冬馬君の秋と冬

だかずお

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『盛り上がる車内』

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ブゥーンッ 車は高速道路を進んでいる。
「高速道路に乗るとなんか遠い所に行くみたいでワクワクする」大喜が言う。

さあいよいよ旅行が始まった。

車はみんなを乗せ、朝の語り合いはまだまだこれからだぜぇ~~そんな言葉を口走る様に進み続ける。
冬馬君はみんなで色々語り合うのがすきだった。
更に今のシチュエーションは始まったばかりの旅行、大人まで加わり、旅先に向かう車の中、テンションはアゲアゲマックス大爆発である。
多網が何故か身体をクネクネさせてリズムを刻み踊っている。
多網もよっぽど嬉しいんだな、冬馬君は微笑んだ。

「そう言えばこないだの清香ちゃんとアミちゃんだっけ?凄く優しい子たちだったね」スーが突然出した清香の名前に一瞬心臓がドキッとなる。
そして、その発言に嬉しくなりデレ~ッとなったった可愛い冬馬君。大喜もなんだか照れてる様だ。

「なにぃ~~二人とも顔真っ赤にして嬉しそうに照れちゃって」二人の心情を見事に見抜いたきみ子のツッコミ。

「あははは」

「また会ったらお礼言っといてね」スーが言った。

「うん」なんだか好きな人の名前がここで出るのが嬉しく感じた。
清香どうしてるかなぁ?もう会いたくなってしまったお熱なデレデレ冬馬君、想うだけで胸がドキドキときめいた。

「そう言えば、サーも結婚して長いよね。長く仲良くする秘訣を教えてよ」と、スー。

ドキッ そんな秘訣考えた事なかった。気づいたら今に至っていた。
だが男サーのプライドが立ち上がる、迷える子羊スーになんか良い事を言わないと。

「えっと、あの、その、尻に敷かれること」
一同はずっこけた。

車は何故か全然どうでも良い所で車線変更をした(記載しないでいいわ~)

ブゥーン 数秒後、突然の多網の指摘に男二人が震え上がる事になる。
「泊まるとこ山奥、幽霊出るかなぁ」ボソリ

何故か急に背筋をピンと伸ばし出す二人、言わずと知れたサー、スーである。
この時スーはようやく理解した、小夜さんに振られ、リフレッシュの為、人里離れた場所に行くと決意したが自分は大変な過ちをおかしてしまったのでは。
そんな場所で、お化けが出たらまずい(なんちゅ~理由じゃい)突如街中にした方が良かったのではと後悔する。
この時はまだ誰も知らない(大体の人は予測出来てると思うが)二人の男がちびり上がる事になる事を。

車は進む。
高速から眺められる敷き詰められた様に並ぶ、沢山の家々。
これだけの人が居て、それぞれの人生がある、そんな事を思うとなんだか感慨深い気持ちになる。
あの家の人は今何してるんだろう?どんな人なんだろう?今はお家で家族と年末を過ごしてるのかな?
色んな想像が膨らむ。
まぁどうでも良いが、一応報告しておくと、その家の人は今トイレでうんこをしていた。

流れ移り変わりゆく風景

進みゆく時間

知らない場所に僕を連れて行ってくれる

どんな思い出や風景を見せてくれるんだろう?

まだ見ぬ風景に踊る心

車は走る みんなの笑顔を一つに乗せて

そんな詩的な言葉をよそに力む女が居た。

そう、きみ子である

ぐぎぎギギギギ~~~~ッ

まさかこの展開は?

