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アストリア
#12*
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ジーノと別れ、自室でシャワーを浴びて寝る前の準備を整えてから、真は少しだけ弟の顔が見たくなって凛太朗の部屋に向かった。知らない家のベッドの中で、凛太朗は相変わらず人形のように行儀よく眠っていた。
離れている時間が長いせいか、再会する度に大人っぽくなったなと思うものだが、寝顔は今も子供の頃の面影を残していて、真は安堵したり愛おしさを覚えたりしながらついつい手を伸ばして凛太朗の頬に触れていた。今日散々殴られたり打たれたりしたせいで変色した頬は明日には大きな痣になるだろう。知らない異国の地でこんな目にあうなんて。きっととても不安で、怖い思いをしたに違いない。
「ごめんな」
小さくこぼした言葉は凛太朗の耳に届いてしまったらしい。寝室の暗闇に慣れた真の目に、ゆっくりと開かれた凛太朗の瞼が映った。
「起こしたか?」
「いや、あんまり眠れなくて」
確かに凛太朗は寝起きにしてはしっかりとした口調で言った。
「腕の具合はどうだ? 痛みは? 薬は飲んだのか?」
ベッドの端に腰を下ろし、矢継ぎ早に問いかけると凛太朗は呆れたように笑った。
「大丈夫。薬も飲んだよ。だからあんまり心配しなくていいって」
「そういう訳にいくか。本当に、危ないところだったんだぞ」
後少しでも何かのタイミングが狂っていれば、真は永遠に弟を失っていたかもしれない。その想像はあまりにも苦しくて飲み込まれそうになるのを真はジーノに言われた言葉を思い出して耐えた。
「久しぶりだな。こうやって直接話をするのも。学校はどうだ? 楽しくやってるのか?」
「楽しいよ。毎日平和に過ごしてる。兄さんは?」
「俺か? 俺も同じだよ。毎日平和だ」
「嘘ばっかり」
凛太朗の手が伸びてきて真の頬をなでた。
「少し痩せた?」
「さあ……夏バテかな。アストリアは暑いから」
頰に添えられた手を取って、唇を重ねる。凛太朗の腕はすぐに真の背中に回された。包帯の巻かれた片腕はそのまま、右腕だけが必死に真のシャツを掴み、縋るように力を込めてくる。
「傷に障るかな」
ベッドに乗り上げてから一瞬だけ我に返ってそう言うも、当の凛太朗は全く気にしていない様子で真のシャツのボタンを外し始めていた。
「平気だよ。でも、優しくして」
既に熱をもった下半身を凛太朗に押し付けながらキスをする。服を脱がし、数年前より成長し、引き締まった体を確かめるようになでる。
「リンこそ少し痩せたんじゃないか?」
「鍛えたんだよ。兄貴に似てもやしじゃ嫌だから」
「俺だって鍛えてるぞ」
「でも白いままだね」
「うるさい」
何度もキスをし、お互いの高ぶったものをこすり合せる。顔を間近で見たくて額を寄せると凛太朗は嫌がるように枕に顔を伏せた。仕方がないので耳を責める。ピアスの光る耳たぶを食んで、舌を入れると凛太朗は肩を竦めた。
「あっ、それっ……」
小さな声でも真の耳にはしっかりと届いていた。しかしついつい意地悪をして聞き返してしまう。
「なに? ちゃんと言って」
手の中の性器も扱いて凛太朗の好きなところを触ってやる。
「き、きもちいっ……」
「どっちが? 耳の中犯されるのがいい? それともここ? 先の方の……」
耳元で具体的に囁いてやると、凛太朗は顔を真っ赤にして性器を濡らした。
「可愛い」
感情がだだ漏れになって止まらない。久しぶりだし、体に負担もかかるだろうからやめておこうと思っていたのに、気づけば凛太朗の脚を大きく開かせて先走りで濡れた穴に指を入れていた。
「痛い?」
凛太朗は首を振る。でも苦しそうだった。
「ここ、誰かに犯された?」
「まさか、されるわけないだろ……」
「でもなんか、しばらく見ない内にまたやらしくなった」
「は?」
「女?」
「そりゃ、彼女くらい……」
凛太朗は少し言い淀む。
「女だけ?」
「当たり前だろ。男とこんなこと」
「俺だけ?」
「兄貴だけだよ。だから……」
