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30.ほのぼの(?)家族会議 02
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その後、他の王子と婚約者たちも集まり、情報の共有と今日の予定が決められた。
「僕達が王都を出たと同時に、多くの者が戦場を離れたと言う報告が追ってありました」
セグの言葉にシアは不思議そうに質問する。
「主力戦力が抜けて勝てる見込みが無いから?」
「今の状況ではそんな事になりませんが。 実際にはシア義姉様が言った理由から、戦場逃亡は極刑とされています。 それを理解してなお若い戦士が大量に逃亡したんですよね。 コチラが名簿になります。 戦場に在留したままの当主達からは、酌量を求める声が多くあがっていますが……どう、します父上?」
セグの報告を王様は先に受けていたのだろう。
そして王様はラースにシアの耳を塞ぐよう指示し、シアはガッツリと耳が塞がれる。
何よ、エッチな話でもするわけ? 微かに漏れる音から聞こえるのは、がうがううなうなと言うもの。 その言語は賢者と言えど習得していませんから!!
『前当主の呼び出しをしてあります。 逃亡した一族の者を同伴し、今後の再教育計画を提出させる予定です。 ソレがなされない者、愚かにも敵意を向けてくる戦士達には……遠慮はいりません。 ですが、隠れ家を突き止めるために何人かは生かしておくように』
「はい……」
「了解ッと」
「は~い」
3兄弟ソレゾレの返事。
シアは同席しているアズとセリアにソレゾレ視線を向けたものの、2人は苦笑と共に肩を竦めるばかり。
でも、セリアは事情を理解しているように、見えた。
「それで、当初アナタ方はどう過ごす予定だったのですか?
なんとなく、家族間の話っぽくなったためか、アズがお茶を淹れ直しに立った。 そして返事をするのは、やっぱりセグ。
「今日は街の見学と、アズは新作茶の試飲会。 薬効茶の説明会の予定、でしたよね」
「えぇ、そう言えば街の人達がシアに何か新しい料理を教えて欲しいと言っておりましたわよ。 街に出回る香辛料も増えておりますし、そこに薬効成分があるものが無いかシアに見て頂きたいですわ」
「なら、今日は通常作業の指示を部下達に押し付けてしまいなさい。 アナタ達は街で護衛業務を行いながら見学を行うといいでしょう。 ところでラースはどうします? このまま私の補佐に回り将来に備えますか?」
ようするにラースが私の夫となると確定した上で会話されている訳で……少し狼狽えてしまう。 いえ、一応、少し前までは……あの眠りについた獣の妻だったのですけどね。 公式では……。
でも、やっぱり、全然色々と違う訳なんですよね。
「もうしばらく、シアの護衛がいい。 ソレはソレで学ぶものがあるだろう? そう言えば、この街で装飾品とか買えたりするか?」
そう言えば、最も街に詳しいアズが答える。
「えぇ、良い質問ですわ。 他国に職人見習いに行かせた子達が戻って来て、店を持たせましたのよ」
ラースが、お茶を淹れるアズを振り返りながら会話を続け、私達は目の前にあるどら焼きと言うものを真似た菓子を食べていた。 ちなみに、コチラは私作である。
「なら、シアに腕輪を贈りたいから案内してくれ」
「あら良いですわね。 私もヴィズ様にオネダリしようかしら? 当たり前のように婚約者の座にいるからかしら? 頂いた事がないのよねぇ~」
「えぇ、ヴィズ兄さん!! 婚約者に腕輪を贈った事もないんですか?!」
「そうなの!! 聞いて下さる。 彼ったら……」
この世界の腕輪は夫、将来を誓った相手がいる証とされている。 ようするに、マーキングのようなものだ。 ソレをしないって……。 いえ、まぁ、私も結婚していた頃は名ばかりのもので、ランディから貰っていた訳ではありませんがね……。
そしてヴィズは苦い顔をしながらも……反省の日々を送る事となるのだった。
「そう言えばドロテアって……」
腕輪をしていたような?
