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アストリア
#03
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「シンはこの業界では有名な殺し屋だ。金で雇われ、指定された人間を殺す。昔は一人で動いてたらしいが、最近特定のファミリーに飼われるようになった。そいつがまた厄介な相手でさ」
ルカは何がおかしいのか笑いながら続ける。
「フィオーレファミリー。この国の最大勢力の一つだ。 お前も知ってる通りこの国の治安は二分されてる。良いところはすごく良い。でも悪いところはクソだ。未だにゴミ溜めみたいなスラムが五万とある。そういう場所で俺たちは商売をするわけだが、このフィオーレの連中は国の裏側の人間とも中が良くてね、俺たちが銃や薬を捌こうもんならすぐに潰しにきやがる。そんな時、先陣きって乗り込んでくるのがお前の兄貴だ。シンは殺しだけじゃなく耳も早い。反則だろ? 一人で何人分の戦力だっての。そんな奴がよ、フィオーレやその同盟のカンドレーヴァと仲良くやってくのが俺らにとっては面白く無い。というか都合が悪い。だから弟のお前をここに連れてきた」
凛太朗にはルカの言っていることが半分も理解できなかったが、わかることもあった。
「それで俺を殺したら、ますますあんた達の立場が悪くなるだけじゃないのか?」
「そう! そうなんだよ! シンの弟がアストリアに来るってきいてチャンスだと思ったんだけどなーただ拉致って殺したんじゃきっとすぐに足がついて俺たちは潰される。だからもっとえぐい方法はないかって考えた。シンやフィオーレがどん引くような方法がさ」
ルカは出入り口とは別に設けられたもう一つの扉へと視線を転じさせた。するとルカが指示を出さずとも数人の男たちが部屋へ入っていった。やがて中から男たちに連れられて凛太朗と同じように両手を後ろで縛られた女が出てきた。
「おいおい、ボロボロじゃねえか。かわいそうに。あんまり殴るなって言ったろ?」
「仕方なかったんだよ。女とはいえジーノの妹だぞ。こっちだって結構やられてんだ」
「そりゃお前らが雑魚なだけだ」
男たちに引きずられるようにして出てきた女には酷い暴行の跡が残されていた。短いながらも華やかな金髪は乱れ、額や唇から血を流し、細身のパンツスーツも、半袖のシャツもぼろぼろだ。
ルカは男たちに拘束されながら無理やり立たされた女の、血で赤く濡れた唇に触れた。
「まったく、お楽しみの前だってのになぁ」
残念そうに言ったルカの指に噛み付こうと女が口を開く。
「おっと」
とっさに手を引いたルカはそのまま思い切り彼女の頬を張った。そして彼女の金髪を鷲掴みにする。
「そんなに焦るなよ。お前にもちゃんと楽しませてやるからよ」
ルカは女の首筋に顔を埋め、片手で彼女の体をなぞる。腰や尻をいやらしく撫で回し、胸をもんだ。
「あー最高。でもやっぱ生で触りてーなー」
そう言ってシャツのボタンを外し、下着の中に手を入れる。彼女の顔が怒りと屈辱で歪む。
「やっぱ先にやっちまうか? シンの弟もいることだし、乱交パーティーに作戦変更でもいいかもな!」
「賛成! 俺もう待てねーよー」
「おいルカ、俺にも触らせろって」
許しが出たとばかりに、男たちの手が一斉に彼女に群がる。床に押し倒され、抵抗する彼女の四肢は押さえつけられ、欲望をむき出しにした男たちを前になすすべもなく白い肌を暴かれていく。
凜太朗の脳裏にまたもやあの夜の光景が蘇る。目の前の女があの日の姉の姿に重なる。
「やめろ」
口を開いた凛太朗に楽しげに反応したのはルカだった。
「ガキがいっちょまえに正義感か? ちゃんと後でお前も混ぜてやるぞ?」
「それ以上やってみろ。全員殺してやる」
「へえ……」
ルカはいいことを思いついたという顔をして、女を押し倒して今にもことに及ぼうとしていた男に声をかけた。
「乱行は中止だ。どけ」
「はあ? 今更やめろとか無しだろ。どんだけ我慢したと思ってんだよ」
ルカは男に銃を向けた。
「ルカ! お前なにやって……」
他の仲間の制止も聞かず、ルカは引き金を引いた。力を失った男が女の上に倒れる。
「普通に犯して殺すなんて面白くなさすぎる。当初の計画通りやるぞ。異論のある奴は前に出ろ。殺してやる」
ルカの言葉で男たちは一斉に女から離れた。
「さて」
ルカは足で女の上から動かなくなった男の体をどかすと凜太朗に銃口を向けた。
「やめなさい!」
