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【第004話】頑張れ!!タケル君
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真剣にテレビを見つめる2人の男性。
画面にはドレスを着た女の子と、文字が表示されている。
◆心臓 ←
◆イボガエル
◆金貨
「これか?」
「いやいや、こっちだろ」
―――これを私に? すごく嬉しい!! ……えっとね。私、タケルに伝えたいことがあるの。実は……。
こうして2人は結ばれた。
~END~
現在、グレイは勇者と一緒に恋愛シミュレーションゲームをしていた。
どうしてこんな事になっているのか。それを語るには午前中まで遡る。
いつもと同じようにコーラとポテチを用意し、執務室でゲームを始めるグレイ。画面には埋め尽くされん限りの金貨と、それに埋もれ、笑みを浮かべる女性の姿が映し出されていた。
ついに手に入れたぞ!! 話題の恋愛趣味レーションゲーム【愛は金なり~王国恋愛物語~】 今までこういう系のゲームはしたことなかったからな。それじゃ、早速やりますか。
――――コンコン。
ちっ、タイミングが悪いな。
「どうぞ」
「失礼します、緊急会議です。大至急、会議室にお越しください」
会議が終了し、執務室に戻るグレイ。
緊急というから、どんな重要な話題かと思ったら「召喚した勇者の素行に問題があり、城の者が迷惑している。どうしたら良いのか」というどうでもいい内容の会議だった。全く、何やってるんだ勇者。おとなしくしていろ!! こちとら、早く部屋に戻ってゲームしないといけないってのに。そんなことよりゲームの事だ、まず初めに誰を攻略しようか。……決めた。ここは王道を選んで王女様から行くことにしよう。
「あら、グレイ大臣じゃありませんか」
そんなことを考えて廊下を歩いていると、この国の王女とばったり会ってしまった。王女はとてもフランクで話しやすいことで有名だ。
「これは、王女様。本日もお美しいですね。」
「お世辞でも嬉しいです。ありがとうございます」
「王女様、いきなりですが、少し質問よろしいでしょうか?」
「あら? 大臣から質問? 珍しいですね。答えられる限りはお答えしますわ」
…
……
…………。
「ありがとうございました、それでは失礼いたします。」
王女様の好きなものなど、なんとなくゲームの参考になりそうな情報を聞き出し、グレイはその場を後にする。
執務室に着きドアノブに手をかけたとき。誰かに後ろから肩を掴まれた。
「おい貴様!! 王女をたぶらかすとは、不埒なやからだ!! この僕が成敗してくれる!!」
誰だこいつは、城の中では見かけない顔だ。曲がりなりにもここは王城。不審者にはある程度の注意を払っているはずなんだが。
「衛兵!! 不審者だぞ!!」
衛兵を呼ぶと、どこからともなく現れた。衛兵というより忍者っぽい見た目をしている。
「グレイ大臣!! 不審者はどこにいるのですか?」
え!? 俺にしか見えてないの? まさか幽霊?
