冬馬君の夏

だかずお

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『ガウディ巡り』

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「よぅしーサクラダファミリアに向けて出発」

「おーっ」

皆は一丸となり気合い爆発!!

いよいよ、バルセロナ観光に出発。

多網母の案により電車を使い移動することに、初の海外電車におしっこがちびりそうなくらい緊張している
チキンすぎる、隆と多網父ことサー。

どうやって、チケット買うんだよ~

電車にお化けでないよなぁー 昨日の夜の怖い話をまだ引きずってるサー、にしてもどんな心配だ。

正子は観光ブックで切符の種類や、買い方を調べていた。

「なんだ簡単わかりやすく書いてある」

ほっと胸をなでおろす隆

ホテルを出て街を歩く

「ひゃー景色が日本と違うー」興奮気味にきみ子が言った。

何だか嬉しくて飛び跳ねる大喜と多網

冬馬君も嬉しそうなみんなを見てニンマリ笑った。

夏まっさかり、バルセロナも暑かった。

「建物がお洒落ですね~」と多網母

「本当~っ」

歩いて五分もしない所に地下鉄の入り口発見。

きみ子が「あったー地下鉄の階段」と言って走り出す。

何故か緊張している隆

大丈夫かな?乗れるかな? 言葉分からないで恥かかないかな?

お願いお願い地下鉄に半透明のスペイン人でないように。
まだ幽霊が怖いサー、昨夜の怖い話が相当効いたらしい。

階段をおりて、券売機の前に、すんなりと正子と多網母が乗り放題のチケットを買った。

さっさすが、我が妻

感心する隆。

電車のホーム

子供達は大はしゃぎ

「いやぁーもう喉がかわいた」と大喜

「確かに暑いね」冬馬君も頷く、地下鉄のホームは暑かった。

電車の乗り換えなどは日本に比べると分かりやすく結構簡単だった。
「日本ほど複雑じゃないな」隆は電車にもう一人で乗れるなと思い、自信と共にふんぞりかえる。

一同は電車に乗り込み、目的地サクラダファミリアの駅に。

電車の中、多網は乗っている人の顔をジロジロ見ていた。

「日本人がいない」とぽつり。

そう言いながら、きみ子の顔を覗いてたのは笑えたが、本人は気づいていたのだろうか?

ここで出番の少ない多網の妹多美が叫ぶ

「ちゃーーーーーーーーーーーー」以上。

そして、サクラダファミリアの駅に到着。

エスカレーターをのぼった所

「喉乾いた~~」と大喜。

結構、暑く喉がすぐ乾く。

自動販売機でジュースを買って、ついに外へ

駅を出て後ろを振り向くとそこにはサクラダファミリアが建っていた。

「ひゃー何あれー!!」

一同大感激

なんて繊細なディテール 

サーは感動した。

そしてこう思ったと言う

私はサー

今 ガウディの建築の前に立っているのだ こオーっっつ 以上。

冬馬君も大感激「凄いっこんな建物、見たことない」

「まだ工事してるみたい」ときみ子

親たちはスマートフォンを取り出し、写真をとっている。

「ほらっ、みんな撮ってあげる」と正子

サクラダファミリアの前で、冬馬君達はポーズを決めた。

もちろん、言わずと知れた拳を突き出すファイポーズ

パシャ パシャ。

「中に入りましょうよ」と多網母

「チケット買わないと駄目みたいですね」隆が言った。

サーと隆がチケットを買うことに。

隆はテンパッていた、チッ、チケットなんて買えるのか?

スペイン語なんて喋れんぞ

すかさず「買えますかね?」とサーの顔を見た。

サーも実は緊張でいっぱいいっぱいなのだが、サーの微妙なプライドが。

「へっへへ、任せてくださいよ」と勝手に一人歩きして喋ってしまった。

「じゃあ、お願いします」隆は胸をなでおろした。

切符売り場には白人の女性

サーは深呼吸をしようと思ったが緊張でむせてさまった。

ブシュ ゴホッ

「あっ、えっ えっと あしゅ かしゅ」

白人女性の眉間にうっすらとシワが浮かぶ

「えっと、あっとナインチケット プリーズ」

すると彼女は英語で喋り始めた。

はっ、はやい

サーが理解出来た単語は唯一ソーリーだったと言う。

心配そうにうつらな瞳でサーを見つめる隆

サーは思った、まずい隆さんに全く理解出来てなかったと思われてしまう。

サーは全力で切返しに入った。

サーの口から発せられたのはまさかの

「フハッ オッケー だった」

ちなみに フハッ の所は見事に声が裏返っていた。

隆は思った。
すげー多網のお父さん、もろくそ英語ペラペラじゃん
うわぁー尊敬しちゃうな。
自分も英語勉強しようかな。

まあ、そう思って、まずしないのが隆なのだが。

「リアリィ?(本当?)」

その切返しにサーはぎょっとした。

なっなんだこの反応は?オッケーじゃ駄目なのか?

頭真っ白、パニックすんぜん。

なんだー?彼女はなんて言ってるんだ~~?

