冬馬君の秋と冬

だかずお

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『クリスマスデート』

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「さっやぁー」

「あっ あっ 愛してまとぅ」

なにやら、過激な始まりの今回、冬馬君達は今、遊園地に向かう車内である。

車の中では子供達による、スー恋愛大成功作戦指導が始まっていた。

「スーもっとハッキリ喋らなきゃ」きみちゃんが熱くなっている。

「はっ、はいっ」

ニンマリと笑みを浮かべるスー。
クリスマスイブに遊園地に一緒に行けるなんて、僕らはまるで恋人の様だ。 ニンマァーニタァァァア
スーは緊張と嬉しさのあまり舞い上がっていた。
だがそれは、スーだけではない。
冬馬君や大喜も同じ気持ちだった。
清香とアミと一緒に過ごせるクリスマスイブ
こっ、これは恋人同士のデートみたいではないか!!
ヒャー僕らは何て幸せ者なんだ!!
三人は変に意識して緊張している真っ最中なのだ。
一体どうなることやら。

「そう言えばスーは絶叫マシーン大丈夫なの?」冬馬君が気になって聞いてみる。

「僕は乗った事ないよ。あっ、でも別に決して、絶対に怖いから乗らなかったんじゃないからね」

怖いから乗らなかったんだ 冬馬君は思った。

実は冬馬君は絶叫マシーンが大好きなのである、暇な時、色んな遊園地のアトラクションが載っている本を眺めるのが好きなのだ。
遊園地は最高にワクワクする。

「サーはどうなの?」と大喜

「えっ、そっそうだなぁ」一瞬返事を考える。
もし怖いなんて言ったら僕の自画像が濁るかも。
いちいち人に、どう見られ、思われるか一言一句考えるサー。
そんな彼は、考え導き出した出した結果、こう答える。
「絶叫マシーンなんて子供騙しだよ」
サーは感じた、子供達の羨望の眼差しを。
決まった 僕って凄いんだ、格好良くうつっているに違いない。絶叫マシーンを余裕で乗れる勇気ある男その名はサー。自画像はニタリと笑った。

まあ実際は、誰もサーの返事に興味などなく、なんとも思ってないのだが。
多網は鼻くそほじって、ぶっこいていた ブリッ。

「遊園地本当に楽しみ、なんだか前に行ったお化け屋敷思い出しちゃうね」清香が嬉しそうに言う。

「うん、楽しかった」アミも思い出している様。

が、その発言に心臓が震えあがる二人がいた。
サーとスーである。
しっ、しまったぁ 遊園地にはお化け屋敷たるものがあったんだ。

そんな彼らを乗せ、車は進む
ここでサーが粋な計らいをする。
「せっかくのクリスマスだから」ポチッ
車内で流れ始めたのは、クリスマスソング。
クリスマス気分がいっそう盛り上がる、

「クリスマスソング聴くと、クリスマスが来たって感じで毎年嬉しくなるなぁ」清香が言った。

すぐに冬馬君が頷き「本当、なんかワクワクしちゃうんだよね、こないだスーパーに行った時にクリスマスの曲がかかってて嬉しくなっちゃった」

「もう今年もそんな季節かぁ~なんて」頷くきみ子。

あぁ あぁ。
過ぎ去って行く、車外の景色を眺めながら、スーは黄昏れていた。
生まれて40以上の月日が経った。
これらの年月はまるで車外の景色が流れる様に、あっと言う間にも感じられる。
毎年クリスマスソングが流れる季節、僕は部屋にこもり拗ねて泣いていた。
なにがクリスマスだバッキャロー、恋人達が手を繋いで歩いているのを見る度にうつむき、拳を握りしめて家に帰った。
両親が気づかい、家では「今日はクリスマスだね」という様な言葉はスーが30を過ぎた辺りから誰も口にしなくなる。
忘れようクリスマスを ピッ テレビをつけたら恋人がいちゃついているコマーシャルが流れていた。
「あっ」スーのお父さんが思わず出した言葉だったと言われている。

そんな僕がついに生まれて初めて40を過ぎて、クリスマス初デート 待った 待った。
今思う事は、長いっ!!こんなに待ったとは。
でも良いんだ、人生諦めなきゃきっとそれは叶う。
僕は100までは待つつもりでいたんだから。
(100になって付き合って2秒後に他界したら、僕は君の為に祈ろう)。

そんなスーの気持ちを誰よりも理解していたサー。
なんだか今日と言う日がとても嬉しかった。
神様スーの恋愛を成就してあげて下さい、心の中友の為、祈る。

23の時、何も出会いもなく、ほとんどの女子に馬鹿にされ、気持ち悪がられる二人は、こう呟いたと言われている「どうして僕達ダメなんだろうね」

二人は顔を見合わせ笑った。
「ダメで結構コケコッコ~~~~」と。
誰にも理解されなくても僕には君がいると励ましあって来たのだ。

子供達は無論そんな心情は知らないが、スーの人柄の良さ、スーの事が大好きなので全力で応援しているのだ。
スーに初めて会った清香とアミですら「スー私達も応援します、手伝える事あったら言って下さい」

