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短編
#03*
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最悪だった。体はだるいしベッドは冷たいし嫌な奴に恥ずかしいところを見られるし。それでも最悪な二択を迫られて、真は少しでもましな方を選択するしかなかった。どちらも最悪なことに変わりはないのだが。
「ぅっ……ん……」
ベッドに伏せて、シーツを掴んで圧迫感に耐える。
「兄さん大丈夫?」
気遣うように背中をなでる凛太朗の手は優しい。そう思うなら代わってくれとは言わないが、せめて見ないでほしい。
「た、いしたことっ、ねぇよ」
やせ我慢で笑ってみせるとジーノが一気に腰を進めてきた。
「あっ! くっそ、てめぇ加減しろよっ……」
「でかくて悪いな」
「お前、マジで、まっ、動くなって!」
やっと全部入ったくらいなのに早々に抜き差しを開始されて下半身の不快感が増す。
「き、もちわりっ……」
「はは、ひどい言われようだな」
全く意に介した様子なく、ジーノは真の腰を持ち上げた。逆に上半身はベッドに胸がつくまで下げさせられる。
「てかここ、キスマークついてない?」
肩甲骨のあたりをなぞってジーノが言った。
「は?」
一瞬何を言ってるのかわからず、その後すぐに理解して青ざめた。
「見るなっ!」
「おっと、暴れるなよ」
身をよじるとジーノに押さえつけられた。
「どこ?」
凛太朗まで加勢して覗き込んでくる。本当に最悪だ。
「ほら、ここ」
「うわ、兄さんやっぱ誰かとエッチしたんじゃん。しかも背中って、今みたいにバックでされたの?」
跡があると思われる箇所から背骨に沿って指を滑らされる。くすぐったさに背中が反る。
「シン、どうなんだ?」
無言を決め込んでいるとジーノが更に深くまで押し入ってきた。圧迫感に息がつまる。
「どんな風に犯されたのかリンに教えてやれよ」
首筋や項に唇が触れ、軽く歯を立てられたり吸われるだけで体が震えた。ゆったり出し入れされるジーノの性器もだんだん気持ちよくなってきて焦る。
「う、後ろからっ……」
やっとの思いで口を開くと、凛太朗の手が重ねられた。
「バックだけ?」
「前からも、一回……」
「それ以外は?」
「してない……」
「ふーん」
冷静な声で言った凛太朗の顔が見られない。バックで良かった。
「妬かないのか?」
緩く腰を動かしながらジーノが問いかける。
「べつに」
返事をした凛太朗は相変わらず落ち着いているが、絡められた指には力がこもっていた。
「面白くはないけど」
「ははっ、お前可愛いな」
追加されたローションの滑りを借りてジーノの性器が出し入れされる。穏やかな快感が全身に広がって指先まで痺れる。
「あ、ぁっ……」
「気持ちよさそうだね」
凛太朗の手が頭に触れる。見上げた弟は妙に落ち着いた顔をしていた。静かな瞳の奥に珍しい欲望を垣間見た気がして真は彼のハーフパンツに手をかけた。下着ごと下してわずかに反応している股間に顔を寄せる。
「口でしてくれるの?」
優し気に問いかける凛太朗の口調に滲む侮蔑を振り払うように凛太朗の性器に舌を這わせる。
「はは、ジーノ、どうしよう。うちのお兄ちゃんすごいエッチなんだけど」
「今さらだろ? 知らなったのか?」
腰を掴む手に力を込めたジーノが先ほどまでよりも強く体内を抉ってくる。
「んっ、ぁ、そこっ……」
「ここ?」
角度をつけて気持ちの良い場所をこすられる。思わず凛太朗の性器を握る手に力を込めていた。
「いっ、兄さん、もう少し優しくして」
「ごめ、んっ……」
短く謝罪して、すぐに唇を閉じる。ジーノに弱い所ばかり責められて色々とまずいことを口走りそうだった。
「あーあ、もうそんなに気持ちよくなっちゃってるんだ」
呆れたような声で言った凛太朗に顔を上向かされる。