「あっ、しやっ、かはっ たたた」

とりあえず笑っといた。

女性の眉間のシワが二本になる。

隆は感心した、なんなんだっ?この高度なやりとり?
これがスペイン流?
こんな風にやりとり出来るなんてサーさんすごし。

もはや何も分かってないお馬鹿ちゃん。

強い口調で「オッケー?」女性が言う、もはや笑ってない。

「あっははは おっー」おっまででかかってるのだが、何だかわからないので怖くて ケーまで言えない。

「オッ くっくっ 」

彼女の髪の毛はこの時逆立っていた。

すると横から天の助け男のスタッフが「日本人?僕日本語しゃべるよ、今日のチケット売り切れで明日でも良いか?って彼女は言ってるんだよ。

テンパッていたサー、何故かそれを聞いた返事は
「あっはっはどうも、ウェルカム」だった。

二人は明日のチケットを買った。

みんなのもとに戻り

「無事買えた?」と正子と多網母

すると隆が「凄いんだよ、サーさん ペラペラ喋ってやりとりして買っちゃったんだから」

事の流れを全く理解していなかった男 隆

彼はさっきの白人男性が日本語を喋ってたことすら気づいていなかったのかもしれない。

「うわぁーすごいサー」驚く子供達の声

サーはそれを聞き言った。

「えっ、やっ あはは まあね」

この黄色い歓声を抱きあげ握りしめたのであった。

「やっぱり、サクラダファミリア人気なんだね」と大喜

冬馬君が「どうするの?」

「それじゃあ、あっち行ってみません?グエル公園って言うこちらもガウディの建築が見れるスポットみたいですよ」

と言うことで、急遽目的地を変え、グエル公園に出発。

観光ブックを見ながら、必死にどう行くかを調べる大人達。

再び電車に乗るため先ほどのホームへ。

電車を乗り、なんとかグエル公園の駅に到着。

駅を降り「公園までどうやって行くんでしょう?」と多網母。

看板を見つけた正子が「あっ、あっちっぽい」

坂道をのぼり歩いている

結構急な坂と階段

「こっちであってたのかしら?」

子供達は元気、走って階段を駆け上がった。

「子供達は元気だなぁ~」と隆

暑さのせいか、喉がよく乾く。

階段の上から街を一望出来た。

「うわぁーすごいー」感動する子供達

きみ子が「写真とろうよ」

パシャり

思い出の一コマが残せる写真とはなんと素晴らしい発明なんだろう。

皆は遂にグエル公園の入り口へ

「ここっぽいよ」はしゃぎながら大喜が言った。

チケット売り場に人が数名並んでいる。

サーは心の中思った、うわぁーもうチケットのやりとりやだなぁ。

すると、多網が「買ってみたい」

「勇気あるなぁー」と隆

皆で列に並び、多網が言った。

「チーケーット きゅうー くれーっ」

隆は感動した、うわぁーすげぇ多網も英語ペラペラなんだぁ。

アホウ

するとこちらも、スペイン語ではなく英語でかえってきた、「イングリッシュ オッケー?」

「おっけっけーケツ~」と多網。

ペラペラ何か言っている。

すると多網即断

「良いよ良いよKO」

「オッケー」何やら話はまとまった。

そばにいた大人達は全くわけわからず何も言えない。

正子が「サーさん分かりました?」

サーは全く分かっていなかったがこうかえした。
「ア リトル」何故に正子に英語。

チケットを手にした多網ご満悦。

「すごいー多網」と冬馬君。

きみ子が「あたしも出来るもん」と何故か対抗意識を燃やしている。

一同は公園の中に入った。

ちなみにこの時、実はこう言われていたのだ。

「今日はもういっぱいで入れないんで明日でもいいですか?」だったのだ。

ちなみに、明日のサクラダファミリア内部に入るのと時間はかぶっていた。

そうとは知らず、公園内を歩いている一同

「さっきのチケットは、あの広場みたいなとこに入るとき必要なんですね」と多網母が下の方に見える場所を指差し言った。

「あれ観光ブックにのってるとこだ」と正子。

楽しみ~

山道を歩いている、と ここで冬馬君は感動した。

「あっ、蝉の鳴き声」

何だか日本の夏が頭に浮かんだ。
まだ来たばかりなのに、随分と日本から離れた気がした冬馬君だった。

「蝉の鳴き声もちょっと違うね」と大喜が笑う。

一同は公園内を歩いてる時に、ジュースやらお酒が飲めるテラスを発見。

「サーさん、一杯どうですか?」とニンマリ隆

「良いですね」とサー。

この暑さのルービーは美味い。

テラスに座り

ゴキュ ゴキュ グビッ グビッ

「かーはーっ 生きてて良かった~~」と大喜び大人達。

子供達もジュースをグビリ

「かはーっ最高」

そしていよいよ、公園の広場に入る為チケットを用意した。

その時「あらっ、このチケット日付けが違うような?明日の日付け」と多網母が気づいた。

サーは言った「時差があるから日にちも、間違ってるんじゃない」

意味わからんわ。

とりあえず皆は並んでいる

「楽しみだなぁー」と子供達

そして、チケットを確認する女性の前に。

皆はチケットを出した「はいどうぞ(スペイン語)」

普通に入れた。

実はラッキーだったのだ、彼女は何にも確認していなかった。
おかげで入れたのだ。

冬馬家感謝しなくちゃね。

いよいよグエル公園の広場に。

「ようし、中を周るぞー」

「おーっ!!」

冬馬家達のスペイン旅行は続く!!



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