「いや、この勇者みたいな恰好をした、ちょっと痛い子だけど」
「……グレイ大臣、この方は先日異世界から召喚された、勇者タケル様ではありませぬか」
なん…… だと? こいつ勇者だったのか。ただのコスプレしたヤバい奴かと思ったんだが。あー、確かに見た事あるような無いような。
「おい貴様!! 王女をたぶらかすとは、不埒なやからだ!! この僕が成敗してくれる!!」
壊れたラジオかなにかですか? 何事もなかったかのように仕切り直ししてるんだが。もしかして、俺がタイムリープしてる? いや、疲れによる幻覚か。
「衛兵、すまない間違って呼んでしまったようだ。勇者の幻覚が見えてな、ははは」
「いえ、私も見えているので幻覚ではないですが」
「そうか…… 仕事頑張ってくれ。」
「はっ!! 何かあったら直ぐにお呼びくだされ!!」
衛兵に労いを言い、ドアノブに手をかけたとき。またもや後ろから肩を掴まれる。
「おい貴様!! 王女をたぶらかすとは、不埒なやからだ!! この僕が成敗してくれる!!」
なんやかんやあったが、勇者の話を聞くことにした。
こいつはどうやら王女の事が好きらしい。そして、王女と話している異性を見かけると、誰彼構わず突撃を行っているようだ。なんて迷惑なんだ。そして話をしていると、どうやら懐かれてしまったようで恋愛相談に乗ることになった。
「まずは、趣味から聞いてみたり、軽く話すところから始めたらどうだ?」
「いや、女性を壁まで追い詰めて壁ドンというものをやった方がいいんじゃ?」
「最初からそんなレベルの高い事をするなよ。リスク高すぎだろ」
「おかしいな、ブス田ブス男先生の著書「モテる男のハーレムテクニック」に載ってたのに」
「なんか知らんけど絶対当てにならんだろその本」
「じゃあ、先生お勧めのマル秘テクニック「おにぎりを食べていて塩気が足らない時に、さりげなく女性の眼球を舐めて塩分追加」はどう? 女性は、何事をするにもさりげない男が好きって書いてあったけど」
「なにその気持ち悪いさりげなさ。しかも、さりげなくねえし」
ダメだこいつ。俺が、何とかしないといけないかもな。ここまでダメだと逆に燃えてきたぜ。そうだ、この際だから勇者をこっち側に引き入れよう。丁度、恋愛ゲームするところだったし。ゲーム友達も1人ぐらいは欲しかったからな。
「魔王様、グレイから連絡が届きました」
「今日の報告は普通だよな、さすがに普通の報告が欲しいなぁ」
報告書を受け取る魔王。早速、目を通していく。
———今日はタケル君という友達が出来ました。恋バナなんかしちゃったりして青春してます。タケルはマジで女心が分かってなくて、最初なんて……
報告書を途中で破り捨てた魔王。
「タケルって誰なんだよ!!」
魔王城に魔王の声がこだまする。
まさか、勇者と友達になったとは、誰も想像しないだろう。
画面にはドレスを着た女の子と、文字が表示されている。
◆心臓 ←
◆イボガエル
◆金貨
「これか?」
「いやいや、こっちだろ」
―――これを私に? すごく嬉しい!! ……えっとね。私、タケルに伝えたいことがあるの。実は……。
こうして2人は結ばれた。
~END~
現在、グレイは勇者と一緒に恋愛シミュレーションゲームをしていた。
どうしてこんな事になっているのか。それを語るには午前中まで遡る。
いつもと同じようにコーラとポテチを用意し、執務室でゲームを始めるグレイ。画面には埋め尽くされん限りの金貨と、それに埋もれ、笑みを浮かべる女性の姿が映し出されていた。
ついに手に入れたぞ!! 話題の恋愛趣味レーションゲーム【愛は金なり~王国恋愛物語~】 今までこういう系のゲームはしたことなかったからな。それじゃ、早速やりますか。
――――コンコン。
ちっ、タイミングが悪いな。
「どうぞ」
「失礼します、緊急会議です。大至急、会議室にお越しください」
会議が終了し、執務室に戻るグレイ。
緊急というから、どんな重要な話題かと思ったら「召喚した勇者の素行に問題があり、城の者が迷惑している。どうしたら良いのか」というどうでもいい内容の会議だった。全く、何やってるんだ勇者。おとなしくしていろ!! こちとら、早く部屋に戻ってゲームしないといけないってのに。そんなことよりゲームの事だ、まず初めに誰を攻略しようか。……決めた。ここは王道を選んで王女様から行くことにしよう。
「あら、グレイ大臣じゃありませんか」
そんなことを考えて廊下を歩いていると、この国の王女とばったり会ってしまった。王女はとてもフランクで話しやすいことで有名だ。
「これは、王女様。本日もお美しいですね。」
「お世辞でも嬉しいです。ありがとうございます」
「王女様、いきなりですが、少し質問よろしいでしょうか?」
「あら? 大臣から質問? 珍しいですね。答えられる限りはお答えしますわ」
…
……
…………。
「ありがとうございました、それでは失礼いたします。」
王女様の好きなものなど、なんとなくゲームの参考になりそうな情報を聞き出し、グレイはその場を後にする。
執務室に着きドアノブに手をかけたとき。誰かに後ろから肩を掴まれた。
「おい貴様!! 王女をたぶらかすとは、不埒なやからだ!! この僕が成敗してくれる!!」
誰だこいつは、城の中では見かけない顔だ。曲がりなりにもここは王城。不審者にはある程度の注意を払っているはずなんだが。
「衛兵!! 不審者だぞ!!」
衛兵を呼ぶと、どこからともなく現れた。衛兵というより忍者っぽい見た目をしている。
「グレイ大臣!! 不審者はどこにいるのですか?」
え!? 俺にしか見えてないの? まさか幽霊?
