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短編
手触りのいい枷*
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弟×兄、ジーノ×兄です。特に中身のない性描写を含みますのでご注意ください。
この二人は本当は結構気が合うはずなのに、一緒にいるといつも喧嘩しているなと凛太朗は思う。
今日もくだらないことで騒ぎ合う大人二人を眺めながら、凛太朗は氷が溶けて薄くなった酒を飲んだ。
初めて三人で飲みにきたのはアップテンポの音楽がかかる、クラブとバーを一体化させたような店だった。モダンな内装の店内はカウンターやテーブルのあるバースペースと、音楽に合わせて体を揺らす人間がひしめくフロアーに別れている。どちらかといえば大人向けの店のようで、スーツの二人はそれほど浮いてはいなかった。
「前からきこうと思ってたんだけどさぁ」
ジュースみたいに甘いカクテルを飲み干して、凛太朗は口を開いた。
フロアーの端に寄せられたテーブルは、ダンスフロアーよりは音楽も遠く、そこまで声を張らずとも会話ができる、しかし周囲に会話を聞かれる可能性は低い絶妙な場所にあった。
小さなテーブルを囲んでいるせいで、普段より近くにいる二人がこちらを見る。
「兄さんとジーノはさ、エッチしたことあるの?」
凛太朗はだいぶ酒が回っているせいでぼんやりした頭のまま続けた。いつもより酔いが早いのはこの空間のせいだろうか。
「お前それ何杯目だ?」
凛太朗の問いには答えず、真が冷静にきいた。
「三? 四かな……わかんない」
「誰だよこいつにそんな飲ませた奴」
「自分で飲んだんだろ? リンってマジで酒弱いんだな」
「お前はもう飲むな。水持ってくる」
真が席を立つとジーノが顔を覗き込んできた。
「大丈夫か?」
「とぼけんなよ。あるの? ないの?」
ジーノの青みがかった灰色の瞳を間近で見つめる。
「なんでいきなりそんなこときくんだ?」
「べつにいきなりじゃないし」
「俺の知る限りじゃ何もないんだけどな……」
歯切れの悪い返答に納得できず、水を持ってきた真に顔を寄せる。
「兄さんは?」
「なんの話?」
「だから、ジーノとしたことあるの?」
「飲みすぎだぞ。とりあえず酒を抜きなさい」
「すぐそうやって誤魔化す」
言いつつも素直にペットボトル受け取り水を呷る。
「いつも二人で仲良くしてさ……」
「べつにお前が嫉妬することなんて一つもないぞ? な、シン?」
同意を求められた真はジーノを睨みつけた。
「てめぇ覚えてないのかよ」
忌々しげに発された言葉に、凛太朗の意識は一瞬にして覚醒した。
「やっぱなんかあんの? 詳しく!」
兄を見つめると気まずそうに視線を逸らされた。何この反応。絶対なんかあるじゃん。
「キモいから思い出させんな」
「そんなことあったか?」
ジーノは未だ腑に落ちない様子だ。
「マジで覚えてないのかよ。お前あのとき超キモかったからな」
「だからなんの話だよ」
「お前がドジ踏んで妙な薬盛られた時あっただろうが」
「あー……随分前の話だな。俺あの時のことあんま覚えてないんだよ。起きたら普通に戻ってたし」
「都合のいい頭しやがって……」
「あの時お前になんかしたのか?」
真はその先を口にしようとしない。こちらを見ようともしない。凛太朗は彼の手を取り、無理矢理視線を合わせた。
「兄さん、何があったの?」
先を促すと彼はあきらめた様子で、凛太朗の耳元に唇を寄せた。
そして告げられた内容に、凛太朗は触れ合った指先が痺れるのを感じた。
その日は真のマンションに泊まった。帰ってから交代でシャワーを浴びて、それからまた飲んで、真のベッドで三人で寝た。
