絶対、離婚してみせます!! 皇子に利用される日々は終わりなんですからね

迷い人

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37.完結 後

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 熱を持った白い太腿が、蜜を絡めた手で撫でられる。 ただ撫でられるだけなのに、快楽に震えた。 繰り返される口づけは唇と、その周囲を唾液で汚していた。

 はぁっ……。
 心地良く、そして甘い。

 与えられた余裕は、物足りなさに呻き、苦しさに甘い喘ぎを漏らす。

「ぁあ、もっと……ダメ、足りない……」

「触れて欲しいか?」

 触れるか、触れないかの距離で、蜜に濡れた敏感な蕾がふれられる。

「ぁっ、ぁ、ぁ」

 声をあげ開かれる唇の隙間から覗き見える舌先が吸われ、蕾が撫で引っ掻かれた。

「んっふぅくっ……ちがっ、もっと、もっと」

 もっと気持ちのいいのが欲しい。 未だ身体の奥に味わったことのない、快楽に期待と恐怖に震えダグラスを見つめる。

「お願い、お願い……」

 ダグラスは嘲るような笑みを口元に浮かべ、煽るように蜜を溢れさせる割れ目に触れ、焦らすように肉を分け、指を1本2本と入れては出しを繰り返し戯れに遊び快楽を煽る。

「やっ、お願い、なか、なかをまぜて」

 指を奥深くまで埋め、引っ掻きまわす。

「ぁあああっんっ……」

 悲鳴のような喘ぎでも、与えられる快楽は止まず、求める快楽も終わらず。 深く深く中が引っ掛かれる。

「ぁ、んっ……くっ、だめ……ひぃっ、あぁあ……っ、だめぇえ……っ!」

 中を乱暴に引っかかれ、下腹を薄い皮膚の上から押さえつけられれば、激しい絶頂に悲鳴が上がる。 達したばかりで敏感になった身体を解放することはない。

「まだまだ足りないだろう」

 蕾が指の腹で押さえつけられ、漏れる快楽の声は口づけでふさがれた。

「くっ、ふぅ――……っ、ぁぁああ」

 熱が、光が、決壊するように、快楽が溢れて押し流されていく。
 身体中がドロドロに溶けそうなほどの熱に溶かされた。

 チュッと触れる唇と唇が重なる。
 それは、何処までも甘く優しい。

「誰の、精が欲しい?」

 見下す金色の視線は、熱を帯び熱く揺れていた。

「ダグラス、のがいい。 お願い、欲しい、欲しいの……」

 グズグズに溶け、蜜が溢れる中。
 ようやく受け入れる事が出来るのかと、嬉しかった。

 心の中が喜びに震えた。

「誰のモノを、ここに受け入れたい。 もう一度言ってみろ」

「ダグラスのをちょうだい。 好き。 ダグラスのがいい」

「いい子だ」

 その金色は穏やかに見えたが、ズボンの中から引っ張り出されたソレは、大きく膨張し、反り返りっていた。

「ダグラスぅ……おねがぃ、はやく……ぁあっ」

 蜜でとろけた中に、肉の棒が押し当てられれば甘く期待の声をあげた。 痛みも、苦痛も甘美となる予感に震える。

 熱く太い肉棒が、蜜で満たされた粘膜をこすり進められていく。

 ラーラの甘い声が飲み込まれる。
 ダグラスの呻きも飲み込まれた。

 ぁあ、気持ちい……もっと、もっと擦って奥をまで抉って、お尻を浮かせ、揺らし、熱が欲しいと挑発する。

「いやらしい、その顔をサリオンに見せつける気だったのか」

 声が苛立っていた。
 首筋がキツク吸われ、噛みつかれた。

 痛みすら快楽だと、甘い声が小刻みに揺れた。

「ダグラスだけなの……ごめん、ごめんなさい、しっと、させたかった」

「はっ!!」

 イラっとした様子で声が吐き出され、ダグラスはラーラの細い腰を引きよせ、ラーラの濡れた奥深くを叩き抉る。

「あ、あっ、あぁぁぁ……っ!」

 強い圧迫感。
 鈍い痛み。

 そして圧倒的な快楽。

 荒い呼吸が途切れ、仰け反り、喘ぎ、ようやくようやくその身に受け入れる事が出来た喜びに涙が流れていた。 奥深くをぐりぐりと抉るように押し付けられ、身体には電気が走ったようにぴくぴくと手足が震えれば、発情の香りが濃く密度を増していく。 穿つ速度が早められ、中を圧迫する密度が増した。

 抉られ、擦られ、打ち付けられ、2人の熱が増し、熱い蜜を吐きだし、精を吐きだした。

「ぁ、ぁ……ぁ、ぁ、」

 恐怖を覚えるほどの快楽に、短い喘ぎが繰り返され身体が逃げ出そうとすれば、白く細い身体が抱きしめられた。

「俺のだ。 俺のものだ、俺だけの」

 全てを中に吐き出そうと、ベッドの上に押さえつけ、腰を押し付け、熱を放ち続けた。

「あぁ、あぁっ! ああぁ……っ!」

「イけ……ほら、いけ!!」

 快楽に身体がひくつき、抱きつこうとダグラスに向かい腕が延ばされた。 その手は重ねられることなく、胸の膨らみがこねられる。 硬くなった胸の先端に口づけられ、舌でこねられ、吸われた。

「ぁ、ぁあああ」

 身体中のいたるところが狂うほどに気持ち良く、その意識が白く揺らぐ。

「ナカ……絞られる……っ」

「あぁ……もっと、ちょうだい、ちょうだい……ぁあっ!」

 1度の放出で収まらぬ熱は、蜜と精を交えて、再び激しく穿たれる。 ぐちゅぐちゅと淫らな音が鳴り響き、混ざり合った結合部が濡れ泡立つ。

 熱に蕩けた身体は、直ぐに絶頂を迎え、そして、再び快楽が与えられる。 幾度となく繰り返される絶頂は、眠りと快楽を繰り返し、幾日も続けられた。






 春の日差しがカーテンの隙間から差し込んだ。

 ボンヤリとしながら、窓を開けばカーテンが揺れ、春の匂いを風が運んで来た。 肌を撫でる風が心地よい。

 視線を巡らせても、ダグラスはいない……。

 それでも、疼く痛みを残したお腹の奥には、ダグラスに抱かれた証だと、腹の上から愛おしく指先で撫でた。

 ほぉ……。

 甘い気持ちが、心に満ちる。
 肌に触れる薄いシーツが心地よい。

 はふぅ……。

 シーツごと身体を抱きしめ転がり瞳を閉ざした。

「兄様……ダグラス……」

 未だ慣れぬ呼び声は自然と甘くなる。



 ガタリと音がした。



 ダグラスだろうと視線を上げれば、窓から顔を出すのは知らない人。

「誰?」

「いい匂いがすると思えば、やってくれと言わんばかりの恰好で出迎えてくれちゃってさぁ……」

 発情はすでに終えたと思っていたが、その残り香も強烈なのかもしれない。 しまったなと思い考える。 相手は警備として皇宮を回っている騎士だけれど、自分の方が強いのは見ただけで分かる。

「入ってこないで」

 二人の場所に立ち入られるのがイヤだった。
 ただソレだけなのに、相手は勘違いし、興奮していた。

 窓際から、騎士が襟首をつかみ投げられた。

「ここを何処かわかってんのか?」

 ダグラスが睨みをつければ、匂いに惑わされた騎士は這うように逃げて行った。

「まったく……油断も隙もない。 他の男に食われんなよな。 オマエは俺のだ」

 乱暴な口づけ。



 獣は獣らしく……お互いを求め、空白を埋める。



 おわり
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