冬馬君の夏休み

だかずお

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清香の家に行くの巻

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その夜は明日会えると言う嬉しさと 、緊張で中々 寝付けなかった。

やっぱ辞めようか、行こうかと決心は、ぐらついていたが、やはり行く事にした。

初めて1人で乗る電車でもあり、会ったら何を言おうかとか、頭の中で色々シュミレーションしたりしてた。

嬉しいんだけど、それだけじゃない。
好きな人に会うのに何だか不思議な気持ちだなぁ。

大喜も誘おうかと思いつき、明日電話することにした。それなら1人より行きやすい、もう大喜は事情も知ってるし うん、そうしよう。

翌日、朝起きてしばらくしてから冬馬君は大喜の家にさっそく電話

「もしもし大喜いる?」

電話口に大喜がでる

「もしもし大喜今日暇?、もし大丈夫だったら一緒に探検行かない?」

「おもしろそうだね行こう」
「これから冬馬家に行くよ、そうだ、またついでにそっち泊まり行っても良い?」

冬馬君は喜んだ、また二人で色々出来る

「いいよ、最高」

冬馬君は何処に何しに行くかは、伝えなかった

今日も夏、真っ最中 晴天である、とても暑い日、まさに夏日なり。

しばらくして、大喜が到着

「じゃ出発しようか」

「何処に行くの?」

冬馬君が事情を話すと大喜は興奮した。冬馬よく行く事にしたな!

よっぽど好きなんだ、と大喜は思った。

「じゃ 行こう」

大喜は何度も電車を使った事があったから詳しくて助かった。
何だか二人で電車乗って知らない所に行くのワクワクするね

景色を眺めてると段々見たこともない景色になってきた。
それが楽しくもあり無事帰れるかなと不安でもあった。

「大喜、よく行きかた分かるね、誘って良かったよ1人じゃ不安だったな」

「まあね任せてよ」大喜は得意げに笑う。

「でも別に会って告白する訳じゃないんでしょ?」

冬馬君の顔は赤くなった

「別にそこまでは考えてないよ、ただ会いたくて」

ガタン ゴトン ガタン ゴトン

電車はどんどん清香の家に近づいて行く

冬馬君は近づくにつれて緊張してきていた。

「冬馬、次の駅で電車乗り換えなきゃ」

さすが大喜よく分かっている

「分かった」

二人は、見知らぬ駅のホームで電車を待っている。
静かでのどかなホーム。

大喜は何事もないように景色やらを見て遊ぶのを楽しんでいたが、冬馬君の心境は違っていた。
胸のドキドキが抑えられず緊張はピークに達している。

ああ、今 この瞬間世界にはいろんな人がいるんだなぁと突然思った。
前にいる人は仕事場に向かってるようだし 家でノンビリテレビ観てる人もいるだろうし
自分みたいにこんなに今ドキドキしてる人はいるんだろうか?
はやくノンビリ部屋でくつろいでる心持ちになりたい、そんな事も考えていた。
好きな人に会いに行くのに変な感じである。

そして静かなホームに電車が来た。

「冬馬電車来たよ」

大喜の声がいつも以上に心臓に響いて聞こえた。ああ、ドキドキがとまらない。

電車に乗ったらいよいよ、次降りるホームは、清香の家の最寄り駅である。

大喜は一体どうなる事かとワクワクでたまらない。
あのキャンプ以来の再開を楽しみにしてた。

冬馬君は、というと固まっている

大喜はそれを見て笑っていた。

「しっかりしろよ、もう着くよ」

そして、いよいよ到着

ついに清香の住んでいる最寄り駅に着く二人

そこは先ほどの駅よりもひらけていて、活気のある駅だった

「結構おおきな街だね」
紙に書いた住所を探しながら言った。

「住所みて家分かる?」

全く分からなかった。
一応電話番号も書いてきたが電話をしようか戸惑っている。

「交番に行って道聞いてみよう」

交番に行くとお巡りさんは分かりやすく説明してくれた

「ここからそんな遠くないよ歩いて10分くらいだよ」

教えてくれた通りに向かい歩いていくと遂に、ここかなという場所を発見、苗字の書いてある札を見ると同じだった。

「ここだ」

「どうする冬馬?」

おかしい昨日あれだけ頭でシュミレーションしたのに何一つ言葉が出てこなかった 。

何て言おう???