きみ子は急にうんちがしたくなってしまったのである。
きみ子には変なプライドがあった、平気で人前でプップこくくせにうんちだけは何故か出すことを知られない様にするのだ。

「みんなパーキングあるけどトイレ大丈夫?」

「大丈夫」冬馬君と大喜が言った

「僕も」続けるスー
それらの反応に舌打ちするきみ子。行けや~っ
凄まじい目つきで多網を睨みつけたきみちゃんは心の中叫ぶ、オンドリャートイレ行けやぁ、レディのあたいにトイレ行きたい言わすなヤァー ギロリ
あまりの迫力に驚き、多網は咄嗟にこんな事を言ってしまった。

「うんちはでない」

オンドリャ~~ワレェ~~ 一等言い出しづらくなる言葉で閉めやがってぇ~~

「きみちゃんは?」

ピクッ

「やだなぁ~私うんちなんて出ないよ」(誰もそこまで聞いとらん)

「じゃあ止まらず進むよ」

きみ子は過ぎ行くパーキングエリアを指を咥えながら見つめていた。
ああ便器が遠くに行ってしまう、私の大を放出する場所が遠くに去って行くぅ~~。ああ愛しの便器や。

きみ子は誓う、ええぃこうなりゃ耐えたるでぇ。
私は忍耐じゃき~~ 歯を食いしばってるきみ子、今は大好きな屁は出せない。何故ならオケツちゃんがもしかしたら誤作動を起こし屁じゃなくて黒い身を出してしまう可能性があるからだ。

そんなきみ子をよそに清々しい顔を浮かべプップこきまくっている多網(考えたらすごい奴らである)。
あー私もこきてぇ~(屁依存症かい)。

ブリッ
プーハー 多網はご機嫌な笑みを浮かべた。

あーっじゃかしいのぅ ええいっ私も一発くらいこいたる

ブチャ

変な音が車内に響く

「えっ何今の?タケノコが潰れた様な音」(どんな表現じゃスーよ)

「えっ、違うよトマトの潰れた様な音だよ」サーが続く

とにかく凄い音じゃったんだな。

しっしまったああああああっ!!バレル。
焦るきみ子は話をそらす為にこんな事を言った「あっ見て空 UFO」

「えっどこ?」

きみ子は突如気づく、なんかうんちの匂いがすると。
きみ子は漏らしてこそはいなかったのだが、お尻ちゃんのリップサービスにより(どんなサービスじゃ)屁が濃厚なうんこ臭に変わっていた。

突然「あー暑いなぁ」窓全開 うん、真冬である。

「UFOどこ?」みんなは一向に見当たらないUFOをまだ探していた。
きみ子はさり気なく囁く「あっ、さっき星に帰ったよ」と。

ブゥーン 車から見える風景は先程のビルや家が並ぶ都会の景色から、山々や田園広がる風景に変わっていた。

「なんだか自然がこんなにあるって嬉しいな」冬馬君は広がる荘厳な山々に感動している。

「そうだね、これからは自然を大切に生かして欲しいね」運転しながらサーが言う。

「人間が自然を守って生かさないとね」頷くスー

そんな会話をよそに一人歯を食いしばっているきみ子
あー便器は何処じゃーーーーー。
もー限界なんじゃー 今や尻の穴から産まれそうであった。 ニョキッ
額から汗を流しながらきみ子は思う、もし今ケツから顔を出して出現したら貴様の名前は糞にしてやるからな!!(だからそれは糞じゃ)

「きみ子、なんか汗凄いけど大丈夫?」隣に座る大喜がきみ子を見る

「全然大丈夫、うんこなんて漏れそうじゃないから」
分かり易いおなご this is kimiko。

こうして、きみ子うんこ漏れそうなんだと異変に気付いた冬馬君と大喜のパーキングに行きたいと言う機転により事なきを得た きみ嬢。

何故かトイレに入る前「全然うんこ出ないけどトイレ一応行っとこう」と念を押して言っていたきみ子に冬馬君と大喜は笑った。

トイレを済ませ、一同はパーキングエリアのフードコートを見ている「軽くなんか食べようか?」スーの提案に「賛成~~~~」

「旅が始まったって感じだね」胸踊らす冬馬君

「うん最高」きみ子も元の元気を取り戻す。

とけたみこと通称スー 蕎麦をすする ズルズルズル
「かはーーっ生き返る(死んどったのかい)」

「あーったまらないカレーは最高サー」カレーを美味しそうに食べる男サー

凄まじい食欲を見せたのは多網ときみ子
きみ子は思う、出た分取り戻すんじゃ~~よほど快便だったのだろう。

見知らぬ場所はなんだか心がウキウキする。ここのパーキングエリア行ったなぁ、あの時あたりは始まったばかりで良かったなぁ、旅行が終わると毎回そんな事を考えてしまう。

食事を終え いざ行かん!!

