59 / 72
『盛り上がる車内』
しおりを挟むブゥーンッ 車は高速道路を進んでいる。
「高速道路に乗るとなんか遠い所に行くみたいでワクワクする」大喜が言う。
さあいよいよ旅行が始まった。
車はみんなを乗せ、朝の語り合いはまだまだこれからだぜぇ~~そんな言葉を口走る様に進み続ける。
冬馬君はみんなで色々語り合うのがすきだった。
更に今のシチュエーションは始まったばかりの旅行、大人まで加わり、旅先に向かう車の中、テンションはアゲアゲマックス大爆発である。
多網が何故か身体をクネクネさせてリズムを刻み踊っている。
多網もよっぽど嬉しいんだな、冬馬君は微笑んだ。
「そう言えばこないだの清香ちゃんとアミちゃんだっけ?凄く優しい子たちだったね」スーが突然出した清香の名前に一瞬心臓がドキッとなる。
そして、その発言に嬉しくなりデレ~ッとなったった可愛い冬馬君。大喜もなんだか照れてる様だ。
「なにぃ~~二人とも顔真っ赤にして嬉しそうに照れちゃって」二人の心情を見事に見抜いたきみ子のツッコミ。
「あははは」
「また会ったらお礼言っといてね」スーが言った。
「うん」なんだか好きな人の名前がここで出るのが嬉しく感じた。
清香どうしてるかなぁ?もう会いたくなってしまったお熱なデレデレ冬馬君、想うだけで胸がドキドキときめいた。
「そう言えば、サーも結婚して長いよね。長く仲良くする秘訣を教えてよ」と、スー。
ドキッ そんな秘訣考えた事なかった。気づいたら今に至っていた。
だが男サーのプライドが立ち上がる、迷える子羊スーになんか良い事を言わないと。
「えっと、あの、その、尻に敷かれること」
一同はずっこけた。
車は何故か全然どうでも良い所で車線変更をした(記載しないでいいわ~)
ブゥーン 数秒後、突然の多網の指摘に男二人が震え上がる事になる。
「泊まるとこ山奥、幽霊出るかなぁ」ボソリ
何故か急に背筋をピンと伸ばし出す二人、言わずと知れたサー、スーである。
この時スーはようやく理解した、小夜さんに振られ、リフレッシュの為、人里離れた場所に行くと決意したが自分は大変な過ちをおかしてしまったのでは。
そんな場所で、お化けが出たらまずい(なんちゅ~理由じゃい)突如街中にした方が良かったのではと後悔する。
この時はまだ誰も知らない(大体の人は予測出来てると思うが)二人の男がちびり上がる事になる事を。
車は進む。
高速から眺められる敷き詰められた様に並ぶ、沢山の家々。
これだけの人が居て、それぞれの人生がある、そんな事を思うとなんだか感慨深い気持ちになる。
あの家の人は今何してるんだろう?どんな人なんだろう?今はお家で家族と年末を過ごしてるのかな?
色んな想像が膨らむ。
まぁどうでも良いが、一応報告しておくと、その家の人は今トイレでうんこをしていた。
流れ移り変わりゆく風景
進みゆく時間
知らない場所に僕を連れて行ってくれる
どんな思い出や風景を見せてくれるんだろう?
まだ見ぬ風景に踊る心
車は走る みんなの笑顔を一つに乗せて
そんな詩的な言葉をよそに力む女が居た。
そう、きみ子である
ぐぎぎギギギギ~~~~ッ
まさかこの展開は?
