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四章『ベゼの誕生編』
第三十六話『復活の正義』後編
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*(ホアイダ視点)*
とうとうベゼが動き出した。
バグーの首都『アヴァロン』の人々を皆殺しにされた。
エアスト村と比べて、被害は比にならない。
そして、ベゼ=マレフィクスという疑いが更に深くなった。
一から推理した内容を説明しよう。
まず、時期に注目して欲しい。
この時期、マレフィクスとの世界旅行から帰ってきた時期である。
その前まではベゼは動かなかった。
私の予想では、動かなかったのではなく動けなかった。
何か動けない理由があったのだ。
結論から言う、それは移動手段だ。
ベゼには、世界中を簡単に素早く移動する為の、移動手段が無かった。
それは魔法、あるいは能力、どちらかのことを指す。
そしてもし、マレフィクスがベゼなら、彼は世界旅行中に移動手段を入手しただろう。
その答えに辿り着いたのは、『運び屋フォリア』の存在だった。
彼はマレフィクスに雇われ、魔の土地に来ていた。
そして、ホテルの火事に巻き込まれ死亡した。
彼は『行ったことある場所に転移する能力』を持っていた。
それが何だと言うのだ……そう思うだろう。
実際これだけでは、何も咎めれない。
そこで私は思い出した。
マレフィクスが、自分の母親の能力を持っていたこと。
前も言ったが、私は警察からエアスト村全員の個人情報を手に入れている。
マレフィクスは確かに能力が無いとされていた。
しかし、大都市メディウムに来て以降は、自分の母親と同じ能力を当然のように持っていた。
ある考えが過ぎった。
――マレフィクスは、他者の能力を使えるのでは?
魔法にしろ、能力にしろ、そう考えることで今現在のマレフィクスが、運び屋フォリアの能力を身に付けたと考えれる。
しかし、運び屋フォリアが死んだことで、私はこうも考える。
他者の能力を使うには、その人を殺さなくてはならない。
でなければ、わざわざ運び屋フォリアを殺す意味がほとんど無いし、そう考えることで辻褄が合う。
実際警察から得た情報によれば、アヴァロンに現れたベゼは、多くの技を使って人々を翻弄した。
そんな複数もの魔法を使えば、体力が持たない……必然的に能力である可能性が高くなる。
また警察によれば、セイヴァーもその場所に訪れていたらしい。
セイヴァーは最後の最後までベゼと戦ったが、消息を途絶えている。
学校にヴェンディが来てない時はかなり焦った。
しかし、ヴェンディはただ休んでいただけだった。
休んでいたといっても、心は酷く落ち込み、絶望仕切っていた。
ヴェンディが、マレフィクス=ベゼの可能性に気付いているのかは分からないが、アヴァロンの住民を一人も守れなかったのはさぞかし辛いだろう。
絶望したまま、ヴェンディとしてもセイヴァーとしても腐ってしまわないように、出来るだけのことはしてみたが、どうなるかは来週まで分からない。
それは別として、これから問題となっていくのは、ベゼの正体よりもベゼの捕まえ方だろう。
まだまだ未知なる能力を宿してるベゼを、正面から捕まえようとして捕まえれる訳が無い。
実際、アヴァロンの警察や冒険者は皆負けた。
それにベゼは、顔を変えることも出来るし、世界中に転移することが出来る。
やろうと思うえば、いつでもどこにでも逃げれる。
ベゼの正体がマレフィクスだとしても同じだ。
いざとなれば、マレフィクスの生活を捨てて私達が追跡出来ない所に逃げてしまう。
だからこそ私やヴェンディは、マレフィクスに迂闊に攻撃出来ないし、大きく行動することは出来ない。
もし攻撃が失敗しれば、もう二度と捕まえれなくなる可能性があるから。
それがとても厄介だ。
*(マレフィクス視点)*
ベゼの再来がニュースに取り合えげられた日から三日。
ヴェンディは学校に復帰した。
思ったより早く復帰したので、少したまげたが、とても嬉しい。
「金曜はどうしたの?」
「ちょっと風邪引いただけ」
魔法基礎の時間、ホアイダが居る前で、お互いに分かっている内容を話す。
ヴェンディは友達のふりを強要されているのだから、仕方のないことだろう……裏では敵なのにね。
――ヴェンディとして完全復活したが、セイヴァーとしてはどうか?
