上 下
23 / 48
錬金術(カードゲーム)始めました編

転売屋VS元転売屋 (主人公)

しおりを挟む

 転売屋VS元転売屋 


 スス  「やはり彼らが動き出しましたか。

     ええ ” 私 ” でもこの商材は見逃さない」


     「プラモデルほど大きくなく、かつ人気商品で、
     食玩扱いのカード付きウエハースの為スーパーやコンビニでも
     入荷している」


     「ですが相手が悪かったですね。
     私も前世は転売屋の端くれ、こうなることは予測できていたんですよ
     きぃーっひっひっひっひっひ!!!!!!!!」



 ☆☆☆


 ー 錬金術同好会 10月 保健室 ー


 「さてクリスマス商戦に向けてのセット販売、
 私達学生組や役員たちはサンタ衣装ということで異論はありませんね?」

 
 
 工場に発注するするために2か月前から私たちは動いていた。

 申し訳程度のウエハースと衣装違い強力採録カードのセット商品。

 いわゆるクリスマス商戦向けのグッズ。




 「でもスス、先週やったイベントは予想以上の人数が来て
警察が出動する事態になったやん。

 今からでも入荷数増やせん?」 注1


 「確かに我々の予想を超えていたのは事実です・・・・・・が!

 ” 意図的にイベントブース参加可能人数を減らしていた ” 
としたらどうです? 

  



 いわゆる王都の飲食店がよくやる手口と同じ、
行列を作ることで話題になるんです、そのために座席数を減らすのと、ね」


 「でも行列に並んでいた人たち全員にプロモーション用の
ウエハースと来場特典カード配れたんのはなんでや?」


 「ああそれならこの手のイベントって2周、3周して並んで
特典カードを得るプレイヤーもしくは
悪意を持って商品を第3者に売る ” 転売屋 ” が発生する
可能性も考慮してたんです」


 正直クイズ大会でもして本当に商品を求める人たちに行き渡ったほうがいい。

 ですが私達運営側ならともかく雇われ社員ではそこまで期待できない。

 給料分の働きをしてくれればそれでいいし極力騒動は起こして欲しくない。

 
 注1


 「なあスス、転売屋ってなんや?」

 
 どこまでもアオイは純粋ですねぇ。そこが好きなのですが。



 「転売屋を雑に言えば私みたいな存在です。

 自分の利益のためならば他人の痛みを考えない道徳赤点な方々」



 「ススパパは元転売屋ですから。

 彼らの挙動なんて手に取るように分かるんですよ。にゃひひひひ」



 ニャラケル!余計なこと言わない!!!!



