冬馬君の夏

だかずお

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『海へ』

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明日も休みだと知ったサー

気分はあがり
「寝てるだけじゃもったいないようなぁ」

「よしっ起きよう」飛び起きた。

ふすまを開け ガラッ

みんなの声のする部屋へ

「あっ、サーが起きた」と大喜

子供達はこれなら何処か出かけられそうだと大喜び。

さっそく「サーどっか連れてって~」と始まる

「うんボーリング行こう」サーにんまり。

それは即効却下される。

すると多網が「海」

「そーだ、海行こうよ、夏終わる前に」はしゃぐ冬馬君

「遊園地もあるよ」と大喜

「あーそれもいい」

多網も頷いている

今日の天気は青空、夏真っ盛りだ。

「じゃあ、天気も良いし海行く?」多網ママが言った。

「やったー」跳びはねる子供達

「ファイ、ファイ、ファイ、ファイ」大喜びだ。

すると、多網がファイで思い出したのか。
「きみ子も誘っていい?」

「いいよ」と多網ママ

「それ最高」と冬馬君と大喜も喜び跳びはねる。

さっそく電話 プルルルル

「きみ子海行く?」

定番中の定番「もしもし」もはぶき、第一声が、いきなりそれだった。

電話してる多網の横で冬馬君と大喜がニタニタ嬉しそうに笑ってる。

小声で「行こう、行こう」 「きみ子も行こう」

すると、多網の声のトーンが落ちる

「分かった じゃ」
ガチャン

その多網の反応に二人も
「えっ、まさかきみ子来れない?」

多網はニヤリ
「すぐ行くって」

「あーだましたなぁーこのぉー」

大ご機嫌三人

そんな中やはりなかなか目立てない多美が叫ぶ「ちゃーーーーー」でたぁー!!

以上

ザッツオール

さっそく先に海パンを下にはく子供達。

プールに行くつもりだったので多網の家に持ってきていた。

大喜も冬馬君から借りて来ている。

「まさか海に行けるとは、やったぁー」

「今日も面白くなってきたぁー」叫ぶ冬馬君

「しかも、きみ子も来る」と大喜

ひやっほーーー

支度を終えると

ピンポーン

「きみ子じゃない?」と大喜

「はやい、 家近いのはやっぱいいね」冬馬君が言った。

この速さ、よほど皆に会いたかったのか?


ガチャ

玄関のドアを開けてサーはビックリ

きみ子の背後、肩のところから、虎と鮫がまじっているような顔が突如覗きこんだからだ。

「ぎゃー」多網父ことサー腰を抜かす。

「あっ、虎鮫代ちゃん、帰らなきゃダメって言ったじゃん」

「あっ、ごめんついて来たった」

「あたし、帰るね」舌が反時計回りに二周ほどまわった。

ペロン ペロン

ビックリしたサーも落ち着きを取り戻し「君も良かったらどうぞ」

ペロリんっ

時計回りに舌はまわる

「良いの?」

「もちろん」

「あたいうれちぃ」と舌が言っているようだった。

ペロン

「良かったね虎鮫代ちゃん」

「うんっ」

子供達が玄関にやってくる

「あっ、やっぱきみ子だ、あっ虎鮫代ちゃんもいる」

「こりゃ、面白くなってきた」

ひやっほーい、みんなで海へゴー!!

なんだか一波乱はあるだろうこのメンツ

皆のテンションは最高マックスバリバリ麺硬だ(あまり意味は分からない)

言いたかっただけである。

「やっほー海に出発ーー」

さっそく車に乗り込み海に向かう一同

車内ではあげあげテンションの子供達

もうきみカラオケならぬ、きみオケが始まっている

きみ子が唸る吠える叫ぶ

猛獣か!!

皆もそれに合わせて合唱

虎鮫代ちゃんの舌も大盤振る舞いよくまわる

「あーこの瞬間たまらないね」と冬馬君

「しゃー」

みんなでお出掛けの始まり、やはりたまらないものがある。

気分はウキウキ心は踊る

「イェーイノッテルかーい」きみ子が叫ぶ

「おおーっ」

行くぞーー

ぶりーーーーっ

きみ子が惜しげもなくぶっこいた

一応言っておこう 乙女で可憐な女の子である、多分。

多網も負けじと ぶりぶりぶりっ

すかさず窓を開ける

大喜と虎鮫代ちゃん

女子席の多美はゲラゲラ笑っていた

一応訳すと 「こいつら馬鹿だこいつら馬鹿だ、でも最高イカす」であったそうな。

かかっているCDに合わせ、身体を動かし皆踊る。

もう車の中はカラオケ会場をこえてライブ会場と化した。

「つしゃー 愛しあってるかぁーい」きみ子が叫ぶ

うおっ!!
忌野さんならぬ、きみわのさんではないか。

「みんな清志郎知ってるんだ」と感慨深くなる多網ママ、自分の若き頃を思い出す

皆は叫ぶ

「きみしろーーっ」

更にヒートアップきみしろー

「おーイェー ベイベェー イェー ベイベェ」

そして

「愛と平和ーーーーーー」

「うおっおっ おーっーーーーっ」

「愛と平和ーーっ」
会場は最高潮に達する

うきゃー 舌は高速回転 虎鮫代ちゃん

運悪く、隣に走っていた車の中でそれを見てしまった子供は気絶した。

気絶瞬間の気持ちは
虎だか鮫だかの舌が高速回転してるーっ であった。

ペロン ペロン ペロロン

「この雨にやられてーエンジンいかれちまった~」
車内は大爆発

「あーっ最高」と冬馬君と大喜

多網が次はこれかけて、とサーにCDを渡す。

「良いよ」

CDが流れ出した瞬間サーは凍りつく

「こっ これはまさか?」

そう稲川淳二の怖い話である

運転中のサーはとっさに思う、しまった耳ふさげないっ

「さすが、多網準備良い」とニンマリ冬馬君

子供達のワクワクは止まらない。

車は走る、失禁しそうなサーを乗せ。


ブゥゥ~ン


空には青空が広がり 快晴である まさに海日和だ

しかし多網父こと通称サーの表情は曇っている

CDは喋る
「それが あの時亡くなった 男の子だったんです」

「ぐわあああっふきゃあーーー」
なんとその可愛らしい?奇声をあげたのは多網父

驚く子供達

「なにっ今の声?」とキョロキョロするきみ子

やばい、怖がってることがばれてしまう。

私のかっこいいイメージが!!

自身の自画像が曇ることを怖れたサーとっさに。

「発声練習しちゃった」と訳のわからないことを言ってごまかした。

ブゥゥン 車は走る 青空の下

その後も歌えや踊れの大ご機嫌な子供達

そして、一同を乗せた車からついに海が見えた。

「ひやっほー」

海だ!!!

みんなの目は輝き、テンションはまた上がる

「やっぱり夏は海だよー」舌は高速回転、虎鮫代。

「よしっ、車あそこの駐車場に止めて行こう」とサー

「おーっ」

いよいよ皆で過ごすビーチタイムが始まる!!



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