大きなベッドは大人が三人並んでもそれなりに余裕がある。真は先にベッドに入っていた凛太朗とジーノの間に身を横たえた。消灯するととっくに眠りについたと思っていた凛太朗が身を寄せてきた。
「兄さん、熱い……」
甘えるように抱き着いてくる凛太朗の体は確かにかなり熱をもっていた。
「飲みすぎだ。だから言ったろ?」
可愛い弟を抱き返し、頭をなでる。明日は二日酔いでろくに動けないだろうが、たまにはゆっくりさせてやろうと思う。
「おやすみ、リン」
触れるだけのキスをして目を閉じると、顔を引き寄せられ、再び唇が合わせられた。
「ん、リン……?」
何度も啄むように柔らかい唇が押し付けられ、熱い舌が挿入される。
「ちょっ」
さすがに止めようと肩を押し返すが、顎を掴まれ口付けを深められる。舌を触れ合わせ、絡め、口の中の敏感なところをなめられる。項から滑らされた指が顎の下をくすぐって、真は小さく身を震わせた。
「兄さん、可愛い。キスで感じたの?」
囁きながら、凛太朗が脚を絡めてくる。
「だめだって」
「何が?」
とぼけた凛太朗がシャツの下に手を入れる。
「こら、大人しく寝なさい」
言い聞かせるように伝えても、凛太朗は聞く耳をもたない。真の背中をなぞりながら、また唇が重ねられる。
「しよ?」
キスの合間にねだられ、真は弟の顔を見た。まだだいぶ酔っているのか普段はきつい眦が下がって瞳も潤んでいる。繰り返し唇を合わせては、もどかしげに体をこすりつけてくる凛太朗に真は簡単に揺れた。
「ここじゃだめだ。別の部屋で……」
「なんで?」
「ジーノがいるだろ」
シャツをめくり上げ、胸をなで始めた凛太朗を制する。
「寝てるから大丈夫だよ」
「あ、おいっ」
凛太朗はさっさと真のシャツを脱がせると乳首に触れた。
「兄さんのここ可愛いよね」
小さな突起を愛おし気になでながら、片側をなめられる。
「リン、だめだって……」
「どうされるのが好き? あんまり俺から触ったことなかったけど、すごい感じるでしょ。俺としてるときいつも硬くしてるもんね」
「ま、待てリン、ほんとにここじゃ……」
「舌で転がされるのがいい? 先っぽだけ優しくなでで、硬くなったとこ扱いてあげようか?」
「ぁっ……」
「想像した? 全部やってあげるよ」
見せつけるように凛太朗の舌や指が乳首に触れる。
「んっ、リン、ほんとに、まずいから……」
「何が?」
「ジーノにばれるって……」
「ばれても平気じゃない?」
凛太朗は真の下着から性器を取り出し、本格的にそこを扱き始めた。
「さっき教えてくれたじゃん、ジーノとしたことあるんでしょ?」
「あ、れは、事故みたいなもので、不本意で……」
「べつに言い訳しなくてもいいよ」
凛太朗は勃起した性器を口に含んだ。
「あ、ちょっ……」
先端から根本まで深くくわえられ、その下の陰嚢までもまれる。
「怒ってるのか……?」
いつになく聞き分けの悪い弟は、それでも献身的に口淫を続けている。目を細め、全体をこすりながら亀頭を舐め回される。
「怒ってないよ」
やがて上体を起こした凛太朗が唇をぬぐいながら真の脚を開かせた。
「この部屋ローションとかある?」
周囲を見回しながら尋ねる凛太朗に血の気が引いた。
「お前、まさか」
恐ろしい想像をした真を凛太朗は一笑した。
「飲みすぎてたたないから入れたりしないよ。それはまた今度ね」
今度ってなんだ。尋ねる前に、凛太朗はベッド脇のチェストからローションを取り出し、服を脱いだ。
抱き合いながらキスをする。狭い口内を余すとこなく舐め回し、舌を吸ってやる。手を伸ばせば触れられる距離にジーノが寝ているというのに、普段より積極的な凛太朗に興奮しているのも確かだった。
キスに夢中になっていると思っていた凛太朗はいつの間にかローションの蓋を開け、ぬめりを帯びた指で真の脚の間をなでていた。そのまま指先を挿入されて目を見開く。
「な、何入れてっ……」