この国の風習を全て理解している訳ではなく、気にした事等なかったのだけど……。 ドロテアの腕にはランディを意味する文様付きの腕輪があったような気がする。 別に嫉妬している訳ではないけど……ムカッてした。
「えぇ、アレは彼女が自分で作ったものなのよ。 つけておかないと周囲が鬱陶しいのよねとか言っていましたわ。 しれっとランディ様の文様を入れているのだから……質が悪いですわよね」
野に山に、戦い歩いていた彼等は自分達で装飾を作るのが当たり前だった。 今はアズ等のような商人によって、専門の職人が鍛えられているが、反文明派であれば自分で作るのが主流だろう。
「シア」
「何?」
「眉間に皺がよってる。 まぁ、それはそれでカワイイけど。 シアは俺の事が好きで、ここまで来たんだよな?」
額と額をコツンとされて微笑まれれば……私の頬が熱を持ち赤くなっているのが分かる。 こういう時、白い肌って損だと思うのよね。
「そうよ」
「なら、腹を立てない」
そう言って頬にキスされた。
「別に怒ってなんかないわ。 なんだかムカッてしただけよ」
頭を撫でられ苦笑するラース。
「まぁ、確かにムカッってなるな」
「街に行くのは構いませんが、ラース」
声をかけたのは王様。
「シアなら責任もって守るさ」
「ではなく、厚着をしていきなさい」
そう言えば、セグがテーブルの上に服を出した……ソレは、ランディの着ていた物とよく似ていて……。
「えぇ、ランディに変装してシアと一緒にいろと? 何、世間にはランディとシアが仲良くしているって見せろと?!」
腹立たし気に言うが……。
「ドロテアを引っ張りだすには、丁度良いと思いませんか?」
「……双子っていってもなぁ、背格好は似ているが、結構違うと思うんだけどなぁ……。 髪も短いし……」
「フード付きの服を準備したので大丈夫でしょう」
「暑苦しいわ!!」
そしてラースは溜息と共に立ち上がり眠り続けるランディに近寄った。
「早く起きてきて、うっぷん晴らしさせろよな……馬鹿弟が……面倒ばかりかけやがって……」
そして首回りの柔らかな部分をもみもみするのだった。
「私もソレしたい」
「ダメ、後で獣化してやるから、俺を撫でてろ」
ラースは今でも獣になれるらしい事を始めて知るのだった。
「僕達が王都を出たと同時に、多くの者が戦場を離れたと言う報告が追ってありました」
セグの言葉にシアは不思議そうに質問する。
「主力戦力が抜けて勝てる見込みが無いから?」
「今の状況ではそんな事になりませんが。 実際にはシア義姉様が言った理由から、戦場逃亡は極刑とされています。 それを理解してなお若い戦士が大量に逃亡したんですよね。 コチラが名簿になります。 戦場に在留したままの当主達からは、酌量を求める声が多くあがっていますが……どう、します父上?」
セグの報告を王様は先に受けていたのだろう。
そして王様はラースにシアの耳を塞ぐよう指示し、シアはガッツリと耳が塞がれる。
何よ、エッチな話でもするわけ? 微かに漏れる音から聞こえるのは、がうがううなうなと言うもの。 その言語は賢者と言えど習得していませんから!!
『前当主の呼び出しをしてあります。 逃亡した一族の者を同伴し、今後の再教育計画を提出させる予定です。 ソレがなされない者、愚かにも敵意を向けてくる戦士達には……遠慮はいりません。 ですが、隠れ家を突き止めるために何人かは生かしておくように』
「はい……」
「了解ッと」
「は~い」
3兄弟ソレゾレの返事。
シアは同席しているアズとセリアにソレゾレ視線を向けたものの、2人は苦笑と共に肩を竦めるばかり。
でも、セリアは事情を理解しているように、見えた。
「それで、当初アナタ方はどう過ごす予定だったのですか?