そんな心配は無かった。
一週間後、ベゼとして魔の土地にある街を襲撃した時のことだ。
「フォティア.ラナ」
「きゃあああ!!」
「ベゼだ!逃げろ!」
街を燃やし、魔物を引き連れ、警察や冒険者と遊んでいた時。
――流石に今夜は、セイヴァーが来ないか。
そう思っていた時、セイヴァーはしっかりと来た。
白いフードを被ってハーフマスクを身に付け、自信たっぷり登場した。
どうやら、もう覚悟が決まったようだ。
「やった!!セイヴァーが来たぞ!」
その日、前回のように人々を全員殺せなかった。
前回は時間を決めて勝負していたからってのもあるが、僕の完全勝利だった。
しかし今回は、街の人々の半分以上が生き残った。
セイヴァーが警察や冒険者と共にベゼを追い詰めたからだ。
勿論、前回のように人々をベゼの顔にした。
しかし対策されていた。
セイヴァーは、ベゼになった者を紙にするのに三秒間、折り紙にするのに三秒間、計六秒間不意をついて触ることによって、偽物のベゼを一時的に折り紙にしたのだ。
ベゼといっても、偽物なら本物と違って隙だらけ……何しろ中身が一般人だからね。
紙にするのは簡単だ。
それに、セイヴァーは常に地図を持って戦っていた。
後で分かったが、その地図は世界地図では無く、戦いの場所の細かい地図だ。
奴の魔法で、僕の位置が地図に、ドス黒い程の赤色で記されている。
だから、セイヴァーは常に僕の位置はを分かってる。
細かい街の地図なら、ベゼ本人の僕の位置が丸わかりだから、偽物か本物かすぐバレる。
この二つから、もう偽物のベゼを使うのはセイヴァー自身には通用しないだろう。
一般人には十分効くだろうけどね。
まぁしかし、勝ったり負けたりするからこそ、勝負ってのは面白い。
それにセイヴァーが負け続ければ、世間からセイヴァーは正義と言われない。
ただの役立つの犯罪者になる。
セイヴァーには正義であってもらわないと困る……これで良いのだ。
* * *
「君の両親にも爆弾を仕掛けといたから……一応、言っといた」
プライベートで、ヴェンディとカフェに行った時に言った。
するとヴェンディは、持っていた冷たいジュースを僕にかけた。
「あっ!悪いマレフィクス、手が滑った」
「別に良いよ」
しかし、やり返さない僕ではない。
持っていた熱々のココアをヴェンディにかけた。
「あちぃ!!バカてめぇ!」
「ごめん。手が滑ったの」
「前は惜しかった……次お前が悪さした時が最後だ」
「自惚れるな。君はまだまだだよ」
こんな小さな嫌がらせは日常茶飯事になった。
ヴェンディはどうか知らないが、僕は結構この状況を楽しんでいる。
「いつでもビビって逃げな」
「ビビって逃げるのは君だけだよ」
やっとベゼとして活動できるようになり、今は最高に気分が良い。
この二重生活、これからも楽しんでいこう。
どんどん悪役として完成していく自分が愛おしい。
* * * * *
ここがどこか、いつのことなのか、それは分からない。
だが、決して人の住むような場所ではない。
そんな場所の暗闇の中に、何者かが数人居る。
「『レフコス.ドラゴン』が目覚めたようです」
「どこのだ?」
「人の土地です」
話をしている二人には、上下関係があるようだ。
ほとんどの者の影が、膝を着いて頭を下げている。
「回収しに行くんだ……人間よりも早く」
「分かりました」
影の一人が立ち上がり、その場を去ろうとする。
しかし、何かを思い出したかのように、振り返る。
「一つ聞いていいですか?」
「何だ?」
「少し慎重になり過ぎでは?我々の目的は世界を征服し、魔物が人間を従える世界を創ること。今の貴方様の力なら可能です」
「……段階を踏んでいるだけだ。分かったなら早く行け……ドラゴンを手懐ける」
「分かりました……魔王様」
そう言って、影の一人は姿を消した。
とうとうベゼが動き出した。
バグーの首都『アヴァロン』の人々を皆殺しにされた。
エアスト村と比べて、被害は比にならない。