 「うーん、ススがいっぱいいたら大変なことになりそう!!」


 「ええ、前世は私みたいな存在がうじゃうじゃいました」


 地球は地獄でした♨


☆☆☆


 「以前VRゴーグルやスマホアプリの連動の話をしましたね。

 それを今起動させます、イベントで話題になって転売屋が目を付けた
この瞬間こそが好機です」


 「転売屋に在庫という名の商品を買わせた後にデジタル商品を売り出す。
邪悪の権化ですねぇ、ススパパ」

 「きひひひひひひ」   「にゃひひひひひ」
 「きぃーひっひっひっひ」「にゃーひっひっひっひ」


 「よく分からんけどウチらにとってはプラスってこと?」


 「ええその認識であってます。いわゆるガチャと呼ばれる商法。

 ただしウエハースと同じ封入率であるためその辺のソシャゲよりかは
良心的なお値段となってます」


 「あれ?ならウエハースで集めた物理的なカードはどうなるんや?」


 「それに関してはどうしようもありませんので、
今まで販売した全カードはアプリ上で使用可能とします。

 これから販売するカードについてはカードの裏面にシリアルナンバーを
載せてアプリと連動できるようにします。

 当然商売ですので1回の入力で1枚。使いまわしは許しません」


 「じゃあ値段もウエハースがない分安くなるんやな?」


 「いいえ、そこは同じ金額で行きます。

 ガチャとウエハースの値段が違えばせっかくの転売屋潰しが成立しませんし
ウエハースの在庫で私達が被害をこうむります。

 これに関してはアオイがいくら叫ぼうが変える気はないです」



 少し熱くなり過ぎましたか。


 「でもその割にカードショップとかユリカリみたいな取引はスルーなんやな」


 「カードショップは我々との利害関係にありますので。
いわゆるシングルカード。単品買いタンピン・ガイ
カードゲーム界隈にお金を落とす存在ですので。 注1

・・・・運営側としたら箱買いボックス・ガイして欲しいものですが。


 オークションアプリであるユリカリまで潰すとなると
運命昇華という商品自体に魅力がなくなってしまうんです。

 
 最高レアがxx万というインパクトは絶大で下手な宣伝を打たずとも
まとめサイトや動画サイトで拡散してくれますので♨」
 

 「ススは悪いことはしてないんやな?」


 「そんなことせずとも ” 偽装カード ” を作れる立場にあるんですよ?

 注1


 ・・・・・流石に冗談ですよ、冗談。会社がつぶれちゃいます」注1



 じっと私を見つめるアオイ。ああ信用されていませんね。

 日頃の行いが悪かったのでしょうか?



 「ちなみにウエハースとアプリ版のイラストは若干違っています。

 例えば手に武器を持っているのがアプリ版、ウエハースが食玩版のように。

 イラストレーターに差分料を払うだけで両者の違いが出るため




 ・・・・・すぅ、射幸心が煽れます!!!!!!!!!!!!」ガンギマリ


 「トイレより汚い心やな、スス」ドン引き


 「ウエハースからアプリに連携できるように
アプリでゲットしたカードに手数料を払うことで自宅へ本物のカードが
届くシステムも構築しました。

 つまり!カードコンプリートコンプ勢はアプリとウエハースの
両方をゲットしなければならないんです!!!!!」


 アオイ・ニャラケル 「邪悪!!!!!!!!!!」


 「いやカードプレイ自体はどちらかで出来るんですよ?

 ただキラカードやイラスト違いで集めてくださるのでしたら
それを利用しなければ。きひひひひひひ」



 私はそこまでこだわりません。キラカードって曲がりますので♨


 「そしてアプリとカードの互換を切らなかった理由はもう1つあります。

今まで集めたカード財産レガシーを無駄にしない為です」


 「!!!!!!!ススの性格なら片方しか使えなくして
新しく買ってもらう強欲な性格のはず!まさか偽物!!!」


 「そんなふうに思われていたんですか!私ィ!!

 こほん、今はウエハースと同じレギュレーションですが
キャラやイラストを流用した別のゲームも企画中です。

 でもこの手の外伝系の作品って売れないんです?何故だか分かりますか?」



 「・・・・・・別ゲーってことは
今まで集めたキャラをガチャで引き直すんやろ?

 じゃあ今までのカードゲームで遊べばええやんって話になるはずや。

 ユーザーの財布も無限やないし」


 「正解ですね、流石アオイ。
 ので別ゲーにも運命昇華のデータを引き継ぐこととします。

  運営としては苦渋の決断ですが、
 ユーザーが遊んでくれなければ意味がありません。
 
加えて期間限定でコラボしてもらった別会社のIPも使えません。

 まあコラボキャラは別ゲーに流用したら問題が起こるのでしませんが。

 運命昇華に興味はなくてもコラボには興味があったユーザーは
外伝にまで手を出してくれません、それはあくまでコラボ先が好きだから」


 ソシャゲの民の何割かは同調してくれるでしょうか?


