冬馬君の夏休み

だかずお

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清香の友達

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冬馬君は目を覚ます。
周りを見るとまだ真っ暗で、みんな寝ているみたい。
あまりの嬉しさに、全然寝てないのにすぐに目が覚めてしまったらしい。

冬馬君は後ろの清香が気になって、そっと後ろを振り返る

清香はこちら側を顔にして眠っていた。

ああ眠ってる姿も可愛い、左側の黒髪は耳にかかっている

じいっと見ていて目を開けられたら恥ずかしいので目を薄く横に開いては清香の姿を見つめていた。なにをしてるんだ僕はと思いつつも、見惚れてしまっていた。
今でも信じられない、自分が今、清香の家に大喜と遊びに来て泊まっているなんて、冬馬君は緊張のせいなのか、あんまり清香と思う様に喋れないな、などと会話を振り返っては感じていた。

素直に自分の言葉を発せられない

ただでさえ女性と話すのがあまり得意ではなかった冬馬君にとって
好きになった女性と話すのは更に難しいなと感じたりもしていた。

清香が少し動いたので冬馬君は焦って目をつぶる

冬馬君は清香の方を向いて寝続けるのは、何だか気まずさやら、恥ずかしさ、ジッと見ている申し訳なさやらで、出来ないと感じ大喜の方を向いて、また眠りについた。

朝、清香の弟がアニメを観て騒いでる声で目が覚める

大喜も清香も既に起きているようで、大喜は清香の弟とテレビを観ている。

しかし、清香は見当たらない。
冬馬君も本当は、まだ少し眠っていたかったけど、人の家で自分だけ寝てるのは体裁が悪い気がして布団から出て大喜達のほうに行った。

「 おはよう 」一体何時から起きてたの?

大体三十分くらい前からだよ、大喜が言った

すると「ご飯作ったよ」短い髪を後ろで一つに結わいた清香とお母さんが言う。

清香は朝食を作っていたのか。
あの髪型も本当に似合っている。冬馬君は、また胸がドキドキした
。朝食はパンにスクランブルエッグ

いただきま~す

冬馬君は、実は寝起きで、ご飯をすぐに食べられないタイプだったが、まだ要らないとはもちろん言えず。
それでも清香が作ったと思うと、あまりわかない食欲も身体の芯から爆発して湧き上がってくる様にも感じるから不思議だ。

実際、食べてみるとやはり食べ物はあまり喉を通らなかったのだが
。でも、朝から清香が朝食を作ってくれた事は嬉しかった。

朝食を食べてから清香と弟が近所を案内してくれる事になり、4人でまずは近くの公園へ。そこには大きな噴水があった。

「夏は暑いからここによく涼みに来るんだ」と清香

4人は噴水の近くに座って水の音に耳を澄ましていた。
こうしているとキャンプの川の流れる音を思い出すね。

4人とも、またキャンプの思い出を懐かしんでいる

「またみんなで何処かに行きたいね」弟が言った

冬馬君はすぐさま、ここぞと言わんばかりに、話をきり出す「今度は二人でうちに遊びに来なよ」

「是非」清香は嬉しそうに笑った。

すると、大喜が急に弟を誘い砂場の方に遊びに行くではないか

冬馬君は思った。
僕の為に、二人っきりにしてくれたんだ。心の中でありがとうと大喜に感謝した。

二人は暫く無言で、噴水の音だけが辺りに響いていた。 もちろんバックでは蝉のコーラスも鳴り響いている。

「本当に会いに来るとは思ってなかったな」

冬馬君は返事に困ったので、関係ない事で話をきりだす
「この辺りとっても良い所だね、うちの近くにもこんな公園あったら良いな」

「ここはこの辺りの子はみんな遊びに来るんだよ」

「そうか」

正直言うと、冬馬君は少しテンパっていた緊張のあまり何をどう喋れば良いのかあまり分からなかった、すごくぎこちなくなってしまう。
自分の不甲斐無さにちょっとヘコんだりもしていた。

その後、大喜が一人戻ってくる

「あれ清香の弟は?」

「それが、みたいテレビアニメやってるの思い出して走って帰っちゃった」

「それ良くあるパターンだから」と清香が笑っている

すると 

「清香」

後ろから声がした

「アミちゃん」

どうやら清香の友達のようだった

「私のクラスメイトの親友のアミちゃん、こちらは私の友達の冬馬君と大喜君」

よろしく、 みんな軽い挨拶を交わす、暫く清香とあみは二人で話していた。

すると急に後ろから上着のシャッを引っ張られる、振り向くと

「おいっ冬馬」

大喜だった。

「どうしたの?」

「俺、あの子に惚れた」

そこには顔を真っ赤にした大喜が立っていた。

冬馬君は無性に嬉しくなった、何故か?
自分の仲間が増えた様で嬉しかったのだ。

しかも自分の好きな子の友達

二人は小さい声でヒソヒソ話をするように、これからどうするか作戦会議の様なものを開いた、

二人共ワクワクと緊張の真っ只中だ、まさかの展開。

蝉達はいつもと変わらず、相変わらず命を込め一生懸命、鳴いている


さてさてどうなる事やら、二人の心は目の前の女の子達に夢中であった。

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