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錬金術(カードゲーム)始めました編
転売屋VS元転売屋 (主人公)
しおりを挟む転売屋VS元転売屋
スス 「やはり彼らが動き出しましたか。
ええ ” 私 ” でもこの商材は見逃さない」
「プラモデルほど大きくなく、かつ人気商品で、
食玩扱いのカード付きウエハースの為スーパーやコンビニでも
入荷している」
「ですが相手が悪かったですね。
私も前世は転売屋の端くれ、こうなることは予測できていたんですよ
きぃーっひっひっひっひっひ!!!!!!!!」
☆☆☆
ー 錬金術同好会 10月 保健室 ー
「さてクリスマス商戦に向けてのセット販売、
私達学生組や役員たちはサンタ衣装ということで異論はありませんね?」
工場に発注するするために2か月前から私たちは動いていた。
申し訳程度のウエハースと衣装違い強力採録カードのセット商品。
いわゆるクリスマス商戦向けのグッズ。
「でもスス、先週やったイベントは予想以上の人数が来て
警察が出動する事態になったやん。
今からでも入荷数増やせん?」 注1
「確かに我々の予想を超えていたのは事実です・・・・・・が!
” 意図的にイベントブース参加可能人数を減らしていた ”
としたらどうです?
いわゆる王都の飲食店がよくやる手口と同じ、
行列を作ることで話題になるんです、そのために座席数を減らすのと、ね」
「でも行列に並んでいた人たち全員にプロモーション用の
ウエハースと来場特典カード配れたんのはなんでや?」
「ああそれならこの手のイベントって2周、3周して並んで
特典カードを得るプレイヤーもしくは
悪意を持って商品を第3者に売る ” 転売屋 ” が発生する
可能性も考慮してたんです」
正直クイズ大会でもして本当に商品を求める人たちに行き渡ったほうがいい。
ですが私達運営側ならともかく雇われ社員ではそこまで期待できない。
給料分の働きをしてくれればそれでいいし極力騒動は起こして欲しくない。
注1
「なあスス、転売屋ってなんや?」
どこまでもアオイは純粋ですねぇ。そこが好きなのですが。
「転売屋を雑に言えば私みたいな存在です。
自分の利益のためならば他人の痛みを考えない道徳赤点な方々」
「ススパパは元転売屋ですから。
彼らの挙動なんて手に取るように分かるんですよ。にゃひひひひ」
ニャラケル!余計なこと言わない!!!!
「うーん、ススがいっぱいいたら大変なことになりそう!!」
「ええ、前世は私みたいな存在がうじゃうじゃいました」
地球は地獄でした♨
☆☆☆
「以前VRゴーグルやスマホアプリの連動の話をしましたね。
それを今起動させます、イベントで話題になって転売屋が目を付けた
この瞬間こそが好機です」
「転売屋に在庫という名の商品を買わせた後にデジタル商品を売り出す。
邪悪の権化ですねぇ、ススパパ」
「きひひひひひひ」 「にゃひひひひひ」
「きぃーひっひっひっひ」「にゃーひっひっひっひ」
「よく分からんけどウチらにとってはプラスってこと?」
「ええその認識であってます。いわゆるガチャと呼ばれる商法。
ただしウエハースと同じ封入率であるためその辺のソシャゲよりかは
良心的なお値段となってます」
「あれ?ならウエハースで集めた物理的なカードはどうなるんや?」
「それに関してはどうしようもありませんので、
今まで販売した全カードはアプリ上で使用可能とします。
これから販売するカードについてはカードの裏面にシリアルナンバーを
載せてアプリと連動できるようにします。
当然商売ですので1回の入力で1枚。使いまわしは許しません」
「じゃあ値段もウエハースがない分安くなるんやな?」
「いいえ、そこは同じ金額で行きます。
ガチャとウエハースの値段が違えばせっかくの転売屋潰しが成立しませんし
ウエハースの在庫で私達が被害をこうむります。
これに関してはアオイがいくら叫ぼうが変える気はないです」
少し熱くなり過ぎましたか。
「でもその割にカードショップとかユリカリみたいな取引はスルーなんやな」
「カードショップは我々との利害関係にありますので。
いわゆるシングルカード。単品買いで
カードゲーム界隈にお金を落とす存在ですので。 注1
・・・・運営側としたら箱買いして欲しいものですが。
オークションアプリであるユリカリまで潰すとなると
運命昇華という商品自体に魅力がなくなってしまうんです。
最高レアがxx万というインパクトは絶大で下手な宣伝を打たずとも
まとめサイトや動画サイトで拡散してくれますので♨」
「ススは悪いことはしてないんやな?」
「そんなことせずとも ” 偽装カード ” を作れる立場にあるんですよ?
