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2章 薔薇乙女の乱
19.鈍感と言う名の罪に彼女はまだ気づかない 後編
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シヴィルは……ボーゼンとしていた。
いや、もし今回の話を聞いていなければ、ソレをおかしな行動とは思わなかったのだろう。 だが、ソファに座るパーシィの背後に戯れるように、背もたれに肘を置き身を乗り出して会話をしている殿下とパーシィの姿は、とても仲睦ましそうに見えて。
「ぁ……(やっちまったか)」
ルーカスが、タルトを持っていない左手で目を覆った。
「どうかしたのか?」
そして、間も悪くパーシヴァルの今の見せつけコンセプトは『仕事する俺』であり「シヴィ!シヴィ!!」とはしゃぐ様子はない。 ちなみに、殿下が背後にいる理由と言えば、パーシィの読み上げに任せるのではなく、書類を直に視線で追おうとしたためである。
「えっと……」
何と言えばいいのか悩むシヴィル。 ここは誤魔化して殿下の異国風の衣装を褒めて、流すべきでしょうか? いえ、誤魔化してどうなると言うのですか!! と言う思いでグルグル。
「ぁ、あの、お二人はとても仲が宜しいのですね……」
視線をそらしながらシヴィルは言った。
***************************
これは、どういう反応なんだ? パーシヴァルはルーカスに視線で問えば、とりあえず攻めろと攻撃指示を上司に向かって出した。
「俺は、シヴィと仲良くしたいんだがな」
両手を広げて見せれば、ゲンナリした表情を向けられ苦笑するしかない。
「殿下にもそのように?」
突然のシヴィの言葉に狼狽えるパーシィヴァル。
「ルーカス、どういうことだシヴィがキモイ発言をしている」
「もしかして、こういうことですか?」
殿下が背後から、パーシヴァルの肩に腕を回しもたれかかろうとすれば、顔面を腕で殴りつけると言う動作が行われ、素早く殿下はソレを避けた。
「何を勘違いしているか……まぁ、想像はつきますけど、ヴァルは昔から奥さん一筋なので余計な心配はいりませんよ」
「……パーシィって結婚していたんだ」
「……していたと思っていたんだよ!! オマエと」
がっくりと俯いた……。
「あ~~~、うん、なるほど、えっと……父がご迷惑をおかけしました……」
婚姻証明書を書いたと言う事実を忘れ去られていると言うこともショックだったが、心の底から申し訳なさそうに謝罪されれば尚更傷つくと言うもの。
「申し訳ありません」
表情に出ていたのか、再度謝られた……。
「傷ついた俺を慰めようって気があるなら、ここにおいで」
改めて手を広げて見せれば、腕の中に納まることはなかったが、横にチョコンと座った。 罪悪感がある今なら少しぐらい触れてもいいだろうか? 等と考えるが、どうにも表情が硬く……行動するごとに、なんらかの墓穴を掘りそうな予感に、手をワキワキしながら、髪ぐらいなら撫でていいか? いやでも……髪が乱れるって以前言われたしと、悩みだす。
「どうかしたんですか?」
「えっと……髪を後で整えるから……、撫でていいか?」
シヴィは、紐で結んだだけの髪をスルリと解けば、長いストレートの髪が流れ落ちる。
「どうぞ」
「ぁ、どうも……」
殿下とルーカスは、色気のない二人の様子に肩を竦めあった。
シヴィの持ってきたタルトと共に新しくお茶が出される。 未だパーシヴァルはシヴィの髪を撫でていた。
「可愛いなぁ……」
デレデレすれば、いつもであれば「馬鹿なの?」と返されるところが、シヴィは沈黙を通している。 それはそれでどうなのかと思うが……、今は先に話すべき事があった。
「廊下で何をしていたんだ?」
「それより、タルトだけど私が作ったの。 美味しくなくても、許してくださいね」
「ぇ、あぁ……そうか……えっと……俺のため?」
パーシヴァルの問いに僅かの間はあったが、頷かれた。 シヴィ的には言われ方に少し引っ掛かりを覚えたのだが、事実は事実だと頷いたに過ぎない。 だが、パーシヴァルはソレで一気にご機嫌となり、まぁいいかぁとシヴィは考えていた。
手間がかかると、ルーカスは肩を竦める。
「先生は、世間で噂となっている話の真偽を俺に尋ねに来たんですよ」
「……噂? なんかヤバイ噂があるのか? ありながら俺の耳に今まで入らなかったと言うのは問題があるんじゃないか?」
「いえ……事が変に大きくなっただけで、噂自体は……まぁ、定期的に発生する奴ですから……」
騎士学園も、騎士団も、戦場も男ばかりの世界である。 本人の性癖関係なく定期的に噂が上るのだが、その噂は貴族男性達の間であり、短い期間で収束しているのが常であった。 今回のように這いずってまで創作し、暗躍し、配布し、発展させてしまった令嬢達の存在は初めてのこと。
