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5章 運命
34.望み
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玉座に座ったままの魔人は、膝で横抱きにする私を下ろそうともせず、無限を流れる魔力脈へと視線を向けた。 その瞬間魔力脈の流れは逆流し、ほんの少しの間をおいて、魔力脈の流れは違う赤を含み戻ってきた。
手を掲げる魔人。
その手の中に、きらきらと光る炎の結晶が握られ握り潰せば、空間に散らばり、私が王子に見せつけたように鏡の欠片が広がった。 その数は私の十倍は軽く超えている。
各地の状況が無数の鏡に映し出された。
そこはルデルスの戦士が倒れた町や村。 そこには略奪の後があった。 暴力の後があった。 未だ燃える建物があった。 馬車に乗せられる若い男女の姿があった。 目を覆いたくなる景色。
「いいのか?」
魔人はくっくくくと楽しそうに喉の奥で笑う。 私の頬を爬虫類めいた舌で舐め凝固した魔力の残りをぴちゃりぴちゃりと舐めていた。 舌が顎部分へとおりていく。 指先が顎を持ち上げ、喉を露わにさせ、唇を触れさせ甘く噛みつき、苦悩の表情を表すしかできない私をからかうようにもう一度問いかけてくる。
「いいのか? あの者達は主が助けた敵を殺そうとしているぞ? アレ等の魔力も奪うか? それとも、主の思いを無視したと殺してしまおうか?」
深い囁き声は、どこまでも甘く毒のようだった。
「私の声を届けなさい」
「了解した」
そう答え笑う魔人には、私の苦悩は滑稽に見えるだろう。 私は、自分よりも明らかに強い力を見せつけられ、主と呼ばれることに違和感を覚えながらも、彼の力を利用する。
「おやめなさい!! 彼等が行った暴力の対価はいずれ払われるでしょう。 もし、暴力を暴力で返すなら、そこから多くの汚れが生まれ、魔物が生まれ、それは貴方達へと返される事でしょう。 耐えられる人は……今も生きている大切な人のために、耐えてください……」
残酷で理不尽な事を言っているのだと分かっている。 だからこそ、絶対的命令として止めろと言えなかった。 逃げだ……。 分かっている。 私は、自分が悪くなりたくない。
だけど、そんな中途半端な私を責める声が彼方此方からあがりだす。 なぜ、こうなる前に救ってくれなかったのだと。 何が聖女だと。 罵倒が続く……。
「どうする? どうしたい? 主よ。 我が主よ。 私が願いを叶えよう!!」
私の苦悩を楽しむように、魔人は笑い叫ぶ。
「うるさい!! 黙りなさい!!」
必死にできる事をしたのに。
王子に痛めつけられた時、私のために悲鳴を上げた者達も、静止を告げた私の声に非難の叫びをあげる。 だが、非難の声を上げると言う事は、戦士への暴力は抑制されたと言う事だ。
私は、私の願いが達成したにもかかわらず。 苦いものを胸のうちに抱える事となる。
「あぁ、なんて可哀そうな主よ」
大げさな演技がかった声で魔人は言い、そして、溢れる涙を舐め、口づけ、耳たぶを長い舌で舐め、耳の穴へと舌先を入れ。 唇を近づけ、熱い吐息をかけてくる。
やめて!! そう声にする前に、魔人は問う。
静かに、とても意地悪く。
「次は、何を望む?」
「私と縁ある者の状況を」
目元が優しく緩み笑うが、口元はニヤリと歪んでいた。 そんな顔をされれば嫌な予感がすると言うもの。 鼓動が早くなる私をカラカウように胸をまさぐってくる。 ドレスを無視して、直接冷たい手が肌に触れていた。
「怯えているのか主よ。 鼓動が早い。 私は主の願いを受け入れよう。 縁あるものの全てを見せよう」
そんな言い方をするから、見たくない!! そう叫びそうになる。 泣きそうになる。 散々拒絶した父親が恋しくなる。 私を助けて、守るって言ったでしょう!! と。
白に金色の縁をした騎士服が、蜂蜜色の髪が、土に汚れ、赤く夕日の色に染まっていた。 元々色白な顔が一層白くなり、父様の秘書と側近の騎士1人がそばについていた。
「間に合わなかったの!? 守るって言ったのに!!」
悲鳴にも似た声に、魔人は甘くどこまでも甘く誘惑する。
「殺すか?」
言われて息を飲んだ。 父に血を流させたのは王子だ……。 全ての元凶……殺しても許されるのでは? と、心の片隅で思った。 事情を聴くことも、後始末を押し付ける事も忘れそうになる。
「ダメよ……ソレは、私が決める事ではない。 それに、私が……」
呼吸が辛い。
上手く息が出来ない。
「私が?」
そう問いながら、言葉を続ける事が出来ない唇を魔人は塞ぎ、私の手を握ってくる。 ただ優しい知人のように心の隙間に入り、私を慰めるような動作をとる。