「入れるくらいいいでしょ?」
「やらないって」
「指だけ、ね?」
大丈夫、と凛太朗は入れた指をゆっくり動かす。
「いつも俺にしてくれるじゃん。こうやって……」
慎重に出し入れしながら時折意図的に粘膜をこする。気持ちがいい場所の上で指を往復されると大げさなくらい体が跳ねた。
「あっ」
思わず上がった声を慌てて押さえると、驚いた顔の凛太朗と目が合った。
「そんなにいいの?」
確かめるように再び同じ場所を圧迫される。
「んっ! ぅ……」
「反応やば、俺より気持ちいいんじゃない?」
笑みを浮かべた凛太朗が指を増やす。
「なんかすげー簡単に入っちゃうんだけど。誰としたわけ?」
「だ、だめだって、ほんとにそれっ……」
勝手に声が出るのを止められない。
「兄さん、誰にされたの?」
口元を覆っていた手を掴まれる。覗き込んでくる凛太朗の瞳が冷たい。
「誰ともしてな……」
「嘘つき」
指の動きが速められる。気持ちのいい場所を何度もこすられてたまらなくなる。声を押さえようと凛太朗に掴まれていない方の手を動かすと、そちらも取られて両手共封じられた。以前は力で負けることなんてなかったのに。筋トレなんてさせるんじゃなかった。いや、今の真が本調子でないだけだ。万全の状態であれば負けるはずがない。そう信じたい。
「中こんなに腫らして、誰ともしてないなんて言い訳が通用すると思ってんの?」
「わ、かんないって……」
「じゃあ何、普段からここにおもちゃでも突っ込んでオナニーしてたわけ? 兄さんほんとはそういう性癖だったの?」
凛太朗は一定の速度で指を出し入れしながら胸に唇を寄せてくる。
「すごい硬くなってる。ここもいじめられたの?」
先端だけ丁寧になめられて背中が浮く。舌先が優しく、かと思うと強く押し付けられてこすられ、性器から先走りがこぼれる。
「随分楽しそうなことしてるな」
自分でも凛太朗でもない声が聞こえて、真は目を見張った。恐る恐る隣に視線を向けると、ベッドに肘をつき、横向きに寝そべるジーノと目が合った。
この二人は本当は結構気が合うはずなのに、一緒にいるといつも喧嘩しているなと凛太朗は思う。
今日もくだらないことで騒ぎ合う大人二人を眺めながら、凛太朗は氷が溶けて薄くなった酒を飲んだ。
初めて三人で飲みにきたのはアップテンポの音楽がかかる、クラブとバーを一体化させたような店だった。モダンな内装の店内はカウンターやテーブルのあるバースペースと、音楽に合わせて体を揺らす人間がひしめくフロアーに別れている。どちらかといえば大人向けの店のようで、スーツの二人はそれほど浮いてはいなかった。
「前からきこうと思ってたんだけどさぁ」
ジュースみたいに甘いカクテルを飲み干して、凛太朗は口を開いた。
フロアーの端に寄せられたテーブルは、ダンスフロアーよりは音楽も遠く、そこまで声を張らずとも会話ができる、しかし周囲に会話を聞かれる可能性は低い絶妙な場所にあった。
小さなテーブルを囲んでいるせいで、普段より近くにいる二人がこちらを見る。
「兄さんとジーノはさ、エッチしたことあるの?」
凛太朗はだいぶ酒が回っているせいでぼんやりした頭のまま続けた。いつもより酔いが早いのはこの空間のせいだろうか。
「お前それ何杯目だ?」
凛太朗の問いには答えず、真が冷静にきいた。
「三? 四かな……わかんない」
「誰だよこいつにそんな飲ませた奴」
「自分で飲んだんだろ? リンってマジで酒弱いんだな」
「お前はもう飲むな。水持ってくる」
真が席を立つとジーノが顔を覗き込んできた。
「大丈夫か?」
「とぼけんなよ。あるの? ないの?」
ジーノの青みがかった灰色の瞳を間近で見つめる。
「なんでいきなりそんなこときくんだ?」
「べつにいきなりじゃないし」
「俺の知る限りじゃ何もないんだけどな……」