「あぁ、何時もの奴ですか」
「えぇ、何時もの奴です、 ですが、噂の発信が令嬢達で、娯楽として発展してしまったために、王族の後継問題として……王妃様の耳に届いたそうです」
「あ~~~、ソレは不味いですねぇ……とはいえ、う~ん。 シヴィ」
「なんですか?」
「結婚してくれません?」
「オマッ!!」
「お断りします」
シヴィの冷ややかな視線が殿下に向けられれば、ホッとしたようにパーシヴァルは口を閉ざすこととなった。
「ですよねぇ~。 さて、困りました……」
「お困りなんですか?」
「そうですね……」
ライオネルは苦々しく笑い、ポソリと愚痴を吐き出した。
「私はね、王とは国にとっての贄だと考えているんですよ。 それに、目の前のその男に比べれば、どんな女性でも可愛らしく感じますし、大切にするつもりです。 国のためになるなら、政治的に妻を迎えても全然構わないと考えているんですよ。 ですが、国王陛下は違うんですよ……、運命の愛は無情の喜び、愛する妻を迎え、愛をしってこそ、国を愛せると言う考え方なんです。 それで安易に女性とお付き合いも出来ないと言うのか……つきあってみなければ好きかどうかも分からないと言うのに」
どこか疲れたように肩を竦めて見せた。
「俺を比較に出すな」
「可愛らしい人だと言って欲しいのですか? そう言わないと働かないと言うなら、それこそ毎晩でも囁いてさしあげますよ」
「八つ当たりをするな」
パーシヴァルは肩を竦めた。
「まぁ、母が気を病みだして2日なら……。 あの方は騒動を好まない人ですし、父にはまだ口を開いていないでしょう。 今のうちに噂を撤回しておきますよ」
そうして殿下は憂鬱そうに席を立った。
「殿下って、苦労なさっているんですね」
「そりゃぁ、苦労もするだろう」
「もう少し、お優しくしてさしあげればどうですか?」
「シヴィも、俺にもう少し、お優しくしてくれたらどうですか?」
パーシヴァルが棒読みで訴えれば、少しだけ考え込んだシヴィルは自らのタルトの残りをフォークに突き刺し、口元へと差し出す。
「あ~ん」
シヴィが可愛らしい唇で食べるよう促せば、パーシヴァルは気が変わらないうちにと、慌てて食べた。
「美味しい?」
「あぁ、とても。 美味しいよ」
「そう……また、気が向いたら作ってあげる」
「そうか……うん、ありがとう」
少しだけ幸せになったパーシヴァルだった。
いや、もし今回の話を聞いていなければ、ソレをおかしな行動とは思わなかったのだろう。 だが、ソファに座るパーシィの背後に戯れるように、背もたれに肘を置き身を乗り出して会話をしている殿下とパーシィの姿は、とても仲睦ましそうに見えて。
「ぁ……(やっちまったか)」
ルーカスが、タルトを持っていない左手で目を覆った。
「どうかしたのか?」
そして、間も悪くパーシヴァルの今の見せつけコンセプトは『仕事する俺』であり「シヴィ!シヴィ!!」とはしゃぐ様子はない。 ちなみに、殿下が背後にいる理由と言えば、パーシィの読み上げに任せるのではなく、書類を直に視線で追おうとしたためである。
「えっと……」
何と言えばいいのか悩むシヴィル。 ここは誤魔化して殿下の異国風の衣装を褒めて、流すべきでしょうか? いえ、誤魔化してどうなると言うのですか!! と言う思いでグルグル。
「ぁ、あの、お二人はとても仲が宜しいのですね……」
視線をそらしながらシヴィルは言った。
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これは、どういう反応なんだ? パーシヴァルはルーカスに視線で問えば、とりあえず攻めろと攻撃指示を上司に向かって出した。
「俺は、シヴィと仲良くしたいんだがな」
両手を広げて見せれば、ゲンナリした表情を向けられ苦笑するしかない。
「殿下にもそのように?」
突然のシヴィの言葉に狼狽えるパーシィヴァル。
「ルーカス、どういうことだシヴィがキモイ発言をしている」
「もしかして、こういうことですか?」
殿下が背後から、パーシヴァルの肩に腕を回しもたれかかろうとすれば、顔面を腕で殴りつけると言う動作が行われ、素早く殿下はソレを避けた。
「何を勘違いしているか……まぁ、想像はつきますけど、ヴァルは昔から奥さん一筋なので余計な心配はいりませんよ」
「……パーシィって結婚していたんだ」
「……していたと思っていたんだよ!! オマエと」
がっくりと俯いた……。
「あ~~~、うん、なるほど、えっと……父がご迷惑をおかけしました……」
婚姻証明書を書いたと言う事実を忘れ去られていると言うこともショックだったが、心の底から申し訳なさそうに謝罪されれば尚更傷つくと言うもの。
「申し訳ありません」