「もうちょっとで着くよ」

再び車に乗り、車内では泊まる場所を想い今から胸を踊らせている。
「露天風呂がついてるなんてスーいい場所見つけたね」大喜が言った。

「うん、森の中で近くのコンビニまで車で30くらいかかるらしいよ」

「なんだか凄いね」

「星も綺麗に見えるかな」冬馬君は星を眺めるのが大好きだった。広大な空に散りばめられた美しい宝石の様な星々、宇宙の神秘を目の当たりにする。
星を眺めてると、どこか懐かしく心が和んだ。普段住む都会ではあまり見られないからこの旅では星を心ゆくまで眺めてみたかった。

「よーし日々の日常を一旦忘れて心ゆくまでリラックスして楽しもう」そんなサーの言葉に一同が声をあげる。

「おーーーーっ」 あーっワクワクする。

目の前に広がる山々の連なる風景に、あー旅行に来たんだなぁとしみじみと感じた。
こんな景色と出会わさせてくれてありがとう。そんな気持ちが浮かぶ。

「なんか定番な言葉だけど、自然を見てると自分の悩みなんかちっぽけだよなぁそんな事を思うね」と言ったそばから上司や、うまくいかない仕事を思い浮かべ
小さなため息を漏らし苦笑いサー。ちっぽけになっとらんかった。
良いんだ、良いんだこんな時くらいリフレッシュしようと考えなおす。

生きてる奇跡に酔い知れようじゃないか

きっとなんだってうまくいくさ

木々が伸び伸びと成長している様はそんな事を僕らに思い出させてくれる。
きっとお天道様を信じ、信頼して、あんな大きく立派になったんだ。なんて逞しい信頼なんだろう。
木々はとても立派だ、植物を見るとそんな畏敬の気持ちを覚える。
ありのままの自身を咲き誇る威勢の良さにとても惹かれた。

車が高速道路をおりる。

「まずは鍵をもらいに行かなきゃ」

「あっ、そうなんだ」

「この住所に管理人さんのいる受付の場所あるから来てって言われたんだ」

車はその場所に向かう。

「到着~~、みんな車で待ってる?」

「僕たちも行く」

受付の場所に居たのは優しそうなおばあちゃん
「いらっしゃい」

「こんにちは」

「予約のとけたみさんですね」

「あっ、はいっあだ名はスーです」(どうでもええわ)

「遠い所からようこそ、こちらが鍵です。周りに何もないからとっても静かで良い所ですよ、少し離れたところに町があるからそこで色々買って行くと良いですよ、そこの町には食べる所とかありますから、これが地図です」

「ありがとうございます」

冬馬君は優しそうなおばあちゃんを見て、なんだか自分の婆ちゃんを思い出した。

「みんなも楽しんできて下さいね」

「ありがとうおばあちゃん」
多網が歓迎のすかしっ屁をこいた(やめー)
旅先での出会い、ささいな交流も嬉しかった。
一期一会かも知れない、そんな事を考えると同じ今に生き関われる出会いは奇跡の様だ。

「さて、じゃあその町で必要なもの買ってさっそく泊まる我が家(我が家になっとる)に向かおうか」サーが言った。

「賛成~~」


旅行は始まったばかり、さあどんな珍事 あっ、じゃなかった思い出の数々と出会う事になるやら。

スーはふと思った 素敵な出会いあるかな?と。

あるだろう、沢山の昆虫と。


旅行は続く


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