冬馬君の夏

だかずお

文字の大きさ
上 下
19 / 68

『キャンプとパンツのクマさん』

しおりを挟む



ミーン ミン ミン ミン

「あーここ ここ なんだか懐かしい」
冬馬君懐かしの場所ににんまり。

「うわーっ この川」大喜も興奮中。

「さて、みんな準備を開始しよう」

「おーっ!!!」

「まずは、住まいのテント テント」
大喜は去年もやったので、得意気 嬉しそう。

多網もきみ子も大喜に教えてもらってやっている。

冬馬君はスーパーで買った、スイカを川にいれ水で冷やしていた。
去年も僕がやったなぁ。

「何だか、これは楽しくなりそうだ」
冬馬君はスイカに水をかけながらまたニンマリ笑った。

ふぅーっこれから清香達が来る。
胸の興奮とドキドキは高まる一方である。

冬馬君も走って、みんなのテント作りの場所に。

ズボンの後ろから顔を出してるクマちゃんは深呼吸をしている、きっとこう言っている事だろう。

「ああ、空気うめっ」

自然の中にいると、何だか心地良い なんか、落ちつく。
きっと自然は優しいんだ。冬馬君は自然に触れるといつもそんなふうに感じる。

「ねえ、二人共 今緊張してるんじゃない?」と きみ子

「えっ?」

「もうすぐ二人来るよ」

きみ子のその発言に、あーもう心臓がバクバク 大きくなり縮んだり おいっちに さんし と言って運動をしはじめた。

クマちゃんまで赤面していた。
きっと奴は「初披露だぁーしゃー」
と喜んでいる。

「こっちまで、緊張伝わる」とポツリ多網

「うっ、嘘?」

「それじゃあ、女の子も分かっちゃう」ときみ子の鋭い指摘

「リラックス、リラックス」

この二人意外にすごい・・・・・

のか?この二人に分かるのなら誰にでも分かるのかは謎だったが。

リラックスと言われても、なかなか出来なかったが、
その言葉に前回の映画デートの時を思い出した二人。
そう、テンパりすぎて何も出来ない、楽しくない、空回り。

そうだ、楽しもう いつもの僕らだ。

二人はニッコリ笑い 気持ちが少し落ちついた。

ブゥーッ ぶぶぅーっ。

多網ときみ子が突然こいた。
「そう、そう それそれ」

この二人ヤバし。
屁の入れるタイミング、音の長さまで正確にあっていた。
そのうち、ハモり出すんじゃないかと笑ってしまった。

クマちゃんは不快だったのだろうか?
眉間にシワがよっているような?
気のせい、気のせい 気のせいさ。

しかし、冬馬君と大喜にある心配が

それは、二人がこんなにブリブリこいたら
清香達にドン引きされて嫌われてしまうんではなかろうか?
そんな心配。

ブゥーウン

「あっ、まさか?」
一同はいっせいに離れた車道のほうに目をやった。

「確か、あの車ではない」と大喜。

ふぅーっ

「まっ、ムードつくりは私達に任せてよ」きみ子はピースした。

たっ頼むから屁はこかないでくれと内心思う二人だった。

「夜は肝試しやって、あのスーパーで買った人魂の花火私達二人が先回りしてだすわ」

「あっ、そうだそんな計画をたててたんだった」

ぷウップー

んっ?これは屁の音じゃない、クラクションだ。

まっまさか?

一同に緊張が走る。

道路のほうを見ると一台の車が

あっ清香達だ!!!
あまりにビックリした冬馬君は石につまずき転んでしまった。
ビリッ ああなんと言うことだろうこの時、顔までだったクマちゃんは身体まで出現させた。
パパーンッ
完全体!!!

だが、誰も冬馬君のズボンが破けてるのに気づかなかった。

「ついに来た」

「えーっ、どんな人」きみ子は興味津々。

「あわわわわわわ 」やはりテンパる冬馬君と大喜。

「落ちつこう大喜」

「うっ、うん」

会うのに日が、空いたし余計テンパる二人

車が止まり中から人影が見える

この瞬間やはり、緊張する

「会うの、ひっ久しぶりだね大喜」

「うっ、うん確かに なに話そうか?」

その様子を見たきみ子と多網は心配そう。

きみ子が多網に
「私たちの出番ね」

多網は頷き
鼻くそを食べ
プッ
ついでにこいた。

そして遂に
「久しぶり、冬馬君 大喜」

あーっ、この声は幾度となく待ちわびた清香の声

「やっ、やあ かは」

きみ子はずっこけた
「大丈夫かーっ」
そして遂に奴を発見してしまう
「あっ、あれっ」

多網も指差すほうを
「くはっ」

なんとっ、二人は見てしまった。
冬馬君のズボンが破れ中からクマさんが顔だしてる姿を。

いや顔だけじゃない、全身である。

だが、
「凄い、お洒落 最近の流行りみたい」多網はウンウン一人納得して頷いてる。

「えっあっ、(流行りだったのね、ただの変態かと思った)
ああ最近の流行り 何言ってるの私も知ってたわ、知らなかった訳ないじゃない」
知ったかぶるきみ子。


嘘つけーッ


二人はそう思い、あそこからクマを出すファッションと言う芸術性の奥深さに感動していた。


再び野放しにされたクマちゃん。

気分は野生の森を自由に走り回っている気分
きっとこう言ってるだろう!
「見よ私の姿を、普段ズボンとやらに覆われて目立たないが、
我らこそお洒落、お洒落を語る上で我らパンツこそが最後の砦 全パンツよ立ち上がれ、たいまつを燃やせ、革命を起こせ、顔を出せ」
彼はパンツ界のチェゲバラ
ああ名前忘れた、そんな感じのパンツ革命家の様な熊だった。

なんてたくましい、パンツを身につけてしまったんだ冬馬よ。
よりによって今日。

彼はいやクマは あっいや、パンツは燃えていた!!

その時、運良く大喜もそのクマを見つけた。
心の中
あーっ、冬馬パンツ見えてるヤバイよ
彼だけは唯一、人間界で言うところの常識人で助かった。
何とか、ばれるまえに知らせなきゃ。

「大喜久しぶり」

あっ、この声はアミ
「やっ、やあ」
顔を真っ赤にした大喜
すでにパンツの事など頭の片隅にもなかった。


クマは喜び叫ぶ
「シャー 我が勝利は近い、私をみんなに見せびらかせ~ 我こそお洒落、この超いけてるクマちゃんパンツを皆に見せびらかせ~ははははっ」

ちょうどパンツが立つ視界の前に大喜が立っていてそのせいで自身は隠されている
クマは怒った。
「どけ、そこをどけ」

「くそう、噛みついてやる」
もちろんただのパンツである。
むろん歯などないのです。
もどかしいクマちゃん。


そんな時、多網の一言
「川 川~」
どうやら泳ぎたいらしい。

「みんなで入ろう」

「おーっ」

「えっ、あっ 嘘ーっ」
かくして クマは脱ぎ捨てられた。


皆が集まり
キャンプの盛り上がりは ましている。
「ようし川遊び開始」

「おーっ」

テンションのあがる子供達

ミーン ミン ミン

蝉が元気に鳴いている。
みんなのキャンプは始まった!!


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冬馬君の夏休み

だかずお
青春
冬馬君の夏休みの日々 キャンプや恋、お祭りや海水浴 夏休みの 楽しい生活 たくさんの思い出や体験が冬馬君を成長させる 一緒に思い出を体験しよう。 きっと懐かしの子供の頃の思いが蘇る さあ!! あの頃の夏を再び 現在、You Tubeにて冬馬君の夏休み、聴く物語として、公開中!! 是非You Tubeで、冬馬君の夏休み で検索してみてね(^^)v

冬馬君の春と夏

だかずお
青春
冬馬君の過ごす生活の日々 旅行に遊びに恋愛、沢山の思い出を冬馬君達と一緒に創ろう!! どこかほのぼのする感動の名作シリーズが再びかえって来た。 この作品はシリーズで繋がっています。 ここからでも、すぐに話は分かりますが。 登場人物などを知りたい場合には過去作品から読むと分かり易いと思います。) 作品の順番 シリーズ1 「冬馬君の夏休み」 シリーズ2 「冬馬君の日常」 シリーズ3 「冬馬君の冬休み」 短編 「冬休みの思い出を振り返る冬馬君」 シリーズ4 「冬馬君の夏」 シリーズ5 「冬馬君の秋と冬」

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

パラダイス・ロスト

真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。 ※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。

青天のヘキレキ

ましら佳
青春
⌘ 青天のヘキレキ 高校の保健養護教諭である金沢環《かなざわたまき》。 上司にも同僚にも生徒からも精神的にどつき回される生活。 思わぬ事故に巻き込まれ、修学旅行の引率先の沼に落ちて神将・毘沙門天の手違いで、問題児である生徒と入れ替わってしまう。 可愛い女子とイケメン男子ではなく、オバちゃんと問題児の中身の取り違えで、ギャップの大きい生活に戸惑い、落としどころを探って行く。 お互いの抱えている問題に、否応なく向き合って行くが・・・・。 出会いは化学変化。 いわゆる“入れ替わり”系のお話を一度書いてみたくて考えたものです。 お楽しみいただけますように。 他コンテンツにも掲載中です。

素敵な洋服を作りたい

大羽月菜
青春
和田沙織は高校生。引っ込み思案な性格で、中学の時いじめにあって以来、友達を作らないまま時は過ぎた。高校二年のある日、テレビでファッションインフルエンサーを見て強いあこがれを抱き、そのインフルエンサーのイベントに参加する。次第にデザイナーになりたい夢を抱くように。服飾学科の大学へ行く事を決める。高三になり、友情、少ししたいじめ、進路、淡い恋心。様々な出来事に直面する。 *作品の中で筆者が12㎏のダイエットに成功した方法を、密かに公開します。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...