「いや、この勇者みたいな恰好をした、ちょっと痛い子だけど」
「……グレイ大臣、この方は先日異世界から召喚された、勇者タケル様ではありませぬか」
なん…… だと? こいつ勇者だったのか。ただのコスプレしたヤバい奴かと思ったんだが。あー、確かに見た事あるような無いような。
「おい貴様!! 王女をたぶらかすとは、不埒なやからだ!! この僕が成敗してくれる!!」
壊れたラジオかなにかですか? 何事もなかったかのように仕切り直ししてるんだが。もしかして、俺がタイムリープしてる? いや、疲れによる幻覚か。
「衛兵、すまない間違って呼んでしまったようだ。勇者の幻覚が見えてな、ははは」
「いえ、私も見えているので幻覚ではないですが」
「そうか…… 仕事頑張ってくれ。」
「はっ!! 何かあったら直ぐにお呼びくだされ!!」
衛兵に労いを言い、ドアノブに手をかけたとき。またもや後ろから肩を掴まれる。
「おい貴様!! 王女をたぶらかすとは、不埒なやからだ!! この僕が成敗してくれる!!」
なんやかんやあったが、勇者の話を聞くことにした。
こいつはどうやら王女の事が好きらしい。そして、王女と話している異性を見かけると、誰彼構わず突撃を行っているようだ。なんて迷惑なんだ。そして話をしていると、どうやら懐かれてしまったようで恋愛相談に乗ることになった。
「まずは、趣味から聞いてみたり、軽く話すところから始めたらどうだ?」
「いや、女性を壁まで追い詰めて壁ドンというものをやった方がいいんじゃ?」
「最初からそんなレベルの高い事をするなよ。リスク高すぎだろ」
「おかしいな、ブス田ブス男先生の著書「モテる男のハーレムテクニック」に載ってたのに」
「なんか知らんけど絶対当てにならんだろその本」
「じゃあ、先生お勧めのマル秘テクニック「おにぎりを食べていて塩気が足らない時に、さりげなく女性の眼球を舐めて塩分追加」はどう? 女性は、何事をするにもさりげない男が好きって書いてあったけど」
「なにその気持ち悪いさりげなさ。しかも、さりげなくねえし」
ダメだこいつ。俺が、何とかしないといけないかもな。ここまでダメだと逆に燃えてきたぜ。そうだ、この際だから勇者をこっち側に引き入れよう。丁度、恋愛ゲームするところだったし。ゲーム友達も1人ぐらいは欲しかったからな。
「魔王様、グレイから連絡が届きました」
「今日の報告は普通だよな、さすがに普通の報告が欲しいなぁ」
報告書を受け取る魔王。早速、目を通していく。
———今日はタケル君という友達が出来ました。恋バナなんかしちゃったりして青春してます。タケルはマジで女心が分かってなくて、最初なんて……
報告書を途中で破り捨てた魔王。
「タケルって誰なんだよ!!」
魔王城に魔王の声がこだまする。
まさか、勇者と友達になったとは、誰も想像しないだろう。
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