表情に出ていたのか、再度謝られた……。
「傷ついた俺を慰めようって気があるなら、ここにおいで」
改めて手を広げて見せれば、腕の中に納まることはなかったが、横にチョコンと座った。 罪悪感がある今なら少しぐらい触れてもいいだろうか? 等と考えるが、どうにも表情が硬く……行動するごとに、なんらかの墓穴を掘りそうな予感に、手をワキワキしながら、髪ぐらいなら撫でていいか? いやでも……髪が乱れるって以前言われたしと、悩みだす。
「どうかしたんですか?」
「えっと……髪を後で整えるから……、撫でていいか?」
シヴィは、紐で結んだだけの髪をスルリと解けば、長いストレートの髪が流れ落ちる。
「どうぞ」
「ぁ、どうも……」
殿下とルーカスは、色気のない二人の様子に肩を竦めあった。
シヴィの持ってきたタルトと共に新しくお茶が出される。 未だパーシヴァルはシヴィの髪を撫でていた。
「可愛いなぁ……」
デレデレすれば、いつもであれば「馬鹿なの?」と返されるところが、シヴィは沈黙を通している。 それはそれでどうなのかと思うが……、今は先に話すべき事があった。
「廊下で何をしていたんだ?」
「それより、タルトだけど私が作ったの。 美味しくなくても、許してくださいね」
「ぇ、あぁ……そうか……えっと……俺のため?」
パーシヴァルの問いに僅かの間はあったが、頷かれた。 シヴィ的には言われ方に少し引っ掛かりを覚えたのだが、事実は事実だと頷いたに過ぎない。 だが、パーシヴァルはソレで一気にご機嫌となり、まぁいいかぁとシヴィは考えていた。
手間がかかると、ルーカスは肩を竦める。
「先生は、世間で噂となっている話の真偽を俺に尋ねに来たんですよ」
「……噂? なんかヤバイ噂があるのか? ありながら俺の耳に今まで入らなかったと言うのは問題があるんじゃないか?」
「いえ……事が変に大きくなっただけで、噂自体は……まぁ、定期的に発生する奴ですから……」
騎士学園も、騎士団も、戦場も男ばかりの世界である。 本人の性癖関係なく定期的に噂が上るのだが、その噂は貴族男性達の間であり、短い期間で収束しているのが常であった。 今回のように這いずってまで創作し、暗躍し、配布し、発展させてしまった令嬢達の存在は初めてのこと。
「あぁ、何時もの奴ですか」
「えぇ、何時もの奴です、 ですが、噂の発信が令嬢達で、娯楽として発展してしまったために、王族の後継問題として……王妃様の耳に届いたそうです」
「あ~~~、ソレは不味いですねぇ……とはいえ、う~ん。 シヴィ」
「なんですか?」
「結婚してくれません?」
「オマッ!!」
「お断りします」
シヴィの冷ややかな視線が殿下に向けられれば、ホッとしたようにパーシヴァルは口を閉ざすこととなった。
「ですよねぇ~。 さて、困りました……」
「お困りなんですか?」
「そうですね……」
ライオネルは苦々しく笑い、ポソリと愚痴を吐き出した。
「私はね、王とは国にとっての贄だと考えているんですよ。 それに、目の前のその男に比べれば、どんな女性でも可愛らしく感じますし、大切にするつもりです。 国のためになるなら、政治的に妻を迎えても全然構わないと考えているんですよ。 ですが、国王陛下は違うんですよ……、運命の愛は無情の喜び、愛する妻を迎え、愛をしってこそ、国を愛せると言う考え方なんです。 それで安易に女性とお付き合いも出来ないと言うのか……つきあってみなければ好きかどうかも分からないと言うのに」
どこか疲れたように肩を竦めて見せた。
「俺を比較に出すな」
「可愛らしい人だと言って欲しいのですか? そう言わないと働かないと言うなら、それこそ毎晩でも囁いてさしあげますよ」
「八つ当たりをするな」
パーシヴァルは肩を竦めた。
「まぁ、母が気を病みだして2日なら……。 あの方は騒動を好まない人ですし、父にはまだ口を開いていないでしょう。 今のうちに噂を撤回しておきますよ」
そうして殿下は憂鬱そうに席を立った。
「殿下って、苦労なさっているんですね」
「そりゃぁ、苦労もするだろう」
「もう少し、お優しくしてさしあげればどうですか?」
「シヴィも、俺にもう少し、お優しくしてくれたらどうですか?」
パーシヴァルが棒読みで訴えれば、少しだけ考え込んだシヴィルは自らのタルトの残りをフォークに突き刺し、口元へと差し出す。
「あ~ん」
シヴィが可愛らしい唇で食べるよう促せば、パーシヴァルは気が変わらないうちにと、慌てて食べた。
「美味しい?」
「あぁ、とても。 美味しいよ」
「そう……また、気が向いたら作ってあげる」
「そうか……うん、ありがとう」
少しだけ幸せになったパーシヴァルだった。
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