きみ子は急にうんちがしたくなってしまったのである。
きみ子には変なプライドがあった、平気で人前でプップこくくせにうんちだけは何故か出すことを知られない様にするのだ。
「みんなパーキングあるけどトイレ大丈夫?」
「大丈夫」冬馬君と大喜が言った
「僕も」続けるスー
それらの反応に舌打ちするきみ子。行けや~っ
凄まじい目つきで多網を睨みつけたきみちゃんは心の中叫ぶ、オンドリャートイレ行けやぁ、レディのあたいにトイレ行きたい言わすなヤァー ギロリ
あまりの迫力に驚き、多網は咄嗟にこんな事を言ってしまった。
「うんちはでない」
オンドリャ~~ワレェ~~ 一等言い出しづらくなる言葉で閉めやがってぇ~~
「きみちゃんは?」
ピクッ
「やだなぁ~私うんちなんて出ないよ」(誰もそこまで聞いとらん)
「じゃあ止まらず進むよ」
きみ子は過ぎ行くパーキングエリアを指を咥えながら見つめていた。
ああ便器が遠くに行ってしまう、私の大を放出する場所が遠くに去って行くぅ~~。ああ愛しの便器や。
きみ子は誓う、ええぃこうなりゃ耐えたるでぇ。
私は忍耐じゃき~~ 歯を食いしばってるきみ子、今は大好きな屁は出せない。何故ならオケツちゃんがもしかしたら誤作動を起こし屁じゃなくて黒い身を出してしまう可能性があるからだ。
そんなきみ子をよそに清々しい顔を浮かべプップこきまくっている多網(考えたらすごい奴らである)。
あー私もこきてぇ~(屁依存症かい)。
ブリッ
プーハー 多網はご機嫌な笑みを浮かべた。
あーっじゃかしいのぅ ええいっ私も一発くらいこいたる
ブチャ
変な音が車内に響く
「えっ何今の?タケノコが潰れた様な音」(どんな表現じゃスーよ)
「えっ、違うよトマトの潰れた様な音だよ」サーが続く
とにかく凄い音じゃったんだな。
しっしまったああああああっ!!バレル。
焦るきみ子は話をそらす為にこんな事を言った「あっ見て空 UFO」
「えっどこ?」
きみ子は突如気づく、なんかうんちの匂いがすると。
きみ子は漏らしてこそはいなかったのだが、お尻ちゃんのリップサービスにより(どんなサービスじゃ)屁が濃厚なうんこ臭に変わっていた。
突然「あー暑いなぁ」窓全開 うん、真冬である。
「UFOどこ?」みんなは一向に見当たらないUFOをまだ探していた。
きみ子はさり気なく囁く「あっ、さっき星に帰ったよ」と。
ブゥーン 車から見える風景は先程のビルや家が並ぶ都会の景色から、山々や田園広がる風景に変わっていた。
「なんだか自然がこんなにあるって嬉しいな」冬馬君は広がる荘厳な山々に感動している。
「そうだね、これからは自然を大切に生かして欲しいね」運転しながらサーが言う。
「人間が自然を守って生かさないとね」頷くスー
そんな会話をよそに一人歯を食いしばっているきみ子
あー便器は何処じゃーーーーー。
もー限界なんじゃー 今や尻の穴から産まれそうであった。 ニョキッ
額から汗を流しながらきみ子は思う、もし今ケツから顔を出して出現したら貴様の名前は糞にしてやるからな!!(だからそれは糞じゃ)
「きみ子、なんか汗凄いけど大丈夫?」隣に座る大喜がきみ子を見る
「全然大丈夫、うんこなんて漏れそうじゃないから」
分かり易いおなご this is kimiko。
こうして、きみ子うんこ漏れそうなんだと異変に気付いた冬馬君と大喜のパーキングに行きたいと言う機転により事なきを得た きみ嬢。
何故かトイレに入る前「全然うんこ出ないけどトイレ一応行っとこう」と念を押して言っていたきみ子に冬馬君と大喜は笑った。
トイレを済ませ、一同はパーキングエリアのフードコートを見ている「軽くなんか食べようか?」スーの提案に「賛成~~~~」
「旅が始まったって感じだね」胸踊らす冬馬君
「うん最高」きみ子も元の元気を取り戻す。
とけたみこと通称スー 蕎麦をすする ズルズルズル
「かはーーっ生き返る(死んどったのかい)」
「あーったまらないカレーは最高サー」カレーを美味しそうに食べる男サー
凄まじい食欲を見せたのは多網ときみ子
きみ子は思う、出た分取り戻すんじゃ~~よほど快便だったのだろう。
見知らぬ場所はなんだか心がウキウキする。ここのパーキングエリア行ったなぁ、あの時あたりは始まったばかりで良かったなぁ、旅行が終わると毎回そんな事を考えてしまう。
食事を終え いざ行かん!!
