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37.表と裏 01
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暗闇の中、ジッと見つめてくる視線をラースは愛おしいと思っていた。 ふわふわとした気持ちがむず痒くて転げまわりたい気分になってくる。
シアが首を傾げれば、金色の髪がフワリと揺れるのが、甘い砂糖菓子のようだとラースはシアの髪の中に顔を突っ込み首筋を鼻で撫でた。 小さく笑うシアの身体が震え、それがラースの心と体を甘くくすぐる。
今、この瞬間が幸福過ぎる……。
獣の姿ですら……、シアは愛してくれる。
コレは、幸福以外なにものでもない。
「シア」
「なぁに?」
「好きだ」
甘く、どこまでも甘くラースは囁けば、暗闇でシアの白い肌が赤く染まるっていく。 言葉で語らなくても分かる素直な反応にラースは嬉しくて尻尾がパタパタと動いてしまう。 それでもラースは言葉を欲して、もう一度囁いた。
「好きだよ、シア」
シアの両腕がラースの首回りに回されキュッと抱きしめてきて、シアはラースの耳元に恥ずかしそうに囁くのだ。
「私も、ラースが好き」
耳にくすぐったくて、ピピピッと耳を震わせた。 抱きしめる腕が無いのが切なくて……人型に戻ろうとすれば……ソレに気づいてか、気づかずか?
腹が撫でられる……。
「そこはダメだ」
肉球でメシッとシアの額に当てた。 柔らかな部分を触られるのは、余り気分が良く無いと言うか?
それでもシアは楽しそうで、鈴のように愛らしく笑っている。 シアは、額に当てたラースの肉球を両手を掴んで、肉球に触れ……その匂いを嗅いでくる。
「な、にをしているんだ?」
「英知の塔でね。 肉球の匂いはポップコーンって奴の匂いだってあったの」
「それで? どうだ?」
呆れた様子で……聞けば……。 楽しそうに笑うのだ……全く……勝てそうにないとラースは獣の姿で笑って見せる。
「ぇ、何、どうしたの??」
「い~や、楽しそうだなって思ったんだ。 俺も自分の匂いを確認してみるか。 んっ? コレがポップコーンって奴の匂いか? 手の匂いなんて嗅ごうとした事はないが……なるほど、悪くないかもな」
そう言えばシアはいっそう嬉しそうにした。
「そろそろ人間に戻っていいか?」
「まだ、ダメ」
「どうして?」
「は、恥ずかしいから……慣れるまで夜はその姿で居て欲しいかな?」
正直言えば、夜は隣室で眠るつもりだった。 当然のように自分を受け入れられている事に驚き……そして、恥ずかしくて、嬉しかった。 尻尾がパタパタ動いてしまうのが止めることが出来無くて……人間の姿で見られるよりはマシだと思った。
「なら……両手が使えない俺の代わりに、抱きしめてくれるか?」
「私の方が、お願いするわ」
嬉しそうにシアは抱き着き、そのまま横になり見つめあって、軽い口づけを交わす。 行き過ぎないようにラースは小さな声で子守歌を歌い始める。 ソレは照れ隠しのようなもので……ジルが理性を失くしていたラースに問いかけるように歌ってくれた神聖とも言える子守歌。
シアはうつらうつらと幸せそうに眠りだし、その呼吸が寝息に変わって行く。
白い肌、ピンクの唇、金色の髪。 1度は諦めた子が、寄り添い眠る幸福に感謝した。 ラースに取って見ればシアはガラス細工のような大切な存在。
「カワイイ……俺の大切な子」
肉体的な情欲ではなく、美しく愛らしいものに対する思い……。 ただ愛おしくて……抱き締めたくて、ヒッソリと人の姿に戻った。
「シア……」
甘く優しく耳元で囁けば、くすぐったそうに身じろぎをした。 そっとその頬を撫で、身体を添えるように抱きしめ、その頬を撫でれば……滑らかな肌が心地よかった。
眠っているシアに口付けて、そしてラースは獣の姿に戻る。
*********************
「なぜよ!!」
