ねむれない蛇

佐々

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おさない凶器

#04*

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 真はよほど深く眠っているのか、全く目を覚ます気配がなかった。下着を下ろし、開かせた脚の間に適当に拝借したローションをぶちまけてもそれは同じだった。
 おそらくこういう用途で作られた訳ではないローションは、代替品としては申し分ない力を発揮して、カイは難なく真の狭い穴に指を挿入した。
 セミダブルのベッド上で、カイはゆっくり真の粘膜を広げた。始めは指一本から、慣れてきたら二本目を入れて出し入れする。
 暗い部屋に粘液が混ざる音がやけに大きく響く。空調は効いているのに額から汗が流れ落ちた。
 リビングから漏れるわずかな明かりに照らされた真のそこは、入り口は淡い色をしていて、差し入れた指を広げて覗くと濡れた赤い肉が垣間見えた。思わず唾を飲む。
 風俗で覚えた知識を元に内側を探り、気持ちいい場所なのだと教えられた箇所に指を添える。ゆっくりなでるように指を往復させると、作り物のように美しい性器が反応するのがわかった。
 充血した粘膜もカイの指を味わうように動いている。慎重に同じ場所をこすり続けると、ベッドに落ちた真の指先がシーツをかいた。しかし未だ覚醒には至らず、薄く開かれた唇は再び何かに耐えるように引き結ばれた。
 中で広げた指はだいぶスムーズに動かすことができるようになってきた。やはり彼はこういう経験があるようだ。反応といいこの順応の早さといい、慣れていることは明らかだった。
 躊躇する理由が更に薄れたところでカイは広げたそこに三本目を入れてみた。ここも色素の薄い性器はすっかり芯をもち、不随意に動いている。
 今日は一日暑かったが彼は飲み会に来る前にシャワーを浴びてきたのか、汗の臭いがしないどころかどこかすっきりとして甘い香りがした。
 カイは誘われるように真の性器を口に含んだ。途端に硬さを増したそれの先端を舐め回し、喉の奥に迎えて扱きあげる。
 以前、その手の店に通っていた時からそうだったが、カイは女体の柔らかさに興奮を覚える至って普通の性癖だが、男のその器官にわりと愛着があった。肌とは違う繊細な柔らかさはいつまでも触れていたくなるような不思議な感慨をカイにもたらし、よく店の男のそれをいじめて半泣きにさせたのを覚えている。
 そんな経緯もあって、カイは口淫のテクニックにはちょっと自信があった。全く誰にも自慢できない特技だが。
 カイの渾身のフェラチオと、丁寧な前戯のおかげで真の体はすっかりとろけ、意識のないまま時折小さな喘ぎを漏らすほどだった。
「ここまでされても起きないとかやばすぎでしょ」
 準備の整った男の体を見下ろし、カイは笑った。
 途中で目を覚ましたら諦めて大人しく殴られようと思っていたが、もう無理だ。
「あんたが悪いんですよ」
 両手で広げた真っ赤な粘膜を凝視して、そこに自分のいきり立ったものを押し付ける。だいぶ指で広げたそこは途中まではすんなりカイの侵入を許したが、指では届かなかった場所に差し掛かるとさすがに抵抗が強くなる。構わずカイは一気に貫いた。
 その衝撃でか、ようやく真の瞼が上がった。
「な……」
 見開かれた目は覆いかぶさるカイを捉えたが、状況を理解できていないようだった。
「あ、やっと起きました? やっぱ入れられたら起きるんすね。てか入れられないと起きないとか」
 やばすぎしゃね? と笑いながら腰を揺する。
「は? カイ? おま、何やって」
「何ってセックスですよ。わかるでしょ?」
「い、いたっ」
 下半身の違和感に今更気づいたのか、真が顔を歪める。
「いや痛くないでしょ。俺がじっくりゆっくり広げたし、あんたのちんぽ完勃ちだし」
「馬鹿やめろ、抜け!」
「無理ですって。だいたいあんたの中が吸いついてきて離れないし」
 現実を認識して青ざめかけていた真の顔に熱が戻った。
「ねぇどんな気分? ガキの俺にアナル広げられて、がちがちのちんぽ突っ込まれて犯されるのって」
「お前、あとで」
 何か物騒なことを口走りそうな唇に噛み付くようにキスをする。ついでに両手も掴んでベッドに押し付ける。普段は全然敵わないが、深酒のせいでまだ思うように動けないらしい真はろくに抵抗ができない様子だ。ざまぁみろ。
 好き勝手に口内を暴きながら、さっきも指で散々いじった、彼の気持ちの良い場所に性器を押し付ける。
容赦無く同じ場所を責めると真は簡単に声を上げた。
「や、やめろっ」
「気持ちいいんでしょ? もう覚えたよ。ここを擦られるのが好きなんだって」
「好きじゃなっ」
「嘘ばっかり」
 押し付ける度に中が喜んでいるのがわかる。抜かれるのを惜しむように絡みついてくるのがその証拠だ。
「ほら、この角度でされるとたまんないでしょ?」
 真の薄い腰を浮かせて、少し下から突いてやる。
「ひっあ、ぁっ」
「すげー締まってきた。ちんぽもぬるぬるだし」
 先走りを溢れさせる性器に指を絡める。
「さ、さわるなっ」
「なんで? すぐいっちゃうから? 心配しなくても何度でもしてあげるよ」
「や、やめろっ、マジで、ぁ、ころすっ」
「口悪いなぁ、そんなギャップもいいんだけど」
 内側からも外側からも気持ちのいい場所を執拗に触れられて、真は呆気なく射精した。
「ぅあっ……ん……」
 ぞわぞわと鳥肌を立てながら感じる真がカイを締め付けてくる。出そうになって慌てて腰を引いた。
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