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短編
#02*
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「なっ、おま、いつからっ」
よりによってこいつの前でこんな醜態を晒すなんて! 羞恥を通り越して絶望に青くなりながら尋ねると、ジーノはゆっくりと体を起こした。
「お前がキスされて最初拒んでたのに満更でもなくなって脱がされたあたりかな」
「ほとんど最初からじゃねーか! 忘れろ! そして死ね!」
頭を抱えたくなるが両腕は未だ凛太朗に捕まったままだ。
「リンも離しなさい! もう終わり! 寝る!」
「まだ話は終わってないよ」
「は? ぁ、ちょっ、動かすな!」
さすがにこのまま続きをされるのは避けたい。しかし凛太朗は入れたままの指を再び抜き差しし始めた。
「リン、やめろって!」
「兄さん危ないからじっとして」
「手伝おうか?」
「は?」
ジーノに腕を引かれ背後から拘束される。
「ありがと。暴れないように押さえといてね」
「おいっ、ジーノ!」
振り向いて抗議するとジーノが唇を押し付けてきた。歯列を割って口内に舌が侵入してくる。指も増やされ、粘膜を広げられる。
「んっ、ぅ!」
凛太朗は熱を孕んだ瞳で指を入れた箇所を凝視しながら抜き差しを速める。万が一にも傷つけないよう、慎重に、相手を気持ちよくするためだけの動きは普段自分がする時のやり方に少し似ていた。ギリギリまで追い込んで、射精しそうになると一度抜かれてじらされる。ひくつくそこにまたすぐ入ってきた指を、粘膜が喜んで食い締めるのがわかる。
「ぁっ、気持ちいっ……」
思わず口走ると顔を覗き込んできた凛太朗の唇が重ねられた。キスのし過ぎで熱をもったそこは痛いくらいなのに、気持ちが良くて夢中で舌を絡めてしまう。
「いきそうか?」
ジーノが囁く。真のかわりに答えたのは凛太朗だった。
「うん、中の感じが変わってきた。俺の指を締め付けて……ここにぶち込んだら気持ち良いんだろうな」
瞳をぎらつかせながら凛太朗が笑う。普段、自分としている時には見せたことのない表情に真の興奮も煽られた。
大人びた男の色気を滲ませるその顔を歪ませて滅茶苦茶に犯してやりたい。今の状況と矛盾した妄想に身を震わせながら、真は射精した。
「ぅっ……んっ、く」
じわじわと広がる快感に歯を食い縛って耐える。凛太朗は粘液を溢れさせる性器を掴み、容赦無く扱き始めた。
「ひっ、リン! やめっ」
敏感なところを強い力で握られ、こすられて体が揺れる。しかし後ろから抑え込むジーノはびくともしない。
「やめ、も、はなせ、ぁあっ、だめ、ひっ」
先端だけ包み込んで扱かれるとおかしくなりそうだった。凛太朗に向けて開かれた脚がシーツを蹴る。
「あーあ、シン泣きそうじゃん。かわいそうに」
どこか嬉しそうなジーノの声に殺意が芽生える。
断じて泣いてはいないが、淡々と性器を扱き続ける凛太朗のせいで否定もままならない。
「お前結構いじわるだな」
「そう? 俺もよくいじめられるよ。でも嫌いじゃないよね? 兄さん」
あやすようにこめかみや目元にキスをして、凛太朗が手の動きを速める。下半身の感覚がなくなりそうな摩擦と、行き過ぎた快感に真は全身を強張らせた。
「やめろっ、なっ、なんか、もれっ……」
生理現象に近い感覚だった。射精よりずっと抗いがたい衝動に真はなす術もなく、既に精液を吐き出した先端から透明の液体を噴き出した。
「うわ、潮吹いた」
一周回って感心したようなジーノの声もあまり頭に入ってこない。なんでこんなことになっているんだろう。兄としてのプライドとか、威厳とか、そういうのは全部ぐちゃぐちゃにされた。
「大丈夫?」
息を切らして項垂れていると凛太朗が顔を覗き込んできた。弟だけならまだしもジーノの前でまでこんな醜態を晒すなんて。いたたまれなさと羞恥で弟の顔が見られない。もういっそ殺してくれ。でもその前に犯してやる。
いつの間にか解放された両手で凛太朗を押し倒しながらキスで主導権を握る。さっきは滅茶苦茶にされたがキスなら負けない自信がある。
「ん、兄さん?」
すっかり息の上がった凛太朗はまだ状況が飲み込めていない様子だ。いくら可愛くてもここまで好き勝手されて許せるわけがない。思い知らせてやる。
「覚悟しろよ」
放り出されたローションを掴み、中身を出す。
「お前が泣くまでやめないから」
「それはいいけど、できるの?」
視線を下げた凛太朗につられて股間を見ると、真の性器は完全に力を失っていた。刺激されすぎて感覚もあまりない。
「で……」
できる! と力強く言えないことが悲しい。いや、あんな無体を強いられたら誰だってそうなる。俺は悪くない。
「俺が代わろうか?」
ジーノが声をかけてきた。真の返事も待たずにシャツを脱ぎ捨てローションを掴み上げる。
「いやいやなに脱いでんだよそしてなに勝手に混ざろうとしてんだよ」
「今更? 俺の腕の中でいったくせに」
「リン、ちょっと待ってろ。こいつ殺してくる」
「いやーエロかったなー普段澄まし顔のシンが泣きそうになりながら潮吹くとか、もうギャップありすぎてめっちゃ勃ったわ」
「笑ってんじゃねーか! ばかにしてんだろお前!」
にやけた面を殴ろうと拳を握り締めていると上体を起こした凛太朗の笑い声が聞こえた。
「相変わらず仲良いね。もう二人でやれば?」
「いい案だな。前回した時のこと、全然覚えてなくて損した気分だし」
ジーノはすっかり乗り気である。冗談じゃない。
「ふざけんな! 誰がお前なんかと!」
「お前が嫌ならリンとするけど?」
「なっ」
「いいのか? 目の前で可愛い弟が俺に犯されても」
動揺した隙にベッドに押し倒された。
「汚ぇぞ!」
下から見上げたジーノは実に楽しそうな顔で笑っていた。
「弟の前で俺に犯されるか、目の前で弟が犯されるところを見るか、どっちがいい?」
よりによってこいつの前でこんな醜態を晒すなんて! 羞恥を通り越して絶望に青くなりながら尋ねると、ジーノはゆっくりと体を起こした。
「お前がキスされて最初拒んでたのに満更でもなくなって脱がされたあたりかな」
「ほとんど最初からじゃねーか! 忘れろ! そして死ね!」
頭を抱えたくなるが両腕は未だ凛太朗に捕まったままだ。
「リンも離しなさい! もう終わり! 寝る!」
「まだ話は終わってないよ」
「は? ぁ、ちょっ、動かすな!」
さすがにこのまま続きをされるのは避けたい。しかし凛太朗は入れたままの指を再び抜き差しし始めた。
「リン、やめろって!」
「兄さん危ないからじっとして」
「手伝おうか?」
「は?」
ジーノに腕を引かれ背後から拘束される。
「ありがと。暴れないように押さえといてね」
「おいっ、ジーノ!」
振り向いて抗議するとジーノが唇を押し付けてきた。歯列を割って口内に舌が侵入してくる。指も増やされ、粘膜を広げられる。
「んっ、ぅ!」
凛太朗は熱を孕んだ瞳で指を入れた箇所を凝視しながら抜き差しを速める。万が一にも傷つけないよう、慎重に、相手を気持ちよくするためだけの動きは普段自分がする時のやり方に少し似ていた。ギリギリまで追い込んで、射精しそうになると一度抜かれてじらされる。ひくつくそこにまたすぐ入ってきた指を、粘膜が喜んで食い締めるのがわかる。
「ぁっ、気持ちいっ……」
思わず口走ると顔を覗き込んできた凛太朗の唇が重ねられた。キスのし過ぎで熱をもったそこは痛いくらいなのに、気持ちが良くて夢中で舌を絡めてしまう。
「いきそうか?」
ジーノが囁く。真のかわりに答えたのは凛太朗だった。
「うん、中の感じが変わってきた。俺の指を締め付けて……ここにぶち込んだら気持ち良いんだろうな」
瞳をぎらつかせながら凛太朗が笑う。普段、自分としている時には見せたことのない表情に真の興奮も煽られた。
