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21.神隠し 04
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「「「「連続誘拐事件?」」」」
妖カラスの言った言葉は、荒唐無稽と言うか突拍子もないように感じた。
「誘拐犯がロリコンでそのガキに好意を抱いているなら生きているだろうが、でなければもう死んでいる。 聞いていた限り誘拐するだけのメリットが無い。 ガキが嫌がらせをしていた事を考えれば私怨と思われるだろうが、揺する相手は問題にならない相手、金額、期間、感情を狙った挙句、学生を狙っているのもポイントだろう。 いずれ、この地域にいなくなるあとくされが無い相手を選んでいる。 賢いガキだ。 さっき言っていたよな、少しの間我慢すればいいと。 大抵の人間がそう考えるし、避ける事もできるんだろう?」
驚いた様子でカラスに視線が向かう。
そして、上田は驚きながらも、そういう人形のようにコクコクと頷いていた。
カラスがべらべらと喋るのも普通ではありませんが、そこは妖と言う前提があるので問題ではありません。 問題となるのは妖なのに人間社会を理解していると言うところでしょうか?
基本的に妖は、その出自に応じた行動、思考に囚われるため、自然物、動物、現象、感情等から発生した妖は人間を理解していない。
怪訝な顔をしながらミケが、妖カラスを触ろうとした。
妖カラスの赤い目が激しく光って、もやりと黒い影が沸き起こり拒絶する。
「お嬢さん、彼は人の好き嫌いが激しいから手を出さないようにしてください。 妖なんて気まぐれなものですから」
「そ、そうだね。 ゴメン」
謝りはするが、ミケがズルイズルイと拗ねたように言うから、何となくカラスを抱っこするのを止めてしまったら肩に乗り、顔の横に身体をピタッとくっつけてきて、人間で言うところのお座りっぽいポーズで肩に居座った。
「好き?」
私は自分を指さす。
「あぁ、好きだ」
「そっか……」
ヤバイ、カラスなのに……妖なのに、にやけてしまいそう……なくらいに嬉しい。
自分の頬に押し当てるように、カラスの背中を撫でた。
「そこ、イチャイチャするのはいいけど、私達にとっては重要な事なの……話を続けてもらっていいかしら?」
沙織が言えば、上田も言う。
「でも、ズルイよぉ~。 私もお供が欲しぃいい!!」
「はいはい、脳内で補填しておきなさい」
後日聞いたところによると、妖怪的なアニメに憧れ、妖怪とお供に連れ歩くのがミケの夢だったのだと聞かされたが、今は関係ないので……横に置いて置くとする。
「それで、そのガキが声をかける相手って言うのは、学生ばかりなのか?」
「私が知っている限りは」
「僕も、噂に聞く限りは」
「なら、過去10年の誘拐事件を遡って誘拐事件を……」
妖カラスが親良を見た。
「あ~、ちょっと現状の報告を、雫ちゃんのママにしてかからないと動けませんが」
「使えない奴」
「仕方ないでしょう!! 晃の行動が突然すぎるんですから。 まぁ、いいですけど……落ち着いたようですし」
親良がとても優しい視線で妖カラスを見つめて苦笑していて、凄く不思議な気分を感じてしまう。
「とりあえず、そこの生徒達は学園内だけでも調べるように。 えっと、で、俺達は?」
晃と呼ばれた妖カラスは親良へと視線を向ける。
「上司に報告ですねぇ……全部はソレからですが、ココで話をするのも……で、雫ちゃんは今どういう状態なんですか?」
「えっと……とりあえず、ココではなんですので家についてきてくれませんか?」
「その前に教授に連絡したほうが……」
「そ、そうね!!」
上田に言われ、私は慌ててスマホでパパ教授に連絡を入れるのだった。
妖カラスの言った言葉は、荒唐無稽と言うか突拍子もないように感じた。
「誘拐犯がロリコンでそのガキに好意を抱いているなら生きているだろうが、でなければもう死んでいる。 聞いていた限り誘拐するだけのメリットが無い。 ガキが嫌がらせをしていた事を考えれば私怨と思われるだろうが、揺する相手は問題にならない相手、金額、期間、感情を狙った挙句、学生を狙っているのもポイントだろう。 いずれ、この地域にいなくなるあとくされが無い相手を選んでいる。 賢いガキだ。 さっき言っていたよな、少しの間我慢すればいいと。 大抵の人間がそう考えるし、避ける事もできるんだろう?」
驚いた様子でカラスに視線が向かう。
そして、上田は驚きながらも、そういう人形のようにコクコクと頷いていた。
カラスがべらべらと喋るのも普通ではありませんが、そこは妖と言う前提があるので問題ではありません。 問題となるのは妖なのに人間社会を理解していると言うところでしょうか?
基本的に妖は、その出自に応じた行動、思考に囚われるため、自然物、動物、現象、感情等から発生した妖は人間を理解していない。
怪訝な顔をしながらミケが、妖カラスを触ろうとした。
妖カラスの赤い目が激しく光って、もやりと黒い影が沸き起こり拒絶する。
「お嬢さん、彼は人の好き嫌いが激しいから手を出さないようにしてください。 妖なんて気まぐれなものですから」
「そ、そうだね。 ゴメン」
謝りはするが、ミケがズルイズルイと拗ねたように言うから、何となくカラスを抱っこするのを止めてしまったら肩に乗り、顔の横に身体をピタッとくっつけてきて、人間で言うところのお座りっぽいポーズで肩に居座った。
「好き?」
私は自分を指さす。
「あぁ、好きだ」
「そっか……」
ヤバイ、カラスなのに……妖なのに、にやけてしまいそう……なくらいに嬉しい。
自分の頬に押し当てるように、カラスの背中を撫でた。
「そこ、イチャイチャするのはいいけど、私達にとっては重要な事なの……話を続けてもらっていいかしら?」
沙織が言えば、上田も言う。
「でも、ズルイよぉ~。 私もお供が欲しぃいい!!」
「はいはい、脳内で補填しておきなさい」
後日聞いたところによると、妖怪的なアニメに憧れ、妖怪とお供に連れ歩くのがミケの夢だったのだと聞かされたが、今は関係ないので……横に置いて置くとする。
「それで、そのガキが声をかける相手って言うのは、学生ばかりなのか?」
「私が知っている限りは」
「僕も、噂に聞く限りは」
「なら、過去10年の誘拐事件を遡って誘拐事件を……」
妖カラスが親良を見た。
「あ~、ちょっと現状の報告を、雫ちゃんのママにしてかからないと動けませんが」
「使えない奴」
「仕方ないでしょう!! 晃の行動が突然すぎるんですから。 まぁ、いいですけど……落ち着いたようですし」
親良がとても優しい視線で妖カラスを見つめて苦笑していて、凄く不思議な気分を感じてしまう。
「とりあえず、そこの生徒達は学園内だけでも調べるように。 えっと、で、俺達は?」
晃と呼ばれた妖カラスは親良へと視線を向ける。
「上司に報告ですねぇ……全部はソレからですが、ココで話をするのも……で、雫ちゃんは今どういう状態なんですか?」
「えっと……とりあえず、ココではなんですので家についてきてくれませんか?」
「その前に教授に連絡したほうが……」
「そ、そうね!!」
上田に言われ、私は慌ててスマホでパパ教授に連絡を入れるのだった。
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