ねむれない蛇

佐々

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短編

#02*

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 目を覚ましたのは肌寒さからだった。俺は服を着ていなかった。
「なっ……」
 まだ頭はぼんやりしていて、状況をうまく認識できない。
「あ、起きた?」
 俺の寝ていたソファの裏側で、兵藤が女を犯していた。俺に気づきつつもソファの背もたれに押さえつけた女に激しく腰を叩きつけている。女は甘い紅茶みたいな色の髪を揺らして泣いてるみたいな声で喘ぐ。俺は現実を直視したくなくてもう一度まぶたを下ろしかけた。
「寝るなよ、せっかく起きたのに。仕方ないなぁ」
 兵藤は女から体を離すと、ソファを回り込んで近づいてきた。
「どういう状況? 俺の服は?」
「いらないでしょ? セックスするのに。ほら、リンも気持ちよくしてあげて」
 兵藤が命じると、先ほど彼の相手をしていた女が膝を折り、俺の股間に顔を近づけた。
「ちょ、俺はいいって」
「はいはい、じっとして」
 慌てて身を起こすと背後から兵藤に押さえられた。
「嫌なんだよこういうの!」
「べつに無理矢理やらせてるわけじゃないよ? ねぇヒナ、リンの舐めたいよね?」
 ヒナと呼ばれた少女は俺の性器に手を伸ばし、うっとりとした様子で微笑む。
「うん……リンくん、フェラ嫌い? ヒナ上手だよ?」
「ほら、ほんとはみんな、リンとしたがってたんだよ」
「俺はっ……」
 顎を掴まれ、唇を塞がれる。上半身はしっかり押さえつけられているせいで身動きが取れない。下半身は別だが、女の子を蹴り飛ばすわけにはいかない。
 そうこうしている内に、俺の性器はヒナの口に飲み込まれていた。小さな唇をいっぱいにして、狭い喉で締め付けながら舌を絡めてくる。確かに、普通の女の子は持ち合わせていない技術だ。
「うっ……」
 歯を食いしばらないと声が漏れそうだった。それくらい気持ちがいい。これはヒナが上手いからとかそういうことだけではない気がする。やはり兵藤に飲まされた薬の効果か。
「なんだかんだ言いつつガン勃ちじゃん。やーらし。ヒナ、リンのちんぽの味はどう?」
「んっ……おいひぃよ……なんか、あまい味がする……」
「ははっ、お前どんだけリンのこと好きなんだよ」
 ヒナは躊躇いなく深いところまで俺の性器を入れて、舌も手も使って巧みに刺激を与える。俺が追い込まれるまでにそう時間はかからなかった。
「リンくんいきそう? 精子出てきた……」
 溢れるそれをヒナは美味しそうに舐めとる。先端ばかりされるとたまらなくなって、俺はソファに爪を立てた。
「そんな頑張らずに出せばいいのに。それともリンくんは口には出したくないのかな?」
「だ、まれっ……」
 必死に耐えている人の気も知らず、兵藤はヒナに声をかける。
「ヒナ、リンが中出しじゃないと嫌みたいだから、入れてあげなよ」
「ちがっ」
「いいの? うれしい……リンくんとえっち、したかったんだぁ」
 ヒナは可愛らしい顔を更に愛らしく綻ばせて、俺の上に跨る。先端を擦り付けられたヒナのそこはかなりぬかるんでいて、柔らかく俺を包み込んだ。
「うぁっ……」
「わ、すげー鳥肌。そんな気持ちいい? 乳首たってるし」
 兵藤の指が胸の先に触れる。
「んっ、さ、わるなっ」
「ぁっ、リンくんの、またかたくなったぁ」
「へーここ弱いんだ」
 楽しそうに言った兵藤が、指先で乳首をなで回す。立ち上がったそこを何度もこすられ、弾かれ、つままれる。
 ヒナの粘膜は先ほどよりもきつく絡みついてくる。頼りなくとろけた瞳と目が合うと、唇を押し付けられた。
「リンくんっ、ヒナの、なかにだして」
 そんなことを懇願されてじゃあ遠慮なくといけるはずもなく、俺はどうにか寸前でヒナの腰を掴み、彼女の穴から性器を抜き出した。
「ぁっ……」
 残念そうなヒナにキスをして、ソファに押し倒す。どろどろの彼女のそこに、俺は再び、今度は自分の意志で性器を押し込んだ。
「ぁっ! んぁっ、ぁ、あっ」
「やっぱリンも男の子だったんだねー」
 派手に声を上げたヒナも、兵藤の言葉も無視して腰を打ち付ける。目の前で揺れる柔らかい胸を鷲掴み、ヒナに口づける。最後はどうにか抜いて、俺はヒナの白い腹に射精した。
「ヒナ、ピル飲んでるから中に出して平気なのに……」
 そういう問題じゃない、とか色々言いたいことはあったが、生で突っ込んだ俺にそんな資格はなかった。
「どう? すっきりした?」
 ソファでぐったりしていると兵藤がきいた。
「最悪……」
「まだ全然足りないって?」
「頭大丈夫か?」
 本気で心配していると兵藤に脚を掴まれ、俺はソファに背中から倒れた。
「なっ、んだよ!」
「ヒナ、押さえてて」
「はーい」
 ヒナに頭上で両腕を押さえつけられる。俺の片脚を持ち上げた兵藤は、何か冷たい液体を俺の股間に垂らした。
「はっ? なに?」
「いやさぁ、さっきヒナとやってるとき、ずーっとリンのここが気になってて」
「はぁ?」
 兵藤が俺の尻の穴に触れる。
「ばか! どこ触って」
「ここ使ったことないの?」
「ふざけんなよてめぇ!」
 兵藤が指を押し込む。そして気づく。また何か入れられた。
「初めてでも自分から強請りだすくらい、熱くてたまんなくなるから」
「なっ、んでこんなこと……」
「んー? 気になったからかな? リンがどんな風になるのか」
 口から飲み込まされた薬よりも熱を持つのが早い気がする。そこが疼いてたまらない。
「ほら、もうひくついてきた。俺の指を美味しそうに食べてる」
 見下ろしてくる兵藤から目を逸らす。
「楽しみだね。リンがどのくらいで音を上げるか」
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