大人びた男の色気を滲ませるその顔を歪ませて滅茶苦茶に犯してやりたい。今の状況と矛盾した妄想に身を震わせながら、真は射精した。
「ぅっ……んっ、く」
じわじわと広がる快感に歯を食い縛って耐える。凛太朗は粘液を溢れさせる性器を掴み、容赦無く扱き始めた。
「ひっ、リン! やめっ」
敏感なところを強い力で握られ、こすられて体が揺れる。しかし後ろから抑え込むジーノはびくともしない。
「やめ、も、はなせ、ぁあっ、だめ、ひっ」
先端だけ包み込んで扱かれるとおかしくなりそうだった。凛太朗に向けて開かれた脚がシーツを蹴る。
「あーあ、シン泣きそうじゃん。かわいそうに」
どこか嬉しそうなジーノの声に殺意が芽生える。
断じて泣いてはいないが、淡々と性器を扱き続ける凛太朗のせいで否定もままならない。
「お前結構いじわるだな」
「そう? 俺もよくいじめられるよ。でも嫌いじゃないよね? 兄さん」
あやすようにこめかみや目元にキスをして、凛太朗が手の動きを速める。下半身の感覚がなくなりそうな摩擦と、行き過ぎた快感に真は全身を強張らせた。
「やめろっ、なっ、なんか、もれっ……」
生理現象に近い感覚だった。射精よりずっと抗いがたい衝動に真はなす術もなく、既に精液を吐き出した先端から透明の液体を噴き出した。
「うわ、潮吹いた」
一周回って感心したようなジーノの声もあまり頭に入ってこない。なんでこんなことになっているんだろう。兄としてのプライドとか、威厳とか、そういうのは全部ぐちゃぐちゃにされた。
「大丈夫?」
息を切らして項垂れていると凛太朗が顔を覗き込んできた。弟だけならまだしもジーノの前でまでこんな醜態を晒すなんて。いたたまれなさと羞恥で弟の顔が見られない。もういっそ殺してくれ。でもその前に犯してやる。
いつの間にか解放された両手で凛太朗を押し倒しながらキスで主導権を握る。さっきは滅茶苦茶にされたがキスなら負けない自信がある。
「ん、兄さん?」
すっかり息の上がった凛太朗はまだ状況が飲み込めていない様子だ。いくら可愛くてもここまで好き勝手されて許せるわけがない。思い知らせてやる。
「覚悟しろよ」
放り出されたローションを掴み、中身を出す。
「お前が泣くまでやめないから」
「それはいいけど、できるの?」
視線を下げた凛太朗につられて股間を見ると、真の性器は完全に力を失っていた。刺激されすぎて感覚もあまりない。
「で……」
できる! と力強く言えないことが悲しい。いや、あんな無体を強いられたら誰だってそうなる。俺は悪くない。
「俺が代わろうか?」
ジーノが声をかけてきた。真の返事も待たずにシャツを脱ぎ捨てローションを掴み上げる。
「いやいやなに脱いでんだよそしてなに勝手に混ざろうとしてんだよ」
「今更? 俺の腕の中でいったくせに」
「リン、ちょっと待ってろ。こいつ殺してくる」
「いやーエロかったなー普段澄まし顔のシンが泣きそうになりながら潮吹くとか、もうギャップありすぎてめっちゃ勃ったわ」
「笑ってんじゃねーか! ばかにしてんだろお前!」
にやけた面を殴ろうと拳を握り締めていると上体を起こした凛太朗の笑い声が聞こえた。
「相変わらず仲良いね。もう二人でやれば?」
「いい案だな。前回した時のこと、全然覚えてなくて損した気分だし」
ジーノはすっかり乗り気である。冗談じゃない。
「ふざけんな! 誰がお前なんかと!」
「お前が嫌ならリンとするけど?」
「なっ」
「いいのか? 目の前で可愛い弟が俺に犯されても」
動揺した隙にベッドに押し倒された。
「汚ぇぞ!」
下から見上げたジーノは実に楽しそうな顔で笑っていた。
「弟の前で俺に犯されるか、目の前で弟が犯されるところを見るか、どっちがいい?」
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