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06.

46.終わり

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 バウマンの脈打つイチモツを口に咥え、舌先で弄り、欲情を受け止めるマティル。 そんな二人にブラームが嫉妬しなかった。 と言えばウソになる……。

 が、二人が欲に溺れているのを見るほどに、ブラームは何処かで冷静になっていた。

 今の状況は、薬が盛られていたからで、何処か仕方のないもの。 理性があれば成立しない状況だと、複雑な思いにブラームは折り合いをつけ、やがて欲情に耐えきれなくなるだろうバウマンに傷つけられぬよう、マティルの身体をほぐしていく。

 ブラームはマティルの敏感な蕾をこね回し、刺激を与えていく、甘く激しい喘ぎで、マティルの口腔によるバウマンへの愛撫を邪魔しながら

「休んでいては、バウマンも収まりがつかないだろう?」

 と、煽り促しながらも、肉壁を広げ、中を激しく、抉るようにひっかき、蜜をかきだし水音を響かせる。

「ぁ、や、ダメ……」

「ダメな子は、マティルだろう? 手も口も止まっている」

「んっ、また、変になる」

 甘く、切ないマティルの啼き声は、幾度となく促された射精そのものよりもバウマンの欲望を刺激し頭の中を痺れさせ、そして……バウマンとマティルの2人は同時に大きな波にのまれ絶頂を迎えた。

 肩で息をし、ぐったりとするマティルを体力的に余裕のあるバウマンは抱きしめた。

 腕の中に収めた柔らかく細い身体が愛おしいと思えば、名も知らぬ抑えきれない衝動と感情が溢れ出し、マティルの唇を奪う。

「マティル……」

 唇を奪い、開き、口内を貪るような口づけを交わす。 余裕のない口づけは、マティルの呼吸を奪い飲み込み、マティルは抗うように辛いのだとバウマンの胸を叩いた。

 マティルの視線での訴えに、バウマンは焦り唇を離し視線を伏せた。

「申し訳ありませんでした……」

 そう語る、吐息は乱れ。
 視線は欲に溺れたままだった。

「マティル……お願いです……」

「な、に……」

「入れて良いですよね?」

「ぁ、でも……」

 マティルは不安そうに視線を巡らせた。 どうすれば……いいのだろうか? と、だけれど気づけばブラームは居なくなっていた。

「バウマン様……」

 マティルが名を呼んだのは不安から。
 だけれど、バウマンはソレを了承と考えた。

 マティルを抱きしめ、押し倒し、そして、片足を手にし、十分に解された秘部へと欲望を突き立てた。

「やぁ……ああっ、あっ、ダメ」

 蜜に濡れ、解された中は、乱暴な挿入を柔らかく受け止め受け入れ肉壁は欲望に絡みつき、締め上げてくる。

「くっ、力をぬいてください」

「やっ、むり、つらい……」

 幾度も精を放ちつつも、未だ固さと大きさを保つ欲望に、こねまわされ、圧迫感に呼吸を乱しながらも絶頂を迎え、イチモツを締め付ける。

「ぁあっ!!」

 震える身体と共に柔らかな胸がたゆみ、バウマンは胸の先端を口に含み、絶頂を迎えひくつく奥深くを突き上げ刺激した。

 胸の先端を吸われ、奥深くを抉られ、与えられる快楽にいつの間にか不安は消え去っていた。 腰を掴まれ、容赦なくこすられる肉の壁と、ぐりぐり抉られる奥にお腹の中が熱を持ち、絶頂を迎え、痙攣する。

「バウマンさま、お願い……いっしょにっ!」

 耐えるようにマティルはバウマンを抱きしめ、名を呼べば。 その身を受け止め、奥深くに欲望を放った。

「ぁあっ!!」

 そこに至るまで幾度となく絶頂を迎えていた2人は、触れ合うぬくもりを手にぐったりと脱力し……二人は、いつの間にか眠りについていた……。





 目覚めれば、愛情を交わし合ったと言う満足感よりも、罪悪感が胸をしめ、何処か後味の悪いものがあった……。

 それでも、共有する不安に二人は、手を取り合う事が出来た。 口づけを交わす事ができた。 大切な人だと言う思いはあるし、そこに愛情は確実に存在していた。



 ベッドを占領し眠っていた2人は、翌日ブラームの元へと訪れる。

「どうして……途中で居なくなられたのですか?」

 どこか責めるようにマティルは聞いた。

 不安だったのに……。
 ソレは今までなら許されただろう甘えだった。

 だが、笑みと共に返された言葉は、

「自分に愛情の無い者を、誰かと共有するつもりはないからかな?」

 その言葉に突き放されたと傷ついた2人は、唖然とした様子で黙り込む。 不満はあったし、不満があるなら言えば良いのに。 貴方がそうしろと言ったのではありませんか!! そう、叫びたい思いがあった。

 2人の不満は、ブラームには手に取るように分かって居たが、気づかぬふりのままブラームは2人に対して提案を持ちかけた。

「侯爵から買い取ったバウマンの自由は、バウマンが買い取れるだけの額に収められている。 卒業までは保護をしよう。 その後、どうするかは2人で決めるといい。 俺の保護の元で共存を願うか。 自分達の知識と才能を活かし、貴族から解放され自由に生きるか」

「ですが……、書類の中には養子縁組の書類もありましたよね?」

「自分がサインをしたかどうかぐらい覚えているだろう」

 そう言いながらブラームは苦笑する。

「無理強いはしない。 大公家の妻は無理だとマティルはずっと言っていたからな。 家同士の都合で決めた婚約。 今となっては強要するものもいない。 自分達の気持ちを第一に考え、未来を決めるといい」



 自由を約束されたマティルとバウマンの2人は、友人として、共犯者として、恋人として、家族として関係性を深め、ブラーム・クラインとの関係を清算し、王族、貴族の支持を受け、ブランドを立ち上げる事を決意する事となる。

 大公家と言う地位を背負うよりも、自分達に相応しいだろうと言う選択だった。



 そして、ブラーム・クラインは、報われない思いに冷めはしたが、約束通り卒業までは未熟な2人にまとわりつく貴族達の盾となり守った。

 そんな彼に運命の相手が現れるのは、もう少しだけ時間が必要となる。



 それぞれが選んだ未来は、それなりに苦労は付きまとうが、努力と才能の分は確実に報われ、幸福を約束してくれることとなる。



 終わり
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