40 / 68
『宇宙交信』
しおりを挟む二階の冬馬君の部屋にあがってきた、子供達。
「よし、宇宙人との交流開始」と意気込む三人。
「って一体どうするの?」
いったん目をつむり、カッと目を見開く多網
多網は手をだした「みんなで手を繋ぐ」
「おーなんだかそれっぽい」三人は手を繋ぎ始める
「で?」
多網は再び目をつむり、カッと見開く
「円になる」
「おーなんだか、すごい」
冬馬君と大喜は顔を見合わせ笑う。
というか、目をつむって君は何を見てるのだ、多網よ。
「で?」
多網はこいた
プリッ
「二人もやって」
「えっ?」
冬馬君と大喜は力んだ、ケツに力をいれたが、うまくならない。
「多網みたいにできないよ」と大喜
「簡単、お尻にささやくように優しく語りかける」
なんちゅー技法だ。
照れと力みにより二人の顔は真っ赤だった。
「うっうー 」
「可愛い可愛いオナラちゃんそっと出ておいで」
生き物か!!
ブッ 「あっでた~」冬馬君興奮、まさか屁をこいにだすことでこんなに喜べるとは。
やったーやったー屁が出たよ。
屁が出たよ~~~
部屋は多網の屁を筆頭に屁まみれになった。
あっちでプッ、こっちでプッ。
大喜は一向にでない。
「悔しいなぁー」
「愛しい恋人を扱うように」と多網のすさまじいアドバイス
「えっ、やだよそんな屁に向かって」
相手は恋人じゃない、ケツから放出されるガスである。
「ええい、無理やりとっぱ」
両手を握りしめ、ケツに力をいれた。
ブニュ
「あっ」大喜はケツをおさまえ、トイレに走り出していた。
大笑いのふたり、宇宙人が出現する前にうんちくんが出現しかけていた。
と言うか何をしてるんだこの三人は。
宇宙人が見てたらこう言ってるかもしれない、
「あの、部屋は臭いからとりあえず近寄らんとこう」
部屋に大喜が戻って来た
「いやー参った、参った、このやり方絶対へんだよ」
「変えよう」と大喜
多網はふたたび目をとじカッと見開く
「宇宙人に話かけながら、手を繋いでぐるぐる回る」
「おおっーなんだかそれっぽい、それやろう」
「さて、ふたたび挑戦」
冬馬君が言った「宇宙人さんいるなら僕らにUFOを見せてください」
大喜は言った「僕を宇宙旅行につれて言ってください」
多網は言った「自分の屁をかいでください」
近づきつつあった、宇宙人が遠ざかっていった気がした。
「多網そりゃ、やだよ、そんなので寄ってくるのは屁が好きな変わり者だよ」と冬馬君
多網の目は輝いていた。
そやつと屁合戦がしたい。
なんぢゃーなんぢゃーもんぢゃ。
「僕のお気に入りのカードをあげるから遊びに来てください」と冬馬君
「美味しい地球のお菓子をあげる」と大喜
「鼻の真ん前で特性のおならを感じさせてあげる」と多網
二人はずっこけた。
そんなのやだわ!!
しかしこの時、多網は一人の宇宙人、その名もターミーを感じていた。
ターミーは屁の大好きな健全な金星の子
って健全じゃないわ~
ピピピピピピピピ
どこかで屁がワタシヲヨンデイル
どんな探索能力じゃ。
ターミーは地球にも自分にくりそつな存在がいると興奮して、宇宙船の中、ブリブリこいている。
コンタクトを取ろう地球の多網君だね。
プッ プッ プリーッ
多網は何かを感じカッと目を見開き、こきまくった。
プリーッ プッ ブリッ
天から地上から屁が鳴り響く。
目をつむってる多網の妄想かはたまた?