最後まで言われない内にキスで唇を塞いだ。弟に気遣われる自分が情けない反面、彼の言葉を嬉しく思ってしまう自分がいたたまれなかった。
粘膜の隙間に差し入れた指が馴染んだ頃にもう一本増やし、片手で彼の性器をこすりながら内側からも気持ちのいい場所を探した。
「あっ」
驚いたような声を上げて凛太朗が腰を引きつらせた場所を真は見逃さず、揃えた指の腹でぐいぐいとそこを押した。
「あ、あっ……にいさ、だめっ……」
言葉とは裏腹に凛太朗の粘膜は真の指を締め付けて離さず、性器の先からはだらだらと粘液が溢れてくる。それを塗り広げるように扱いてやりながら先端を口に含むと、凛太朗は怪我をしたほうの手まで使って真の髪をつかんできた。
「こらリン、駄目だ。傷が開く」
「だって、そこ……」
「どこ?」
わざとらしく尋ねながら、中に入れた指で彼の感じる場所をこする。
「それっ! あーっ」
凛太朗は片手で顔を覆って首を反らした。
「ここ? この少し膨らんだとこ、撫でられるのが気持ちいいの?」
凛太朗は声を押さえようと唇をひき結んで頷く。
「ちゃんと口で言わなきゃわからないよ」
「気持ちいい……」
「気持ちいいです、だろ?」
凛太朗が目を見開く。切なげに揺れる瞳が愛おしい。
「気持ちいい……です」
羞恥に頰を熱くしながら発された声は弱々しくかすれていた。
もう限界だ。早すぎるかとも思ったが、真は耐えきれずに凛太朗を犯した。狭い場所を無理矢理広げ、硬くなったもので突き上げる。凛太朗は苦しげにうめいたが、必死に耐えようと歯をくいしばり、真の背中に腕を回してきた。
「ごめん。痛いよな? 苦しい?」
凛太朗は首を振る。
「うそ、痛いんだろ。正直に言っていいよ」
背けられて露出した首筋に歯を立てる。滑らかな肌を吸い上げると凛太朗がきつく締めつけてきた。気持ちがよすぎて思わず声が漏れる。
凛太朗を気遣ってなるべくゆっくり動くようにしていたが、だんだん反応が変わってきた。真の性器が気持ちのいい場所に当たる度、凛太朗の粘膜がぎゅうぎゅうと真に絡みつく。それを引き剥がすように抜いて、また入れる。
たまらなげに凛太朗がシーツを握りしめる。
顔を覗き込むと普段は鋭い瞳が所在なさげに潤んでいた。いきそうになると涙目になるところは相変わらずか。声をこらえようと引き結ばれた唇にキスをした。
離れている時間が長いせいか、再会する度に大人っぽくなったなと思うものだが、寝顔は今も子供の頃の面影を残していて、真は安堵したり愛おしさを覚えたりしながらついつい手を伸ばして凛太朗の頬に触れていた。今日散々殴られたり打たれたりしたせいで変色した頬は明日には大きな痣になるだろう。知らない異国の地でこんな目にあうなんて。きっととても不安で、怖い思いをしたに違いない。
「ごめんな」
小さくこぼした言葉は凛太朗の耳に届いてしまったらしい。寝室の暗闇に慣れた真の目に、ゆっくりと開かれた凛太朗の瞼が映った。
「起こしたか?」
「いや、あんまり眠れなくて」
確かに凛太朗は寝起きにしてはしっかりとした口調で言った。
「腕の具合はどうだ? 痛みは? 薬は飲んだのか?」
ベッドの端に腰を下ろし、矢継ぎ早に問いかけると凛太朗は呆れたように笑った。
「大丈夫。薬も飲んだよ。だからあんまり心配しなくていいって」
「そういう訳にいくか。本当に、危ないところだったんだぞ」
後少しでも何かのタイミングが狂っていれば、真は永遠に弟を失っていたかもしれない。その想像はあまりにも苦しくて飲み込まれそうになるのを真はジーノに言われた言葉を思い出して耐えた。
「久しぶりだな。こうやって直接話をするのも。学校はどうだ? 楽しくやってるのか?」
「楽しいよ。毎日平和に過ごしてる。兄さんは?」
「俺か? 俺も同じだよ。毎日平和だ」
「嘘ばっかり」
凛太朗の手が伸びてきて真の頬をなでた。
「少し痩せた?」
「さあ……夏バテかな。アストリアは暑いから」
頰に添えられた手を取って、唇を重ねる。凛太朗の腕はすぐに真の背中に回された。包帯の巻かれた片腕はそのまま、右腕だけが必死に真のシャツを掴み、縋るように力を込めてくる。
「傷に障るかな」
ベッドに乗り上げてから一瞬だけ我に返ってそう言うも、当の凛太朗は全く気にしていない様子で真のシャツのボタンを外し始めていた。
「平気だよ。でも、優しくして」
既に熱をもった下半身を凛太朗に押し付けながらキスをする。服を脱がし、数年前より成長し、引き締まった体を確かめるようになでる。
「リンこそ少し痩せたんじゃないか?」
「鍛えたんだよ。兄貴に似てもやしじゃ嫌だから」
「俺だって鍛えてるぞ」
「でも白いままだね」
「うるさい」
何度もキスをし、お互いの高ぶったものをこすり合せる。顔を間近で見たくて額を寄せると凛太朗は嫌がるように枕に顔を伏せた。仕方がないので耳を責める。ピアスの光る耳たぶを食んで、舌を入れると凛太朗は肩を竦めた。
「あっ、それっ……」
小さな声でも真の耳にはしっかりと届いていた。しかしついつい意地悪をして聞き返してしまう。
「なに? ちゃんと言って」
手の中の性器も扱いて凛太朗の好きなところを触ってやる。
「き、きもちいっ……」
「どっちが? 耳の中犯されるのがいい? それともここ? 先の方の……」
耳元で具体的に囁いてやると、凛太朗は顔を真っ赤にして性器を濡らした。
「可愛い」
感情がだだ漏れになって止まらない。久しぶりだし、体に負担もかかるだろうからやめておこうと思っていたのに、気づけば凛太朗の脚を大きく開かせて先走りで濡れた穴に指を入れていた。
「痛い?」
凛太朗は首を振る。でも苦しそうだった。
「ここ、誰かに犯された?」
「まさか、されるわけないだろ……」
「でもなんか、しばらく見ない内にまたやらしくなった」
「は?」
「女?」
「そりゃ、彼女くらい……」
凛太朗は少し言い淀む。
「女だけ?」
「当たり前だろ。男とこんなこと」
「俺だけ?」
「兄貴だけだよ。だから……」
最後まで言われない内にキスで唇を塞いだ。弟に気遣われる自分が情けない反面、彼の言葉を嬉しく思ってしまう自分がいたたまれなかった。
粘膜の隙間に差し入れた指が馴染んだ頃にもう一本増やし、片手で彼の性器をこすりながら内側からも気持ちのいい場所を探した。
「あっ」
驚いたような声を上げて凛太朗が腰を引きつらせた場所を真は見逃さず、揃えた指の腹でぐいぐいとそこを押した。
「あ、あっ……にいさ、だめっ……」
言葉とは裏腹に凛太朗の粘膜は真の指を締め付けて離さず、性器の先からはだらだらと粘液が溢れてくる。それを塗り広げるように扱いてやりながら先端を口に含むと、凛太朗は怪我をしたほうの手まで使って真の髪をつかんできた。
「こらリン、駄目だ。傷が開く」
「だって、そこ……」
「どこ?」
わざとらしく尋ねながら、中に入れた指で彼の感じる場所をこする。
「それっ! あーっ」
凛太朗は片手で顔を覆って首を反らした。
「ここ? この少し膨らんだとこ、撫でられるのが気持ちいいの?」
凛太朗は声を押さえようと唇をひき結んで頷く。
「ちゃんと口で言わなきゃわからないよ」
「気持ちいい……」
「気持ちいいです、だろ?」
凛太朗が目を見開く。切なげに揺れる瞳が愛おしい。
「気持ちいい……です」
羞恥に頰を熱くしながら発された声は弱々しくかすれていた。
もう限界だ。早すぎるかとも思ったが、真は耐えきれずに凛太朗を犯した。狭い場所を無理矢理広げ、硬くなったもので突き上げる。凛太朗は苦しげにうめいたが、必死に耐えようと歯をくいしばり、真の背中に腕を回してきた。
「ごめん。痛いよな? 苦しい?」
凛太朗は首を振る。
「うそ、痛いんだろ。正直に言っていいよ」
背けられて露出した首筋に歯を立てる。滑らかな肌を吸い上げると凛太朗がきつく締めつけてきた。気持ちがよすぎて思わず声が漏れる。
凛太朗を気遣ってなるべくゆっくり動くようにしていたが、だんだん反応が変わってきた。真の性器が気持ちのいい場所に当たる度、凛太朗の粘膜がぎゅうぎゅうと真に絡みつく。それを引き剥がすように抜いて、また入れる。
たまらなげに凛太朗がシーツを握りしめる。
顔を覗き込むと普段は鋭い瞳が所在なさげに潤んでいた。いきそうになると涙目になるところは相変わらずか。声をこらえようと引き結ばれた唇にキスをした。
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