【R18】彼等は狂気に囚われている

迷い人

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番外(こんな未来もあるかもしれない)

番外α 04 

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 濡れたショーツが脱がされ、敏感な部分が布地と擦れた。

「ぁっ!!」

 微かな刺激にすら、身体は反応してしまう。



 泣きたい思いで、必死で雫は心の中で訴える。



 お願い……晃、晃、晃!!

 甘く囁いて……好きだと言って、大切だと言って触れて欲しい。

 口は未だ晃の指で塞がれ、舌先が絡め取られ、口内が撫でられる。 心の中で名を呼び続けても返事は無く……ソレは不安へとなった。

 親良を煽る態度が、雫にとっては……もう愛されていないのかと言う恐怖へと繋がっていた。 それだけ、この地での生活は幸福だった。

 視界を塞がれても。
 動きを奪われても。
 異形を使い快楽が与えられても。

 全てが晃から与えられる愛情で、ソレが安堵になりつつあった。

 あきらぁあ……。

 欲しい刺激も言葉も与えられず、束縛も無いのが不安で、不安で仕方がない。



 もう、私は要らないの?



 それでも親良の無骨な手が、優しく撫で、口づけられ、クリームを舐めとられれば、熱を帯びた身体が勝手に反応してしまう。

 わずかな動作で触れる親良の手が、甘い刺激と感じてしまう。

「ぁっ……」

 それすら……不安に思えてしまう。
 自分が晃でなくてもいいのかと……。

 口の中は今も晃の指で塞がれ、犯すように撫でられ、擦られ、絡められ……片方の手は……乳房の周囲を擽るように障っていた。 焦らすような行為は頼りなく、親良の与える快楽と比較してしまえば行為とすら思えない。

 もっと、奪うように触れて欲しかった。

 その反面、

 親良が熱を持ち、鼓動を速め、呼吸を荒げ、欲情を露わに触れてくるのが気持ちよかった。

 心が、身体が震えた。
 それでも、怖かった。

 今までの関係を壊しそうで……。



 どうして、こんな行為に付き合うの?
 恋人がいるって言っていたじゃない。
 親良が拒絶してくれたなら、代わらずいられたのに!!


 正しく言うなら……、

 親良には、地元に戻れば性的欲求を晴らす友人が何人かいると言うだけで、親良はその関係を愛情とは思っていない。 犯罪者の集まる都市で気を許せるはずがない……共犯者となれる者は居なかった……。

 この地に来るまで……誰も信用していなかった。
 だから、誰にでも無節操に従った。
 時塔皎一をボスと呼びながら、他の人間の命令も聞いていた。

 今は違う。

 2人は俺の特別……。
 親良は親良なりに2人を愛していた。

 だが……雫は晃のものと言う強い思いがある。

 晃が来るようにと言えば……彼本来の欲望を解放出来るが……雫と二人きりでいても欲情を覚える事はないだろう。

 それでも、今、身体を巡っている熱が……自分の真実だと思えた。
 そう思う事が親良にとっての快楽ですらある。



 そして……



 晃は……変化を楽しんでいた。
 愛し愛される事を喜んでいた。
 強い結びつきに幸福を感じていた。
 親良に首輪をつける事に安堵していた。

 それは、晃の人としての感情ではなく、妖の意識だろう。

 晃は、ほくそ笑む。

 選ばれたのはオマエじゃない親良だ!! と、

 その瞬間、脳裏に浮かぶオマエとは、藤原法一と呼ばれる男だった。



「こんな淫乱な子に育つだなんて、誰が想像をしていたでしょうか?」

 親良が言いながら、左手で手にした足に軽く口づけた。



 怖い……と、雫は怯えていた。



 晃は、雫の言葉を奪うように指を含ませながら、反対の手では優しく雫の身体の隅々まで、優しく撫で、じれったい刺激を雫にあたえながら、じわじわとした快楽と欲情を煽ってくる。