「とろとろじゃん。ジーノに犯されて気持ちいいの?」
否定しようとした矢先、腰を打ち付けられる速度が上がって性器から先走りがあふれた。
「ごめっ、リン……」
本来抱く必要のない罪悪感がわいてきて、許しを請うように必死で性器に舌を絡める。歯を立てないよう慎重に口内に迎え入れるとそれは一気に硬さを増した。
「気持ちいいよ、兄さん」
凛太朗に頭をなでられ、後ろからはジーノに犯される。冷静に考えるといたたまれない状況にもかかわらず、真は妙な背徳感とそれに伴う興奮を覚えて射精しないまま達してしまった。
「ぅわ……っ、いってるとき、喉も締まって気持ちいっ……」
頭を掴んだ凛太朗が深いところまで性器を押し込んでくる。苦しさに涙がにじんだが、それすらどこか心地よくていよいよやばいと思った。
射精には至らなかったらしい凛太朗が真の口から性器を引き抜く。とたんに後ろから腕を引かれ、ジーノに体を起こされた。今までで一番遠慮なく腰を叩き込まれ、崩れ落ちそうになる体を凛太朗が支えてくれる。縋るものを求めて真は凛太朗の背中に腕を回した。
「あ、ん、んっ」
キスをしながら快感に耐える。どこもかしこも気持ちが良くてたまらない。粟立つ肌をなぞる凛太朗の指が乳首に触れて、硬くなったそこを親指でこすられ思わず彼の背中に爪を立てる。
「ん、ちょっと、締めすぎ、だろっ」
突き入れる物の大きさが増したのか、そこに絡みつく粘膜が狭さを増したのか、ジーノが小さく舌を打つ。彼はそれでも変わらぬ激しさで真を犯し、凛太朗にキスをした。
軽く触れ合った唇を離した後、何を話すでもなく見つめった彼らは再び唇を合わせた。凛太朗の赤く色づいたそこが開かれ、ジーノの舌が入り込む。やがてジーノは真の中で射精した。ずるずると引き抜かれた性器からあふれた精液が漏れる感覚に太ももが震える。
「どうする? 次はお前が入れるか?」
ジーノが問いかけたのは凛太朗だった。
「俺はいいや。兄さん、まだできそう?」
真の背中をなででいた凛太朗は彼の首筋に伏せていた真の顔を上向かせた。涙で濡れた頬にキスをした凛太朗が微笑み、耳元で囁く。
「俺のことも犯して」
「ぅっ……ん……」
ベッドに伏せて、シーツを掴んで圧迫感に耐える。
「兄さん大丈夫?」
気遣うように背中をなでる凛太朗の手は優しい。そう思うなら代わってくれとは言わないが、せめて見ないでほしい。
「た、いしたことっ、ねぇよ」
やせ我慢で笑ってみせるとジーノが一気に腰を進めてきた。
「あっ! くっそ、てめぇ加減しろよっ……」
「でかくて悪いな」
「お前、マジで、まっ、動くなって!」
やっと全部入ったくらいなのに早々に抜き差しを開始されて下半身の不快感が増す。
「き、もちわりっ……」
「はは、ひどい言われようだな」
全く意に介した様子なく、ジーノは真の腰を持ち上げた。逆に上半身はベッドに胸がつくまで下げさせられる。
「てかここ、キスマークついてない?」
肩甲骨のあたりをなぞってジーノが言った。
「は?」
一瞬何を言ってるのかわからず、その後すぐに理解して青ざめた。
「見るなっ!」
「おっと、暴れるなよ」
身をよじるとジーノに押さえつけられた。
「どこ?」
凛太朗まで加勢して覗き込んでくる。本当に最悪だ。
「ほら、ここ」
「うわ、兄さんやっぱ誰かとエッチしたんじゃん。しかも背中って、今みたいにバックでされたの?」
跡があると思われる箇所から背骨に沿って指を滑らされる。くすぐったさに背中が反る。
「シン、どうなんだ?」
無言を決め込んでいるとジーノが更に深くまで押し入ってきた。圧迫感に息がつまる。
「どんな風に犯されたのかリンに教えてやれよ」
首筋や項に唇が触れ、軽く歯を立てられたり吸われるだけで体が震えた。ゆったり出し入れされるジーノの性器もだんだん気持ちよくなってきて焦る。
「う、後ろからっ……」
やっとの思いで口を開くと、凛太朗の手が重ねられた。
「バックだけ?」
「前からも、一回……」
「それ以外は?」
「してない……」
「ふーん」
冷静な声で言った凛太朗の顔が見られない。バックで良かった。
「妬かないのか?」
緩く腰を動かしながらジーノが問いかける。
「べつに」
返事をした凛太朗は相変わらず落ち着いているが、絡められた指には力がこもっていた。
「面白くはないけど」
「ははっ、お前可愛いな」
追加されたローションの滑りを借りてジーノの性器が出し入れされる。穏やかな快感が全身に広がって指先まで痺れる。
「あ、ぁっ……」
「気持ちよさそうだね」
凛太朗の手が頭に触れる。見上げた弟は妙に落ち着いた顔をしていた。静かな瞳の奥に珍しい欲望を垣間見た気がして真は彼のハーフパンツに手をかけた。下着ごと下してわずかに反応している股間に顔を寄せる。
「口でしてくれるの?」
優し気に問いかける凛太朗の口調に滲む侮蔑を振り払うように凛太朗の性器に舌を這わせる。
「はは、ジーノ、どうしよう。うちのお兄ちゃんすごいエッチなんだけど」
「今さらだろ? 知らなったのか?」
腰を掴む手に力を込めたジーノが先ほどまでよりも強く体内を抉ってくる。
「んっ、ぁ、そこっ……」
「ここ?」
角度をつけて気持ちの良い場所をこすられる。思わず凛太朗の性器を握る手に力を込めていた。
「いっ、兄さん、もう少し優しくして」
「ごめ、んっ……」
短く謝罪して、すぐに唇を閉じる。ジーノに弱い所ばかり責められて色々とまずいことを口走りそうだった。
「あーあ、もうそんなに気持ちよくなっちゃってるんだ」
呆れたような声で言った凛太朗に顔を上向かされる。
「とろとろじゃん。ジーノに犯されて気持ちいいの?」
否定しようとした矢先、腰を打ち付けられる速度が上がって性器から先走りがあふれた。
「ごめっ、リン……」
本来抱く必要のない罪悪感がわいてきて、許しを請うように必死で性器に舌を絡める。歯を立てないよう慎重に口内に迎え入れるとそれは一気に硬さを増した。
「気持ちいいよ、兄さん」
凛太朗に頭をなでられ、後ろからはジーノに犯される。冷静に考えるといたたまれない状況にもかかわらず、真は妙な背徳感とそれに伴う興奮を覚えて射精しないまま達してしまった。
「ぅわ……っ、いってるとき、喉も締まって気持ちいっ……」
頭を掴んだ凛太朗が深いところまで性器を押し込んでくる。苦しさに涙がにじんだが、それすらどこか心地よくていよいよやばいと思った。
射精には至らなかったらしい凛太朗が真の口から性器を引き抜く。とたんに後ろから腕を引かれ、ジーノに体を起こされた。今までで一番遠慮なく腰を叩き込まれ、崩れ落ちそうになる体を凛太朗が支えてくれる。縋るものを求めて真は凛太朗の背中に腕を回した。
「あ、ん、んっ」
キスをしながら快感に耐える。どこもかしこも気持ちが良くてたまらない。粟立つ肌をなぞる凛太朗の指が乳首に触れて、硬くなったそこを親指でこすられ思わず彼の背中に爪を立てる。
「ん、ちょっと、締めすぎ、だろっ」
突き入れる物の大きさが増したのか、そこに絡みつく粘膜が狭さを増したのか、ジーノが小さく舌を打つ。彼はそれでも変わらぬ激しさで真を犯し、凛太朗にキスをした。
軽く触れ合った唇を離した後、何を話すでもなく見つめった彼らは再び唇を合わせた。凛太朗の赤く色づいたそこが開かれ、ジーノの舌が入り込む。やがてジーノは真の中で射精した。ずるずると引き抜かれた性器からあふれた精液が漏れる感覚に太ももが震える。
「どうする? 次はお前が入れるか?」
ジーノが問いかけたのは凛太朗だった。
「俺はいいや。兄さん、まだできそう?」
真の背中をなででいた凛太朗は彼の首筋に伏せていた真の顔を上向かせた。涙で濡れた頬にキスをした凛太朗が微笑み、耳元で囁く。
「俺のことも犯して」
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