ぬおおっ、なんて頼もしい二人。
「ありがとう、ありがとう清香ちゃんにアミちゃん、会ったばかりのおじさんの為に」

「僕達も応援するよ」

みっ みんな ウルッ
僕はなんて幸せ者なんだ、こんなにも自分を応援してくれる人達がいて。
ああ生きてきて良かった。
辛い時期があったからこそ、理解出来るこのありがたさ。

グッ 勇気が溢れるスー 「みんなー頑張るで~~」

「オーーーーッ」

サーの拳にも力が入る 友よいざ行かん!!
なんだか応援したくなる気持ちがみんなに溢れていた。

車はいよいよ遊園地に到着。
車を停め、入り口の所に向かうと、小夜さんは待っていた。

ドキッ まっ マイガール(スーが自分の世界に入っている)

スーの足がガクガク震えていた。
そんなスーの足に気づいた冬馬君と大喜は、自分の恋愛よりスーが心配になっている。
スー大丈夫かな。

「ほらっ、しっかり」スーの背中をソッと押すサー

「うっうんっ 」

「こ」 多網がまたよー分からん事を言う、一応緊張をほぐしてるつもりらしい。
スーと多網の言葉を足して読むと うんこになる(いちいち解説要らんわ)。

「きみちゃん、スー緊張してるね」清香が言った。

「私達がサポートするしかない」きみ子のおケツに力が入る。 ブリッ(入るとこ違うような)

しかし、デートで子供にこれだけサポートされるスーも凄い。きっと一人じゃ何も出来んかも知れない。
まぁ、それもまたよし。

「みなさん こんにちは」

「あっ どうもです~ こんぎゅちゃ」
あっスーが噛んだった。

一同はとりあえず園内に入る。
「急に誘ってごめんなさいね」

「あっ えっ そんな事ないですよ」照れるスー

出だしは緊張すんだよな、スーの様子を見てそんな事を思う冬馬君は自分と重ね見る。

すると横に清香が。

はひゅ ドキンッ 一気に心臓が炸裂してもうた。
「スー よっぽど好きなんだね」

はヒュッ 清香のその言葉に一瞬ビックリして呼吸の仕方を忘れてしまってむせた。カハッ
自分のこの緊張具合は清香にバレてるんではないか?まさか、清香は自分が清香の事好きだって気づいているのか?必死に気持ちを隠そうとする冬馬君は余計にテンパる。

「ヌェー 緊張してるよね ハハ」ヌェー?なんちゅー返事をしてもうた。ふっ、不自然すぎるだろ自分、やっヤバイ 冬馬君もテンパッていた。

せっかくだし二人きりの空気感を出させてあげようと、サーが微妙に二人と距離を空けて歩いているのだが、この空けている距離がまた微妙な距離感で、ストーカーなんだか、知り合いなんだか、一体何者なんだか分からない変な人の様になっていた。
友達なのか?果たしてちょっと斜め後ろにひっついてる浮遊霊なのか?もーよー分からん状態。
サーもサーで緊張していた、自分はどう言う立ち位置に居れば良いんだと。何も話せない無言で、ちょっと距離を空けて歩く何者かがひっついている様だった。

ここできみ子と多網が急にはしゃぎ出す
「うわぁーあれ乗りたい~~」

チラッ 指差す方を振り向く男二人は腰を抜かしかけた。

なんじゃーあの処刑台は!?(ジェットコースターである)

「あれはまだ、やめた方が良いんじゃない」サーのその言葉に。
スーが小夜さんの前で格好つける為こう言った。
「僕は大丈夫だけど、サーがそう言うなら、やめよう」

カチンッ プライド高きサー、簡単には負けんぞと「いゃあ僕は全然大丈夫だけど、スーが苦手かなって思って」

「あはははやだなサー、僕は大好物だよ」大好物って

「なははは、僕だって福神漬けより大好物さ」
ちなみに彼は別に福神漬けが好きでも嫌いでもない。

両者自爆である

処刑台、じゃなかった ジェットコースターが一歩近づく

「じゃ、みんなで乗りましょう」小夜のこの言葉にもう後戻りの出来なくなる二人。
最後の抵抗「でも子供達が」サーとスーの一言に子供達は「ヒャッホー 乗りたい」みんな大賛成。