初めて口を開いた女の鋭い声にルカは目を細めて笑った。
「焦るなよ。お楽しみはこれからだ」
ルカは凛太朗を見下ろし、言った。
「この女はお前殺すんだ」
ルカは何がおかしいのか笑いながら続ける。
「フィオーレファミリー。この国の最大勢力の一つだ。 お前も知ってる通りこの国の治安は二分されてる。良いところはすごく良い。でも悪いところはクソだ。未だにゴミ溜めみたいなスラムが五万とある。そういう場所で俺たちは商売をするわけだが、このフィオーレの連中は国の裏側の人間とも中が良くてね、俺たちが銃や薬を捌こうもんならすぐに潰しにきやがる。そんな時、先陣きって乗り込んでくるのがお前の兄貴だ。シンは殺しだけじゃなく耳も早い。反則だろ? 一人で何人分の戦力だっての。そんな奴がよ、フィオーレやその同盟のカンドレーヴァと仲良くやってくのが俺らにとっては面白く無い。というか都合が悪い。だから弟のお前をここに連れてきた」
凛太朗にはルカの言っていることが半分も理解できなかったが、わかることもあった。
「それで俺を殺したら、ますますあんた達の立場が悪くなるだけじゃないのか?」
「そう! そうなんだよ! シンの弟がアストリアに来るってきいてチャンスだと思ったんだけどなーただ拉致って殺したんじゃきっとすぐに足がついて俺たちは潰される。だからもっとえぐい方法はないかって考えた。シンやフィオーレがどん引くような方法がさ」
ルカは出入り口とは別に設けられたもう一つの扉へと視線を転じさせた。するとルカが指示を出さずとも数人の男たちが部屋へ入っていった。やがて中から男たちに連れられて凛太朗と同じように両手を後ろで縛られた女が出てきた。
「おいおい、ボロボロじゃねえか。かわいそうに。あんまり殴るなって言ったろ?」
「仕方なかったんだよ。女とはいえジーノの妹だぞ。こっちだって結構やられてんだ」
「そりゃお前らが雑魚なだけだ」
男たちに引きずられるようにして出てきた女には酷い暴行の跡が残されていた。短いながらも華やかな金髪は乱れ、額や唇から血を流し、細身のパンツスーツも、半袖のシャツもぼろぼろだ。
ルカは男たちに拘束されながら無理やり立たされた女の、血で赤く濡れた唇に触れた。
「まったく、お楽しみの前だってのになぁ」
残念そうに言ったルカの指に噛み付こうと女が口を開く。
「おっと」
とっさに手を引いたルカはそのまま思い切り彼女の頬を張った。そして彼女の金髪を鷲掴みにする。
「そんなに焦るなよ。お前にもちゃんと楽しませてやるからよ」
ルカは女の首筋に顔を埋め、片手で彼女の体をなぞる。腰や尻をいやらしく撫で回し、胸をもんだ。
「あー最高。でもやっぱ生で触りてーなー」
そう言ってシャツのボタンを外し、下着の中に手を入れる。彼女の顔が怒りと屈辱で歪む。
「やっぱ先にやっちまうか? シンの弟もいることだし、乱交パーティーに作戦変更でもいいかもな!」
「賛成! 俺もう待てねーよー」
「おいルカ、俺にも触らせろって」
許しが出たとばかりに、男たちの手が一斉に彼女に群がる。床に押し倒され、抵抗する彼女の四肢は押さえつけられ、欲望をむき出しにした男たちを前になすすべもなく白い肌を暴かれていく。
凜太朗の脳裏にまたもやあの夜の光景が蘇る。目の前の女があの日の姉の姿に重なる。
「やめろ」
口を開いた凛太朗に楽しげに反応したのはルカだった。
「ガキがいっちょまえに正義感か? ちゃんと後でお前も混ぜてやるぞ?」
「それ以上やってみろ。全員殺してやる」
「へえ……」
ルカはいいことを思いついたという顔をして、女を押し倒して今にもことに及ぼうとしていた男に声をかけた。
「乱行は中止だ。どけ」
「はあ? 今更やめろとか無しだろ。どんだけ我慢したと思ってんだよ」
ルカは男に銃を向けた。
「ルカ! お前なにやって……」
他の仲間の制止も聞かず、ルカは引き金を引いた。力を失った男が女の上に倒れる。
「普通に犯して殺すなんて面白くなさすぎる。当初の計画通りやるぞ。異論のある奴は前に出ろ。殺してやる」
ルカの言葉で男たちは一斉に女から離れた。
「さて」
ルカは足で女の上から動かなくなった男の体をどかすと凜太朗に銃口を向けた。
「やめなさい!」
初めて口を開いた女の鋭い声にルカは目を細めて笑った。
「焦るなよ。お楽しみはこれからだ」
ルカは凛太朗を見下ろし、言った。
「この女はお前殺すんだ」
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