なんとなく、家族間の話っぽくなったためか、アズがお茶を淹れ直しに立った。 そして返事をするのは、やっぱりセグ。
「今日は街の見学と、アズは新作茶の試飲会。 薬効茶の説明会の予定、でしたよね」
「えぇ、そう言えば街の人達がシアに何か新しい料理を教えて欲しいと言っておりましたわよ。 街に出回る香辛料も増えておりますし、そこに薬効成分があるものが無いかシアに見て頂きたいですわ」
「なら、今日は通常作業の指示を部下達に押し付けてしまいなさい。 アナタ達は街で護衛業務を行いながら見学を行うといいでしょう。 ところでラースはどうします? このまま私の補佐に回り将来に備えますか?」
ようするにラースが私の夫となると確定した上で会話されている訳で……少し狼狽えてしまう。 いえ、一応、少し前までは……あの眠りについた獣の妻だったのですけどね。 公式では……。
でも、やっぱり、全然色々と違う訳なんですよね。
「もうしばらく、シアの護衛がいい。 ソレはソレで学ぶものがあるだろう? そう言えば、この街で装飾品とか買えたりするか?」
そう言えば、最も街に詳しいアズが答える。
「えぇ、良い質問ですわ。 他国に職人見習いに行かせた子達が戻って来て、店を持たせましたのよ」
ラースが、お茶を淹れるアズを振り返りながら会話を続け、私達は目の前にあるどら焼きと言うものを真似た菓子を食べていた。 ちなみに、コチラは私作である。
「なら、シアに腕輪を贈りたいから案内してくれ」
「あら良いですわね。 私もヴィズ様にオネダリしようかしら? 当たり前のように婚約者の座にいるからかしら? 頂いた事がないのよねぇ~」
「えぇ、ヴィズ兄さん!! 婚約者に腕輪を贈った事もないんですか?!」
「そうなの!! 聞いて下さる。 彼ったら……」
この世界の腕輪は夫、将来を誓った相手がいる証とされている。 ようするに、マーキングのようなものだ。 ソレをしないって……。 いえ、まぁ、私も結婚していた頃は名ばかりのもので、ランディから貰っていた訳ではありませんがね……。
そしてヴィズは苦い顔をしながらも……反省の日々を送る事となるのだった。
「そう言えばドロテアって……」
腕輪をしていたような?
この国の風習を全て理解している訳ではなく、気にした事等なかったのだけど……。 ドロテアの腕にはランディを意味する文様付きの腕輪があったような気がする。 別に嫉妬している訳ではないけど……ムカッてした。
「えぇ、アレは彼女が自分で作ったものなのよ。 つけておかないと周囲が鬱陶しいのよねとか言っていましたわ。 しれっとランディ様の文様を入れているのだから……質が悪いですわよね」
野に山に、戦い歩いていた彼等は自分達で装飾を作るのが当たり前だった。 今はアズ等のような商人によって、専門の職人が鍛えられているが、反文明派であれば自分で作るのが主流だろう。
「シア」
「何?」
「眉間に皺がよってる。 まぁ、それはそれでカワイイけど。 シアは俺の事が好きで、ここまで来たんだよな?」
額と額をコツンとされて微笑まれれば……私の頬が熱を持ち赤くなっているのが分かる。 こういう時、白い肌って損だと思うのよね。
「そうよ」
「なら、腹を立てない」
そう言って頬にキスされた。
「別に怒ってなんかないわ。 なんだかムカッてしただけよ」
頭を撫でられ苦笑するラース。
「まぁ、確かにムカッってなるな」
「街に行くのは構いませんが、ラース」
声をかけたのは王様。
「シアなら責任もって守るさ」
「ではなく、厚着をしていきなさい」
そう言えば、セグがテーブルの上に服を出した……ソレは、ランディの着ていた物とよく似ていて……。
「えぇ、ランディに変装してシアと一緒にいろと? 何、世間にはランディとシアが仲良くしているって見せろと?!」
腹立たし気に言うが……。
「ドロテアを引っ張りだすには、丁度良いと思いませんか?」
「……双子っていってもなぁ、背格好は似ているが、結構違うと思うんだけどなぁ……。 髪も短いし……」
「フード付きの服を準備したので大丈夫でしょう」
「暑苦しいわ!!」
そしてラースは溜息と共に立ち上がり眠り続けるランディに近寄った。
「早く起きてきて、うっぷん晴らしさせろよな……馬鹿弟が……面倒ばかりかけやがって……」
そして首回りの柔らかな部分をもみもみするのだった。
「私もソレしたい」
「ダメ、後で獣化してやるから、俺を撫でてろ」
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