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1.嫉妬?まさかぁ!
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「ティアラ様私のことが嫌いだからって意地悪しないで下さい!」
目の前にいるのは私と同じくらいの…つまりは身長低めの可愛い系の美少女。
大きな黒目がちなヘーゼルカラーの瞳に涙をためて潤ませています。
頬と唇は綺麗なピンク色をしていて長く伸びた髪は黒く輝きを放っています。
でもあまりに常識がなってませんわね。
私は公爵令嬢であり彼女は確か子爵令嬢です。
挨拶もしていない自分より高位の者に話しかけること自体が失礼に当たります。
この学園でもそれは適用されます。
この子も一応貴族として今まで生きてきたでしょうに…
それを教室のど真ん中でやりのけるだなんて勇敢という無謀というかですわね。
「たしか…アリス様でしたよね?嫌いも何もあなたに興味すらないのですが…」
「またそうやって…」
また涙をいちだんと溜めて…めんどくさいですねこの子。
「私に嫉妬して意地悪ばっかり!」
嫉妬?あなたに嫉妬する意味が分からないのですけど。
「どうしたの?」
ひょこっと話に入ってきたのは私の婚約者でありハトコにあたる王子殿下です。
私の祖母は元王女でした。
その弟が先王で姉であるおばあ様には頭が上がらず、お母様は現王のいとこで姉のようにしてきたためかたまに王なのに家臣であるはずのお母様におびえているという不思議な構図をしております。
そのせいなのか私を非常に気に入り可愛がり他国の王族から婚約の申し出がきてたのですが渡すくらいならと仰って王子殿下の婚約者になりました。
ちなみにこの王子殿下はただでさえ整った顔に美しい水色がかかった銀髪にこれまた美しい濃い緑色をした碧眼。
麗しの王子殿下と言われるこの人の隣がどれだけ嫉妬を受けると思っているのかしら?
そんな私に嫉妬されているだなんて頭にお花が咲いているのかしら?
そもそもの話、婚約に乗り気でもありませんのに。
「エドウィン様!」
そうそうそんな名前でしたわね。王子殿下としか呼んでないし周りもエドとしか呼ばないから忘れてましたわ。
子爵令嬢が殿下もつけず呼ぶのはどうかと思うけど殿下自身が許可したのならいいのかしら。
「で?どうしたの?」
「ティアラ様が私に意地悪ばかりするのです。」
わー面倒ですね。関わらないでいただきたいタイプだと思いましたわ。
「それは本当?」
私に聞いてるのですか?
「本当も何も私が彼女に意地悪なんてする意味がないですわ。」
「それは私とエドウィン様が仲良くしているのに嫉妬して!」
「嫉妬?どこにですの?まさか私が王子殿下の事を恋愛的に好きだとでもおもっていらっしゃるの?」
「そうじゃないんですか!あと未来の王妃に執着して…」
彼を男として見た事ありませんわ。
彼は私にとってハトコであり会った時から王子殿下としてしか認識してません。
王妃になることの厳しさを考えれば譲れるならばすぐにでも譲りたいぐらいでしてよ?
「まぁ!私、王子殿下のことはハトコとしては好いているだけですわ。王妃に執着する以前に私と王子殿下の婚約を決めましたは陛下ですので私に断るという選択肢は与えられませんでしたし。」
「そんなの嘘です!」
「それは本当だよ。父上も望んだことだからね。」
「そんな…エドウィン様まで…」
人前で泣くなど淑女としてどうかと思いますわよ?
「アリス嬢にその呼び方を許した覚えはないな。」
「え?!そんな…ひどいです!」
嘘でしょう?王族に対し許しも得ずに呼んでいただなんて不敬ですよ…
「ティアは僕のこと男として好きじゃないんだよね?」
「何を今更おっしゃいますか。そんなこと考えたこともございませんわ。貴方様は私にとってはハトコで、お会いした時より王子殿下ですもの。殿下も私のことなど異性として好きではありませんでしょう?殿下が他の方と恋愛されたいとおっしゃ…んん!」
え?何がございましたの?!
目の前に王子殿下の美しい顔があって唇に何か柔らかな感触を感じますけど頭が固定されて動けませんし周りから歓喜ともとれる悲鳴が聞こえますわ。
「な、何なさってるんですか!」
アリス様の高い声が響きます。
ゆっくりと彼の顔が離れていくと唇の感触も離れていきます。
彼の顔は意地悪にでも美しい笑顔を浮かべ…
「ティアの唇は貰ったからね?」
唇は貰った?
……!!
き、きすされたってことですか?!
ここは教室の真ん中でどれだけの人に見られたか…
「ティアはそうじゃないかもしれないけど僕はティアのこと異性として好きだよ。」
へ?私を好きですの?
考えたことありませんでしたわ。
こういう時どうすれば…
そうですわ!王妃様から殿下が変なこと仰ったら殴っていいと言われましたわ!
ってダメでしょう!
いやでもどうすれば…
「あ。」
気をそらされた途端に逃げます。
走りはしませんわ。走りに限りなく近い早歩きですわ。これも王妃様直伝です。
そのまま馬車に乗り城に向かいます。
何故城かと言うと私が今住んでいるからです。
たまに自宅に戻りますが基本はそちらにいます。
いやでも王子殿下に会ってしまいそうな気もしますが広いので約束でもしない限り会いませんわ。
王妃様…おば様[実際は叔従母にあたりますが]に私的なお茶会と称して愚痴ります。
目の前にいるのは私と同じくらいの…つまりは身長低めの可愛い系の美少女。
大きな黒目がちなヘーゼルカラーの瞳に涙をためて潤ませています。
頬と唇は綺麗なピンク色をしていて長く伸びた髪は黒く輝きを放っています。
でもあまりに常識がなってませんわね。
私は公爵令嬢であり彼女は確か子爵令嬢です。
挨拶もしていない自分より高位の者に話しかけること自体が失礼に当たります。
この学園でもそれは適用されます。
この子も一応貴族として今まで生きてきたでしょうに…
それを教室のど真ん中でやりのけるだなんて勇敢という無謀というかですわね。
「たしか…アリス様でしたよね?嫌いも何もあなたに興味すらないのですが…」
「またそうやって…」
また涙をいちだんと溜めて…めんどくさいですねこの子。
「私に嫉妬して意地悪ばっかり!」
嫉妬?あなたに嫉妬する意味が分からないのですけど。
「どうしたの?」
ひょこっと話に入ってきたのは私の婚約者でありハトコにあたる王子殿下です。
私の祖母は元王女でした。
その弟が先王で姉であるおばあ様には頭が上がらず、お母様は現王のいとこで姉のようにしてきたためかたまに王なのに家臣であるはずのお母様におびえているという不思議な構図をしております。
そのせいなのか私を非常に気に入り可愛がり他国の王族から婚約の申し出がきてたのですが渡すくらいならと仰って王子殿下の婚約者になりました。
ちなみにこの王子殿下はただでさえ整った顔に美しい水色がかかった銀髪にこれまた美しい濃い緑色をした碧眼。
麗しの王子殿下と言われるこの人の隣がどれだけ嫉妬を受けると思っているのかしら?
そんな私に嫉妬されているだなんて頭にお花が咲いているのかしら?
そもそもの話、婚約に乗り気でもありませんのに。
「エドウィン様!」
そうそうそんな名前でしたわね。王子殿下としか呼んでないし周りもエドとしか呼ばないから忘れてましたわ。
子爵令嬢が殿下もつけず呼ぶのはどうかと思うけど殿下自身が許可したのならいいのかしら。
「で?どうしたの?」
「ティアラ様が私に意地悪ばかりするのです。」
わー面倒ですね。関わらないでいただきたいタイプだと思いましたわ。
「それは本当?」
私に聞いてるのですか?
「本当も何も私が彼女に意地悪なんてする意味がないですわ。」
「それは私とエドウィン様が仲良くしているのに嫉妬して!」
「嫉妬?どこにですの?まさか私が王子殿下の事を恋愛的に好きだとでもおもっていらっしゃるの?」
「そうじゃないんですか!あと未来の王妃に執着して…」
彼を男として見た事ありませんわ。
彼は私にとってハトコであり会った時から王子殿下としてしか認識してません。
王妃になることの厳しさを考えれば譲れるならばすぐにでも譲りたいぐらいでしてよ?
「まぁ!私、王子殿下のことはハトコとしては好いているだけですわ。王妃に執着する以前に私と王子殿下の婚約を決めましたは陛下ですので私に断るという選択肢は与えられませんでしたし。」
「そんなの嘘です!」
「それは本当だよ。父上も望んだことだからね。」
「そんな…エドウィン様まで…」
人前で泣くなど淑女としてどうかと思いますわよ?
「アリス嬢にその呼び方を許した覚えはないな。」
「え?!そんな…ひどいです!」
嘘でしょう?王族に対し許しも得ずに呼んでいただなんて不敬ですよ…
「ティアは僕のこと男として好きじゃないんだよね?」
「何を今更おっしゃいますか。そんなこと考えたこともございませんわ。貴方様は私にとってはハトコで、お会いした時より王子殿下ですもの。殿下も私のことなど異性として好きではありませんでしょう?殿下が他の方と恋愛されたいとおっしゃ…んん!」
え?何がございましたの?!
目の前に王子殿下の美しい顔があって唇に何か柔らかな感触を感じますけど頭が固定されて動けませんし周りから歓喜ともとれる悲鳴が聞こえますわ。
「な、何なさってるんですか!」
アリス様の高い声が響きます。
ゆっくりと彼の顔が離れていくと唇の感触も離れていきます。
彼の顔は意地悪にでも美しい笑顔を浮かべ…
「ティアの唇は貰ったからね?」
唇は貰った?
……!!
き、きすされたってことですか?!
ここは教室の真ん中でどれだけの人に見られたか…
「ティアはそうじゃないかもしれないけど僕はティアのこと異性として好きだよ。」
へ?私を好きですの?
考えたことありませんでしたわ。
こういう時どうすれば…
そうですわ!王妃様から殿下が変なこと仰ったら殴っていいと言われましたわ!
ってダメでしょう!
いやでもどうすれば…
「あ。」
気をそらされた途端に逃げます。
走りはしませんわ。走りに限りなく近い早歩きですわ。これも王妃様直伝です。
そのまま馬車に乗り城に向かいます。
何故城かと言うと私が今住んでいるからです。
たまに自宅に戻りますが基本はそちらにいます。
いやでも王子殿下に会ってしまいそうな気もしますが広いので約束でもしない限り会いませんわ。
王妃様…おば様[実際は叔従母にあたりますが]に私的なお茶会と称して愚痴ります。
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