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短編
#04*
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「なんで……お前……」
息も絶え絶えに、真がカイを見上げる。
「飲んだこと? 舐めたこと? 見てろって言われたのに勝手に触ったこと?」
「全部だよ」
「マジすか」
驚いた表情を浮かべ真と自分の手をウェットティッシュで拭う。
「気持ち良かったでしょ?」
「そういう問題じゃない」
「なんで? シンさんだって絶対こうなるの分かってて始めたんじゃないの?」
「一発抜いて寝るかくらいの気持ちだったわ」
「嘘だぁ」
「マジだって。お前とやると……」
真はそこで口を閉ざす。不審に思って顔を見ても続きを口にしない真に顔を寄せる。
「俺とすると何?」
「なんでもない……」
「気になる!」
「もう寝ろ!」
「このまま寝れると思ってんの?」
真の上に跨り、首筋に噛み付く。
「カイっ……いてぇよ」
「あんなもん見せてくれちゃって、俺がどうにもならないと思いました? さっきからちんぽがイライラしてしょうがないんですよ。こんなエロ漫画みたいな事言わせた責任取ってくれます?」
「は? やめっ、もう無理だって」
「いけるでしょ。あんだけ感じてたんだから」
まだローションや精液でぬるつく穴は指二本くらい余裕で入る。素早くスウェットを下ろして、指よりはだいぶ太いものを入口に擦り付ける。
「マジかよっ……」
「自分で弄ってる時もこれが欲しかったんじゃないの? もっと硬いので気持ち良い所いっぱい擦られたいって」
「ばかっ、い、いたっ」
「きっつ……すぐ入るから、ちょっと我慢してください……っ」
ローションを追加しながらまだそれ程には広がっていない穴にすっかりいきり立った性器をねじ込んでいく。
「ぅ、うっ……」
苦しげに呻く真を抱きしめて、どうにか奥まで入ったところで息を吐く。落ち着くまで少し待とうと思ったが、カイを包む粘膜は早速震えて絡みつくように痙攣する。ぎゅ、ぎゅうと纏わりつく刺激に眉が寄る。
「手加減してやろうと思ってんのにさぁ……」
煽るような反応にたまらず強く腰を押し付ける。
「あっ!」
「めっちゃ締まるな……これわざとやってんの?」
「しらなっ、ぁ、あ」
腰を揺らしながら真の顔を覗き込む。潤んだ瞳と目が合う。そういえばベッドの中以外で彼の泣き顔を見た事はない。
たまなくなってキスをした。気持ちが良い。触れ合わせた唇の熱も、蕩けるような舌の感触も、深く繋がった粘膜もわずかに擦れるだけで声が漏れそうだった。体を押し付けながら、真の深い場所を犯す。誰も触れたことがない所まで、彼の全てを暴きたいと思った。
「ん、んっう、っ……」
真の呼吸が浅くなる。絶頂が近いのかもしれない。先ほど出したばかりだから勃起はしていないが、中の感触が変わってきた。
「このままいけそう?」
浅く頷く真が可愛い。背中に回された腕に幸せを感じてしまう。
余計なことを口走らないよう唇を重ねる。性感が高まって涙が滲む。まだ酔っているのか不思議と切ない気持ちになる。
「シンさん、シンさんっ……」
気づけばカイのほうが泣きそうだった。余裕のないカイの頬を、真の手が優しくなでる。心地よさと共にじわじわ広がる幸福感に胸を締め付けられる。
引き寄せられるままに唇を合わせ、カイは真の中に射精した。
「うぁっ……くっ……」
首筋に顔を埋めて声を殺すカイの頭に触れる真の手は優しかった。やがてかすかに震える感触と、入れたままの性器を締め付ける粘膜の動きで真も静かに達したことがわかった。
荒い呼吸を繰り返し、しばしそのまま抱き合っていた。このまま眠ってしまいたいのをどうにかこらえ、身を起こしてティッシュに手を伸ばす。
「疲れましたね……」
濡れたところを適当に拭うと真はカイ以上に疲弊した様子でベッドに身を投げ出していた。
「シンさん、そのまま寝たら風邪ひきますよ。拭いてあげるからちゃんと服着てください」
真の体を清め、散らかった服を集めて着せてやる。
既にうとうとしている真が意識を失う前に明日の予定を確認しようとスマートフォンを見るとメッセージが届いていた。
「ジーノさんから連絡きてますよ。明日朝一で面接入れたからよろしくって」
真が捕まらないのでカイに送られたのだろうメッセージを見せると、真はあからさまに嫌そうな顔を枕に押し付けた。
「明日のこととか考えたくねー……」
真にしては後ろ向きな発言に少し驚く。
「珍しいですね。シンさん仕事好きそうなのに」
「ばか、やった後に仕事とかダリィだろマジで」
「そうですか? 俺は明日からまた頑張ろうって思えますよ」
真のスケジュールに合わせてアラームをかけ、彼の隣に横たわる。不思議そうな顔の真と目が合う。
「なんですか?」
真は無言でカイの頭をなで回した。
「ちょっ、なんすか?」
「なんでもない! おやすみ!」
好き勝手にカイの髪を乱した真はさっさと毛布を被り寝る態勢に入ってしまった。
カイはしばし呆然とし、そして思わず笑みをこぼした。
真の隣に横たわり、すぐ側にある温もりを抱き締める。
「おやすみなさい」
心地よい微睡みの中、カイは幸せを噛み締めた。
