呪われた狼皇子と出来損ないの侯爵令嬢

迷い人

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05.

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 自分の怠惰な日常が、王家によって支えられると言うのはどうなのでしょう? 民だってこんな、生産性のない私をダラダラさせるために税を納めているなんて思えば、怒りだす者もいるのではないでしょうか?

 その日の夜。

 狼さんに、お試し期間の終了を訴える事にしたのです。

「あの、お話があるのですが……」

 就寝前、既にベッドの上でダランと横になっている狼さんに座ってくれるようにと促し、見つめあって私は話しかけた。

「わう?」

「その、お試し期間ですが……そろそろ終わりにしませんか?」

 なぜか狼さんは尻尾をブンブンと振っていて、表情も喜んでいた。 四六時中くっついてまわるのですから、狼さんも負担でしたよね……。 関係の終わりを喜ばれたと思えば、少しだけ切ない。

「明日、陛下にお家に帰らせて下さいとお願いしようと思っております。 私にはやっぱり何も出来ませんし……。 ここにいても大勢の人の手を煩わせるだけなので……あの……その……、えっと……、お友達になってくれてありがとうございました……」

 どう挨拶すればいいか分からず、多分、意図は伝わっているだろうと頭を下げて、この話はオシマイにしようとしたのです。

 その瞬間。

 狼さんに押し倒されてしまいました。

「狼さん?」

 肩に牙があたり、その引きつるように牙が引かれれば、寝間着が破りとられた。

「ぇ? ……いったぁっ!! ゃっ!!」

 その衝撃に痛みを感じ逃げようとしたけれど、前足と鼻先を押し付けるだけでアッサリと抑え込まれ。

「な(何をするのですか!)」

 声をあげようとすれば、剥き出しになった乳房を狼さんの大きな口が咥えこんでいた、牙が肉にユックリと触れて、徐々に力が入れられ、舌先で柔らかな肉を弄ぶように舐められた。 何度も何度も舐められる。

 彼は3つの村の住民を殺しつくした……。 その言葉が脳裏に浮かべば、恐怖に動けなくなった。

 だけど牙はそれ以上、柔らかな肉に埋まる事はなく、乳房の先端を薄く大きな舌先で舐めてくる。 粘度の高い唾液が塗り付けられ、口を両手でふさいだ様子を見れば、そっと牙は外された。

 鼻先で口を押える両手は外され、首筋をベロリと舐めてくる。 温かで湿っぽく、ヌルリとした感触が首筋を味わうように舐める。 舌は首に下り、鎖骨をなぞり、ネットリと腋を舐められれば……

「やっ、ダメ!!」

 流石にそこはくすぐったいのだと、身体を捻り逃げるようにしながら、べしべしと狼さんの横腹を叩くが辞めてくれず、嫌がれば嫌がるほどに、押さえつけられ執拗なまで舐められる。

「はっ、ぁ、んんっふぅっ、や、ダメ」

 なんか変な気分になってくる。

 狼さんは、獲物にマーキングでもするかのように、いえ……マーキングがどのようにされるかは知らないのですが、その唾液が、彼の体液が身体にこすりつけられるたびに、彼のものなのだと言われているようで……。

 まるで自分が必要とされ、奪われようとしているのだと、そう思えば胸の奥が苦しくて切なくて、甘くて……。

 甘い声に満足したのか、狼さんは身体中を舐めるのだと言わんばかりに腋を舐め、腰を舐め、お腹を舐め、おへそを舐めてくる。 もう一度、乳房に触れれば舌先で強く優しく弄び、硬くなってきていた先端をチロチロと舐めてくる。

「ぁ、やっ、ソレダメ」

 訴えても全く聞いてくれず、身体中を舐めてくる。

「はっ、ぁ、やっ」

 それこそ手の平、足の裏、指の間に付け根まで舐めてきて、両足の間に、ショーツを引きむしり鼻の先を突っ込んできた。

「ひゃぁっ、いやぁ」

 前足で両足を開くように抑え込み、舌は濡れた中へと容赦なく入り込み、敏感な部分には濡れて冷たい鼻の頭がピトッと触れた。

「あぁ、いや、ダメ」

 ぺちゃぺちゃと溢れる愛液を舐め、中から掻きだすように長い舌を突っ込んできて、柔らかく押し広げ、身体の内側までぴちゃぴちゃと味わってくる。

「ひっ」

 耐えきれずに身体が弓反りになれば、その時触れていた部分を、集中して舐めてきて、中がきゅってなってくる。

「ぁ、やだ、ダメ、狼さん……そんなのダメなの、ダメなの……。 そういうのはダメ、ぁ、えっと、その……お願い……キスをして……」

 せめて、人の形で……。

 全てのお願いを無視してきた狼さんだが、ようやく私の訴えを聞いてくれた。 唾液が愛液か、どちらの液が零れているのか、両足の間はぐしょぐしょで、おもらしした子供のようだと思ってしまえば泣きたくなる。

「くぅ~~~ん」

 甘い声? 優しい声? 今更そんな声をだしてもとアイシャが、プイッと顔を背けようとすれば、それは許されることなく唇が押し当てられ、舐められ、声をあげれば、ぬるりとした舌が口内へと侵入してくる。 奥の奥を刺激してくる舌先が、アイシャの舌を絡めとる。

「んっ、ふぅ……」

「ダメだ……。 許さない」

 
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