「もうちょっとで着くよ」
再び車に乗り、車内では泊まる場所を想い今から胸を踊らせている。
「露天風呂がついてるなんてスーいい場所見つけたね」大喜が言った。
「うん、森の中で近くのコンビニまで車で30くらいかかるらしいよ」
「なんだか凄いね」
「星も綺麗に見えるかな」冬馬君は星を眺めるのが大好きだった。広大な空に散りばめられた美しい宝石の様な星々、宇宙の神秘を目の当たりにする。
星を眺めてると、どこか懐かしく心が和んだ。普段住む都会ではあまり見られないからこの旅では星を心ゆくまで眺めてみたかった。
「よーし日々の日常を一旦忘れて心ゆくまでリラックスして楽しもう」そんなサーの言葉に一同が声をあげる。
「おーーーーっ」 あーっワクワクする。
目の前に広がる山々の連なる風景に、あー旅行に来たんだなぁとしみじみと感じた。
こんな景色と出会わさせてくれてありがとう。そんな気持ちが浮かぶ。
「なんか定番な言葉だけど、自然を見てると自分の悩みなんかちっぽけだよなぁそんな事を思うね」と言ったそばから上司や、うまくいかない仕事を思い浮かべ
小さなため息を漏らし苦笑いサー。ちっぽけになっとらんかった。
良いんだ、良いんだこんな時くらいリフレッシュしようと考えなおす。
生きてる奇跡に酔い知れようじゃないか
きっとなんだってうまくいくさ
木々が伸び伸びと成長している様はそんな事を僕らに思い出させてくれる。
きっとお天道様を信じ、信頼して、あんな大きく立派になったんだ。なんて逞しい信頼なんだろう。
木々はとても立派だ、植物を見るとそんな畏敬の気持ちを覚える。
ありのままの自身を咲き誇る威勢の良さにとても惹かれた。
車が高速道路をおりる。
「まずは鍵をもらいに行かなきゃ」
「あっ、そうなんだ」
「この住所に管理人さんのいる受付の場所あるから来てって言われたんだ」
車はその場所に向かう。
「到着~~、みんな車で待ってる?」
「僕たちも行く」
受付の場所に居たのは優しそうなおばあちゃん
「いらっしゃい」
「こんにちは」
「予約のとけたみさんですね」
「あっ、はいっあだ名はスーです」(どうでもええわ)
「遠い所からようこそ、こちらが鍵です。周りに何もないからとっても静かで良い所ですよ、少し離れたところに町があるからそこで色々買って行くと良いですよ、そこの町には食べる所とかありますから、これが地図です」
「ありがとうございます」
冬馬君は優しそうなおばあちゃんを見て、なんだか自分の婆ちゃんを思い出した。
「みんなも楽しんできて下さいね」
「ありがとうおばあちゃん」
多網が歓迎のすかしっ屁をこいた(やめー)
旅先での出会い、ささいな交流も嬉しかった。
一期一会かも知れない、そんな事を考えると同じ今に生き関われる出会いは奇跡の様だ。
「さて、じゃあその町で必要なもの買ってさっそく泊まる我が家(我が家になっとる)に向かおうか」サーが言った。
「賛成~~」
旅行は始まったばかり、さあどんな珍事 あっ、じゃなかった思い出の数々と出会う事になるやら。
スーはふと思った 素敵な出会いあるかな?と。
あるだろう、沢山の昆虫と。
旅行は続く
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
冬馬君の夏休み
だかずお
青春
冬馬君の夏休みの日々
キャンプや恋、お祭りや海水浴 夏休みの
楽しい生活
たくさんの思い出や体験が冬馬君を成長させる 一緒に思い出を体験しよう。
きっと懐かしの子供の頃の思いが蘇る
さあ!!
あの頃の夏を再び
現在、You Tubeにて冬馬君の夏休み、聴く物語として、公開中!!
是非You Tubeで、冬馬君の夏休み で検索してみてね(^^)v
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
冬馬君の夏
だかずお
大衆娯楽
あの冬馬君が帰ってきた。
今回は夏の日々のお話
愉快な人達とともに
色んな思い出と出会いに出発!!
祭りやら、キャンプ 旅行などに行く
夏の日々。
(この作品はシリーズで繋がっています。
ここからでも、すぐに話は分かりますが。
登場人物などを知りたい場合には過去作品から読むと分かり易いと思います。)
作品の順番
シリーズ1
「冬馬君の夏休み」
シリーズ2
「冬馬君の日常」
シリーズ3
「冬馬君の冬休み」
短編
「冬休みの思い出を振り返る冬馬君」
の順になっています。
冬馬家族と共に素敵な思い出をどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる