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02.第一回、国王陛下を結婚させよう会議

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「さぁ、会議を始めよう……」

 豪華な職務ディスクに肘をつき両手を会わせて顎を寄せ、視線を伏せながら国王陛下ダリオは言った。 広い執務室に設置されているソファには、正体を隠すようにつけられた仮面をつけた4人の老人、3人の青年、侍女2人。

 ちなみに正体を隠す意味は、(ダリオにとっての)重要性を印象付ける以上の意味はない。

「まずは、昨日の報告をしていただきましょうか? 侍女達が言うには、陛下はズイブンとグッスリお眠りになられたと聞きましたが、何か進展はございましたかな?」

 老人Aが問えば、ダリオの声は裏返っていた。

「ぇ、いや……その、進展はあったぞ?」

「ほっほほほ、そう追い詰めるもんではありませんぞ。 アレほど、お膳立てをしたのです。 何もなければ逆にビックリでございますからな」

 老人Bの言葉に、ダリオが視線を泳がせ伏せた。 いつの間にかダリオの背後に回っていた赤い騎士服に身を包んだ一際体格の良い青年が、ダリオの両肩を固定するように両手を置き聞いた。

「でっ?」

「いくら御学友と言えど、なれなれしいですぞ」

老人を無視し、ダリオはボソッと返事をした。

「ベッドの上で……抱きしめたし、膝枕をしてもらった……」

「そうかそうか、良かったなぁ~。 じゃねぇよ! ガキの頃のがマシだろう!! 13の頃まで一緒に寝ておいて何を言っている」

「それは……俺が寝付けなかったからで、下心など」

 前国王夫婦であった両親を事故で亡くし、一人で眠ることが出来なかったダリオに、ヨミは添い寝をしていたのだ。 10歳から13歳までの事である。

「あぁ、なかったのか?」

 赤い騎士服の男を、青みがかった白色のタキシード風の服を着た青年が止めた。 冷ややかな色合いの視線と表情が微かに笑って見せれば、ずいぶんと嫌味に思えるものだ。

「辞めないか……。 それが陛下の限界という事なのだろう」

「ちがっ! まだ、大丈夫」

「では、お約束通り。 外交的、職務上の妻役はヴェント公爵令嬢が引き受けていただき、お子は別の女性に産んでいただく、それでよろしゅうございますな」

 茶を飲み終えた老人Cが会話をしめようとした。

「ま、待ってくれ。 まだ、完全に断られた訳ではないんだ」

 必死となる様子に老人がユックリと嫌味な様子で返した。

「そうで、ございますか?」

「そうだとも、まだ出来る事があるはずだ。 な、何かないか?」

 俯き唸るように告げれば、こげ茶に金ぶちの制服を着た小柄な青年が明るく言う。

「ここはストレートに、愛の告白をしてみてはどうでしょうか」

「そんなもん、今更言わずとも」

「そうか……その手が」

「「「「ぇ?」」」」

 青年と侍女達が、未だ好意も伝えていなかったのかと驚きを声にする中、老人たちは空になった茶をすすり視線を逸らした。
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