歯切れの悪い返答に納得できず、水を持ってきた真に顔を寄せる。
「兄さんは?」
「なんの話?」
「だから、ジーノとしたことあるの?」
「飲みすぎだぞ。とりあえず酒を抜きなさい」
「すぐそうやって誤魔化す」
言いつつも素直にペットボトル受け取り水を呷る。
「いつも二人で仲良くしてさ……」
「べつにお前が嫉妬することなんて一つもないぞ? な、シン?」
同意を求められた真はジーノを睨みつけた。
「てめぇ覚えてないのかよ」
忌々しげに発された言葉に、凛太朗の意識は一瞬にして覚醒した。
「やっぱなんかあんの? 詳しく!」
兄を見つめると気まずそうに視線を逸らされた。何この反応。絶対なんかあるじゃん。
「キモいから思い出させんな」
「そんなことあったか?」
ジーノは未だ腑に落ちない様子だ。
「マジで覚えてないのかよ。お前あのとき超キモかったからな」
「だからなんの話だよ」
「お前がドジ踏んで妙な薬盛られた時あっただろうが」
「あー……随分前の話だな。俺あの時のことあんま覚えてないんだよ。起きたら普通に戻ってたし」
「都合のいい頭しやがって……」
「あの時お前になんかしたのか?」
真はその先を口にしようとしない。こちらを見ようともしない。凛太朗は彼の手を取り、無理矢理視線を合わせた。
「兄さん、何があったの?」
先を促すと彼はあきらめた様子で、凛太朗の耳元に唇を寄せた。
そして告げられた内容に、凛太朗は触れ合った指先が痺れるのを感じた。
その日は真のマンションに泊まった。帰ってから交代でシャワーを浴びて、それからまた飲んで、真のベッドで三人で寝た。
大きなベッドは大人が三人並んでもそれなりに余裕がある。真は先にベッドに入っていた凛太朗とジーノの間に身を横たえた。消灯するととっくに眠りについたと思っていた凛太朗が身を寄せてきた。
「兄さん、熱い……」
甘えるように抱き着いてくる凛太朗の体は確かにかなり熱をもっていた。
「飲みすぎだ。だから言ったろ?」
可愛い弟を抱き返し、頭をなでる。明日は二日酔いでろくに動けないだろうが、たまにはゆっくりさせてやろうと思う。
「おやすみ、リン」
触れるだけのキスをして目を閉じると、顔を引き寄せられ、再び唇が合わせられた。
「ん、リン……?」
何度も啄むように柔らかい唇が押し付けられ、熱い舌が挿入される。
「ちょっ」
さすがに止めようと肩を押し返すが、顎を掴まれ口付けを深められる。舌を触れ合わせ、絡め、口の中の敏感なところをなめられる。項から滑らされた指が顎の下をくすぐって、真は小さく身を震わせた。
「兄さん、可愛い。キスで感じたの?」
囁きながら、凛太朗が脚を絡めてくる。
「だめだって」
「何が?」
とぼけた凛太朗がシャツの下に手を入れる。
「こら、大人しく寝なさい」
言い聞かせるように伝えても、凛太朗は聞く耳をもたない。真の背中をなぞりながら、また唇が重ねられる。
「しよ?」
キスの合間にねだられ、真は弟の顔を見た。まだだいぶ酔っているのか普段はきつい眦が下がって瞳も潤んでいる。繰り返し唇を合わせては、もどかしげに体をこすりつけてくる凛太朗に真は簡単に揺れた。
「ここじゃだめだ。別の部屋で……」
「なんで?」
「ジーノがいるだろ」
シャツをめくり上げ、胸をなで始めた凛太朗を制する。
「寝てるから大丈夫だよ」
「あ、おいっ」
凛太朗はさっさと真のシャツを脱がせると乳首に触れた。
「兄さんのここ可愛いよね」
小さな突起を愛おし気になでながら、片側をなめられる。
「リン、だめだって……」
「どうされるのが好き? あんまり俺から触ったことなかったけど、すごい感じるでしょ。俺としてるときいつも硬くしてるもんね」
「ま、待てリン、ほんとにここじゃ……」
「舌で転がされるのがいい? 先っぽだけ優しくなでで、硬くなったとこ扱いてあげようか?」
「ぁっ……」
