冬馬君の夏休み

だかずお

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夏休み最後の夜への巻

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一体何なんだこの悲鳴は?

四人は声が聞こえる方に恐る恐る、向かって行く。

それは一つの檻の周辺での、人々の騒ぎ声だった
その檻に近づいて行った時、ちょうど冬馬君の目の前を黒い物体が通る

「まっ、まさか?」

「これって多網が言ってた、ウンコ投げる猿?」

「まさか本当に実在するとは?」
その後も、悲鳴と黒い物体が何度も飛んで来たので、四人は走ってその檻から逃げた。

途中、頭のうえを黒い物体が何度か飛び交ったが、みな無事だった。

「アハハ本当に居たよ」冬馬君と大喜は大笑い。

清香達も、自然公園に向かう途中この話を聴いていたので、本当にこんな猿が居たのかと笑っていた。

四人は動物コーナーも、一通り全部見終えたので、自然公園から出る事に。

「楽しかったね」清香達が言った。
それを聞いて冬馬君達は嬉しい気持ちになる。
時間はもうすぐ16時になる所だ。
「四人で過ごすの楽しいね、あっという間に夕方かぁ」アミが言った

「うん、面白かった」大喜は積極的に、アミと話をするようにしていた。

歩きながら何となく、二人と二人の会話になっていた。
冬馬君の胸のドキドキは急に高まってきている、隣に立って、見る清香の横顔も本当に素敵だった。
清香の横顔は、本当に自分が今夢の中に居る様な、そんな気分にさせた。

夏休みの初めの、キャンプの出会い
今思い出しても、本当に胸が何とも言えない不思議な気持ちになる

本当に出会えて良かったと、冬馬君は思っていた。
この説明出来ない不思議な気持ち。

「キャンプに花火、色々面白かったね」清香が言った

「うん、最高だった 夏休み面白かったなぁ」
冬馬君は青空を見上げた。雲がポツポツあるくらいで綺麗な海の様な色をした空だった

本当に最高の夏休みだったなぁ。

冬馬君にとって、特に今年は特別な夏休みの様に感じた
駅に行く途中にゲームセンターを発見。
「あっ、そう言えばプリクラを撮って多網に見せたいね」と大喜が冬馬君に囁く。

「それ良いね」冬馬君も頷いた

「でもどうしようか?」

そんな話をしていたら向こうから、清香達が記念にプリクラ撮ろうと声をかけてきてくれた。
二人は喜んで、写真機に向かう。
本当に良い思い出になった。

そしていよいよ、お別れの時
「本当に楽しかった ありがとう」と清香

「また、計画たてて何処か行こう」アミが言った

「うん、もちろん 今日はありがとう」

「また、遊ぼうね」冬馬君達は何だか名残惜しそう。
別れる時は少しだけ寂しかった。

会ったばっかりの時は、今日これから一緒に過ごせるんだと嬉しく
別れ際の時はちょっぴり寂しい。
二人は清香達が見えなくなっても、いつまでも改札に立っていた。

「面白かったね、大喜そろそろ行こうか」

「うん」

終わってみると、二人は何だかやり遂げた感みたいなものも感じたりしていた。
そして、嬉しくて少し興奮していた。
こうやって友達になり、また会える様な関係になった事が二人はとにかく嬉しかった。
家に帰るとさっそく、冬馬君達は多網に電話をする

電話口には多網が出た「もしもし多網 冬馬だよ」

多網は以外な電話に驚いた様子だった。
「夏休みも、もう終わるし最後に今から泊りに来ない?」

多網は即答だった

「行く」

冬馬君と大喜は喜んで飛び跳ねている
「多網即答だったよ」

「よっぽどさみしかったのかなぁ」と大喜が笑う。

今二人の心は晴れ晴れしてた。清香達に会った直後だったからかも知れない

「でもこれから多網も来るなんて最高だね、まさか夏休み中に、また会えるとは思わなかったね」冬馬君は言った

二人は、今日の出来事を早く多網にも報告したかったのだ。

するとリビングの方から正子の声が「多網も来るって?もし来るなら夏休みも もう終わりだし、みんなで何処か食べに行こうか?」

「やったー行く」二人は喜んだ

二階の部屋で暫く大喜と話ていると、玄関のチャイムが鳴る

多網だった

多網ずいぶん来るのはやいなぁ、よっぽど僕たちに会いたかったのかなぁと、思い嬉しく笑った。
「多網良い話があるよ、今日みんなで食べに行くってさ」

多網はニカッと笑う。
そして、みんなで、さっそく二階にかけあがる。
「夏休み中に、また会えるとは」大喜がそう言い微笑んだ

「デートどうだった?」多網がポツリとつぶやく、二人の動向が気になっていた模様

「最高だったよ、自然公園行ったんだけど本当に、あの猿いたよ」と冬馬君は多網に報告した。

それを聞くと多網は、腹を抱えてケラケラ笑い出した
「しかし、はぁ、さっきまで横に清香が居たんだなぁ」と冬馬君は軽くタメ息をつく

それを見て大喜も真似をして
「はぁさっきまで横にアミが居たんだなぁ」と

二人は笑った。

本当に夢の様なひと時

多網は、まだ猿の事でケラケラ笑っていた

下から正子が「パパ駅まで迎えに行くから車のって」

「はあーぃ」

三人は車に向かう
空を眺めて「夏は日が暮れるのが遅かったから沢山遊べて良かったね」と車の中で大喜が空を見上げる。

「うん、みんなの夏の思い出の印象に残った瞬間、今聞かれたらパッと何浮かぶ?」冬馬君が二人に聞いた

「旅行の夜のバー」なかなか渋い多網の答えだった

「うーんパッと思いついたのは四人で行ったお化け屋敷」大喜が言った

「冬馬は?」

「うーん沢山ありすぎるなぁ、キャンプ場での清香と出会った瞬間かな」

みんな期待通りの答えだったので笑い合う

そして暫くして車に正子が乗って来る
「じゃあ、行くよ」

夏休みは、もう明日で終わり

あの嵐の夜から始まった、色んな事があった今年の夏休みも、いよいよ終わり

最後の夜が始まる

さあ、今日はみんなで楽しく過ごそう。


つづく
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