そして、ベゼ=マレフィクスという疑いが更に深くなった。
一から推理した内容を説明しよう。
まず、時期に注目して欲しい。
この時期、マレフィクスとの世界旅行から帰ってきた時期である。
その前まではベゼは動かなかった。
私の予想では、動かなかったのではなく動けなかった。
何か動けない理由があったのだ。
結論から言う、それは移動手段だ。
ベゼには、世界中を簡単に素早く移動する為の、移動手段が無かった。
それは魔法、あるいは能力、どちらかのことを指す。
そしてもし、マレフィクスがベゼなら、彼は世界旅行中に移動手段を入手しただろう。
その答えに辿り着いたのは、『運び屋フォリア』の存在だった。
彼はマレフィクスに雇われ、魔の土地に来ていた。
そして、ホテルの火事に巻き込まれ死亡した。
彼は『行ったことある場所に転移する能力』を持っていた。
それが何だと言うのだ……そう思うだろう。
実際これだけでは、何も咎めれない。
そこで私は思い出した。
マレフィクスが、自分の母親の能力を持っていたこと。
前も言ったが、私は警察からエアスト村全員の個人情報を手に入れている。
マレフィクスは確かに能力が無いとされていた。
しかし、大都市メディウムに来て以降は、自分の母親と同じ能力を当然のように持っていた。
ある考えが過ぎった。
――マレフィクスは、他者の能力を使えるのでは?
魔法にしろ、能力にしろ、そう考えることで今現在のマレフィクスが、運び屋フォリアの能力を身に付けたと考えれる。
しかし、運び屋フォリアが死んだことで、私はこうも考える。
他者の能力を使うには、その人を殺さなくてはならない。
でなければ、わざわざ運び屋フォリアを殺す意味がほとんど無いし、そう考えることで辻褄が合う。
実際警察から得た情報によれば、アヴァロンに現れたベゼは、多くの技を使って人々を翻弄した。
そんな複数もの魔法を使えば、体力が持たない……必然的に能力である可能性が高くなる。
また警察によれば、セイヴァーもその場所に訪れていたらしい。
セイヴァーは最後の最後までベゼと戦ったが、消息を途絶えている。
学校にヴェンディが来てない時はかなり焦った。
しかし、ヴェンディはただ休んでいただけだった。
休んでいたといっても、心は酷く落ち込み、絶望仕切っていた。
ヴェンディが、マレフィクス=ベゼの可能性に気付いているのかは分からないが、アヴァロンの住民を一人も守れなかったのはさぞかし辛いだろう。
絶望したまま、ヴェンディとしてもセイヴァーとしても腐ってしまわないように、出来るだけのことはしてみたが、どうなるかは来週まで分からない。
それは別として、これから問題となっていくのは、ベゼの正体よりもベゼの捕まえ方だろう。
まだまだ未知なる能力を宿してるベゼを、正面から捕まえようとして捕まえれる訳が無い。
実際、アヴァロンの警察や冒険者は皆負けた。
それにベゼは、顔を変えることも出来るし、世界中に転移することが出来る。
やろうと思うえば、いつでもどこにでも逃げれる。
ベゼの正体がマレフィクスだとしても同じだ。
いざとなれば、マレフィクスの生活を捨てて私達が追跡出来ない所に逃げてしまう。
だからこそ私やヴェンディは、マレフィクスに迂闊に攻撃出来ないし、大きく行動することは出来ない。
もし攻撃が失敗しれば、もう二度と捕まえれなくなる可能性があるから。
それがとても厄介だ。
*(マレフィクス視点)*
ベゼの再来がニュースに取り合えげられた日から三日。
ヴェンディは学校に復帰した。
思ったより早く復帰したので、少したまげたが、とても嬉しい。
「金曜はどうしたの?」
「ちょっと風邪引いただけ」
魔法基礎の時間、ホアイダが居る前で、お互いに分かっている内容を話す。
ヴェンディは友達のふりを強要されているのだから、仕方のないことだろう……裏では敵なのにね。
――ヴェンディとして完全復活したが、セイヴァーとしてはどうか?
そんな心配は無かった。
一週間後、ベゼとして魔の土地にある街を襲撃した時のことだ。
「フォティア.ラナ」
「きゃあああ!!」
「ベゼだ!逃げろ!」
街を燃やし、魔物を引き連れ、警察や冒険者と遊んでいた時。
――流石に今夜は、セイヴァーが来ないか。
そう思っていた時、セイヴァーはしっかりと来た。
白いフードを被ってハーフマスクを身に付け、自信たっぷり登場した。
どうやら、もう覚悟が決まったようだ。
「やった!!セイヴァーが来たぞ!」
その日、前回のように人々を全員殺せなかった。
前回は時間を決めて勝負していたからってのもあるが、僕の完全勝利だった。
しかし今回は、街の人々の半分以上が生き残った。
セイヴァーが警察や冒険者と共にベゼを追い詰めたからだ。
勿論、前回のように人々をベゼの顔にした。
しかし対策されていた。
セイヴァーは、ベゼになった者を紙にするのに三秒間、折り紙にするのに三秒間、計六秒間不意をついて触ることによって、偽物のベゼを一時的に折り紙にしたのだ。
ベゼといっても、偽物なら本物と違って隙だらけ……何しろ中身が一般人だからね。
紙にするのは簡単だ。
それに、セイヴァーは常に地図を持って戦っていた。
後で分かったが、その地図は世界地図では無く、戦いの場所の細かい地図だ。
奴の魔法で、僕の位置が地図に、ドス黒い程の赤色で記されている。
だから、セイヴァーは常に僕の位置はを分かってる。
細かい街の地図なら、ベゼ本人の僕の位置が丸わかりだから、偽物か本物かすぐバレる。
この二つから、もう偽物のベゼを使うのはセイヴァー自身には通用しないだろう。
一般人には十分効くだろうけどね。
まぁしかし、勝ったり負けたりするからこそ、勝負ってのは面白い。
それにセイヴァーが負け続ければ、世間からセイヴァーは正義と言われない。
ただの役立つの犯罪者になる。
セイヴァーには正義であってもらわないと困る……これで良いのだ。
* * *
「君の両親にも爆弾を仕掛けといたから……一応、言っといた」
プライベートで、ヴェンディとカフェに行った時に言った。
するとヴェンディは、持っていた冷たいジュースを僕にかけた。
「あっ!悪いマレフィクス、手が滑った」
「別に良いよ」
しかし、やり返さない僕ではない。
持っていた熱々のココアをヴェンディにかけた。
「あちぃ!!バカてめぇ!」
「ごめん。手が滑ったの」
「前は惜しかった……次お前が悪さした時が最後だ」
「自惚れるな。君はまだまだだよ」
こんな小さな嫌がらせは日常茶飯事になった。
ヴェンディはどうか知らないが、僕は結構この状況を楽しんでいる。
「いつでもビビって逃げな」
「ビビって逃げるのは君だけだよ」
やっとベゼとして活動できるようになり、今は最高に気分が良い。
この二重生活、これからも楽しんでいこう。
どんどん悪役として完成していく自分が愛おしい。
* * * * *
ここがどこか、いつのことなのか、それは分からない。
だが、決して人の住むような場所ではない。
そんな場所の暗闇の中に、何者かが数人居る。
「『レフコス.ドラゴン』が目覚めたようです」
「どこのだ?」
「人の土地です」
話をしている二人には、上下関係があるようだ。
ほとんどの者の影が、膝を着いて頭を下げている。
「回収しに行くんだ……人間よりも早く」
「分かりました」
影の一人が立ち上がり、その場を去ろうとする。
しかし、何かを思い出したかのように、振り返る。
「一つ聞いていいですか?」
「何だ?」
「少し慎重になり過ぎでは?我々の目的は世界を征服し、魔物が人間を従える世界を創ること。今の貴方様の力なら可能です」
「……段階を踏んでいるだけだ。分かったなら早く行け……ドラゴンを手懐ける」
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