「想像した? 全部やってあげるよ」
見せつけるように凛太朗の舌や指が乳首に触れる。
「んっ、リン、ほんとに、まずいから……」
「何が?」
「ジーノにばれるって……」
「ばれても平気じゃない?」
凛太朗は真の下着から性器を取り出し、本格的にそこを扱き始めた。
「さっき教えてくれたじゃん、ジーノとしたことあるんでしょ?」
「あ、れは、事故みたいなもので、不本意で……」
「べつに言い訳しなくてもいいよ」
凛太朗は勃起した性器を口に含んだ。
「あ、ちょっ……」
先端から根本まで深くくわえられ、その下の陰嚢までもまれる。
「怒ってるのか……?」
いつになく聞き分けの悪い弟は、それでも献身的に口淫を続けている。目を細め、全体をこすりながら亀頭を舐め回される。
「怒ってないよ」
やがて上体を起こした凛太朗が唇をぬぐいながら真の脚を開かせた。
「この部屋ローションとかある?」
周囲を見回しながら尋ねる凛太朗に血の気が引いた。
「お前、まさか」
恐ろしい想像をした真を凛太朗は一笑した。
「飲みすぎてたたないから入れたりしないよ。それはまた今度ね」
今度ってなんだ。尋ねる前に、凛太朗はベッド脇のチェストからローションを取り出し、服を脱いだ。
抱き合いながらキスをする。狭い口内を余すとこなく舐め回し、舌を吸ってやる。手を伸ばせば触れられる距離にジーノが寝ているというのに、普段より積極的な凛太朗に興奮しているのも確かだった。
キスに夢中になっていると思っていた凛太朗はいつの間にかローションの蓋を開け、ぬめりを帯びた指で真の脚の間をなでていた。そのまま指先を挿入されて目を見開く。
「な、何入れてっ……」
「入れるくらいいいでしょ?」
「やらないって」
「指だけ、ね?」
大丈夫、と凛太朗は入れた指をゆっくり動かす。
「いつも俺にしてくれるじゃん。こうやって……」
慎重に出し入れしながら時折意図的に粘膜をこする。気持ちがいい場所の上で指を往復されると大げさなくらい体が跳ねた。
「あっ」
思わず上がった声を慌てて押さえると、驚いた顔の凛太朗と目が合った。
「そんなにいいの?」
確かめるように再び同じ場所を圧迫される。
「んっ! ぅ……」
「反応やば、俺より気持ちいいんじゃない?」
笑みを浮かべた凛太朗が指を増やす。
「なんかすげー簡単に入っちゃうんだけど。誰としたわけ?」
「だ、だめだって、ほんとにそれっ……」
勝手に声が出るのを止められない。
「兄さん、誰にされたの?」
口元を覆っていた手を掴まれる。覗き込んでくる凛太朗の瞳が冷たい。
「誰ともしてな……」
「嘘つき」
指の動きが速められる。気持ちのいい場所を何度もこすられてたまらなくなる。声を押さえようと凛太朗に掴まれていない方の手を動かすと、そちらも取られて両手共封じられた。以前は力で負けることなんてなかったのに。筋トレなんてさせるんじゃなかった。いや、今の真が本調子でないだけだ。万全の状態であれば負けるはずがない。そう信じたい。
「中こんなに腫らして、誰ともしてないなんて言い訳が通用すると思ってんの?」
「わ、かんないって……」
「じゃあ何、普段からここにおもちゃでも突っ込んでオナニーしてたわけ? 兄さんほんとはそういう性癖だったの?」
凛太朗は一定の速度で指を出し入れしながら胸に唇を寄せてくる。
「すごい硬くなってる。ここもいじめられたの?」
先端だけ丁寧になめられて背中が浮く。舌先が優しく、かと思うと強く押し付けられてこすられ、性器から先走りがこぼれる。
「随分楽しそうなことしてるな」
自分でも凛太朗でもない声が聞こえて、真は目を見張った。恐る恐る隣に視線を向けると、ベッドに肘をつき、横向きに寝そべるジーノと目が合った。
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