彼の側にいられるなら、それ以上は望まない。
今はただ、あなたの良い犬でありたい。
息も絶え絶えに、真がカイを見上げる。
「飲んだこと? 舐めたこと? 見てろって言われたのに勝手に触ったこと?」
「全部だよ」
「マジすか」
驚いた表情を浮かべ真と自分の手をウェットティッシュで拭う。
「気持ち良かったでしょ?」
「そういう問題じゃない」
「なんで? シンさんだって絶対こうなるの分かってて始めたんじゃないの?」
「一発抜いて寝るかくらいの気持ちだったわ」
「嘘だぁ」
「マジだって。お前とやると……」
真はそこで口を閉ざす。不審に思って顔を見ても続きを口にしない真に顔を寄せる。
「俺とすると何?」
「なんでもない……」
「気になる!」
「もう寝ろ!」
「このまま寝れると思ってんの?」
真の上に跨り、首筋に噛み付く。
「カイっ……いてぇよ」
「あんなもん見せてくれちゃって、俺がどうにもならないと思いました? さっきからちんぽがイライラしてしょうがないんですよ。こんなエロ漫画みたいな事言わせた責任取ってくれます?」
「は? やめっ、もう無理だって」
「いけるでしょ。あんだけ感じてたんだから」
まだローションや精液でぬるつく穴は指二本くらい余裕で入る。素早くスウェットを下ろして、指よりはだいぶ太いものを入口に擦り付ける。
「マジかよっ……」
「自分で弄ってる時もこれが欲しかったんじゃないの? もっと硬いので気持ち良い所いっぱい擦られたいって」
「ばかっ、い、いたっ」
「きっつ……すぐ入るから、ちょっと我慢してください……っ」
ローションを追加しながらまだそれ程には広がっていない穴にすっかりいきり立った性器をねじ込んでいく。
「ぅ、うっ……」
苦しげに呻く真を抱きしめて、どうにか奥まで入ったところで息を吐く。落ち着くまで少し待とうと思ったが、カイを包む粘膜は早速震えて絡みつくように痙攣する。ぎゅ、ぎゅうと纏わりつく刺激に眉が寄る。
「手加減してやろうと思ってんのにさぁ……」
煽るような反応にたまらず強く腰を押し付ける。
「あっ!」
「めっちゃ締まるな……これわざとやってんの?」
「しらなっ、ぁ、あ」
腰を揺らしながら真の顔を覗き込む。潤んだ瞳と目が合う。そういえばベッドの中以外で彼の泣き顔を見た事はない。
たまなくなってキスをした。気持ちが良い。触れ合わせた唇の熱も、蕩けるような舌の感触も、深く繋がった粘膜もわずかに擦れるだけで声が漏れそうだった。体を押し付けながら、真の深い場所を犯す。誰も触れたことがない所まで、彼の全てを暴きたいと思った。
「ん、んっう、っ……」
真の呼吸が浅くなる。絶頂が近いのかもしれない。先ほど出したばかりだから勃起はしていないが、中の感触が変わってきた。
「このままいけそう?」
浅く頷く真が可愛い。背中に回された腕に幸せを感じてしまう。
余計なことを口走らないよう唇を重ねる。性感が高まって涙が滲む。まだ酔っているのか不思議と切ない気持ちになる。
「シンさん、シンさんっ……」
気づけばカイのほうが泣きそうだった。余裕のないカイの頬を、真の手が優しくなでる。心地よさと共にじわじわ広がる幸福感に胸を締め付けられる。
引き寄せられるままに唇を合わせ、カイは真の中に射精した。
「うぁっ……くっ……」
首筋に顔を埋めて声を殺すカイの頭に触れる真の手は優しかった。やがてかすかに震える感触と、入れたままの性器を締め付ける粘膜の動きで真も静かに達したことがわかった。
荒い呼吸を繰り返し、しばしそのまま抱き合っていた。このまま眠ってしまいたいのをどうにかこらえ、身を起こしてティッシュに手を伸ばす。
「疲れましたね……」
濡れたところを適当に拭うと真はカイ以上に疲弊した様子でベッドに身を投げ出していた。
「シンさん、そのまま寝たら風邪ひきますよ。拭いてあげるからちゃんと服着てください」
真の体を清め、散らかった服を集めて着せてやる。
既にうとうとしている真が意識を失う前に明日の予定を確認しようとスマートフォンを見るとメッセージが届いていた。
「ジーノさんから連絡きてますよ。明日朝一で面接入れたからよろしくって」
真が捕まらないのでカイに送られたのだろうメッセージを見せると、真はあからさまに嫌そうな顔を枕に押し付けた。
「明日のこととか考えたくねー……」
真にしては後ろ向きな発言に少し驚く。
「珍しいですね。シンさん仕事好きそうなのに」
「ばか、やった後に仕事とかダリィだろマジで」
「そうですか? 俺は明日からまた頑張ろうって思えますよ」
真のスケジュールに合わせてアラームをかけ、彼の隣に横たわる。不思議そうな顔の真と目が合う。
「なんですか?」
真は無言でカイの頭をなで回した。
「ちょっ、なんすか?」
「なんでもない! おやすみ!」
好き勝手にカイの髪を乱した真はさっさと毛布を被り寝る態勢に入ってしまった。
カイはしばし呆然とし、そして思わず笑みをこぼした。
真の隣に横たわり、すぐ側にある温もりを抱き締める。
「おやすみなさい」
心地よい微睡みの中、カイは幸せを噛み締めた。
彼の側にいられるなら、それ以上は望まない。
今はただ、あなたの良い犬でありたい。
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