」
「それは?」
「少しばかり、特殊な堆肥が使われていましたの」
「堆肥?」
「はい、子供の死体です」
高く積まれた子供の死体。 生前どんな責め苦を追ったのか? 皮膚は変色し、裂け、血が流れ、あけたままの瞳は恨めしそうで、流れた血は周囲を白い薔薇の花びらだけを赤く染めていた。
「見間違いということは?」
「スラムの子達が失踪していた事実も存在しています」
スラムの子と言うと、孤児院での生活から逃げだし、犯罪に手を染める子供達。 彼等は、盗人、脅し、傷害、殺人なんでもする。 だから、彼等が消えても周囲はなんら気にすることがなかったのだ。
「仮に、むせ返るような香りに酔っていたとしても。 人が家畜のように扱われ、テーブルが、椅子が生きた人間でつくられ、血が滲み、うめき声をあげ、助けを求めていたのは紛れもない事実」
「シヴィは、その……そんな場所へ何をしに?」
少しばかり考え込んでいた。
「そう……母の娘である私に、友達になってほしいと……」
「シヴィの母君? そういえば聞いたことが無いが……」
「5歳の時に亡くなっています。 精神崩壊と魔力暴走で」
苦笑気味にパーシヴァルを見上げた。
「それは、すまない」
「いいえ……、本来なら人の住む村で結婚し、子を作るほど安定性のある魔女ではなかったのだと思います」
それは、城に保管してある禁書の類を見せてもらって行きついた答え。
魔女とは……
魔力回路の異常によって、高い魔力性能を持つ者によってつくられた自助組織に所属する者をいい、個人を指すものではなく所属団体を指して魔女と言うらしい。 本来であれば魔力暴走の可能性のある回路異常の持ち主は、発見と共に刺殺されるのだが魔女達(女性とは限らず)はそれを救済し、教育し、選別し……危険と判断すれば処分する。
魔女達は、世界に影響を与えぬように精神を乱さぬように、魔女達の村で静かに生活しているとされている。
「パーシィは、魔女との接触は?」
「俺の場合、生まれる前から処分対象レベルなのは、分かっていたらしくて、賢者に介入させたらしく……なるほど……その誰かも親父殿を通じて賢者を頼ったのか……」
魔女が自然との調和を目指す団体なら、賢者は魔女組織から抜け出した者達によってつくられた営利目的の団体名称を指す。
「シヴィの見てきた、その状況であれば……魔力回路を崩壊させる薬が作れるというのか?」
「理論的には可能です」
視線を向ければ、シヴィと副局長を両サイドに茶葉談義をしているルーカスの姿が目に付いた。
「仕事しろ」
「仕事ですか! お茶ですか! はっきりしてください!!」
怒っているポーズをとってみせるルーカス。
「遊んでないで、お茶を入れて仕事に戻れ」
肩を竦め静かに言えば「了解」とルーカスは笑って返し、コーヒーの入った瓶を選びだし、湯を沸かす。
「シヴィ、コッチで少し話をしようか?」
怯えさせる事が無いように、ゆるい感じで笑みと共にパーシヴァルは声をかければ、返事を返すのはルーカス。
「折角シヴィの差し入れでお茶をしようとしていたのに?!」
ルーカスの手元にあるのは、濃い茶色をしたずっしりとしたケーキ。
「チョコ?」
無言のままパーシヴァルの側に歩みよってきていたシヴィに聞けば、微笑みとともに頷かれた。
「なら、中でお茶にしようか?」
チラリと医局長を見れば憮然としていたが、そこに割り込む理由がないのも理解しており、乱暴な様子でソファに腰を下ろした。
「でも、取り調べ中にお茶とケーキなんていいのかしら?」
「少し2人で話をしようってだけのことだ」
パーシヴァルは、穏やかな笑みを向ければ、シヴィは少しだけ戸惑いを見せた。
「そんなので、いいのでしょうか?」
「怖い思いをした被害者を、追い詰めてどうする?」
「それも……そうですね」
パーシヴァルがシヴィに手を差し出せば、そっと手が重ねられた。 満足そうにエスコートを気取りながらパーシヴァルは応接室へと向かう。
「どうぞ、可愛いお嬢さん」
「お嬢さんって言われるような子供ではないわ」
「愛しい人」
「何時も誰にでも、そんな事を言っているんですか?」
「まさか、シヴィにだけだ」
やはり緊張していたのか、ようやくシヴィは笑みを向けた。 パーシヴァルがシヴィの横にすわれば目を丸くし驚く。
「横……?」
「これは取り調べではなく、最近何か悩んでいるシヴィを心配する家族の行動だから問題はない。 だから、シヴィが秘密にして欲しいと言うなら口外はしない」
前かがみになるような姿勢で、シヴィの顔を覗き込み微笑んで見せる。
魔力回路の暴走者が出た日から、シヴィの様子が少しばかりおかしかった。
シヴィが王宮に務めだしてから、彼女は殆ど王宮から出ていないと言う。 狙われる覚えがあるとするなら彼女の父絡みだろう。 そうなれば、大っぴらに話すことなどできない。
まぁ……予測に過ぎないが……。
「口外を案じている訳ではないんです」
「なら、何を心配しているんだ?」
「魔力暴走を起こされた方々からした匂いに覚えがあったんです」
「ドコで?」
「子供の頃、その記憶も曖昧で……」
「子供の頃? 俺がシヴィを知る以前?」
「はい、えっと信じてくれるんですか?」
「シヴィの言葉だから信用すると言いたのだが、残念ながら薬の正体を知っている。 なら、狙われる理由にも納得がいくからな」
「理由のない信用は重いので、辞めて欲しいかな?」
「俺は、シヴィに信用して欲しいけど?」
「曖昧な記憶を、私の発言だから信用するっていうのは、無責任だと思いますよ?」
「あぁ、なるほどそういうことか……うん、それは俺が悪かった。 すまん」
他愛ない会話が、少しずつ歩み寄っているかのように感じて心地よかった。 まずいな……仕事なのに……。 シヴィになんと言おうと、やっぱり仕事は仕事なのだ。
「それで、その子供の頃のこと、教えてくれるかな?」
シヴィは頷き、父と共に訪ねた薔薇の屋敷を語る。
「7歳の頃、見渡す限り白薔薇が咲き乱れる庭を持つ家に、招待されたことがあるんです」
薔薇が植えられた家等珍しいものではない。 特に子供が生まれた、小さな子がいる家では積極的に白い薔薇が植えられる。 だが、パーシヴァルは無言のまま頷く。
「そこのバラが……魔力暴走で亡くなった方々と同じ匂いをしていましたの」
捕獲の翌日、生存していた2人も立て続けに亡くなっていた。 正気に戻るのは難しいレベルでの異常はあったが、命を落とすほどまでではなかったはず……。
「錆びた桃の香と言っていたな」
シヴィは頷く。
「絶対、間違いないとは言い切れないけれど、あの香は独特ですわ……。 多分、普通に育ててもあの香りにはならないはずです。 ですが……。 幼い頃に見た薔薇の庭であれば、あの薬を作り出すことも可能」
「それは?」
「少しばかり、特殊な堆肥が使われていましたの」
「堆肥?」
「はい、子供の死体です」
高く積まれた子供の死体。 生前どんな責め苦を追ったのか? 皮膚は変色し、裂け、血が流れ、あけたままの瞳は恨めしそうで、流れた血は周囲を白い薔薇の花びらだけを赤く染めていた。
「見間違いということは?」
「スラムの子達が失踪していた事実も存在しています」
スラムの子と言うと、孤児院での生活から逃げだし、犯罪に手を染める子供達。 彼等は、盗人、脅し、傷害、殺人なんでもする。 だから、彼等が消えても周囲はなんら気にすることがなかったのだ。
「仮に、むせ返るような香りに酔っていたとしても。 人が家畜のように扱われ、テーブルが、椅子が生きた人間でつくられ、血が滲み、うめき声をあげ、助けを求めていたのは紛れもない事実」
「シヴィは、その……そんな場所へ何をしに?」
少しばかり考え込んでいた。
「そう……母の娘である私に、友達になってほしいと……」
「シヴィの母君? そういえば聞いたことが無いが……」
「5歳の時に亡くなっています。 精神崩壊と魔力暴走で」
苦笑気味にパーシヴァルを見上げた。
「それは、すまない」
「いいえ……、本来なら人の住む村で結婚し、子を作るほど安定性のある魔女ではなかったのだと思います」
それは、城に保管してある禁書の類を見せてもらって行きついた答え。
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魔力回路の異常によって、高い魔力性能を持つ者によってつくられた自助組織に所属する者をいい、個人を指すものではなく所属団体を指して魔女と言うらしい。 本来であれば魔力暴走の可能性のある回路異常の持ち主は、発見と共に刺殺されるのだが魔女達(女性とは限らず)はそれを救済し、教育し、選別し……危険と判断すれば処分する。
魔女達は、世界に影響を与えぬように精神を乱さぬように、魔女達の村で静かに生活しているとされている。
「パーシィは、魔女との接触は?」
「俺の場合、生まれる前から処分対象レベルなのは、分かっていたらしくて、賢者に介入させたらしく……なるほど……その誰かも親父殿を通じて賢者を頼ったのか……」
魔女が自然との調和を目指す団体なら、賢者は魔女組織から抜け出した者達によってつくられた営利目的の団体名称を指す。
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