爆死

処刑台がサーとスーと抱き合った瞬間である。

列に並び始める一同。
順番が近づく度に、緊張と恐怖により心臓が止まって
しまうんじゃないかと思う二人。
まっ、まじかよ どんな罪状で我々はこのギロチンにかけられるのだ?
これはヤバイ、もっもし失禁したらデートは終わりだ。
ドドドドど っ ドラエモーン まさにドラエモンに頼りたくなる、のび太の心境の二人。(なんの表現じゃい)
いつでも腰が抜けてしまう準備は万端である。
いや、腰ならまだいい、小便とうんこを垂れ流すやもしれぬ。

「前に進んで下さい」店員さんのその言葉に心臓麻痺を起こしかける。
はひゅ、死ぬ~死ぬ~本当に心臓麻痺で死ぬんじゃないか?不安が頭によぎる。
もう全てを投げ出してここから逃げ出してしまおうか? ドキッ ドキ ドキッ 激しく高鳴る鼓動

マッマ~~~~~~~~~~~~~~ッ

子供達も緊張してはいたが、みんな絶叫マシーンが大好きだったので、サーとスーの様に死にそうまでには
なってなかった。

「なんだか緊張するけど、ワクワクする」子供達は話ている。

顔の青ざめているスーを見て小夜の一言
「スーさん大丈夫?なんか顔が青ざめてるみたいだけど」

ビクッ

「やっ、やだなー小夜さん。こんな子供騙しで僕が怖がる訳ないですよ、あーはやく乗りたいなぁ」

小夜は何も言わず、黙ってスーを見ていた。

そして、いよいよ。

「では乗ってからシートベルトをしめて下さい」

テンパリまくるサーは、隣に座る知らない子供に何度も確認している「シートベルトの締め方あってますか?」

子供は思う、うっせーなジジイ 7回もおんなじ事聞くんじゃねーよと。

スーは隣の小夜さんにバレない様に必死に平静を保っている「あー久しぶりに乗るなぁ、子供騙しですよ」足は異常な程ガクガク震えているのだ。
もちろん小夜はそんなスーに気づいている。

「では、いってらっしゃーい」

サーとスーは心の中叫ぶ

マッマ~~~~~~~~~~~~ッ

ガタン ガタン
お決まりの最初ゆっくり、坂を登る始まりである。
サーはまたも隣の知らない子供に聞く「ねぇあの坂のてっぺん登ったら、まさかくだるなんてないよね?ずっと登りつづけるんだよね?」

どんなアトラクションじゃい、子供は思う。
その質問を6度程繰り返された子供はキレた。

「あの坂をくだる時、おっさんのシートベルトが外れるんじゃい」どんな子じゃい。

が、それを聞いたサーが大パニック
「あなになさよねにやはきたらゆなかならわやぬをやなやらりやなてらやなかなはゆはなやりやにねらゆやによなやら、らなやらゆらやかたのやなにやをやなよよやら、やな」らわやなやややにや。やなのゆわにやわゆなやゃにゆにたやははよなまゆならよ」
どうやら気が触れてしまったみたいだ。

ビックリする子供達
「どうしたのサーー?」

が、誰よりも驚いたのは横に座っていた子供だろう。
彼はもはやジェットコースターより、この隣に座る得体の知れないおっさんが一番怖かった。

サーの恐怖は連鎖する

後ろに座っていたスーも「はなやまにらやなたやわによわやにねょなはにやらはこゆひにはよなはゆたはゆぬゆはら、やぬゆらはなゆたなはよたなはらねゆかやなやなやかはらやにさやさやさやさやかさりな」

ギョッ 

その子は泣いた「マッマ~~化け物が出た~~」
子供は思う、何故ジェットコースターに乗ったのに自分は化け物~~と叫び泣いているのだと。

一体どうしたんだ二人は?
そんな疑問もつかの間。

時は来たる

頂上到着です。

ジェットコースターは突如急降下

「きゃあああっ」 「ヒャッホー」
普通はこんな感じだろう。

だが生きるゾンビたちは、白目を向き、足と手をパタつかせこう言った。

「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ アッハッハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ~~」

「マッマ」

子供は泣いている「ジェットコースターにゾンビが出た~~お化け屋敷に入った訳じゃないのに~~どうしてー?」と。

ようやく終わった時

「お客様しっかりして下さい、大丈夫ですか?」

スタッフに担いでもらいベンチでようやく目を覚ます二人

「あれっ?ここは天国?地獄?」
その様子に一同がようやく安心して、笑い出す。

「サー、スー大丈夫?」

「えっ、大丈夫? ここはどこ?私は誰?」

そこまでかい!!

ようやく事の成り行きを思い出す二人。

すぐに自己の自画像復帰を試みる。
「あーよく寝たねサー」

「あー本当、あんまり絶叫出来なかったから寝ちゃったよ」

皆はズッコケタ。

こーして、とりあえず遊園地デートは続いて行く。

だが、この時誰も気づいていなかった。

なんだか冷めている様な表情を浮かべる小夜の姿を。



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