お尋ね者

ラケモ

文字の大きさ
上 下
6 / 7

第六話 打上げ花火

しおりを挟む
 もうすぐ雨が来るのだろうか、正午をニ刻過ぎ頭上に低く覆い被さる灰色の雲。眼下には小さな農村を見渡せる小高い木の上に、男は居た。
 
「は~あ、程良く楽しめたがこの辺りともこれでおさらばかねぇ…。」
 男は薄ら笑い、溜息混じりに手に持った紙ビラを眺め、言った。
「対面した奴らは全員皆殺しにしてきた筈なんだがなぁ…、壁に耳あり障子に目ありってかぁ。」
 
 紙ビラには【お尋ね者】と書かれた文字と男の肖像画が描かれていた。それは決して正確な描写ではなかったが、男の化け物染みた不気味な風貌を当たらずとも遠からず示したものであった。
 
 男は地上に広がる見窄らしい農村を見下ろしながら言った。
「さてと…。最後の打上げ花火といくか……。ここを去る前にとびきりの置き土産をくれてやるぜ。…ひーふーみー、、八世帯程度か、、……村丸ごと皆殺しにして女どもには俺様の子種をぶち込んでやるぜ!!へっへっへ、まぁ、殺しちまうから意味はねぇんだけどな。よーし!いっちょやったるぜっ!!」
 
 そう言い残すと男は高い木の上から、地上へと飛び降りたのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

シチュボ(女性向け)

身喰らう白蛇
恋愛
自発さえしなければ好きに使用してください。 アドリブ、改変、なんでもOKです。 他人を害することだけはお止め下さい。 使用報告は無しで商用でも練習でもなんでもOKです。 Twitterやコメント欄等にリアクションあるとむせながら喜びます✌︎︎(´ °∀︎°`)✌︎︎ゲホゴホ

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

処理中です...