冬馬君は大喜に近くまで来たから寄ってみたという事にしようと提案する。

「分かった」

ついにチャイムを鳴らす事に。

ピンポーン

この瞬間、何とも言えない感じがした
まるで時が流れていないよう、会いたい反面、居なくて留守でも良いかなと思ったりもした。
緊張はピークである。

すると 「はい、どなたですか?」

「あっ、あのう、こないだキャンプ場で知り合った冬馬ですけど」

冬馬君は、この瞬間、自分が何かとんでもない恥ずかしい事をしてる様に思った。
たまたまキャンプで会って、それからあまり日も空けず、急に家を訪れている、変じゃないか?
まさに穴があったら入りたいという心境になったのだ。

「あらっ、まあこないだの今開けますね」

家の中から清香のお母さんが出て来た。後ろから清香の弟も嬉しそうに飛び出て来る

「あっ、冬馬兄ちゃんに大喜兄ちゃんだ」

この瞬間、冬馬君は救われた様な気持ちになった。ありがとうそんなに喜んでくれて。

大喜もそれを見て嬉しかった。

「こないだはどうもありがとう、どうぞあがって」

「すいません急にお邪魔しちゃって」

「あれっ慎司は?」清香の弟は言った

こないだのキャンプでは慎司と随分仲良くなっていたからなぁ

「今日はいないんだ」冬馬君が言った。

「そっかあ」

冬馬君は今にも玄関の中から清香が出て来そうでドキドキしている

するとお母さんが「今、清香は友達の家に行っててじきに帰ってくると思う」と言った。

冬馬君と大喜は家にあげてもらって、洋間に通されるとすぐに清香の弟が沢山のおもちゃを持って来て遊ぼうと言ってきた。

お菓子などをもらい、三人は楽しく遊んでいる

冬馬君は、まだ来ないかなと清香が帰ってくるのを待っていた。

ここまで来てしまったら

思う事は会いたいである

段々、日も暮れ始め時刻は夕方になっていた。
自分は、何とも大胆な行動に出たなぁ、そんな思いが、何度も頭によぎる。

「おいっ、冬馬そろそろ帰らないと心配するよ」

「そうだね何も言って来てないし仕方ないそろそろ帰ろう」


その時、家のチャイムが鳴った。

「ただいま」

清香の声

冬馬君の心臓の鼓動は高まり、今にも胸が張り裂けそう そんな感じだ。
またも呼吸の仕方を一瞬忘れた ごふっ
それを見ていた大喜「大丈夫かよ冬馬」苦笑いだ。

部屋のドアが開き

「あっ、久しぶり」

そう言って清香はこちらの顔を見てニッコリ笑ったのであった。

この笑顔 これで全ての苦労が吹き飛んでしまう

「元気だった?」

冬馬君の、ぎこちなさに大喜は笑いそうだ

「うっ うん、夏休みを楽しく満喫してる」

「今日はどうしたの?」

冬馬君は、一瞬言葉に詰まって何と言おうか迷っていた。

その時、お母さんがちょうど入って来て「二人共夕飯作ったから食べていってよ」と言ってくれた。

清香と弟は、やったあとまだ一緒に居れる事を喜んでくれた。

冬馬君も大喜も、もちろん居たかったがさすがに暗くなってから二人で帰るのも不安だったので帰ろうとしていた。

そしたらお母さんが
「二人とも夏休みでしょ、せっかくだし泊まっていったらどお?」

「本当ですか?」
冬馬君も大喜も清香達も予想外の展開に一同大喜びだった。

私が家に電話してあげるから

「ありがとうございます」

冬馬君は最高の気持ちであった、もちろん大喜も

かくして清香の家お泊り会が始まる

子供達は皆、喜び大はしゃぎだった

さあ何やら楽しくなってきた。

一体どうなることやら。
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