「私が、私が民に復讐を禁じたのに、そんな身勝手な事をできる訳がない」
言えば、楽しそうに笑う。
「甘い、どこまでも甘いな。 甘くて愛らしい……主よ。 安心するがいい、お前の父は生きている」
そして、次々に流れるように見せられる。 知り合いが王都の動乱を収めるために駆け回る様子。
使いものにならない精霊ギルドの長と側近たちは、私の状況を、私が見せつけていた映像から知り封印の間まで降りてきていた。 国王と護衛騎士と共に。
王子は、精霊封じ、魔術封じ、それに類する術を施した首輪がなされていた。
「父上は、化け物が国を治めようと、王の権限を越えようとするのを許せると言うのですか!! あの化け物が、化け物が悪い、なぜ父上はお気づきにならないのですか!!」
叫び、首輪や両手の拘束は不当だと訴える。
自分が何をしたか理解していないのか? そんな言葉を国王は発することはなく、彼が次に口を開いたのは、
「両手足の腱を切断しろ、余計な言葉を発することが出来ぬよう口を縫い合わせよ」
「父上!! 嘘ですよね?」
王子の声が震え、国王は返事をしない。
「なぜ、なぜですか……なぜ、父上は理解してくれないのですか!!」
非難の声に王は、護衛騎士の剣を鞘ごと奪い王子の頬を殴った。
「もう喋るでない。 これ以上、私を失望させるな……」
そう言いながら、剣を鞘から抜き、手足の腱を切れと護衛騎士に剥き身の剣を渡した。
剣術の腕を磨き、身体を鍛えてきた。 だが、未だその剣で他者の血を流した事のない護衛騎士は、王子が可哀そうだと言う理由で逃げようとすれば、護衛騎士の資格なしと解任が命じられ、次に命令を受けた護衛騎士は、王子の手足の腱を切る以外なかった。
「口を縫い付けるのは、余りにも残虐。 聖女様も復讐は良くないとおっしゃっております。 それに!! なぜ、このような事になったのか、聞き出さなくても良いのですか!!」
国王は護衛騎士を睨む。
「も、申し訳ございません!!」
「お前達は、ジュリアンと、他の王子、姫を伴い王都を巡るのだ。 ジュリアンの行った行為が、どのような結果をもたらしたのか。 それを見てから罪の重さをはかり、裁きを受けさせねばならん」
「し、神官長を……」
手足から流れる血に顔色を青白くし訴えた。
「ジュリアンの傷を治癒することは許さん。 行け!!」
それは、今まで聞いたことのない国王の厳しい叱責。
国王は眉間をよせ憂いを露わに見せつける。 だが、その内心は、自分が親を殺したように、いつか子に殺されるのでは? と言う長気に渡る不安が幕を閉じた事に対する安堵だった。
手を掲げる魔人。
その手の中に、きらきらと光る炎の結晶が握られ握り潰せば、空間に散らばり、私が王子に見せつけたように鏡の欠片が広がった。 その数は私の十倍は軽く超えている。
各地の状況が無数の鏡に映し出された。
そこはルデルスの戦士が倒れた町や村。 そこには略奪の後があった。 暴力の後があった。 未だ燃える建物があった。 馬車に乗せられる若い男女の姿があった。 目を覆いたくなる景色。
「いいのか?」
魔人はくっくくくと楽しそうに喉の奥で笑う。 私の頬を爬虫類めいた舌で舐め凝固した魔力の残りをぴちゃりぴちゃりと舐めていた。 舌が顎部分へとおりていく。 指先が顎を持ち上げ、喉を露わにさせ、唇を触れさせ甘く噛みつき、苦悩の表情を表すしかできない私をからかうようにもう一度問いかけてくる。
「いいのか? あの者達は主が助けた敵を殺そうとしているぞ? アレ等の魔力も奪うか? それとも、主の思いを無視したと殺してしまおうか?」
深い囁き声は、どこまでも甘く毒のようだった。
「私の声を届けなさい」
「了解した」
そう答え笑う魔人には、私の苦悩は滑稽に見えるだろう。 私は、自分よりも明らかに強い力を見せつけられ、主と呼ばれることに違和感を覚えながらも、彼の力を利用する。
「おやめなさい!! 彼等が行った暴力の対価はいずれ払われるでしょう。 もし、暴力を暴力で返すなら、そこから多くの汚れが生まれ、魔物が生まれ、それは貴方達へと返される事でしょう。 耐えられる人は……今も生きている大切な人のために、耐えてください……」
残酷で理不尽な事を言っているのだと分かっている。 だからこそ、絶対的命令として止めろと言えなかった。 逃げだ……。 分かっている。 私は、自分が悪くなりたくない。
だけど、そんな中途半端な私を責める声が彼方此方からあがりだす。 なぜ、こうなる前に救ってくれなかったのだと。 何が聖女だと。 罵倒が続く……。
「どうする? どうしたい? 主よ。 我が主よ。 私が願いを叶えよう!!」
