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〜 婆ちゃん加わる夜中の語り合い 〜
しおりを挟むみんなの夜ミッドナイトタイムは続いていた。
婆さんイビキがうるさく下に降りてきた三人
リビングで眠る夜は、やはりいつもと寝る所が違うせいか、旅行に来てるような感じになって、なんだかワクワクした。
今は隆、正子は二階の部屋に行き
子供達三人は下のリビングに布団を敷き眠っている。
「確か、夏休みだっけ?こんなことあったよね?」冬馬君は言った
「あった、あった、あの夜も面白かったね、多網おどかした日ね」
多網は腕を組みながら思い出しはっとした顔をしていた。
三人はリビングルームで、布団にくるまり、まだ話をしている
昼間寝てたせいか、全然眠くない。
「やっぱりこうやって、休みの日にみんな泊って一緒にいる瞬間最高だね」大喜が言った。
冬馬君も多網も頷く
普段の日常生活が嘘のように、しがらみから解放されてる解放感、これはたまらなかった。
冬馬君は学校とかが特に嫌いだったから、この瞬間は楽園にいる様な感覚でもあった。
夜中に眠らず布団でみんなと語り合う
最高のシチュエーションである。
「清香達のデート何だか緊張するね」
冬馬君が言った
「うん久しぶりだからね、多網何かアドバイスある?」大喜は多網にたずねた。
多網はボソッと「ジェントルマン」 なんぢゃ
「例えば?」
「好きな子、の前で照れてるだけじゃだめ」
「ほうほう」
あてになるのかならないのか、多網のアドバイスを真剣にきいてる二人。
やはり恋愛話となるとテンションがあがりますます目のさえる三人だった。
すると多網が鋭い質問を
「二人はその子達に告白するの?」
「えっ?いやーさすがにそれは」
冬馬君と大喜は顔を見合わせた
「さすがに、はやすぎるよ」
二人は同じ意見だった
振られて、もう二度と会えなくなってしまうのも怖かった。
「女はな」
んっ?誰だこの声は?
振り返るとそこには、さっきまで怪獣とおそれられていた元凶、バアちゃんだった。
「その娘ら、お前達の気持ち見透かしてるんちゃうか?いつまでもへこへこしてたら、友達以上に見られなくなるんちゃうか?」
妙に滑舌もよく、てんぽもいい発言
それは小学三年生にぐさっと厳しい意見だった
多網は仁王立ちしている、よー分からんが。
「いっぺん、バアちゃんをその子だと思ってやってみぃ」
「まずは冬馬あんたからや、いなよさんって言ったか?」
誰だそりゃ?
「清香だよ」
「いうてみ、ほれっ」
冬馬君は気合いをいれたよしっ!!
前を見るとシワクチャのばあさんが
片目をとじウインクしていた
バアちゃんは必死に清香になりきろうとしていた
これは何処からどう見たって清香じゃない、冬馬君はバアちゃんの顔を見てあきらめた。
「しょうがない、次は大喜じゃ」
チュッ 、スーパーババアのキスを見た大喜は布団にモグラのように潜っていった「やだー」
「だらしないのう」
「バアちゃんなら、なんて言われたら嬉しい?」
バアちゃんは真剣に考えていた
「あのなぁ、言葉なんかどうでもいいんじゃ、真剣な態度で接したら女はな分かるんじゃ、だからしっかり向き合いんさい」
何だかマトモなアドバイスにきこえたので、とりあえず、二人は胸にかきとめる。
なんと、隣の多網はメモしていたのだが。
「ところで多網はいるのか?」
「うん」
「やってみ」
バアちゃんはウィンクしてチューのジェスチャーをした。
多網は目をカッと見開き
これは本気だ
「アイ ラブ ユー」
そこには片膝をついて手を差し伸べる多網がいた
すっ、すごい多網、こんな技術を?
これが六年生の力か?
そして、冷静に考えるとありえない状況に冬馬君と大喜は吹き出して倒れて笑っていた。
「まあまあじゃ50」
「何でバアちゃん?」冬馬君はたずねた。
「日本人なら、あいしてる アメリカさんにかぶれるんやない」
多網は仁王立ちしていた。 うん よー分からん。
こうしてバアちゃんが加わった恋愛話は加熱の一途を辿ったのだった。
ますます、四人の目は冴え渡ってきている。
「バアちゃんにとって恋って何?」
冬馬君はたずねた
バアちゃんは笑顔を浮かべこう言った
「わからん」
その言葉の三十分後だった、三人が二階に遊牧民のように大移動して寝てたのは。
なぜなら、リビングに怪物が出現したからだった
グゴォーゴーゴー ゴゴー グゴォーゴー
そのイビキは二階にも少し響いていた こうして夜は明けていく
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