反応のないランディに苛立ちを覚えたドロテアは、少しずつ屋敷へと近寄っていた。
「もう、止めましょう……きっとソレが壊れているんですよ。 これ以上近寄るのは危険です。 警備の者だっているんですよ?!」
「アナタが大声を出さなければいいのよ。 彼が居なければ、どんなに人が集まっても無意味なの……分かっているの?」
「余計な事をしない方がいいですよ。 シア様との婚姻が破棄された以上。 ランディ様と寄り添う事ができるのはアナタだけなんです。 なぜ、そう慌てるんですか?」
「戦いしかないランディの妻になって、シアがその知恵を尽くして作った争いのない世界でどうやって生きろって言うのよ!! 何の価値がある訳?! 私が、私だけが……ランディを活かせるの!!」
「シア様は、様々な仕事を王族・貴族に宛がっています。 きっとランディ様に相応しい仕事も与えて下さるはずです。 こんなバカげた事は止めましょう」
「ウルサイ!! うるさいうるさいうるさいうるさい!! アナタこそ馬鹿げた事は止めなさい!! ランディは、ランディはねぇ!! あの女とこの部屋に入って、まだ出てこないのよ?! いやら(しい何をしているのか!! ランディは、ランディは……あの女と別れたの!! なのに、なぜ!! 彼は私のなのよ!!)」
もごもごと口を塞がれながらもドロテアは暴れていた。 自分が仲良くしろと言ったのだと言う余裕はもう欠片も残っていない。
それを見て男は心の底から呆れていた。
ドロテアは男とも、男の父とも関係を持っている。 広く言うなら、男の父の友人ともだ……馬鹿げている。 巻き添えは御免だ……。
「なら、好きにすればいい。 俺は行きます!!」
「待ちなさい!! アナタ、私に逆らって後悔するわよ?」
人々に後悔を与えるほどの力をドロテアは持っていない。 人は何時だってランディに憧れ、怯え、敬意を払っていた。 ソレがドロテアにも向けられていただけ……。
「しっ!! 静かにしてください!! 気づかれてしまいますよ!!」
「私は、気づいて欲しいのよ!! ランディ!! ランディ!! むごっご……放してよ!! 彼が居ないとダメなの!! ダメなのよよぉおおお!!」
男は、叫ぶドロテアを抱えて逃げた。
ギリギリのラインだった……。
「ラ(ンディ!!)」
高らかに叫ばれ、男はドロテアの腹を殴った。 胃の中のものが巻き散らかされ、咳と唾液、涙がドロテアを薄汚く汚した。
それは余りにも惨めだった……。
ドロテア様の声はランディ様に届いていただろう。 ただ……ランディ様が反応しなかっただけ。 男にだってソレは理解できる。
男はドロテアを哀れだと、惨めだと……そう思いながら……ランディがこの態度を通してくれる事を願った。 血気に逸る若者が犠牲にならないようにと……。
シアが首を傾げれば、金色の髪がフワリと揺れるのが、甘い砂糖菓子のようだとラースはシアの髪の中に顔を突っ込み首筋を鼻で撫でた。 小さく笑うシアの身体が震え、それがラースの心と体を甘くくすぐる。
今、この瞬間が幸福過ぎる……。
獣の姿ですら……、シアは愛してくれる。
コレは、幸福以外なにものでもない。
「シア」
「なぁに?」
「好きだ」
甘く、どこまでも甘くラースは囁けば、暗闇でシアの白い肌が赤く染まるっていく。 言葉で語らなくても分かる素直な反応にラースは嬉しくて尻尾がパタパタと動いてしまう。 それでもラースは言葉を欲して、もう一度囁いた。
「好きだよ、シア」
シアの両腕がラースの首回りに回されキュッと抱きしめてきて、シアはラースの耳元に恥ずかしそうに囁くのだ。
「私も、ラースが好き」
耳にくすぐったくて、ピピピッと耳を震わせた。 抱きしめる腕が無いのが切なくて……人型に戻ろうとすれば……ソレに気づいてか、気づかずか?
腹が撫でられる……。
「そこはダメだ」
肉球でメシッとシアの額に当てた。 柔らかな部分を触られるのは、余り気分が良く無いと言うか?
それでもシアは楽しそうで、鈴のように愛らしく笑っている。 シアは、額に当てたラースの肉球を両手を掴んで、肉球に触れ……その匂いを嗅いでくる。
「な、にをしているんだ?」
「英知の塔でね。 肉球の匂いはポップコーンって奴の匂いだってあったの」
「それで? どうだ?」
呆れた様子で……聞けば……。 楽しそうに笑うのだ……全く……勝てそうにないとラースは獣の姿で笑って見せる。
「ぇ、何、どうしたの??」
「い~や、楽しそうだなって思ったんだ。 俺も自分の匂いを確認してみるか。 んっ? コレがポップコーンって奴の匂いか? 手の匂いなんて嗅ごうとした事はないが……なるほど、悪くないかもな」
そう言えばシアはいっそう嬉しそうにした。
「そろそろ人間に戻っていいか?」
「まだ、ダメ」
「どうして?」
「は、恥ずかしいから……慣れるまで夜はその姿で居て欲しいかな?」
正直言えば、夜は隣室で眠るつもりだった。 当然のように自分を受け入れられている事に驚き……そして、恥ずかしくて、嬉しかった。 尻尾がパタパタ動いてしまうのが止めることが出来無くて……人間の姿で見られるよりはマシだと思った。
「なら……両手が使えない俺の代わりに、抱きしめてくれるか?」
「私の方が、お願いするわ」
嬉しそうにシアは抱き着き、そのまま横になり見つめあって、軽い口づけを交わす。 行き過ぎないようにラースは小さな声で子守歌を歌い始める。 ソレは照れ隠しのようなもので……ジルが理性を失くしていたラースに問いかけるように歌ってくれた神聖とも言える子守歌。
シアはうつらうつらと幸せそうに眠りだし、その呼吸が寝息に変わって行く。
白い肌、ピンクの唇、金色の髪。 1度は諦めた子が、寄り添い眠る幸福に感謝した。 ラースに取って見ればシアはガラス細工のような大切な存在。
「カワイイ……俺の大切な子」
肉体的な情欲ではなく、美しく愛らしいものに対する思い……。 ただ愛おしくて……抱き締めたくて、ヒッソリと人の姿に戻った。
「シア……」
甘く優しく耳元で囁けば、くすぐったそうに身じろぎをした。 そっとその頬を撫で、身体を添えるように抱きしめ、その頬を撫でれば……滑らかな肌が心地よかった。
眠っているシアに口付けて、そしてラースは獣の姿に戻る。
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「なぜよ!!」
反応のないランディに苛立ちを覚えたドロテアは、少しずつ屋敷へと近寄っていた。
「もう、止めましょう……きっとソレが壊れているんですよ。 これ以上近寄るのは危険です。 警備の者だっているんですよ?!」
「アナタが大声を出さなければいいのよ。 彼が居なければ、どんなに人が集まっても無意味なの……分かっているの?」
「余計な事をしない方がいいですよ。 シア様との婚姻が破棄された以上。 ランディ様と寄り添う事ができるのはアナタだけなんです。 なぜ、そう慌てるんですか?」
「戦いしかないランディの妻になって、シアがその知恵を尽くして作った争いのない世界でどうやって生きろって言うのよ!! 何の価値がある訳?! 私が、私だけが……ランディを活かせるの!!」
「シア様は、様々な仕事を王族・貴族に宛がっています。 きっとランディ様に相応しい仕事も与えて下さるはずです。 こんなバカげた事は止めましょう」
「ウルサイ!! うるさいうるさいうるさいうるさい!! アナタこそ馬鹿げた事は止めなさい!! ランディは、ランディはねぇ!! あの女とこの部屋に入って、まだ出てこないのよ?! いやら(しい何をしているのか!! ランディは、ランディは……あの女と別れたの!! なのに、なぜ!! 彼は私のなのよ!!)」
もごもごと口を塞がれながらもドロテアは暴れていた。 自分が仲良くしろと言ったのだと言う余裕はもう欠片も残っていない。
それを見て男は心の底から呆れていた。
ドロテアは男とも、男の父とも関係を持っている。 広く言うなら、男の父の友人ともだ……馬鹿げている。 巻き添えは御免だ……。
「なら、好きにすればいい。 俺は行きます!!」
「待ちなさい!! アナタ、私に逆らって後悔するわよ?」
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「しっ!! 静かにしてください!! 気づかれてしまいますよ!!」
「私は、気づいて欲しいのよ!! ランディ!! ランディ!! むごっご……放してよ!! 彼が居ないとダメなの!! ダメなのよよぉおおお!!」
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高らかに叫ばれ、男はドロテアの腹を殴った。 胃の中のものが巻き散らかされ、咳と唾液、涙がドロテアを薄汚く汚した。
それは余りにも惨めだった……。
ドロテア様の声はランディ様に届いていただろう。 ただ……ランディ様が反応しなかっただけ。 男にだってソレは理解できる。
男はドロテアを哀れだと、惨めだと……そう思いながら……ランディがこの態度を通してくれる事を願った。 血気に逸る若者が犠牲にならないようにと……。
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AIイラストを、裏設定付きで『作品のオマケ』へと移動しました。キャラ紹介として、絵も増えています。お暇な方、AIイラストが苦手で無い方は、お立ち寄りくださるとうれしいです。
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