私の苦悩を楽しむように、魔人は笑い叫ぶ。
「うるさい!! 黙りなさい!!」
必死にできる事をしたのに。
王子に痛めつけられた時、私のために悲鳴を上げた者達も、静止を告げた私の声に非難の叫びをあげる。 だが、非難の声を上げると言う事は、戦士への暴力は抑制されたと言う事だ。
私は、私の願いが達成したにもかかわらず。 苦いものを胸のうちに抱える事となる。
「あぁ、なんて可哀そうな主よ」
大げさな演技がかった声で魔人は言い、そして、溢れる涙を舐め、口づけ、耳たぶを長い舌で舐め、耳の穴へと舌先を入れ。 唇を近づけ、熱い吐息をかけてくる。
やめて!! そう声にする前に、魔人は問う。
静かに、とても意地悪く。
「次は、何を望む?」
「私と縁ある者の状況を」
目元が優しく緩み笑うが、口元はニヤリと歪んでいた。 そんな顔をされれば嫌な予感がすると言うもの。 鼓動が早くなる私をカラカウように胸をまさぐってくる。 ドレスを無視して、直接冷たい手が肌に触れていた。
「怯えているのか主よ。 鼓動が早い。 私は主の願いを受け入れよう。 縁あるものの全てを見せよう」
そんな言い方をするから、見たくない!! そう叫びそうになる。 泣きそうになる。 散々拒絶した父親が恋しくなる。 私を助けて、守るって言ったでしょう!! と。
白に金色の縁をした騎士服が、蜂蜜色の髪が、土に汚れ、赤く夕日の色に染まっていた。 元々色白な顔が一層白くなり、父様の秘書と側近の騎士1人がそばについていた。
「間に合わなかったの!? 守るって言ったのに!!」
悲鳴にも似た声に、魔人は甘くどこまでも甘く誘惑する。
「殺すか?」
言われて息を飲んだ。 父に血を流させたのは王子だ……。 全ての元凶……殺しても許されるのでは? と、心の片隅で思った。 事情を聴くことも、後始末を押し付ける事も忘れそうになる。
「ダメよ……ソレは、私が決める事ではない。 それに、私が……」
呼吸が辛い。
上手く息が出来ない。
「私が?」
そう問いながら、言葉を続ける事が出来ない唇を魔人は塞ぎ、私の手を握ってくる。 ただ優しい知人のように心の隙間に入り、私を慰めるような動作をとる。
「私が、私が民に復讐を禁じたのに、そんな身勝手な事をできる訳がない」
言えば、楽しそうに笑う。
「甘い、どこまでも甘いな。 甘くて愛らしい……主よ。 安心するがいい、お前の父は生きている」
そして、次々に流れるように見せられる。 知り合いが王都の動乱を収めるために駆け回る様子。
使いものにならない精霊ギルドの長と側近たちは、私の状況を、私が見せつけていた映像から知り封印の間まで降りてきていた。 国王と護衛騎士と共に。
王子は、精霊封じ、魔術封じ、それに類する術を施した首輪がなされていた。
「父上は、化け物が国を治めようと、王の権限を越えようとするのを許せると言うのですか!! あの化け物が、化け物が悪い、なぜ父上はお気づきにならないのですか!!」
叫び、首輪や両手の拘束は不当だと訴える。
自分が何をしたか理解していないのか? そんな言葉を国王は発することはなく、彼が次に口を開いたのは、
「両手足の腱を切断しろ、余計な言葉を発することが出来ぬよう口を縫い合わせよ」
「父上!! 嘘ですよね?」
王子の声が震え、国王は返事をしない。
「なぜ、なぜですか……なぜ、父上は理解してくれないのですか!!」
非難の声に王は、護衛騎士の剣を鞘ごと奪い王子の頬を殴った。
「もう喋るでない。 これ以上、私を失望させるな……」
そう言いながら、剣を鞘から抜き、手足の腱を切れと護衛騎士に剥き身の剣を渡した。
剣術の腕を磨き、身体を鍛えてきた。 だが、未だその剣で他者の血を流した事のない護衛騎士は、王子が可哀そうだと言う理由で逃げようとすれば、護衛騎士の資格なしと解任が命じられ、次に命令を受けた護衛騎士は、王子の手足の腱を切る以外なかった。
「口を縫い付けるのは、余りにも残虐。 聖女様も復讐は良くないとおっしゃっております。 それに!! なぜ、このような事になったのか、聞き出さなくても良いのですか!!」
国王は護衛騎士を睨む。
「も、申し訳ございません!!」
「お前達は、ジュリアンと、他の王子、姫を伴い王都を巡るのだ。 ジュリアンの行った行為が、どのような結果をもたらしたのか。 それを見てから罪の重さをはかり、裁きを受けさせねばならん」
「し、神官長を……」
手足から流れる血に顔色を青白くし訴えた。
「ジュリアンの傷を治癒することは許さん。 行け!!」
それは、今まで聞いたことのない国王の厳しい叱責。
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