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序章

02.学園の存在意義

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 王立貴族学園が設立された理由は2つ。

 1つは、社交界デビュー前の若い貴族の保護。

 かつて深謀遠慮に長けた貴族達は自らのライバルを落とすために、デビュー間近の未熟な子息・令嬢を罠に嵌め追い落とし、多くの子息・令嬢が自ら死を選んだのだ。

 1つは、利害関係による婚姻の破綻が多かったため。

 王家によって提供された学びの場を活用し、人間関係を構築しようと言う事を目的としている。 その理想が常に達成されるかは……現実問題難しいが、未来に繋がると言う意味では何らかの意味があるのかもしれない。

 そんな中途半端な学園ではあるのだけど、学園式典を社交界デビューの模擬場として選び、卒業後に本格デビューする事が今はこの国のルールのようにすらなっている。

 経験が無いのだから何事も失敗しても当たり前。
 失敗を糧に成長していきましょう!

 コレが学園の方針。

 オママゴトをする子供達のための貴族社会制度は、他国の者達が見れば緩いと言われるでしょう。 ですが、この学園のルールに救われている者は決して少なくはありません。

 そして、学園入学のルールも2つ。
 1つは、基礎学力を身に着けている事。
 1つは、婚約者がいる事。

 侯爵家令息のバウマン様が19歳を迎える年になっても、未だ社交界デビューをしていないのは、私との婚約が成立するまで彼と婚約しようと言うものが居なかったためである。


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