注1
・・・・・流石に冗談ですよ、冗談。会社がつぶれちゃいます」注1
じっと私を見つめるアオイ。ああ信用されていませんね。
日頃の行いが悪かったのでしょうか?
「ちなみにウエハースとアプリ版のイラストは若干違っています。
例えば手に武器を持っているのがアプリ版、ウエハースが食玩版のように。
イラストレーターに差分料を払うだけで両者の違いが出るため
・・・・・すぅ、射幸心が煽れます!!!!!!!!!!!!」ガンギマリ
「トイレより汚い心やな、スス」ドン引き
「ウエハースからアプリに連携できるように
アプリでゲットしたカードに手数料を払うことで自宅へ本物のカードが
届くシステムも構築しました。
つまり!カードコンプリート勢はアプリとウエハースの
両方をゲットしなければならないんです!!!!!」
アオイ・ニャラケル 「邪悪!!!!!!!!!!」
「いやカードプレイ自体はどちらかで出来るんですよ?
ただキラカードやイラスト違いで集めてくださるのでしたら
それを利用しなければ。きひひひひひひ」
私はそこまでこだわりません。キラカードって曲がりますので♨
「そしてアプリとカードの互換を切らなかった理由はもう1つあります。
今まで集めたカード財産を無駄にしない為です」
「!!!!!!!ススの性格なら片方しか使えなくして
新しく買ってもらう強欲な性格のはず!まさか偽物!!!」
「そんなふうに思われていたんですか!私ィ!!
こほん、今はウエハースと同じレギュレーションですが
キャラやイラストを流用した別のゲームも企画中です。
でもこの手の外伝系の作品って売れないんです?何故だか分かりますか?」
「・・・・・・別ゲーってことは
今まで集めたキャラをガチャで引き直すんやろ?
じゃあ今までのカードゲームで遊べばええやんって話になるはずや。
ユーザーの財布も無限やないし」
「正解ですね、流石アオイ。
ので別ゲーにも運命昇華のデータを引き継ぐこととします。
運営としては苦渋の決断ですが、
ユーザーが遊んでくれなければ意味がありません。
加えて期間限定でコラボしてもらった別会社のIPも使えません。
まあコラボキャラは別ゲーに流用したら問題が起こるのでしませんが。
運命昇華に興味はなくてもコラボには興味があったユーザーは
外伝にまで手を出してくれません、それはあくまでコラボ先が好きだから」
ソシャゲの民の何割かは同調してくれるでしょうか?
「コラボと言えば、伯爵財閥の商品宣伝に使われてたからな、
流石に ” 冷蔵庫 ”のイラストが描かれた
配布用カードがあったときはドン引きしたわ」
「それは自社商品のようなものなので♨
ティッシュ配りより受け取ってくれるんですよ?食べ物なので。
別ゲーにも登場しますよ? ” 伯爵財閥の冷蔵庫 ”」
「なぁこのカードゲーム何処へ向かってるんや?」
「大丈夫です。偉大なるセンパイ達は
カレーパンの香りがするカードを作りましたから」 注1
「まさか~。そんな訳ないやろwwwwwwww」
注1 この物語はハァクションであり実在のアレ (注1)や
我 (注1) 等は関係ございませんですわ。
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