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2.からかわないでくださいまし!
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「あらあら!あの子もやっとちゃんと気持ちを伝えたのね~。」
「し、知ってたのですか?!」
「うふふ~。当たり前じゃない。」
そう言って笑う王妃様の笑顔はさっき見た王子殿下の笑顔と重なって…
「ティアってば顔が赤くなってるわよ?少しはエドのこと異性として見てくれたのかしら~。」
楽しそうですわね…
「顔が赤いのは王子殿下が無理やりキスしてこられて…しかも教室の真ん中…なんては事を…ごほんっ!王子殿下のことはやはりそうは見れませんわ。」
「可哀想に~。それに無理やりはいただけないわね、殴ってよかったのに~。」
王族を殴ってはダメでしょう。
「でもティアはその前になんて言ったのかしらぁ?」
「殿下に男として好きじゃないのかと聞かれましたので“考えたこともございませんわ。”と申しましたね。」
「うんうんそのあとは?」
エルナおば様の青い瞳がキラキラと輝いてこちらを見ておられます。
そんな期待されるようなことないのですが…
「殿下も私のことなど異性として好きではないと思っておりましたので…そのままお尋ねしまして殿下が他の方と恋愛したいならならと申しましたら遮られまして…」
どうして事細かに説明してしまっているのでしょう。
なんともむず痒い感覚がしますわ。
でもこの視線が…眩しい…
「それは怒るわよね~。」
楽しそうですわねエルナおば様…
怒るとは誰がでしょうか?意味が分かりませんわ。
でもこんな相談できるのもエルナおば様くらいしか居ないという自分が悲しいですわ。
貴族は足の引っ張り合い。
弱みなんて見せられません。
私の立場上余計に…
お母様に相談するのも考えましたがあとが怖くてやめましたわ。
主に陛下の心労的な意味合いで。
「いったいどなたがお怒りになるのですか?」
エルナおば様?肩を震わせて笑わないでくださいまし!
酷いんじゃありません?
「我が息子ながら不備ね~。全く伝わってないじゃない。あーおかしい。」
意・味・が・わ・か・り・ま・せ・ん!
「何故王子殿下がお怒りになるのです?」
「あらあら本当にわかってないのね~。」
「分からないから聞いているのです!説明してくださいよ!」
「だめ~私からは話せないわよ~。」
「え?」
「直接聞いてきなさい~。殴ってもいいわよ?」
「直接…殴りませんから!そんなことして不敬罪に問われたら困りますもの!」
「大丈夫よ!正式な書類で許可出すわよ~。」
え?
エルナおば様?何書いているのです?
「はい。」
はい?
受け取った書類に目線を落とします。
我が息子、エドウィン・ハワードを殴ることを許可します。エレナ・ハワード。
「エレナおば様?」
「さぁこれで問題ないわ~。」
「あってもなくても問題しかないですわよ!怪我でもさせてしまったらどうするのですか?!」
「ティアの力で怪我はさすがにしないわよ~。」
た、確かに…
「だからね?大丈夫よ~。さぁあの子の部屋に行くわよ~今日は落ち着かなくて部屋にいるでしょうからね~。」
今からですか?
引っ張らないで下さいまし~!
「し、知ってたのですか?!」
「うふふ~。当たり前じゃない。」
そう言って笑う王妃様の笑顔はさっき見た王子殿下の笑顔と重なって…
「ティアってば顔が赤くなってるわよ?少しはエドのこと異性として見てくれたのかしら~。」
楽しそうですわね…
「顔が赤いのは王子殿下が無理やりキスしてこられて…しかも教室の真ん中…なんては事を…ごほんっ!王子殿下のことはやはりそうは見れませんわ。」
「可哀想に~。それに無理やりはいただけないわね、殴ってよかったのに~。」
王族を殴ってはダメでしょう。
「でもティアはその前になんて言ったのかしらぁ?」
「殿下に男として好きじゃないのかと聞かれましたので“考えたこともございませんわ。”と申しましたね。」
「うんうんそのあとは?」
エルナおば様の青い瞳がキラキラと輝いてこちらを見ておられます。
そんな期待されるようなことないのですが…
「殿下も私のことなど異性として好きではないと思っておりましたので…そのままお尋ねしまして殿下が他の方と恋愛したいならならと申しましたら遮られまして…」
どうして事細かに説明してしまっているのでしょう。
なんともむず痒い感覚がしますわ。
でもこの視線が…眩しい…
「それは怒るわよね~。」
楽しそうですわねエルナおば様…
怒るとは誰がでしょうか?意味が分かりませんわ。
でもこんな相談できるのもエルナおば様くらいしか居ないという自分が悲しいですわ。
貴族は足の引っ張り合い。
弱みなんて見せられません。
私の立場上余計に…
お母様に相談するのも考えましたがあとが怖くてやめましたわ。
主に陛下の心労的な意味合いで。
「いったいどなたがお怒りになるのですか?」
エルナおば様?肩を震わせて笑わないでくださいまし!
酷いんじゃありません?
「我が息子ながら不備ね~。全く伝わってないじゃない。あーおかしい。」
意・味・が・わ・か・り・ま・せ・ん!
「何故王子殿下がお怒りになるのです?」
「あらあら本当にわかってないのね~。」
「分からないから聞いているのです!説明してくださいよ!」
「だめ~私からは話せないわよ~。」
「え?」
「直接聞いてきなさい~。殴ってもいいわよ?」
「直接…殴りませんから!そんなことして不敬罪に問われたら困りますもの!」
「大丈夫よ!正式な書類で許可出すわよ~。」
え?
エルナおば様?何書いているのです?
「はい。」
はい?
受け取った書類に目線を落とします。
我が息子、エドウィン・ハワードを殴ることを許可します。エレナ・ハワード。
「エレナおば様?」
「さぁこれで問題ないわ~。」
「あってもなくても問題しかないですわよ!怪我でもさせてしまったらどうするのですか?!」
「ティアの力で怪我はさすがにしないわよ~。」
た、確かに…
「だからね?大丈夫よ~。さぁあの子の部屋に行くわよ~今日は落ち着かなくて部屋にいるでしょうからね~。」
今からですか?
引っ張らないで下さいまし~!
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☆作者プロフィール☆
商業BL小説を書いています。
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