ってこんな屁でのコンタクトやだなぁーと大喜が苦笑い。
三人は、一時間近く続けていた。
屁をこくのにこんな真剣な人間をはじめて見た二人、汗まみれでプップコンタクトをとる多網
その時であった
「あっ、空が光った、まさか」
三人は目をまん丸にして驚いた。
多網はかんぱついれずにこく
ブーッ ブワシュー
「あっ、あれっ」冬馬君が指差し空に何かが。
気がつくとそこは宇宙船の中
「えっ、なにこれっ夢?」とビックリ冬馬君
三人は顔を見合わせる。
「やあ、僕はターミー、多網君のオナラに呼ばれて君たちをここに連れてきた」
って、そんなんで本当にコンタクトとれてたのかー ずっこけた二人
多網は興奮してまたこいた。
プリッ
目を輝かしたターミーが「なんと、つややかで新鮮な音、上手に素材をいかしてる」と言った。
どんな評価だ。
そしてターミーもこいた。
プッ
多網は愕然とした。
しっ、シンプルなオナラ
優しく素朴でシンプル、シンプルイズザベストとああ快まさにこれだった。
うそでしょ。
二人は意気投合したのか語りあい始めた。
内容はいかに屁の音が素晴らしいかについてであった。
って他に絶対話すことあるよな。
ターミーは大満足だった。
「そろそろ屁についての意見もきけたし、うちにおくるよ、本当にありがとうまた会おう」
「お詫びにこれあげる」
それは、自分の鼻くそを丸めたカタマリだった。
多網は感動した。
自分もすぐさま鼻くそをほじくりだし、あげた。
ターミーも感動し、二人は熱い握手をかわした。
なんじゃこいつら。
阿呆なのか?
「じゃあ」
三人は光のトンネルを抜け、「出口だ」
ぴゅるるる ブニュ
この効果音なんとかならんかね、まるで尻から飛び出した、うんにょみたいじゃないか。
はっ、多網は目をさました。
それは、冬馬君の部屋の布団の上
どうやら、あの後、屁のこきすぎで眠ってしまっていたらしい。
二人は?
眠っていた。
「夢か?」
多網は手に鼻くそがくっついてるのを見て、なんだか感慨深い気持ちになった。
「ああ、やっぱり」
こんだけ壮大な宇宙 きっと沢山の存在が地球の様にいるんだ。
多網は鼻くそをくちゃくちゃ指でこねくりまわし笑った。
多網君、感動的なもっとましな表現はなかったかね。
すると、「あれっ夢か?」と冬馬君と大喜
「なんか、宇宙船で多網にそっくりな屁こき宇宙人に会った夢見たんだけど」
夢だったのか?本当だったのか?
それは分からない。
ただ、三人のこころに残った不思議な面白い夜だった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
冬馬君の夏休み
だかずお
青春
冬馬君の夏休みの日々
キャンプや恋、お祭りや海水浴 夏休みの
楽しい生活
たくさんの思い出や体験が冬馬君を成長させる 一緒に思い出を体験しよう。
きっと懐かしの子供の頃の思いが蘇る
さあ!!
あの頃の夏を再び
現在、You Tubeにて冬馬君の夏休み、聴く物語として、公開中!!
是非You Tubeで、冬馬君の夏休み で検索してみてね(^^)v
パラダイス・ロスト
真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。
※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
冬馬君の春と夏
だかずお
青春
冬馬君の過ごす生活の日々
旅行に遊びに恋愛、沢山の思い出を冬馬君達と一緒に創ろう!!
どこかほのぼのする感動の名作シリーズが再びかえって来た。
この作品はシリーズで繋がっています。
ここからでも、すぐに話は分かりますが。
登場人物などを知りたい場合には過去作品から読むと分かり易いと思います。)
作品の順番
シリーズ1
「冬馬君の夏休み」
シリーズ2
「冬馬君の日常」
シリーズ3
「冬馬君の冬休み」
短編
「冬休みの思い出を振り返る冬馬君」
シリーズ4
「冬馬君の夏」
シリーズ5
「冬馬君の秋と冬」
がむしゃらに
しまおか
大衆娯楽
入社三年目でうつ病に罹った春香。療養しながら立ち直るきっかけを掴もうと新たな生活を送り始める。だがそこには色々な障害が待ち受けていた。と同時に春香が巻き込まれた会社での不正の裏で様々な事件が…。自分を見つめ直す新たな道を歩む女性の物語。
無ければいいってもんじゃないっ!
黒川EraSer
大衆娯楽
「ち、ちちち乳首がなーい!?」
普通の高校生活を送る少年“李靖保”。保の人生の唯一の生きがいはエロ。
つまらない日常でも、エロは保の人生を彩ってくれていた。
しかし、ある日突如現れた宇宙人“ロース”によって、エロは抹消の危機に!?
乳首を無くし、「これこそエロくない体なのじゃ」と豪語しながら、地球の未来ニッコニコ計画を遂行するためにロースは保の前に現れたのだった。
エロは不要なものと主張するロースとエロは素晴らしいものと主張する保。
相反する二人の、15禁スレスレを攻める、はちゃめちゃなエロコメディ小説がここに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる