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14.じゃれ合いで誤魔化せるかもと思っていた瞬間もありました

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 酔いの回った思考で私は、ニッコリと微笑み頷き膝の上から降りようとした。

「待った!!」

 急な発言にキョトンとすれば、

「ヨミ……オマエはまた俺を抱き上げようと考えたな……」

 コクコクと頷き、私は微笑む。

「それは、もうなしにしてくれ。 俺の立場的なものだ。 恰好がつかない。 今後は俺が抱き上げる方で頼む」

「仕方がありませんね。 ですが、緊急時だけは譲りませんから」

「まぁ、そう言う事がないように事前に気を付ける」

 肩を竦めた陛下に私は抱き上げられ、寝室へと連れていかれ、そして私は1つの事実に気づき狼狽えたのです。

「あれ? 護衛……は、立ったまま……しろという事でしょうか? せめて座らせて頂けると翌日の仕事に影響がないのですが?」

 私の言葉に陛下はガックリとうなだれ、ベッドに向かってポイッと放り出された。

 柔らかなベッドに私の身体は軽く埋もれる。

 これでは、身体に余り良くないのでは? 等と思いつつ陛下へと視線を向ければ、直ぐそばに顔があった。 そしてかけていた眼鏡を奪われる。

「それがないと護衛が……」

 多角的に複数の状況、場面、書類等を確認できるように細工されたものなのだ。

「一応、普段通りの護衛もついている。 侵入者があるようならその前に、報告するように言ってある。 今回心配する侵入者の類が夜這い。 そこで婚約者であるはずのオマエが横で立っていたらどう思う?」

「……そういうプレイ?」

 鼻がつままれた……。

「そう言う関係じゃないって、思われるだろうが」

 って、言いながら人の首筋に噛みつかないでください!!

「んんっ」

 甘くハムハムと噛みつかれ、舌で舐められ唾液がこすりつけられるかのように、幾度も舌が上下する。

「へ、いか。 くすぐったい、です」

 言葉を紡げば、想像している以上に息が上がっていて驚いた。 ソレを楽しそうと言うか嬉しそうな、小さな悪戯っ子のような目で見てくる陛下。

「ダメでしょう?」

 宥めるように言えば、

「ダメ?」

 甘く、少し掠れたような……そんな、今まで聞いたことのないような声で返された。 なぜか、ドキドキして困る。

「仕事道具を奪われ、こう心を乱されては、護衛になりません」

「そかそか、心が乱れているんだ。 よかったぁ~~~。 全く男として相手にされてないかと思って心配だったんだよなぁ」

 そう嬉しそうに言われれば、なんだか腹が立ったような気がした。 柔らかなバランスの悪いベッドの上に押し倒され、相手は私を押さえつけるように座っているのだが、その手を引いて胸に抱きしめ、頭をワシワシと撫でる。

 こうなってしまえば、陛下もなにも関係がない。 ただ、子供扱いするように頭を撫でていた……はずだった……のですが、

「ヨミ」

「なんでしょうか? 陛下」

「辞めて……いや、もう、なんか遅いけど……」

「はぁ?」

「はぁ……」

 私のは疑問のはぁ、陛下のは溜息。 陛下は胸元に顔を埋めたまま、少し顔の位置を変えたかと思えば、服の上から胸を舐め、甘く歯を当ててきて、慌てて抱きかかえる腕から力を抜いて離し、横になったまま逃げるようにすれば、陛下は黙ったまま立ち上がる。

「ひゃっ」

「一応、耐えられるギリギリで我慢してたんだけどなぁ……」

 なんか、悪い笑い方になってます。

「そ、それは? 何の話でしょうか?」

 流石に、予測がつかない程馬鹿なつもりはない。

「手貸して」

「手、ですか?」

 上体を上げた陛下に手を出しだせば、その手は握られ陛下の股間部分へと誘われた。

「ななんああななんあな」

 言語にならない私の耳もとで陛下は言った。

「どう、責任をとってくれる?」
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