 「コラボと言えば、伯爵財閥の商品宣伝に使われてたからな、
流石に ” 冷蔵庫 ”のイラストが描かれた
配布用カードがあったときはドン引きしたわ」

 
 「それは自社商品のようなものなので♨
ティッシュ配りより受け取ってくれるんですよ?食べ物なので。

別ゲーにも登場しますよ? ” 伯爵財閥の冷蔵庫 ”」


 「なぁこのカードゲーム何処へ向かってるんや?」


 「大丈夫です。偉大なるセンパイ達は

カレーパンの香りがするカードを作りましたから」 注1


 「まさか~。そんな訳ないやろwwwwwwww」



注1 この物語はハァクションであり実在のアレ (注1)や
   我 (注1) 等は関係ございませんですわ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

執着の軌跡

トミー
恋愛
内気で友達がいない黒川なつめは 白川まいと出会い、 二人は瞬く間に親友になった。 しかし、なつめはまいに対しての 感情が友情ではないことに 気づき始める。 ある日、先輩に告白されたとなつめに 打ち明けるまい。 なつめは、この話題を 早く終わらしたいと思い 「好きなら付き合えばいいんじゃない」 と思ってもいないことを口にしてしまう。すると、まいは 「気持ちを確かめたいからなつめの胸を 見せて欲しい」 と頼んできて‥‥ 切なくて儚いGL小説

【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた

杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。 なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。 婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。 勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。 「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」 その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺! ◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。 婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。 ◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。 ◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます! 10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!

転生 上杉謙信の弟 兄に殺されたくないので全力を尽くします!

克全
ファンタジー
上杉謙信の弟に転生したウェブ仮想戦記作家は、四兄の上杉謙信や長兄の長尾晴景に殺されないように動く。特に黒滝城主の黒田秀忠の叛乱によって次兄や三兄と一緒に殺されないように知恵を絞る。一切の自重をせすに前世の知識を使って農業改革に産業改革、軍事改革を行って日本を統一にまい進する。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

わざわざ50男を異世界に転生?させたのは意味があるんですよね"神たま?"

左鬼気
ファンタジー
転生した中年男は何を思う。

魔法少女を願ったら、異世界最強の魔法使い幼女になっちゃった?~女神の願いとドラゴンの幼女[達]~

べるの
ファンタジー
魔法少女と百合好きな、独身オタクの『留萌川 楓奈』が 異世界でドラゴン幼女を仲間に女神の願いを叶える為に冒険するお話です。 自作の薄い本をひったくられ、追走中に誤って歩道橋から転落してしまった楓奈。 そんな命の危機的状況で願ったものを女神が叶えてしまう。それも大雑把に。 見た目は幼女。女神から貰った衣装はダボダボ。力も魔法も規格外。 一撃で魔物を爆殺し、初級魔法で森一つを消し飛ばし、ドラゴンの攻撃にも耐える。 そんな見た目幼女の楓奈が、飛ばされた先の異世界でドラゴン(人型幼女) を仲間にして女神の願いを叶える為、冒険をするお話です。 ★現在のドラゴン幼女と女神たち★  ドジっ娘適当幼女女神   メルウ  無口ジト目幼女ドラゴン  メド  元気っ娘ロリ巨乳ドラゴン アド ※タイトル変更しました。6/10 ※少女同士の絡みがあります。 ※性的な表現が少しあります。 ※残酷な表現があります。 ※カクヨム様、なろう様、  ノベルアップ+様に時差投稿しております。 

投擲魔導士 ~杖より投げる方が強い~

カタナヅキ
ファンタジー
魔物に襲われた時に助けてくれた祖父に憧れ、魔術師になろうと決意した主人公の「レノ」祖父は自分の孫には魔術師になってほしくないために反対したが、彼の熱意に負けて魔法の技術を授ける。しかし、魔術師になれたのにレノは自分の杖をもっていなかった。そこで彼は自分が得意とする「投石」の技術を生かして魔法を投げる。 「あれ?投げる方が杖で撃つよりも早いし、威力も大きい気がする」 魔法学園に入学した後も主人公は魔法を投げ続け、いつしか彼は「投擲魔術師」という渾名を名付けられた――

処理中です...