 そして親良は軽く足に口づけるだけ、啄むような口づけを落とす。
 それは刺激と言い切れない代物だった。

 だから雫は安堵した。

 力を抜き、晃の与えてくれる快楽だけを追いかけようと……だけど、そんな僅かの隙に雫の両足の間に親良は入り込んできたのだ。

「っあ」

 イヤだ、ダメだと言う言葉を、口を塞いでいる晃が封じ込む。
 そして晃の唇は、私の耳をぴちゃぴちゃと舐めていた。

 ……雫の五感を塞ぎ、小さな快楽で最大の効果を与え雫を酔わせる。

「何も怖がることなんてない。 俺がココにいる」

 甘く囁き、耳に歯を当て、舌で耳穴をネットリと舐める。

「んっふぅ……」

「そう、快楽だけを感じるんだ。 愛している」

 その言葉に身が震えた。

 両足の間に身体を置いた親良は、ふくらはぎに唇を落とし、太腿へと上がって行く。 愛おしいとでもいうように、その怪力を封じ優しく撫で、口づけ、甘く唇で挟み、滑らかな皮膚を舐めていた。

 口づけを落とす位置が上がるほど、撫でる手は両足の付け根へと近づいてくる。 それは……期待であり恐怖でもあった。

 怖い……。

 雫の思いが2人に伝われば、2人は甘く優しく囁くのだ。

「怖がる事はない」
「怯える事はありません」

 優しく、優しく、触れてくる……。

 私の身体の快楽を知らない親良の与える快楽は、雫の良いところを反らしてくる。 それがホッとしながらもじれったくて……仕方がない。

 親良の左手で持ち上げられた雫の左足。
 そして雫の身体を固定するため、右足の付け根を固定する親良の右手。

 雫は泣きそうな思いに振り回されていた。

 じれったい……。
 怖い……。
 もっと激しく狂いたい。
 お腹の奥がジリジリとする。

 色んな思いが溢れてくる。

 身体を僅かに動かせば、親良の右手は濡れた肉花へと触れるだろう。 触れて欲しい……怖い……怖い……親良は、晃のように、私だけの絶対ではないから。

「いや、俺達の絶対だ……。 変化を受け入れろ、その方が心を豊かに出来る……俺だけでは守り切れない。 人である雫を愛しきれない……。 何時か自分を失い、その欲求に雫を傷つけるかもしれない。 親良は信頼できる男だ……だろう?」

 甘く優しく囁くような晃の言葉から、彼にも不安があるのだと。 私が特別だからこその不安があるのだと分かった……分かってしまえば、これも愛なのだと、受け入れるしかない。

 私は……愛していると伝えたく、晃の指を、舐めて、しゃぶって、甘く噛み、吸って舐めた。 もうクリームの甘さは欠片も無い。 それでも、そうする事が彼に愛を伝える方法なのだと……必死で……私はそんな自分に酔っていく。

 指が、ユックリと口内から引き抜かれ、晃の指にまとわりついた私の唾液を綺麗にしようと指を吸い、舐めていた。

 晃は快楽交じりの溜息をこぼす。

 そして、私の顎に回された指は私の顔の向きを変え、晃もまた自分の位置をずらし口づけて来た。

 舌を出しあい、舌先でチロチロと蛇のように舌先でなめ合う。

 快楽を受け入れる事を決めた私を確認したのだろうか? 親良は私の太ももの付け根を、蜜で濡れた部分を、ネットリと舐め、チュッと口づけ、吸い上げ、甘く歯を当てながら、舐めてくる。

 飢えた犬のように舐めていた。

 大好きで大好きで、食べる事も惜しい特別を与えられた犬のように、太腿に食らいつき甘く噛み、舌でネットリと舐めれば……太腿の刺激が……濡れ光る肉の花弁を光らせる。

「甘い、とても甘い香りがする」

 親良が、不思議そうに語りながら、確認するかのように秘部に顔を寄せてきた。
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